医療 DX 時代のリハ記録・連携ガイド【2026】

制度・実務
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医療 DX 時代のリハ記録は「長文」より「再利用できる項目設計」が重要です

医療 DX が進むほど、リハビリ記録は「書いた人だけがわかる文章」から「多職種で再利用できる情報」へ役割が変わります。結論は、記録量を増やすことではなく、判断に必要な要素を同じ見出しで残すことです。

本記事は「医療 DX 文脈での部門間連携の実装」に特化しています。記録の最小セット(総論)や監査対策(査定・監査)は役割を分け、ここでは「記録→連携→意思決定」を現場で回す手順に絞って解説します。

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2026 年改定の全体像を先に確認する

関連:記録の最小セット(総論)
まず深掘り:監査で通る記録の型(各論)

記録→連携→意思決定の実装フロー

下図は、今回の要点を 1 枚で確認できる概念図です。現場で詰まりやすいのは「連携」の部分で、ここを項目化しておくと、判断の往復を減らしやすくなります。

記録から連携を経て意思決定に至る3段フロー図
図:記録の項目化が連携を経て意思決定の質を上げる流れ(2026 年対応)

この記事で扱う範囲(カニバリ回避のための役割定義)

表:医療 DX 記事群の役割分担(2026 年版)
記事 主テーマ このページとの違い
本記事 医療 DX 文脈での記録連携実装 部門間連携・再利用・意思決定に特化
記録の最小セット(総論) 記録設計の全体像と必須項目 普遍的な記録基盤を扱う
監査で通る記録の型(各論) 査定・監査での記載品質 監査・根拠提示を主目的にする

医療 DX 文脈で変わるのは「共有される前提」の記録です

これまでの記録は、担当者の説明力に依存しがちでした。これからは、他職種・次担当・退院後の支援者が同じ判断に到達できる構造が求められます。

特に、介助量、移動手段、装具、屋内外、段差、疲労・呼吸苦、禁忌は、自由記載に埋めず項目として残すことが有効です。評価と記録の全体像は 評価ハブ でも整理しています。

2026 年に向けた準備チェックリスト

制度詳細の確定前でも、部門運用の標準化は先に進められます。以下は、1 週間単位で着手できる最小セットです。

表:医療 DX 対応に向けたリハビリ部門の準備チェック(成人・2026 年)
領域 チェック項目 未整備で起きること 最小アクション(1 週間)
情報取得 初回介入前に併存疾患・薬剤・感染症・禁忌を固定確認できる 見落とし、確認往復の増加 初回チェックテンプレを 1 枚に統一
記録設計 介助量・移動・装具・環境条件を見出しで残せる 記録はあるのに次担当が判断できない 見出しを 10 項目以内に固定し自由記載は補足へ
退院支援 禁忌・見守り条件・再評価条件を明記できる 在宅側で再現困難、再受診リスク 退院時必須 6 点をチェックボックス化
多職種連携 看護・MSW・訪問側へ渡す粒度が揃っている 電話確認が常態化し、業務が詰まる 共有範囲を 1 ページで合意、例文 3 つ作成
運用管理 同意・閲覧・例外時対応が明文化されている 担当不在時に運用停止 窓口担当とエスカレーション先を固定

現場の詰まりどころ

記録品質は個人スキルより運用設計で決まります。次の 3 点だけ先に固定すると、現場の迷いを減らせます。

よくある失敗(OK/NG 早見)

表:医療 DX 対応で起きやすい失敗の OK/NG(リハビリ記録・連携)
場面 NG OK 理由
初回介入 確認項目が担当者ごとに異なる 安全確認を固定テンプレ化 見落としと二度手間を抑えるため
日々の記録 長文中心で判断点が埋もれる 判断点は項目、説明は補足で記載 再利用性を高めるため
退院時 「可能/不可」だけを記載 条件(装具・見守り・禁忌)まで記載 在宅での再現性を担保するため
連携 部署ごとに見出しが違う 最低限の共通見出しを統一 読み手の探索コストを下げるため

回避の手順(5 分フロー)

  1. 初回介入テンプレを 1 枚に統一する
  2. 記録見出しを 10 項目以内に固定する
  3. 退院時必須 6 点(禁忌・装具・見守り条件など)をチェック化する
  4. 共有する粒度を他職種で合意し、例文を 3 つ用意する
  5. 窓口担当と例外時フローを明文化して掲示する

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

医療 DX でリハの記録業務は増えますか?

短期的には整備負荷が増えますが、目的は確認往復と再入力を減らすことです。入力ツールより先に、見出しと運用ルールを揃えると、長期的には業務負荷を下げやすくなります。

最初に着手すべき項目は何ですか?

初回介入の安全確認と、退院時に必ず残す条件の固定です。事故予防と連携品質への影響が大きく、短期間で効果が出やすい領域です。

どこまで項目化すれば十分ですか?

「他職種と次担当が判断できる最小セット」を目安に 10 項目以内で十分です。過剰な細分化は運用を重くするため、まずは最小セットを優先してください。

急性期と在宅で記録粒度が揃いません

文体まで揃える必要はありません。見出しと最低限の定義を共通化すれば、読み手の理解負荷は大きく下がります。まずは共通見出しを先に固定してください。

システム更新前でも進められますか?

可能です。テンプレ統一、見出し固定、退院時必須項目のチェック化は、システム更新前でも始められます。運用を先に整えるほど導入後の混乱を抑えられます。

次の一手

教育体制・人員・記録文化など“環境要因”を一度見える化すると、次の打ち手が決めやすくなります。

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チェック後に「続ける/変える」の選択肢も整理したい方は、PT キャリアナビで進め方を確認しておくと迷いが減ります。


参考文献

  1. Dobrow MJ, Bytautas JP, Tharmalingam S, Hagens S. Interoperable Electronic Health Records and Health Information Exchanges: Systematic Review. JMIR Med Inform. 2019;7(2):e12607. doi: 10.2196/12607
  2. Li E, Clarke J, Ashrafian H, Darzi A, Neves AL. The Impact of Electronic Health Record Interoperability on Safety and Quality of Care in High-Income Countries: Systematic Review. J Med Internet Res. 2022;24(9):e38144. doi: 10.2196/38144
  3. Pattar BSB, Ackroyd A, Sevinc E, et al. Electronic Health Record Interventions to Reduce Risk of Hospital Readmissions: A Systematic Review and Meta-Analysis. JAMA Netw Open. 2025;8(7):e2521785. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2025.21785

著者情報

rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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