令和 8 年改定案|運動器リハ「上限緩和の対象」見直し(Ⅲ-4-(3))

制度・実務
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令和 8 年改定案|運動器リハ「上限が緩和される対象患者」見直し(Ⅲ-4-(3))

中医協「これまでの議論の整理(案)」では、適切な疾患別リハビリテーション料の算定を推進する観点から、運動器リハビリテーション料等に係る算定単位数の上限が緩和される対象患者を見直す方針が示されています。点数や具体要件は今後の議論で固まりますが、方向性としては「例外(上限緩和)」の扱いをより妥当性の高い運用に寄せる可能性があります。

現場が先にやるべきことは、制度の暗記より対象判断と記録の型を揃えることです。本記事は断定を避けつつ、上限緩和の見直しでブレやすい点と、今から院内で整える準備を短くまとめます。

改定対応は「例外の判断」と「記録の型」を揃えると手戻りが減ります。

PT キャリアガイドを見る(運用の型を作る)

結論:鍵は「例外(上限緩和)」を“誰でも同じ基準”で判断できる状態にすること

上限緩和は、現場としてはありがたい一方で、判断が曖昧だと施設内でブレる説明が弱い返戻リスクが上がる領域です。改定で見直しが入るときは、例外を「広げる/狭める」だけでなく、適切に算定できているか(妥当性・説明責任・運用標準化)が問われやすくなります。

したがって、現場の最短ルートは、①例外の対象判断を 1 枚化、②例外に該当する根拠を短く残す、③例外が不要になった時に戻す条件を決める、の 3 点です。評価の共通言語づくりは、続けて読む:評価ハブ(評価の全体像)も役立ちます。

なぜ「上限緩和の対象」が見直されると、現場が詰まりやすいのか

上限緩和は、日々の運用では「必要だから増やした」になりやすい一方で、外から見ると例外の理由が見えにくい領域です。見直しが入る局面では、次の 3 つが詰まりどころになりやすいです。

表:上限緩和(例外運用)で詰まりやすい 3 点
詰まりどころ 起きがち 先に揃える対策 記録で残す一言
対象判断 担当者の経験で判断が割れる 例外の対象条件(適応/除外)を 1 枚化 「例外適用の根拠(短文)」
必要性の説明 「まだ痛い」「まだ歩けない」だけで終わる 課題→介入→変化→残課題を 1 行で固定 「生活機能上のボトルネック」
戻し条件 例外が“恒常化”して終了条件が曖昧 例外終了(標準へ戻す)条件を決める 「戻す条件(達成/停滞/リスク)」

院内で先に作る:例外(上限緩和)運用の「 1 枚ルールブック」

点数や細部が確定していなくても、例外運用は院内ルールがあるほど強くなります。最低限、次の項目を 1 枚にまとめておくと、担当変更や監査対応でもブレにくいです。

表:上限緩和の例外運用を支える「 1 枚ルールブック」
項目 決めること
対象(適応) 例外を使う対象の考え方 生活課題が明確で、介入で改善見込みがある
除外(慎重) 例外の適用を慎重にする条件 安全管理が不十分、目的が曖昧、記録が揃わない
評価の最小セット 何を見て「必要」と判断するか 数値 1 つ+所見 1 つ+生活場面 1 つ
戻し条件 いつ標準へ戻すか 目標達成/停滞/リスク増加で再設計

返戻を減らす「短く強い」記録:理由→介入→変化→次の一手

例外運用は、詳細な長文よりも「妥当性が伝わる短文」が強いです。次の 4 つを 1 行で回すと、説明が整います。

表:上限緩和の妥当性を支える最小記録フレーム
要素 何を書く? 書き方の例
理由(課題) 生活機能のボトルネック 「屋内歩行は見守り、段差で介助が必要」
介入(何を) 狙いが見えるメニュー 「段差昇降:手すり条件で反復+疼痛管理」
変化(結果) 数値 1 つ+所見 1 つ 「痛み NRS 6→4、ふらつき減で自立度向上」
次の一手 次回の条件/戻し条件 「 2 週で停滞なら目標再設定し標準へ戻す検討」

現場の詰まりどころ(よくある失敗)

失敗 1:例外が“いつの間にか恒常化”する
上限緩和を使った理由はあっても、終わらせ方が決まっていないと長期化しやすいです。最初に「戻し条件(達成/停滞/リスク)」を決めておくと、説明も運用も整います。

失敗 2:記録が「実施した」だけで、妥当性が伝わらない
例外は「必要性」の説明が重要です。理由→介入→変化→次の一手を 1 行で固定すると、返戻の原因になりやすい “証明できない” を減らせます。

失敗 3:院内で基準が揃わず、担当者でブレる
例外運用は 1 枚ルールブックが最短です。抜け漏れ防止の棚卸しは、準備チェックのようなツールがあると早いです。マイナビコメディカルの資料で整理する

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. これは確定情報ですか?

A. いいえ。現時点は「これまでの議論の整理(案)」で、点数や具体要件は今後の議論で具体化されます。ただし「上限が緩和される対象患者を見直す」方向性は明記されています。

Q2. 上限緩和は広がりますか?狭まりますか?

A. 本資料だけでは方向(拡大/縮小)は確定しません。現場としては、どちらになっても耐えられるように、例外の対象判断と記録の型を先に揃えるのが安全です。

Q3. まず何から整えるのが一番効きますか?

A. ①例外対象の適応/除外を 1 枚化、②理由→介入→変化→次の一手を 1 行記録、③戻し条件の設定、の順が最短です。

次の一手(この順でやる)

おすすめは、①例外の対象判断(適応/除外)を 1 枚化 → ②最小記録フレームを 1 行に固定 → ③戻し条件を合意、の順です。シリーズで読むと改定対応の全体像も掴みやすくなります。

参考資料

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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