認知症ケア加算1・2・3の違い|2026年度の点数・施設基準

制度・実務
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認知症ケア加算1・2・3の違い|2026年度は体制と点数で比較する

認知症ケア加算1・2・3は、単純に「1が上位、3が下位」と考えるのではなく、自院にどの認知症ケア体制を整えられるかで確認する区分が変わります。2026年度は、加算1が186点/39点、加算2が115点/31点、加算3が47点/13点です。また、身体的拘束を実施した日は所定点数の100分の20に見直されました。

この記事では、認知症ケア加算1・2・3について、点数、認知症ケアチーム、専任医師・看護師、病棟の研修看護師、身体的拘束実施日の扱い、届出様式まで比較します。届出を検討するときに、自院ではどの区分の施設基準を確認すべきかを整理できる構成です。

結論|加算1・2・3は中核となる体制が違う

加算1は多職種による認知症ケアチーム、加算2は専任の常勤医師または専任の常勤看護師+病棟体制、加算3は病棟の研修看護師を中心とした体制が大きな違いです。

認知症ケア加算1・2・3の点数・体制・届出様式の2026年度比較図
図:認知症ケア加算1・2・3の違い|2026年度の点数・必要体制・届出様式

特に迷いやすいのは加算2と加算3の違いです。どちらも原則として対象となる病棟に所定の研修を受けた看護師を3名以上配置しますが、加算2では、これに加えて要件を満たす専任の常勤医師または専任の常勤看護師を配置します。

認知症ケア加算1・2・3を比較|2026年度の点数・施設基準

2026年度の違いを、届出区分を判断するときに重要な項目へ絞って比較します。

認知症ケア加算1・2・3の2026年度比較
比較項目 加算1 加算2 加算3
14日以内 186点 115点 47点
15日以上 39点 31点 13点
中核となる体制 多職種による認知症ケアチーム 専任の常勤医師または専任の常勤看護師+病棟体制 病棟の研修看護師を中心とした体制
専任医師・専任看護師 認知症ケアチームの構成要件あり 専任の常勤医師または専任の常勤看護師を配置 加算2と同じ専任配置要件はない
病棟の研修看護師 各病棟1名以上の配置が望ましい 原則、対象となる各病棟に3名以上 原則、対象となる各病棟に3名以上
ケア体制 チームによるカンファレンス・病棟巡回・助言 専任医師または看護師が実施状況を把握・助言 研修看護師を中心に病棟で手順・研修を運用
2026年度の追加要点 認知症ケアチームと病院管理者等の責任者が協働して身体的拘束最小化を推進 ― ―
身体的拘束実施日 所定点数の100分の20に相当する点数で算定
届出様式 様式40の10 様式40の11 様式40の11

この表で最初に確認したいのは、点数よりも「誰を配置し、どの単位で認知症ケアを運用するか」です。実際の届出では、職員の資格・研修・勤務状況などを施設基準と照合して判断します。

認知症ケア加算1|多職種の認知症ケアチームが中核

加算1は、認知症ケアに係る専門知識を有する多職種チームを院内に設置し、病棟を横断して支援する区分です。

認知症ケアチームは、認知症患者の診療について十分な経験を有する医師、所定の経験・研修要件を満たす看護師、退院調整経験のある社会福祉士または精神保健福祉士などで構成します。患者の状態に応じて、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士が参加することも望ましいとされています。

チームは、認知症患者のケアに関するカンファレンスを週1回程度開催し、週1回以上各病棟を巡回して、ケアの実施状況の把握や病棟職員への助言を行います。

2026年度は病院管理者等との協働が追加された

2026年度改定では、加算1について、認知症ケアチームと病院管理者等の責任者が協働し、組織内で統一した身体的拘束最小化の取組を推進することが明記されました。

したがって、加算1を検討するときは「チームを作れるか」だけでなく、チームの活動を病院全体の身体的拘束最小化へつなげられる体制まで確認する必要があります。

認知症ケアチームの構成職種や施設基準を詳しく確認したい場合は、認知症ケアチームの施設基準で整理しています。

認知症ケア加算2と3の違い|専任医師・看護師の配置が境界

加算2と3を分ける大きなポイントは、加算2に「専任の常勤医師または専任の常勤看護師」の配置要件があることです。

加算2|専任者+病棟ごとの研修看護師

加算2では、認知症患者の診療について十分な経験を有する専任の常勤医師、または認知症看護の経験・研修要件を満たす専任の常勤看護師を配置します。

さらに、原則として対象となる全病棟に、認知症患者のアセスメントや看護方法等に係る適切な研修を受けた看護師を3名以上配置します。

このうち3名のうち1名については、所定の研修を受けた看護師が実施する院内研修の受講によって要件を満たす取扱いがあります。専任医師または専任看護師は、病棟における認知症ケアの実施状況を定期的に把握し、必要な助言を行います。

加算3|病棟の研修看護師を中心に運用する

加算3も、原則として対象となる全病棟に、認知症患者のアセスメントや看護方法等に係る適切な研修を受けた看護師を3名以上配置します。

一方で、加算2に規定されている「専任の常勤医師または専任の常勤看護師」の配置は、加算3の施設基準にはありません。

加算3では、病棟の研修看護師を中心として、身体的拘束の実施基準や鎮静を目的とした薬物の適正使用等を含む認知症ケアの手順書を院内で活用し、病棟看護師等に対して少なくとも年1回の研修や事例検討会等を実施します。

加算2と3で迷ったら:病棟の研修看護師3名以上という共通部分だけで判断せず、加算2に必要な「専任の常勤医師または専任の常勤看護師」を配置できるかを確認します。

2026年度改定で変わった点|点数と身体的拘束の扱い

2026年度改定では、認知症ケア加算1・2・3の点数が引き上げられる一方、身体的拘束を実施した日の評価は100分の40から100分の20へ引き下げられました。

認知症ケア加算の2026年度改定前後
項目 改定前 2026年度
加算1 180点/34点 186点/39点
加算2 112点/28点 115点/31点
加算3 44点/10点 47点/13点
身体的拘束実施日 所定点数の100分の40 所定点数の100分の20
加算1の身体的拘束最小化 今回追加された規定なし 認知症ケアチームと病院管理者等の責任者との協働を明記

院内マニュアルや過去の資料を参照するときは、特に「身体的拘束実施日は100分の40」という旧制度の記載が残っていないか注意が必要です。

身体的拘束を実施した日は100分の20で算定する

2026年度は、認知症ケア加算1・2・3のいずれについても、身体的拘束を実施した日は所定点数の100分の20に相当する点数で算定します。

つまり、同じ患者でも身体的拘束を実施した日と実施していない日では、認知症ケア加算として算定する点数が異なります。算定時には、対象患者に身体的拘束を実施した日を適切に把握する必要があります。

2026年度の注意点:旧制度の「100分の40」ではなく「100分の20」です。過去の記事、院内資料、算定マニュアルを使用するときは改定前の数字が残っていないか確認してください。

また、認知症ケア加算を算定した場合は、せん妄ハイリスク患者ケア加算を別に算定できません。認知症ケアではせん妄リスクの確認と対策も必要になりますが、診療報酬上は併算定不可という点を分けて押さえておきます。

届出様式|加算1は様式40の10、加算2・3は様式40の11

届出様式は、加算1と加算2・3で異なります。2026年度も、加算1は様式40の10、加算2・3は様式40の11です。

認知症ケア加算1・2・3の届出様式
区分 届出様式 主に確認する体制
認知症ケア加算1 様式40の10 認知症ケアチームの構成・研修・勤務状況等
認知症ケア加算2 様式40の11 専任医師・看護師、病棟の研修看護師等
認知症ケア加算3 様式40の11 病棟の研修看護師等

令和8年度の様式は、各地方厚生局が公開する届出一覧から最新ファイルを確認してください。旧年度のWordファイルを保存している場合は、そのまま再利用せず、提出時点の様式へ更新します。

令和8年度の公式様式を確認する

関東信越厚生局|令和8年度 基本診療料の届出一覧

様式40の10・40の11で確認する欄や添付書類を詳しく整理したい場合は、認知症ケア加算の届出様式40の10・40の11をご覧ください。

自院ではどの区分を確認する?|3段階で整理する

認知症ケア加算1・2・3を検討するときは、高い点数の区分から選ぶのではなく、自院の実際の体制がどの施設基準に該当するかを順番に確認します。

  1. 認知症ケアチームを施設基準に沿って設置・運用できるかを確認する。満たせる場合は加算1の施設基準を確認する。
  2. 加算1に該当しない場合、要件を満たす専任の常勤医師または専任の常勤看護師を配置できるかを確認する。病棟側の要件も満たせる場合は加算2を確認する。
  3. 加算2の専任配置要件を満たさない場合は、対象となる病棟に研修看護師3名以上を配置するなど、加算3の施設基準を満たせるかを確認する。

ただし、これは届出可否をこの3項目だけで判断するという意味ではありません。実際には、対象病棟、研修内容、経験年数、勤務形態、手順書、院内研修などを含め、最新の告示・通知・届出様式と照合します。

まとめ|1・2・3の違いは点数より体制から確認する

2026年度の認知症ケア加算は、加算1が186点/39点、加算2が115点/31点、加算3が47点/13点です。ただし、届出区分を考えるうえで重要なのは点数の差ではなく、認知症ケアチーム、専任医師・看護師、病棟の研修看護師をどのように配置できるかです。

  • 加算1:多職種による認知症ケアチームを中核に院内を横断して支援する
  • 加算2:専任の常勤医師または専任の常勤看護師に加え、病棟の研修看護師を配置する
  • 加算3:病棟の研修看護師を中心に認知症ケアを標準化する

また、2026年度は身体的拘束を実施した日の算定が所定点数の100分の20へ変更され、加算1では認知症ケアチームと病院管理者等の責任者との協働も明記されました。過去の院内資料を使用している場合は、2026年度の内容へ更新されているか確認してください。

次の一手|区分を絞ったら施設基準と届出様式を確認する

1・2・3の違いを整理したあとは、自院が候補とする区分について、具体的な人員要件と届出書類を確認します。

参考文献

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定 認知症ケア加算の見直し.2026. 厚生労働省資料
  2. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.2026. 令和8年度診療報酬改定 関係法令・通知等
  3. 厚生労働省.医科診療報酬点数表 A247 認知症ケア加算.2026. 医科診療報酬点数表
  4. 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について.2026. 医科診療報酬点数表に関する事項
  5. 関東信越厚生局.基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定).2026. 令和8年度届出様式一覧

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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