PHQ-9・HADS・SRQ-Dの違い【比較・使い分け】

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結論:PHQ-9/HADS/SRQ-D の使い分け早見表

まず結論です。一次スクリーニング=PHQ-9身体合併の多い外来で不安も拾う=HADSSRQ-D は施設運用や教育場面での初期スクリーニングとして選択肢になります。いずれも診断ではなく臨床所見と併読が前提です。

臨床に迷ったら:PTキャリアガイドで要点整理

各尺度の基本スペック

PHQ-9/HADS/SRQ-D の比較(成人・2025年版)
項目 PHQ-9 HADS SRQ-D
主目的 うつ重症度の把握 不安(A)・抑うつ(D)の二軸スクリーン 抑うつ症状のスクリーニング
項目数 9 14(A7/D7) 18(非症状6項目は0点固定)
合計点 0–27 各下位尺度 0–21 0–36
目安カットオフ ≥10 で要配慮(施設基準で調整) 各下位尺度 8–10 境界/≥11 異常の目安 ≥16 で抑うつ傾向の目安(施設で調整)
所要時間 約 2–3 分 約 5–7 分 約 3–5 分
得意領域 重症度の追跡・反応性 身体合併外来で不安/抑うつを同時に把握 教育・地域・リハ領域の初期スクリーニング
弱み/注意 合併症で過小/過大評価の可能性 下位尺度で解釈(合算のみは避ける) 古い運用もあり施設基準の明示が重要

各尺度は自己記入式ですが、結果は面接所見、機能評価(ADL/参加)と併読して解釈します。SRQ-D の評価表DLはこちら。関連:QIDS-JGDS-15

場面別の使い分け(外来・回復期・地域)

  • 外来初診/フォロー:まず PHQ-9。身体合併が多く不安症状も想定される場合は HADS を併用。
  • 回復期リハ/地域リハ:短時間でのスクリーニングに SRQ-D も選択肢。経過追跡は PHQ-9 が扱いやすい。
  • 教育・集団指導:SRQ-D を配布し、スクリーニング結果は 診断でないことを明示。必要時は医師評価へ導線。

尺度の選定~共有フローは、このフローも参考にしてください。

カットオフと解釈上の注意

  1. PHQ-9:施設基準に合わせる(例:10 以上で要配慮)。重症度分類は運用教授。
  2. HADS:各下位尺度(不安A/抑うつD)を個別に解釈。8–10 境界/≥11 異常を目安に。
  3. SRQ-D:2・4・6・8・10・12 は非症状項目(0点固定)。合計 0–3616 以上で要注意の目安。施設で明文化。

いずれも自己診断用途にしないこと、自殺リスク示唆時はスコアに依存せず即時対応を優先します。

よくある質問(FAQ)

重症度の追跡にはどれが向いていますか?
反応性・再現性から PHQ-9 が扱いやすいです。HADS は不安/抑うつの両軸を見たいときに有用です。
スクリーニングだけなら何を選べば良いですか?
外来では PHQ-9、身体合併が多い場合は HADS を併用。教育・地域では SRQ-D も実務的です。
複数尺度の同日併用は問題ありませんか?
可能です。負担や重複を考慮し、目的(重症度追跡/二軸把握/教育)で選定してください。

関連:評価ハブ運動機能評価ハブSRQ-Dの評価表DL

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