- 院外リハは原則1日3単位、2026年から追加3・6単位まで認められます
- 院外リハの上限は「1日3単位+一連の入院で追加3・6単位」です
- 院外リハとして算定するには4つの条件をすべて満たします
- 院外リハの対象となる訓練は3つの類型で確認します
- 追加3・6単位は「1日3単位を超えた分」だけ数えます
- 追加6単位になるのは別表第九の三に掲げる患者です
- 院外リハの追加3・6単位と疾患別リハ全体の1日6・9単位は別ルールです
- 院外リハを実施するときは5ステップで確認します
- 往復時間は実施時間に含めず、移動中も従事者の付き添いが必要です
- 記録は「必須の診療録記載」と「追加分の院内管理」を分けます
- 院外リハの単位数でよくある質問
- まとめ|まず3単位、次に追加3・6単位、最後に1日6・9単位を確認します
- 参考資料
- 著者情報
院外リハは原則1日3単位、2026年から追加3・6単位まで認められます
医療機関外で行う疾患別リハビリテーション(以下、院外リハ)は、原則として1日3単位までです。令和8年度診療報酬改定では、1日3単位を超えて院外リハを実施する必要がある場合、一連の入院でさらに合計3単位、特掲診療料の施設基準等別表第九の三に掲げる患者では合計6単位まで、別に疾患別リハビリテーションとみなせるようになりました。
ただし、追加3単位・6単位は毎日付与される枠ではありません。また、疾患別リハ全体には、患者1人につき1日合計6単位、別に定める患者では9単位という別の上限があります。本記事では、「今日は院外リハを何単位まで実施できるのか」を判断できるよう、算定条件、追加分の数え方、別表第九の三、往復時間、安全管理まで整理します。
令和8年度診療報酬改定のリハ領域をまとめて確認したい方はこちらです。
2026年リハ改定の全体像を見る最終確認:2026-09-11(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」、7月30日訂正後の医科通知、9月2日公表の疑義解釈その12までの掲載状況を確認)
院外リハの上限は「1日3単位+一連の入院で追加3・6単位」です
院外リハの単位数は、当日の基本上限と一連の入院で使える追加分を分けて考えると整理しやすくなります。通常は1日3単位までで、3単位を超えて院外リハを行う必要がある場合に限り、超えた部分を追加分として扱います。
| 患者区分 | 院外リハの基本 | 一連の入院で使える追加分 |
|---|---|---|
| 通常の患者 | 1日3単位まで | 合計3単位 |
| 別表第九の三に掲げる患者 | 1日3単位まで | 合計6単位 |
ここが重要です:追加3単位・6単位は「毎日3単位または6単位を上乗せできる」という意味ではありません。一連の入院を通した合計で管理します。
院外リハとして算定するには4つの条件をすべて満たします
院外で実施した訓練であれば、すべて疾患別リハとして算定できるわけではありません。通知では、保険医療機関外で行う訓練について、次の4条件をすべて満たす場合に疾患別リハビリテーションとみなすことができるとされています。
| 条件 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.入院患者である | 当該保険医療機関に入院中の患者に対する訓練であること |
| 2.疾患別リハである | 疾患別リハビリテーション料のいずれかを算定する訓練であること |
| 3.指定された訓練に該当する | 移動手段の獲得、特殊な器具・設備を用いる復職準備、実際の場面での家事訓練のいずれかに該当すること |
| 4.実施主体・患者負担の条件を満たす | 専ら当該保険医療機関の従事者が訓練を行い、公共交通機関の運賃を除いて訓練実施に伴う保険外の患者負担が発生しないこと |
したがって、「退院後に必要だから屋外で練習した」という理由だけでは十分ではありません。入院患者であること、疾患別リハとして行うこと、通知で示された訓練に該当すること、実施主体と患者負担の条件を満たすことを順番に確認します。
院外リハの対象となる訓練は3つの類型で確認します
通知で示されている院外訓練は、大きく移動手段の獲得・復職準備・家事能力の獲得の3類型です。「院内ではできない訓練なら何でも対象になる」と広く解釈せず、通知の例示と目的を照合することが重要です。
| 類型 | 具体例 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 移動手段の獲得 | 道路横断、エレベーター、エスカレーター、券売機、改札機、バス・電車等への乗降、自動車運転など | 患者が実際に利用する移動手段を用いた訓練か |
| 復職準備 | 旋盤作業など、特殊な器具・設備を用いる作業への復職準備 | 当該器具・設備を用いる必要があり、院内では実施できない訓練か |
| 家事能力の獲得 | 店舗での日用品購入、居宅での掃除・調理・洗濯など | 実際の場面で行う必要があるか。居宅設備を使用する場合は特段の理由があるか |
とくに居宅で掃除・調理・洗濯などを行う場合は、訓練室の設備ではなく、居宅の設備を用いた訓練を必要とする特段の理由がある場合に限るとされています。単に「自宅のほうが実践的だから」という説明だけで判断しないようにします。
追加3・6単位は「1日3単位を超えた分」だけ数えます
2026年改定で変わった中心点は、1日3単位を超える院外リハの取扱いです。3単位までは従来どおりの院外リハとして扱い、3単位を超えて実施する必要がある場合に、超えた部分だけを一連の入院で使える追加分から差し引きます。
| 当日の院外リハ | 基本分 | 追加分として使用 |
|---|---|---|
| 3単位 | 3単位 | 0単位 |
| 4単位 | 3単位 | 1単位 |
| 5単位 | 3単位 | 2単位 |
厚生労働省の改定説明資料でも、改定後の例として、ある日に4単位(3+1単位)、別の日に5単位(3+2単位)を実施し、一連の入院で合計3単位の追加分を使用する例が示されています。
通常の患者で追加3単位を使う例
| 実施日 | 院外リハ | 追加分の使用 | 追加分の残り |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 3単位 | 0単位 | 3単位 |
| 2日目 | 4単位 | 1単位 | 2単位 |
| 3日目 | 3単位 | 0単位 | 2単位 |
| 4日目 | 5単位 | 2単位 | 0単位 |
重要なのは、追加分を「長時間できるから使う枠」と考えないことです。通知上は、1日3単位を超えて院外で疾患別リハを実施する必要がある場合とされています。3単位を超える必要性を、その日の訓練目的と結び付けて説明できるようにしておくと、院内での確認もしやすくなります。
追加6単位になるのは別表第九の三に掲げる患者です
一連の入院で追加6単位まで認められるのは、すべての患者ではありません。対象は、特掲診療料の施設基準等別表第九の三に掲げる患者です。
| 患者区分 | ポイント |
|---|---|
| 回復期リハ病棟等の患者 | 回復期リハビリテーション病棟入院料または特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する患者。ただし、運動器リハビリテーション料を算定する患者を除く |
| 脳血管疾患等の患者 | 発症日、手術日または急性増悪の日から60日以内の患者 |
| 入院中の一定の患者 | 病棟等で早期歩行・ADL自立等を目的として、心大血管疾患リハ(Ⅰ)、脳血管疾患等リハ(Ⅰ)、廃用症候群リハ(Ⅰ)または呼吸器リハ(Ⅰ)を算定する患者 |
2026年改定では、脳血管疾患等の60日の起算について発症日だけでなく「発症日、手術日または急性増悪の日」と明確化され、入院中の一定の患者に関する区分からは運動器リハビリテーション料(Ⅰ)が外れています。
別表第九の三への該当は疾患、病棟、算定している疾患別リハ料によって判断が変わります。とくに運動器リハを含む6・9単位の線引きは、運動器リハは9単位まで算定できる?2026年改定の対象条件で詳しく整理しています。
院外リハの追加3・6単位と疾患別リハ全体の1日6・9単位は別ルールです
実務で最も混同しやすいのが、院外リハの上限と疾患別リハ全体の1日上限です。院外リハで追加分を使える場合でも、院内・院外を合わせた疾患別リハの総単位数について、別途1日上限を確認する必要があります。
| ルール | 何を制限するか | 上限 |
|---|---|---|
| 院外リハの基本上限 | 医療機関外で行う疾患別リハ | 1日3単位 |
| 院外リハの追加分 | 1日3単位を超えて院外で行う分 | 一連の入院で3単位/別表第九の三では6単位 |
| 疾患別リハ全体の上限 | 院内・院外を合わせた疾患別リハの1日合計 | 1日6単位/別に定める患者は9単位 |
たとえば通常の患者に院外リハを5単位実施した場合でも、「院外5単位とは別に院内で6単位まで実施できる」という意味ではありません。通常の患者では、院内・院外を合わせた疾患別リハ全体が1日合計6単位までという上限も同時に確認します。
実務上の確認順:「院外3単位まで」→「3単位を超える必要があるか」→「追加3単位か6単位か」→「追加分が残っているか」→「院内分を含め1日6単位または9単位を超えないか」の順で確認すると混同しにくくなります。
院外リハを実施するときは5ステップで確認します
単位数から判断を始めるのではなく、まずその訓練自体が院外リハとして算定できるかを確認します。そのうえで、追加分と1日総単位数を順番に確認します。
| 手順 | 確認すること | 判断 |
|---|---|---|
| 1 | 入院患者で、疾患別リハとして行う訓練か | 対象外なら院外リハとしての算定判断へ進まない |
| 2 | 通知で示された3つの訓練類型のいずれかに該当するか | 移動手段・復職準備・家事能力の獲得を確認 |
| 3 | 当日の院外リハは3単位以内か | 3単位以内なら基本枠。超える場合は必要性を確認 |
| 4 | 別表第九の三への該当と追加分の残りを確認する | 通常は追加3単位、該当患者は追加6単位を一連の入院で管理 |
| 5 | 院内分を含めた当日の疾患別リハ総単位数を確認する | 1日6単位/別に定める患者は9単位の上限を確認 |
「院外で3単位を超えられるか」だけで判断を終えないことがポイントです。訓練内容、患者区分、一連の入院での追加分、当日の疾患別リハ全体の単位数まで確認すると、異なる上限規定を混同しにくくなります。
往復時間は実施時間に含めず、移動中も従事者の付き添いが必要です
院外リハでは、訓練場所までの移動時間をリハビリテーションの実施時間に含めることはできません。通知では、訓練の前後における訓練場所との往復時間は実施時間に含めないと明記されています。
一方、安全管理については、訓練場所との往復を含めて常時従事者が付き添う必要があります。さらに、必要に応じて速やかに保険医療機関へ連絡・搬送できる体制を確保するなど、安全性への十分な配慮が求められます。
| 項目 | 取扱い |
|---|---|
| 訓練の実施時間 | 患者に対して実際に訓練を行った時間を確認する |
| 訓練場所との往復時間 | リハビリテーションの実施時間に含めない |
| 付き添い | 往復を含め、常時従事者が付き添う |
| 緊急時対応 | 必要に応じて速やかに保険医療機関へ連絡・搬送できる体制を確保する |
これらは2026年改定で新しく追加された安全要件ではありません。今回の改定の中心は、従来1日3単位までだった院外リハについて、3単位を超えて実施する必要がある場合の追加3・6単位の取扱いが加わったことです。
記録は「必須の診療録記載」と「追加分の院内管理」を分けます
疾患別リハの実施に当たっては、原則として全患者について、機能訓練の内容の要点と実施時刻(開始時刻・終了時刻)を診療録等へ記載します。
一方、「追加分残り○単位」といった残数管理が、院外リハ固有の必須記載項目として個別に列挙されているわけではありません。ただし、追加3単位・6単位は一連の入院を通して管理するため、誤算定防止の院内運用として使用単位数と残りを共有できるようにしておくことが実務上重要です。
| 区分 | 項目 | 記載・管理例 |
|---|---|---|
| 基本の診療録記載 | 機能訓練の内容の要点 | 駅構内で改札通過、階段昇降、電車乗降を実施 |
| 基本の診療録記載 | 開始・終了時刻 | 訓練実施 14:10〜15:30 |
| 院内管理として有用 | 院外訓練の目的・類型 | 退院後の通院に必要な公共交通機関利用の獲得 |
| 院内管理として有用 | 3単位を超える必要性 | 駅までの歩行、改札、乗降を一連の生活場面として確認するため |
| 院内管理として有用 | 当日の院外単位数 | 院外4単位 |
| 院内管理として有用 | 追加分の使用・残り | 追加1単位使用、一連の入院で残り2単位 |
| 院内管理として有用 | 安全管理 | PT常時同行、緊急時は病棟へ連絡・搬送できる体制を確認 |
複数日に分けて追加分を使用する可能性があるため、電子カルテ、部署内の申し送り、院内管理表など、施設の運用に合わせて「一連の入院で何単位を使ったか」を複数職種で確認できる方法を決めておくと、残り単位数の取り違えを防ぎやすくなります。
院外リハの単位数でよくある質問
Q1.院外リハの追加3単位は毎日使えますか?
A.いいえ。追加3単位は毎日付与されるものではなく、一連の入院を通して合計3単位です。別表第九の三に掲げる患者では、一連の入院で合計6単位になります。
Q2.院外リハを1日に4単位や5単位実施できますか?
A.1日3単位を超えて院外リハを実施する必要があり、その他の算定要件も満たしていれば、3単位を超えた部分を一連の入院で使える追加3単位または6単位から使用できます。疾患別リハ全体の1日6単位・9単位上限も同時に確認してください。
Q3.追加6単位の患者なら毎日9単位の院外リハができますか?
A.いいえ。追加6単位は一連の入院全体で使える合計であり、毎日6単位が上乗せされる制度ではありません。当日の実施単位数は、3単位を超える必要性、追加分の残り、疾患別リハ全体の1日上限などを確認して判断します。
Q4.訓練場所までの往復時間もリハの単位に含められますか?
A.含められません。訓練場所との往復に要した時間は、リハビリテーションの実施時間には含まれません。ただし、往復中も常時従事者が付き添う必要があります。
Q5.電車やバスの運賃は患者負担になりますか?
A.通知では、訓練の実施について保険外の患者負担が発生しないことが要件ですが、公共交通機関の運賃は除外されています。
まとめ|まず3単位、次に追加3・6単位、最後に1日6・9単位を確認します
2026年の院外リハは、原則1日3単位です。1日3単位を超えて院外リハを実施する必要がある場合、一連の入院で追加3単位、別表第九の三に掲げる患者では追加6単位まで別に疾患別リハビリテーションとみなすことができます。
実務では、①院外リハの4条件を満たすか、②通知で示された訓練に該当するか、③3単位を超える必要があるか、④別表第九の三への該当と追加分の残り、⑤院内分を含めた疾患別リハ全体の1日6・9単位上限、の順に確認すると整理しやすくなります。
参考資料
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について[Internet].東京:厚生労働省;2026[2026年9月11日参照].令和8年度診療報酬改定について
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定 Ⅲ-4 質の高いリハビリテーションの推進[Internet].2026[2026年9月11日参照].医療機関外における疾患別リハビリテーションの上限単位数の見直し等
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保医発0305第6号、7月30日訂正後)[Internet].2026[2026年9月11日参照].医科診療報酬点数表に関する事項
- 厚生労働省.特掲診療料の施設基準等 別表第九の三[Internet].2026[2026年9月11日参照].特掲診療料の施設基準等
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関・介護福祉施設・訪問リハでの臨床経験をもとに、理学療法士をはじめとする医療従事者が評価・制度・臨床判断を実務へつなげられる情報を発信しています。
脳卒中や褥瘡・創傷ケアを中心に研修・講師登壇経験があり、一次資料やガイドラインを確認しながら、現場で迷いやすい判断境界を整理することを重視しています。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

