早期リハ加算の 6 月 1 日またぎは「 6 月 1 日時点で算定開始済みか」で分ける
早期リハ加算の 6 月 1 日またぎで最初に決めるべきことは、「 6 月 1 日時点で、すでに早期リハ加算を算定開始していたか」です。ここで分岐すると、起算日を変えないのか、入院日を起算日にし直すのか、6 月 1 日以降に算定できるのかが整理しやすくなります。
この記事は、令和 8 年改定の疑義解釈その 2 のうち、問 69 の経過措置だけを実務向けに整理するページです。制度全体の総論や休日リハ加算の考え方は 早期リハ加算と休日リハ加算の総論 に分け、本ページは「 5 月入院患者が 6 月 1 日をまたぐときの起算日と算定可能日数」に絞って解説します。
このページの役割
このページで答えるのは、5 月 31 日以前に入院した患者について、6 月 1 日をまたぐときに早期リハ加算をどう扱うかです。具体的には、① 5 月中に算定開始済みで 6 月 1 日時点で 14 日以内、② 5 月中に算定開始済みで 6 月 1 日時点で 15 日目以降、③ 6 月 1 日時点で未開始、の 3 パターンを扱います。
一方で、この記事では 早期リハ加算そのものの制度概要 や 休日リハ加算の対象患者・休日定義 までは深掘りしません。そこまで同じページで抱えると、総論ページと役割が重なりやすくなるためです。
結論 1 枚| 3 パターンの整理
スマホでは表を横スクロールできます。
| パターン | 6 月 1 日時点の状態 | 起算日 | 6 月 1 日以降の扱い |
|---|---|---|---|
| ① 算定開始済み・ 14 日以内 | 5 月中に算定開始しており、6 月 1 日時点で起算日から 14 日以内 | 改定前の起算日をそのまま使う | 起算日から 14 日目まで算定可能 |
| ② 算定開始済み・ 15 日目以降 | 5 月中に算定開始しており、6 月 1 日時点で起算日から 15 日目以降 | 改定前の起算日をそのまま使う | 6 月 1 日以降は算定不可 |
| ③ 6 月 1 日時点で未開始 | 6 月 1 日時点で早期リハ加算の算定を開始していない | 改定後の基準で入院日を起算日にする | 起算日から 14 日目まで算定可能 |
問 69 の結論
結論はシンプルです。5 月 31 日以前にすでに早期リハ加算を算定している患者は、改定後も起算日を変更しません。 そのうえで、6 月 1 日以降の算定期間は「起算日から 14 日間」で判定します。つまり、6 月 1 日時点でまだ 14 日以内なら継続算定でき、すでに 15 日目以降なら 6 月 1 日以降は算定できません。
一方、6 月 1 日時点で早期リハ加算の算定をまだ開始していない場合は扱いが変わります。この場合は、改定後の基準で 入院日を起算日 として算定可能です。現場では「 5 月入院だから旧ルールで考える」と早合点しやすいため、入院日ではなく「 6 月 1 日時点で算定開始済みか」を先に見るのが実務上のポイントです。
3 パターンを実務でどう読むか
① 5 月中に算定開始済みで、 6 月 1 日時点で 14 日以内
このパターンでは、改定前後で起算日が異なる可能性があっても、改定前の起算日を維持します。したがって、6 月 1 日以降も起算日から 14 日目までは、改定後の点数区分で継続算定できます。
迷いやすいのは、「 6 月 1 日から新ルールだから、起算日も 6 月 1 日基準で取り直すのではないか」という誤解です。ここは違います。すでに算定を開始しているなら、起算日そのものは持ち越しです。まず見るべきは「起算日が何日か」と「 6 月 1 日がその何日目か」です。
② 5 月中に算定開始済みで、 6 月 1 日時点で 15 日目以降
このパターンでは、6 月 1 日以降は早期リハ加算を算定できません。 ここでも起算日は変えません。あくまで、改定前に確定していた起算日で「 6 月 1 日が何日目か」を判定します。
現場で起こりやすいのは、「 6 月 1 日から 14 日で再カウントできるのでは」と考えてしまうことです。しかし、今回の疑義解釈ではその扱いは認められていません。旧起算日ベースで 15 日目以降なら終了 と覚えておくと、レセ前の確認がかなりシンプルになります。
③ 6 月 1 日時点で算定を開始していない
このパターンだけは考え方が変わります。改定後の基準により、入院日を起算日として算定可能です。つまり、5 月入院であっても、6 月 1 日時点で未開始なら「算定開始済みの患者」とは別の扱いになります。
ここがいちばん詰まりやすい所です。5 月中に入院しているため旧ルールを引きずりやすいのですが、疑義解釈は 「 6 月 1 日時点で未開始なら改定後基準」 と整理しています。院内で迷いを減らすには、入院日・疾患別リハ開始日・加算開始日 を別々に確認する運用が有効です。
まず確認する 4 項目
スマホでは表を横スクロールできます。
| 確認項目 | 見る内容 | 詰まりどころ | 実務上の置き場所 |
|---|---|---|---|
| 1. 入院日 | 5 月 31 日以前か、6 月 1 日以降か | 入院日だけで結論を出してしまう | 入院サマリー / レセ確認表 |
| 2. 加算開始日 | 6 月 1 日時点で早期リハ加算を開始済みか | 疾患別リハ開始日と混同する | 実施記録 / 算定台帳 |
| 3. 旧起算日 | 改定前基準での起算日が何日か | 6 月 1 日から再カウントしてしまう | 台帳 / 申し送りシート |
| 4. 6 月 1 日が何日目か | 14 日以内か、15 日目以降か | 「開始済み」と「未開始」を同じ表で扱う | レセ前チェック表 |
現場の詰まりどころ
このテーマでいちばん多い詰まりは、「 5 月入院かどうか」で先に分けてしまうことです。実際には、まず見るべきなのは 6 月 1 日時点で加算開始済みかどうか です。ここを飛ばすと、起算日を変えてよいケースと変えてはいけないケースが混ざります。
もう 1 つの詰まりどころは、総論ページで扱う内容と、今回の経過措置を混ぜることです。制度全体を先に整理したい場合は 早期リハ加算と休日リハ加算の総論 を入口にし、本ページでは「 6 月またぎ」だけを確認する流れにすると、院内共有もしやすくなります。
よくある失敗
スマホでは表を横スクロールできます。
| よくある失敗 | 何が問題か | 修正の考え方 |
|---|---|---|
| 5 月入院なら旧ルールだけで判定する | 6 月 1 日時点で未開始のケースを拾い損ねる | 「 6 月 1 日時点で算定開始済みか」を最初に確認する |
| 6 月 1 日から 14 日を再カウントする | 開始済み患者の起算日を誤って変更してしまう | 開始済みなら旧起算日を維持し、何日目かだけを判定する |
| 疾患別リハ開始日と加算開始日を混同する | 未開始かどうかの判定がずれる | 入院日・疾患別リハ開始日・加算開始日を別欄で管理する |
| 総論ページに経過措置まで全部入れる | 検索意図が広がりすぎて役割がぼやける | 総論は制度の骨組み、このページは 6 月またぎ専用に分ける |
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
5 月中に入院していれば、必ず旧ルールの起算日で考えますか?
いいえ。5 月中に入院していても、6 月 1 日時点で早期リハ加算の算定をまだ開始していない場合は、改定後の基準で 入院日を起算日 として考えます。入院日だけで判断せず、6 月 1 日時点で開始済みかどうかを先に確認してください。
6 月 1 日時点で 15 日目以降なら、6 月分だけでも算定できますか?
できません。すでに算定開始している患者で、6 月 1 日時点で起算日から 15 日目以降であれば、6 月 1 日以降は早期リハ加算を算定できません。6 月 1 日を新たな起点として再カウントする考え方ではありません。
6 月 1 日時点で未開始なら、6 月 2 日開始でも 60 点を取れる日がありますか?
あります。改定後基準では 入院日が起算日になるため、起算日から 1 日目〜 3 日目にあたる範囲で算定を開始すれば、その範囲は 60 点、4 日目以降 14 日以内は 25 点で整理します。実務では、入院日と開始日を並べて数え直すのが安全です。
この論点は総論ページに追記するだけでは足りませんか?
総論ページの役割が「起算日・ 14 日・休日」の整理であれば、今回のような 6 月 1 日またぎの経過措置は別ページに切り出した方が検索意図が明確です。制度骨組みは総論、経過措置は本ページ、と分けた方が読者も院内共有もしやすくなります。
次の一手
まずは、このページの内容をもとに 「 6 月 1 日時点で開始済みか」「旧起算日が何日か」「 6 月 1 日が何日目か」の 3 点を、院内の確認順として固定してください。ここが揃うと、レセ前確認の迷いがかなり減ります。
続けて読むなら、制度全体の骨組みは 早期リハ加算と休日リハ加算の総論、改定全体の差分確認は 令和 8 年改定 リハ更新トラッカー、全体像の入口は 2026 改定リハ実務ハブから確認すると流れがつかみやすくなります。
参考文献
- 厚生労働省. 疑義解釈資料の送付について(その 2). 令和 8 年 3 月 31 日. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001684646.pdf
- 厚生労働省. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について. 令和 8 年 3 月 5 日.
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

