療法士の賃上げ支援は申請必須|病院・診療所の要点

制度・実務
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療法士の賃上げ支援は「申請しないと届かない」制度です

補正予算で動く「医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業」は、申請しなければ支給されない仕組みです。協会からも、理学療法士部門管理者に対して「要件確認・申請準備」と「療法士が賃上げ対象に含まれるよう経営層へ働きかけ」を求める周知が出ています。現場としては、制度の要点を押さえ、施設内の意思決定を前に進めることが最優先です。 [oai_citation:1‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

本記事では、交付額の早見(病院・診療所・訪問看護)と、部門管理者が明日から動ける「確認→試算→提案→申請→還元確認」までを 1 本にまとめます。 [oai_citation:2‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

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今回の支援の全体像:賃上げ支援+物価支援の「2 本立て」

今回の枠組みは、医療機関等が賃金・物価上昇の影響を受けている状況を踏まえ、従事者の処遇改善経営の下支えの両面から支援する設計です。病院向けには「病院賃上げ支援事業」と「病院物価支援事業」が示され、対象要件や申請様式、申請システムも公開されています。 [oai_citation:3‡厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69485.html)

ポイントは、賃上げ支援(少なくとも病院・診療所等)では「ベースアップ評価料」の届出が要件に絡むことです。施設側で届出の有無・時点が整理できていないと、支援の取りこぼしが起きます。 [oai_citation:4‡厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69485.html)

交付額の早見:病院・診療所・訪問看護で「単位」が違います

補正予算側の整理では、医療分野の支援は病床数に応じた額施設単位の定額が示されています。現場ではまず「うちはどの枠か」を 10 秒で言える状態にするのがコツです。 [oai_citation:5‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

賃上げ・物価上昇支援の交付額イメージ(医療分野)
施設区分 交付の考え方 目安(例) まず確認すること
病院 病床数に応じて支援 1 床あたり 19.5 万円(内訳は賃上げ+物価等) ベースアップ評価料の届出状況/病床数の基準日
診療所(有床) 病床数に応じて支援 1 床あたり 8.5 万円 有床・無床の区分/病床数の基準日
診療所(無床) 施設単位の定額 1 施設あたり 32.0 万円 施設区分(医科/歯科)と要件の該当
訪問看護ステーション 施設単位の定額 1 施設あたり 22.8 万円 対象日・届出状況(要件)/申請窓口

上の「19.5 万円/床」などは、病院向けの賃上げ支援(例:84,000 円/床)と物価支援(例:111,000 円/床)の合算と整合します。現場では「合算で何円」だけでなく、賃上げ支援の要件(ベースアップ評価料)を分けて説明できると、経営層の意思決定が早くなります。 [oai_citation:6‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

療法士にとって重要な理由:予算はあっても「動かなければ届かない」

制度の狙いは「物価高騰を上回る賃上げ」を医療現場で実装することですが、実務上は申請と院内配分の設計がボトルネックになりがちです。実際に協会は、補正予算の支援パッケージ(約 1.36 兆円)に触れつつ、療法士の賃上げ施策が実施される見込みであること、管理者が要件確認と働きかけを行う重要性を強調しています。 [oai_citation:7‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

「理学療法士を含む従事者の賃上げ」を院内の共通目標に落とすには、部門側が“数字”と“段取り”を持って提案するのが最短です(次章の 5 手順)。 [oai_citation:8‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

部門管理者が今やる 5 手順:確認→試算→提案→申請→還元確認

協会の周知文でも、管理者に求める協力として「対象療法士人数の確認」「支給総額の把握」「経営層へ概要と申請意義の共有・提案」が明示されています。ここを“やることリスト”に落として、院内のタスクに変換します。 [oai_citation:9‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

1)対象になる「施設区分」と「要件」を確定する

まずは病院/有床診療所/無床診療所/訪問看護ステーションのどれかを確定し、支援の要件(例:病院賃上げ支援は「令和 8 年 2 月 1 日時点のベースアップ評価料の届出」)を整理します。要件が 1 つでも曖昧だと、経営会議で止まります。 [oai_citation:10‡厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69485.html)

2)療法士の対象人数と「想定原資」を 1 枚にまとめる

部門側で、雇用形態・所属(病棟/外来/訪問)・勤務時間区分など、院内の集計軸をそろえます。ここで、この支援で“療法士の賃上げ原資が確保できる”ことを数字で示せると通りやすくなります。 [oai_citation:11‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

3)経営層への説明は「テンプレ」を使って短く通す

協会は、経営層へ説明するための文案(医療向けを含む)を用意しています。院内の稟議に合わせて、用語と数字だけ施設仕様に合わせるのが効率的です。 [oai_citation:12‡和歌山県理学療法士協会](https://pt-wakayama.or.jp/announcement/2026-01-29/)

続けて読む:院内で「提案→決裁→実行」を通すための段取りは、交渉の型(伝え方・押さえどころ)も参考になります。

4)申請ルート(国・都道府県)と期限を先に押さえる

支給・申請の取り扱いは、病院とそれ以外で窓口や運用が異なる可能性があります。厚生労働省のページでは、交付要綱・申請様式、申請システム等がまとまっているため、まず公式の「様式」と「申請先」を 1 箇所に集約して院内共有します。 [oai_citation:13‡厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69485.html)

5)「現場に還元されたか」を部門で確認し、次の改定にも備える

受給後に賃金改善へ確実につなげるには、配分のルールが必要です。制度側でも、賃上げ支援は賃金改善への充当と報告を求める設計が示されています。部門としては、どの手当・どの職種・いつからを確認し、次の診療報酬改定期の議論にも耐える“説明可能な状態”にしておくのが安全です。 [oai_citation:14‡厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69485.html)

現場の詰まりどころ:ここで止まりやすい 3 点

この手の制度は「制度の理解」より「院内の手続き」で止まります。詰まりやすいのは次の 3 つです。

  • 要件の取り違え:ベースアップ評価料の届出状況(時点)を誰も即答できない
  • 対象人数の定義が曖昧:兼務・非常勤・委託・派遣の扱いが部署でバラバラ
  • 配分の議論が後回し:「申請して終わり」になり、現場の納得感が作れない

ここは「確認票(チェックリスト)」にして、部門→事務→経営の順に握ると前に進みます。 [oai_citation:15‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

よくある質問

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Q1. うちは何から確認すべきですか?

A. まず「施設区分(病院/診療所/訪問看護)」と「賃上げ支援の要件(ベースアップ評価料の届出など)」を確定します。次に、療法士の対象人数と想定原資を 1 枚にまとめ、経営層へ“申請が必要”である点まで含めて共有します。 [oai_citation:16‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

Q2. 病院は「1 床あたり 19.5 万円」と「84,000 円/床」どっち?

A. 「19.5 万円/床」は、病院向けの賃上げ支援(例:84,000 円/床)と物価支援(例:111,000 円/床)の合算と整合します。説明の場では、賃上げ支援の要件を分けて話すと誤解が減ります。 [oai_citation:17‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)

Q3. 経営層への説明が通らないときは?

A. 「制度の趣旨」ではなく、①要件 ②申請しないと受け取れない ③対象人数 ④想定原資 ⑤申請の期限(公表され次第)を“短い資料”で提示すると通りやすくなります。協会の経営層説明用文案も活用できます。 [oai_citation:18‡和歌山県理学療法士協会](https://pt-wakayama.or.jp/announcement/2026-01-29/)

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参考資料

  • 公益社団法人 日本理学療法士協会.国の補正予算に基づく療法士の賃上げに対する支援の申請について(周知・お願い)[第 1 報](2026 年 1 月 20 日)PDF [oai_citation:19‡日本PT協会](https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/chinage_onegai_01_20260120_c.pdf)
  • 厚生労働省.令和 7 年度 医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について(参照 2026-02-05)Web [oai_citation:20‡厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69485.html)
  • PT-OT-ST.NET.「令和 7 年度 医療機関等賃上げ」特設ページ公開、PT 協会が要件確認・申請など周知(2026.02.04、参照 2026-02-05)Web [oai_citation:21‡PT-OT-ST.NET](https://www.pt-ot-st.net/index.php/topics/detail/1847)
  • 和歌山県理学療法士協会.現場理学療法士の賃上げに確実につなげるための対応について(お願い)(2026.01.28、参照 2026-02-05)Web [oai_citation:22‡和歌山県理学療法士協会](https://pt-wakayama.or.jp/announcement/2026-01-29/)

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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