院内感染対策の施設基準まとめ|加算自己点検と運用

制度・実務
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感染対策の施設基準とは?|PT/OT/ST が「点検→改善」まで回すための実務ガイド

感染対策の施設基準は、院内感染を減らすための「仕組み(体制・手順・研修・記録)」を整えるルールです。現場では「委員会や指針はあるが、リハ部門として何を点検すればいいか分からない」「研修や記録が散らばり、監査前に慌てる」ことが起きやすい領域です。

本記事は、PT/OT/ST がブレずに動けるように、① 5 分で回る点検フロー② 施設基準(体制・研修・記録)の要点③ 加算(感染対策向上加算/外来感染対策向上加算)の自己点検④ よくある失敗と回避策⑤ すぐ使える A4 チェックシート PDFの順で整理します。

施設基準で見られる「3 つの柱」|体制・研修・記録

感染対策の施設基準は、個人の頑張りではなく「誰が」「いつ」「何を」「どこに残すか」を定義して、再現性を担保する仕組みです。点検は難しく見えますが、実務は体制(委員会・担当・指針)研修(年 2 回以上を軸に計画と記録)記録(サーベイランス・アウトブレイク対応・改善ログ)の 3 点に分解すると迷いが減ります。

リハ部門は「患者接触が多い」「物品・環境(ベッド、車椅子、訓練器具)の共有が多い」ため、標準予防策や PPE の実装だけでなく、研修の受講率・手順の遵守・記録の残り方まで含めて関与するほど、現場の事故(うっかり・抜け)を減らせます。

5 分フロー|監査前でも迷わない点検の順番

現場で詰まるのは「何から見ればいいか」の順番です。まずは点検の順番を固定し、足りない箇所だけを改善する運用にします。

  1. 体制:委員会(開催実績)/担当(ICT など)/指針(最新版)を 1 か所に集約
  2. 研修:年間計画と実施記録(開催日・対象・参加・要約・評価)を確認
  3. 記録:サーベイランス結果→フィードバック→改善のログがつながっているか確認
  4. 加算:自施設の区分(加算 1–3、外来)を確認し、該当要件の「証拠(エビデンス)」を点検
  5. リハ部門:物品・環境・動線・PPE・中止基準(感染流行時)を部門ルールとして明文化

要点早見表|「何を」「どこまで」「何で証明するか」

点検は「要件」と「証拠(記録)」が 1 対 1 でつながっているかが重要です。まずは最低限の粒度で、早見表を使って抜けを見つけます。

感染対策の施設基準:点検項目と証拠(記録)の早見表
領域 点検ポイント 証拠(残すもの) リハ部門の具体
体制 指針/委員会/担当者(ICT 等)が明確 指針(最新版)、委員会議事録、役割表 部門代表の連絡経路、物品管理の責任分担
研修 年 2 回以上を軸に計画→実施→評価 年間計画、出席、資料、理解度・評価 PPE、器具の清拭、患者対応(動線)の訓練
記録 発生状況→分析→改善が循環 サーベイランス、改善記録、再点検結果 共有器具の清拭ログ、隔離時の提供方針
加算 区分(1–3/外来)に応じた要件を満たす 届出資料、連携記録、カンファ参加記録 リハ実施可否・中止基準、代替手段の明文化

現場の詰まりどころ|「見ているのに抜ける」ポイントを先に潰す

感染対策は「ある・やっている」だけでは不十分で、証拠(記録)として残る形にできていないと監査で詰まります。まずはよく詰まる箇所へショートカットします。

感染対策向上加算/外来感染対策向上加算|自己点検の考え方

加算の自己点検で重要なのは、まず自施設がどの区分(加算 1–3、外来)に該当するかを確定し、該当要件の「証拠」を集約することです。点数や細目は改定で変わるため、現場では要件→証拠→改善の流れを固定しておくと、更新があっても崩れにくくなります。

制度資料は、院内に持ち込んだコピーが散らばると更新漏れが起きます。参照元は公式資料(厚労省の改定概要・通知)に寄せ、院内の運用資料は「最新版がどれか」が一目で分かる置き場所を作るのがおすすめです。

A4 印刷用|感染対策 施設基準チェックシート(PDF)

現場では「確認したつもり」が起きやすいので、自己点検は紙 1 枚に落とすのが最速です。下の PDF は、委員会・指針・研修・サーベイランス、加算(感染対策向上加算/外来感染対策向上加算)と、リハ部門の確認まで 1 枚にまとめています。

A4 記録シート(印刷用 PDF)

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回避の手順(チェック)|「証拠が残る形」に整える

監査前に慌てる原因は「やっているが、どこに残っているか不明」です。点検は次の順で、置き場所形式を先に固定します。

  1. 最新版の置き場所を決める(指針、委員会資料、研修資料、改善ログ)
  2. 委員会:開催日・出席・議題・決定事項・次回アクションを 1 枚で残す
  3. 研修:年間計画→実施→評価(理解度・参加率)まで 1 セットで保管
  4. サーベイランス:結果だけで終わらせず、フィードバックと改善(再点検)までつなげる
  5. リハ部門:器具清拭、隔離時の提供方針、動線、PPE のルールを部門手順として明文化

よくある失敗|NG→OK に直す最短ルート

「ある」「やっている」だけだと、属人化と更新漏れが残ります。失敗をパターン化し、対策を固定すると強いです。

感染対策の自己点検:よくある失敗(NG)と回避策(OK)
よくある NG 起きること OK(回避策) 記録ポイント
指針が複数版で散在 最新版が不明、更新漏れ 最新版の置き場所を 1 か所に固定 改訂日、改訂履歴、周知日
研修の「実施」だけ残す 理解度や改善につながらない 計画→実施→評価(理解度)を 1 セット化 参加率、要点、評価、次回改善
サーベイランスが結果で止まる 改善が回らず同じ課題が残る 結果→分析→対策→再点検まで 1 本化 対策の担当、期限、再点検日
リハ物品のルールが口頭 人が変わると崩れる 部門手順(清拭、動線、PPE)を文書化 清拭頻度、担当、例外対応

参考資料(公式)

次の一手|運用を整える→共有の型→環境の詰まりも点検

教育体制・人員・記録文化など“環境要因”を一度見える化すると、次の打ち手が決めやすくなります。

チェック後に『続ける/変える』の選択肢も整理したい方は、PT キャリアナビで進め方を確認しておくと迷いが減ります。

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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よくある質問(FAQ)

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感染対策の「施設基準」は、現場では何を見ればいいですか?

まずは「体制(指針・委員会・担当)」「研修(計画→実施→評価)」「記録(結果→改善→再点検)」の 3 点に分解して点検します。要件そのものより、要件を満たしている証拠(どの記録が該当するか)を 1 対 1 で結びつけると迷いが減ります。

リハ部門で感染対策として特に抜けやすいのはどこですか?

共有物品(訓練器具、車椅子、平行棒、評価機器など)の清拭ルールと、感染流行時の提供方針(中止基準、個室対応、代替手段)が口頭運用になりやすい点です。文書化して、誰が見ても同じ判断になる状態に寄せると事故が減ります。

加算(感染対策向上加算/外来感染対策向上加算)は、何から確認すればいいですか?

最初に「自施設の区分(加算 1–3、外来)」を確定し、該当要件の証拠(届出資料、連携記録、研修・会議の参加記録など)を 1 箇所に集約します。点数や細目は改定で変わるため、要件→証拠→改善の運用を固定しておくのが安全です。

監査前に最短で整えるなら、どこを優先すべきですか?

「最新版の置き場所(指針・委員会・研修・改善ログ)を 1 か所に固定」→「研修記録を計画→実施→評価で揃える」→「サーベイランス結果を改善・再点検までつなげる」の順が最短です。足りない箇所だけを改善し、全体を作り直さないのがコツです。

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