2 ステップテスト(ロコモ度テスト)のやり方|手順・無効試行・計算・記録

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2 ステップテスト(ロコモ度テスト)を“ブレなく”実施する|無効試行・計算・記録の要点

検査の価値は「手順の統一」で決まります。評価の組み立てに迷ったら、全体のロードマップを先に押さえると楽です。 臨床力を体系化するロードマップを見る

2 ステップテストは、ロコモ度テストの 3 要素のひとつで、できるだけ大股で 2 歩進んだ距離( 2 歩幅)を身長で割った「 2 ステップ値」から移動能力をみる検査です。手順自体はシンプルですが、現場では「ジャンプっぽくなる」「着地でバランスを崩す」「測る位置がズレる」などで無効試行(やり直し)が起こりやすいのが難点です。

結論として、①つま先を揃えたスタート ② 2 歩目で両足を揃える ③“ジャンプ禁止” と “バランスを崩したら無効” を明文化しておけば、チーム内でブレが出にくくなります。この記事では、臨床で再現しやすいように無効試行の判定・安全管理・計測と記録の型までまとめます。

2 ステップテストとは?(評価の意義)

2 ステップテストは、歩幅(ストライド)を指標にして、下肢筋力・バランス・柔軟性などを含む歩行能力を総合的に捉える目的で用いられます。ロコモ度テストは「 2 ステップテスト」「立ち上がりテスト」「ロコモ 25 」の 3 つで構成され、いずれか 1 つでも該当があればロコモと判断する枠組みで普及しています。

臨床では、2 ステップ値そのものに加えて、着地の安定性(ふらつき)や、 2 歩目で両足を揃える動作の質を一緒に記録しておくと、介入(筋力・バランス・歩行練習)の狙いが立てやすくなります。

準備(環境・安全)|“転倒しない設計”を先に作る

2 ステップテストは大股で進むため、思った以上に転倒リスクが上がります。まずは環境条件を固定します。

2 ステップテスト:実施前セットアップ(成人・臨床向け)
項目 標準 ブレやすい例 対策
床面 滑りにくいフラットな床 マットがズレる/段差 滑り止め・段差回避・靴底確認
スタート 両足のつま先を揃える 左右のつま先がズレる テープでスタートラインを作る
見守り 側方~後方で転倒回避 検者が腕を引く 介助は“転倒回避のみ”。歩幅を伸ばす加勢はしない
服装 動きやすい服・靴 スリッパ/裾が長い 靴で実施・裾をまとめる

中止・延期の目安(安全管理)

2 ステップテスト:中止・延期の目安(例)
状況 判断 対応 記録
ふらつきが強い/失神前駆 中止 座位へ誘導→バイタル確認 症状と発生タイミング
疼痛が強く増悪 中止 疼痛評価へ切替(荷重調整) 部位・誘因・動作相
指示理解が不十分で危険 延期 別の安全な評価に変更 理由(注意・理解・安全)

やり方(手順)|“無効試行”を先に共有する

ロコモ度テスト公式サイトの手順は「スタートでつま先を揃える→できるだけ大股で 2 歩→両足を揃える→ 2 歩幅を測る→ 2 回実施して良い方を採用→ 2 歩幅( cm )÷ 身長( cm )」です。

標準手順(臨床での声かけ例)

  1. スタートラインに立ち、両足のつま先を揃える(左右差がないように)
  2. できるだけ大股で 2 歩歩く(ジャンプは禁止)
  3. 2 歩目の着地で両足を揃える(バランスを崩したら無効)
  4. スタートラインから、着地点のつま先までを測る( 2 歩幅)
  5. 2 回行い、良かった方を採用する

無効(やり直し)にする代表例

2 ステップテスト:無効試行(やり直し)と修正ポイント
無効の例 なぜ無効? 修正の声かけ 記録のコツ
バランスを崩した “歩幅”ではなく転倒回避が主役になる 「転びそうなら無理しない」 無効理由を 1 語で残す(ふらつき等)
ジャンプした/跳ねた 歩行ではなく跳躍になる 「歩いて。跳ばない」 ジャンプ癖が強ければ練習 1 回入れる
2 歩目で両足が揃わない 着地条件が変わり比較できない 「最後に両足を揃えて止まる」 揃え直しは無効に統一
測る位置が違う 値がブレる(ヒール・つま先混在など) 「つま先までを測る」 毎回同じ基準点に統一

計算( 2 ステップ値)|式を固定してミスを減らす

2 ステップ値は次の式で算出します。

2 ステップ値の算出式(単位の統一)
項目 内容 単位 注意
2 歩幅 スタートライン → 着地点のつま先まで cm 基準点を統一(つま先)
身長 本人の身長 cm 同じ単位で割る
2 ステップ値 2 歩幅( cm ) ÷ 身長( cm ) なし 小数 2 桁程度で記録すると比較しやすい

結果の読み方|“数字”と “動きの質” をセットで残す

ロコモ度テストは、年齢・性別で移動能力が変化する前提のため、同一人物の前後比較が特に有用です。全国規模のデータから、 2 ステップテストを含むロコモ度テストの参照値が提示されており、年代で低下の軌跡が変わることも示されています。

臨床では、次の 2 つをセットで記録すると介入に直結します。

  • 値( 2 ステップ値):良い方の 2 歩幅と算出値
  • 質(所見):ふらつき、 2 歩目の着地、ステップの左右差、恐怖感

記録テンプレ|“比較できる”メモの残し方

2 ステップテスト:記録テンプレ(例)
試行 2 歩幅( cm ) 2 ステップ値 所見(質)
1 回目 240 1.41(身長 170 cm) 2 歩目で軽いふらつき
2 回目 252 1.48(身長 170 cm) 着地安定、ジャンプなし
採用 252 1.48 良い方を採用(公式手順)

現場の詰まりどころ|ジャンプ・測り間違い・恐怖感

ジャンプっぽくなる

大股=跳ぶ、になりがちです。「 2 歩とも歩く」「 2 歩目で揃えて止まる」を徹底し、ジャンプが出た試行は無効に統一するとブレません。

測る位置が毎回違う

つま先・踵・足の外側などが混在すると数値が崩れます。チーム内で「着地点のつま先まで」に固定し、メジャーの当て方も統一します。

恐怖感で歩幅が伸びない

恐怖感が強いと、能力ではなく“怖さ”が結果を決めます。見守り位置の最適化と、無理に最大を狙わない声かけで、安全に実施できる範囲の再現性を優先します。

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 2 回のうち、どちらを採用しますか?

A. 公式手順では2 回実施して、良い方の記録を採用します。やり直し(無効試行)が出た場合は、無効理由を記録してから再試行すると運用が安定します。

Q2. バランスを崩したらどう扱いますか?

A. 公式サイトでも、バランスを崩した場合は失敗としてやり直す扱いです。転倒リスクが高い場合は中止し、安全な評価に切り替えてください。

Q3. つま先ではなく踵まで測ってしまいました

A. 基準点が変わると比較できません。チーム内で「着地点のつま先まで」に統一し、以後は同じ基準で測定するのがおすすめです。

Q4. 身長が分からないときはどうしますか?

A. 2 ステップ値は身長で割るため、身長が必要です。カルテ情報の確認、あるいは測定可能な環境で身長を把握してから実施すると計算ミスが減ります。

おわりに|「安全の確保→手順固定→無効判定→記録→再評価」で精度が上がる

2 ステップテストは簡単に見えて、無効試行(バランス崩れ・ジャンプ・測り間違い)が結果を大きく左右します。まずは「安全の確保→手順固定→無効判定の統一→記録→再評価」というリズムで運用してみてください。

面談前の準備に使えるチェックリストと職場評価シートも、必要なときにすぐ取り出せるようにしておくと安心です:/mynavi-medical/#download

参考文献

  • ロコモチャレンジ!推進協議会. ロコモ度テスト「 2 ステップテスト」. 公式ページ印刷用 PDF
  • Ogata T, et al. Development of a screening program to assess motor function in the adult population: a cross-sectional observational study. J Orthop Sci. 2015. doi:10.1007/s00776-015-0737-1
  • Yamada K, et al. Reference values for the locomotive syndrome risk test quantifying mobility of 8681 adults aged 20–89 years: A cross-sectional nationwide study in Japan. J Orthop Sci. 2020;25(6):1084-1092. doi:10.1016/j.jos.2020.01.011
  • Nakamura K. The concept and treatment of locomotive syndrome: its acceptance and spread in Japan. J Orthop Sci. 2011;16(5):489-491. doi:10.1007/s00776-011-0108-5
  • 村永信吾 他. 2 ステップテストに関する報告(ロコモ公式サイト掲載). 昭和医学会誌. 2003;63(3):301-308.

著者情報

rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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