ロコモ立ち上がりテストのやり方|判定基準と3秒保持

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ロコモ立ち上がりテストは40cmから順番に判定します

ロコモ立ち上がりテストは、40・30・20・10cmの台から両脚または片脚で立ち上がり、下肢筋力を確認するロコモ度テストの1つです。重要なのは、単に「立てたか」ではなく、両腕を組む・反動を使わない・立ち上がった姿勢を3秒間保持するという条件をそろえることです。

判定は両脚40cmから開始し、その結果と片脚40cmの可否によって次の測定条件が分かれます。この記事では、正式な実施順序、ロコモ度1・2・3の境界、迷いやすい成功・失敗の判断まで整理します。ロコモ度の総合判定は、立ち上がりテストだけでなく、2ステップテストとロコモ25も合わせて行います。

実施・判定フロー|まず両脚40cmから始める

立ち上がりテストでは、最初に両脚40cmを行います。成功したら片脚40cmへ進み、片脚40cmの結果によって「片脚で低い台へ進むルート」と「両脚で低い台へ進むルート」に分かれます。

ロコモ立ち上がりテストを両脚40cmから開始し、片脚40cmや低い台へ進む実施・判定フローを整理した図版
図:ロコモ立ち上がりテストの実施・判定フロー
  1. 両脚40cmから開始する
  2. 両脚40cmができなければ、立ち上がりテストではロコモ度3に該当する
  3. 両脚40cmができれば、次に左右それぞれ片脚40cmを行う
  4. 左右とも片脚40cmができれば、30→20→10cmと低くして片脚で測定する
  5. 片脚40cmが左右どちらかでできなければ、両脚30cmから開始し、20→10cmへ進む

左右とも片脚40cmに成功した場合は、立ち上がりテスト単独ではロコモ度1〜3の基準に該当しません。その後は10cmずつ低い台へ進み、左右とも片脚で立ち上がれた最も低い台をテスト結果として確認します。

成功条件|両腕を組む・反動なし・3秒保持

立ち上がりテストでは、決められた条件で立ち上がり、その姿勢を3秒間保持できた場合を成功として判断します。3秒保持は補助的な観察項目ではなく、正式な実施条件に含まれます。

ロコモ立ち上がりテストの成功条件
確認項目 実施条件 判定上のポイント
上肢 両腕を胸の前で組む 手で台や大腿を押して立った場合は、標準条件での成功とは扱わない。
反動 反動をつけずに立ち上がる 勢いを使った場合は成功条件を満たさない。後方への転倒にも注意する。
立位保持 立ち上がった姿勢を3秒間保持する 立ち上がれても3秒保持できなければ、その条件では成功としない。
両脚40cm 両脚を肩幅程度に広げて開始する 最初に行う条件。できなければ立ち上がりテストではロコモ度3に該当する。
片脚 一方の脚を床から離して行う 左右を確認し、左右とも成功できた高さを結果としてみる。

両脚40cmでは、両脚を肩幅程度に開き、下腿が床に対しておよそ70度になる位置から開始します。片脚では一方の脚を上げ、上げた側の膝を軽く曲げた状態で実施します。

判定早見|ロコモ度1・2・3の境界

立ち上がりテストのロコモ度判定では、片脚40cm、両脚20cm、両脚30cmの結果が重要な境界になります。片脚40cmができなかった時点ですぐロコモ度1と決めず、その後の両脚低台まで確認することがポイントです。

立ち上がりテストにおけるロコモ度1〜3の判定基準
判定 立ち上がりテストの結果 迷いやすいポイント
ロコモ度1〜3に非該当 左右とも片脚40cmから立ち上がれる 立ち上がりテストでは非該当。ただし、他のロコモ度テストで該当する場合がある。
ロコモ度1 どちらか一方の脚で40cmから立ち上がれないが、両脚20cmから立ち上がれる 片脚40cmの失敗だけで確定せず、両脚20cmまで確認する。
ロコモ度2 両脚20cmから立ち上がれないが、両脚30cmから立ち上がれる 両脚30cm成功・20cm失敗が境界になる。
ロコモ度3 両脚30cmから立ち上がれない 最初の両脚40cmができない場合も、この段階に該当する。

最終的なロコモ度は、立ち上がりテスト、2ステップテスト、ロコモ25の3つを確認し、該当した段階のうち最も移動機能低下が進行しているロコモ度を判定結果とします。

迷いやすい判定境界|結果をどうつなげるか

立ち上がりテストで迷いやすいのは、個々の基準そのものより、途中の結果から次にどの高さ・脚条件へ進めばよいかです。特に以下の4場面を押さえておくと判定しやすくなります。

両脚40cmができない場合

両脚40cmから立ち上がれなければ、その時点で立ち上がりテストではロコモ度3です。30cmは40cmより低く、さらに難しい条件になるため、判定のために30cm以下へ進む必要はありません。

片脚40cmが片方だけできない場合

左右どちらか一方でも片脚40cmから立ち上がれなければ、次は両脚30cmから測定します。ただし、片脚40cmの失敗だけではロコモ度1とは確定しません。

両脚20cmまで立ち上がれればロコモ度1、両脚30cmは可能でも20cmができなければロコモ度2、両脚30cmもできなければロコモ度3です。

左右とも片脚40cmができる場合

左右とも片脚40cmから立ち上がれた場合、立ち上がりテストではロコモ度1〜3の基準に該当しません。その後は30・20・10cmと10cmずつ低い台へ進み、左右とも片脚で成功した最も低い台をテスト結果とします。

立ち上がったが3秒保持できない場合

立ち上がった瞬間だけでは成功とは判断しません。反動をつけずに立ち上がり、その姿勢を3秒間保持するところまでが実施条件です。3秒保持できなければ、その高さ・脚条件では成功とは扱いません。

実施時の注意|膝痛と後方転倒に注意する

立ち上がりテストでは、できるだけ低い台へ進むことよりも安全を優先します。日本整形外科学会の公式手順でも、無理をしないこと、膝に痛みが起こりそうな場合は中止すること、反動による後方転倒に注意することが示されています。

  • 膝に痛みが出そうな場合や痛みが強まる場合は無理に続けない
  • 反動を使って無理に立ち上がろうとしない
  • 後方への転倒に備えて安全な環境で実施する
  • 標準条件で安全に実施できない場合は、実施できた範囲と中止理由を残す

臨床では、疼痛、ふらつき、左右差、体幹前傾などを補助所見として確認することもできます。ただし、これらの所見そのものがロコモ度を直接変更する公式判定項目ではありません。公式の成功条件と、動作観察で得た補助所見は分けて解釈することが大切です。

記録方法|判定だけでなく成功・失敗の条件を残す

記録では「ロコモ度1」のような最終結果だけでなく、どの条件が成功・失敗したため、その判定になったのかを残します。同じロコモ度でも、片脚40cmで左右差がある場合と両脚20cmが境界になっている場合では、得られる情報が異なります。

ロコモ立ち上がりテストの記録例
測定結果 判定 記録例
片脚40cm:右不可・左可、両脚20cm可 ロコモ度1 片脚40cm:右不可、左可。両脚30cm・20cm可、10cm不可。成功試行は反動なし・3秒保持可。立ち上がりテストはロコモ度1。
両脚30cm可、20cm不可 ロコモ度2 片脚40cm不可。両脚30cmは反動なし・3秒保持可、20cm不可。立ち上がりテストはロコモ度2。
両脚40cm不可 ロコモ度3 両脚40cmで成功条件を満たせず。立ち上がりテストはロコモ度3。30cm以下は実施せず。

疼痛や安全上の理由で途中中止した場合は、無理にロコモ度へ当てはめず、実施できた範囲と中止理由を記録します。再評価する場合も、台高、両脚・片脚、反動、3秒保持などの基本条件をそろえて比較します。

よくある質問(FAQ)

両脚40cmから立ち上がれなければ、次に30cmを試しますか?

いいえ。両脚40cmから立ち上がれなければ、立ち上がりテストではロコモ度3に該当します。30cmは40cmより低く、さらに難しいため、判定のために低い台へ進む必要はありません。

片脚40cmが片方だけできなければロコモ度1ですか?

片脚40cmの失敗だけでは確定しません。次に両脚30cmから測定し、両脚20cmまでできればロコモ度1、30cmはできても20cmができなければロコモ度2、30cmもできなければロコモ度3です。

立ち上がれれば3秒保持できなくても成功ですか?

成功とは扱いません。反動をつけずに立ち上がり、その姿勢を3秒間保持するところまでが正式な実施条件です。

手を使えば立てる場合は成功ですか?

標準条件では両腕を胸の前で組んで実施します。手で台や大腿を押して立ち上がった場合は、標準条件での成功とは分けて記録します。

立ち上がりテストだけで最終的なロコモ度を決められますか?

立ち上がりテストだけでは最終判定しません。立ち上がりテスト、2ステップテスト、ロコモ25の結果を確認し、該当した中で最も移動機能低下が進行している段階をロコモ度として判定します。

次の一手


参考文献

  1. 日本整形外科学会. 立ち上がりテスト. ロコモONLINE. https://locomo-joa.jp/check/test/stand-up(2026年9月3日閲覧).
  2. 日本整形外科学会. ロコモ度判定方法. ロコモONLINE. https://locomo-joa.jp/check/judge(2026年9月3日閲覧).
  3. 村永信吾. 立ち上がり動作を用いた下肢筋力評価とその臨床応用. 昭和医学会雑誌. 2001;61(3):362-367. doi:10.14930/jsma1939.61.362. J-STAGE.

著者情報

rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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