Vitality Index(意欲指標)とは
意欲評価 総論の個別ページです。起床・意思疎通・食事・排泄・活動の5項目を0/1/2点で観察評価し、合計10点で活力度を把握します(短時間・観察主体)。
導入フローは この手順 も参照ください。
実施手順(観察を標準化)
- 評価は日中の同一時間帯で実施。夜間不眠・疼痛・薬剤変更などは注記。
- 意思疎通は言語に限らず、表情・ジェスチャーも可。
- 介助量よりも「意欲の表出」を重視して評定。
採点・判定と再評価
- 各項目0–2点、合計10点。
- 7点付近を境に群分けする実務・研究報告が多い(≤7点を低意欲の目安など)。
- 病棟・施設では週1回の定期チェック+イベント時(転棟・薬剤変更)に追加測定。
5項目の観察ポイント(要約)
- 起床:定時に自発的に覚醒・起き上がるか/促しが必要か。
- 意思疎通:言語・表情・ジェスチャーで意志を示す頻度。
- 食事:自発的に摂るか/声かけ・介助が必要か/拒否傾向。
- 排泄:自発的にトイレへ向かう/誘導で行ける/全介助か。
- 活動:離床・散歩・体操などに自発的に関わるか。
採点の目安(0/1/2点の行動例;言い換え)
- 2点:声かけ不要でその行動を継続的に示す(例:定時に起床し活動へ移る)。
- 1点:促しや最小限の支援で実行できる(例:声かけで食事に向かう)。
- 0点:促しても実行が難しい/拒否が目立つ。
各項目×0/1/2点の具体例(言い換え)
| 項目 | 2点 | 1点 | 0点 |
|---|---|---|---|
| 起床 | 定時に自発的に覚醒・起き上がる | 声かけで起床/時間がかかる | 促しても起きない/拒否が目立つ |
| 意思疎通 | 自発的に表情・言語・ジェスチャーで意思表示 | 促しで意思表示が出る | 促しても意思表示が乏しい |
| 食事 | 自発的に着座し食事を継続 | 声かけで開始/中断しがち | 促しても拒否・ほぼ摂取なし |
| 排泄 | 自発的にトイレへ向かう/意思表示がある | 誘導で実行可 | 促しても実行困難/失禁が主 |
| 活動 | 離床・体操などへ自発的に関与 | 声かけで参加 | 促しても参加困難/拒否 |
※上表は観察の基準化のための自作例です。施設内で表現を調整の上、評価会議で統一してください。
生活行動との読み合わせ
| 合計点 | 状態の目安 | ケアの例 |
|---|---|---|
| 8–10 | 活力度は概ね保たれる | 自主活動の維持、生活目標の共有 |
| 5–7 | 低下傾向 | 疼痛・睡眠・便秘の是正、離床時間の確保 |
| 0–4 | 著明な低下 | 原因検索(せん妄・感染等)、家族連携、短時間頻回の介入 |
よくある誤りと対策
- 曜日・担当者で判定がぶれる → 具体例をチームで共有し評価会議で標準化。
- ADL依存度と混同 → 「意欲の表出」を評価、ADLは別尺度で補完。
配布:記録・集計用シート
項目本文は転載しません。以下は本文を含まない記録・集計用です。
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