訪問リハの診療未実施減算は「診察・計画書・説明・記録」の整合性で判断します
訪問リハの診療未実施減算は、単に「訪問リハを実施したか」ではなく、医師の診察、リハビリテーション計画書、説明・署名、カルテ記録が矛盾なくつながっているかで確認します。この記事では、診察日がずれた場合や計画書更新で迷う場面を、対象・対象外・監査で見られる記録の視点から整理します。
訪問リハの診療未実施減算とは
訪問リハの診療未実施減算は、リハビリテーション計画の作成に関わる診療が適切に行われていない場合に問題となる減算です。
現場では「訪問診療を受けているから大丈夫」「計画書を更新したから大丈夫」と考えがちですが、監査では診察日、計画書作成日、説明日、署名、カルテ記録の整合性まで確認されます。
つまり、確認すべきなのは単独の日付ではなく、診察から計画書、説明、記録までの流れです。
減算対象として確認したいケース
減算対象として確認したいのは、診察・計画書・説明・記録のどこかが抜けている、または日付の整合性が崩れているケースです。
| 確認項目 | 起こりやすい状況 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 診察 | 診察日が確認できない | 計画書作成に必要な診察があるか |
| 計画書 | 作成・更新が遅れている | 診察日との順序に矛盾がないか |
| 説明・署名 | 説明日や署名が不明 | 利用者・家族への説明記録があるか |
| カルテ記録 | 記録内容が一致しない | 実施記録と計画書が連動しているか |
対象外として整理しやすいケース
診察日が予定からずれた場合でも、理由と対応が記録されていれば、直ちに減算対象と判断するのではなく、経過を整理して確認します。
例えば、祝日、利用者の体調不良、入院、医師都合による日程変更などは、訪問リハの現場で実際に起こりやすい場面です。重要なのは、ずれた事実そのものよりも、なぜずれたのか、いつ修正したのか、計画書や説明記録と矛盾していないかを残すことです。
診療未実施減算の判断フロー
迷ったときは、診察日だけを見ずに、計画書、説明・署名、記録まで順番に確認します。

療養病棟や訪問リハの実務では、制度そのものよりも「記録上のつながり」が抜けやすいです。診察、計画書、説明、記録を別々に確認するのではなく、1つの流れとして確認すると整理しやすくなります。
よくある勘違い
よくある勘違いは、診察・計画書・説明のどれか1つだけで要件を満たしたと考えてしまうことです。
| 勘違い | 確認したい視点 |
|---|---|
| 訪問診療があれば問題ない | 計画書作成に必要な診察として整理できるか |
| 計画書を更新すれば問題ない | 診察日・説明日・署名と整合しているか |
| 電話確認だけでよい | 正式な診察・情報提供として扱えるか |
| 説明は後日でもよい | 説明日と署名日が記録として残っているか |
監査で見られるポイント
監査で見られやすいのは、制度を理解しているかよりも、日付と記録に矛盾がないかです。
| 確認項目 | 見られやすい内容 |
|---|---|
| 診察日 | 計画書作成に必要な診察が確認できるか |
| 計画書 | 作成日・更新日が妥当か |
| 説明記録 | 説明日・署名日が残っているか |
| カルテ | 訪問リハ実施記録と計画内容が一致しているか |
| 会議記録 | 必要な共有内容が記録されているか |
現場の詰まりどころ
現場で詰まりやすいのは、制度上の理解ではなく、スケジュール変更後の記録整理です。
訪問リハでは、利用者都合、祝日、入院、主治医の予定変更などで、診察日や説明日がずれることがあります。このとき、誰が見ても経過を追えるように、変更理由、再調整日、説明日、署名日を同じ流れで残しておくことが重要です。
実施計画書の監査対策をあわせて整理したい場合は、リハ実施計画書の監査対策も参考にしてください。
減算回避チェックリスト
減算回避の基本は、診察・計画書・説明・記録を別々に確認せず、時系列で確認することです。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 診察 | 計画書作成に必要な診察がある |
| 計画書 | 診察に基づいて作成・更新されている |
| 説明 | 利用者・家族への説明日が残っている |
| 署名 | 署名日が記録と矛盾していない |
| カルテ | 訪問リハ記録と計画内容が連動している |
よくある質問
診察日が少しずれただけでも減算対象になりますか?
診察日がずれた事実だけで判断するのではなく、ずれた理由、再調整の経過、計画書・説明・記録との整合性を確認します。理由と対応が記録されているかが重要です。
訪問診療を受けていれば診療未実施減算は避けられますか?
訪問診療の有無だけでは判断できません。リハビリテーション計画の作成に必要な診察・情報提供として整理できるかを確認します。
計画書を更新していれば問題ありませんか?
計画書の更新だけでは不十分です。診察日、説明日、署名、カルテ記録と矛盾していないかを確認します。
監査前に最低限確認するならどこですか?
診察日、計画書作成日、説明日、署名日、訪問リハ実施記録の5点を時系列で確認します。
次の一手
訪問リハの診療未実施減算は、制度名だけを覚えるよりも、診察・計画書・説明・記録を一連の流れで確認することが重要です。次は、監査対策と算定日数の整理もあわせて確認しておくと、実務で迷いにくくなります。
参考文献
- 厚生労働省. 令和6年度介護報酬改定における改定事項について. https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001213182.pdf
- 厚生労働省. 訪問リハビリテーション. https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001123920.pdf
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を運営。医療機関・介護保険領域・訪問リハの現場経験をもとに、制度・評価・記録・実務運用を発信しています。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士

