- 疾患別リハ専従者は「兼任先」と「18・24・108単位」を分けて確認します
- まず結論|専従・兼任と18・24・108単位の早見表
- 図で整理|患者側6・9単位と療法士側18・24・108単位を混同しない
- 疾患別リハの専従療法士は、疾患別リハ以外の業務にも従事できます
- 兼任できる専従者・できない専従者を分けて確認します
- 18単位・24単位・週108単位は、それぞれ意味が違います
- 「20分=1単位」で合算するのは、すべての業務時間ではありません
- 患者側の6・9単位と、療法士側の18・24・108単位は別ルールです
- 病棟配置の専従療法士には、18・24・108単位をそのまま当てはめません
- 院内では4点をそろえると、専従・上限判断を説明しやすくなります
- 院内確認に使えるチェックシート
- 疾患別リハの専従・上限管理で間違えやすい4点
- よくある質問(FAQ)
- 次の一手
- 参考文献
- 著者情報
疾患別リハ専従者は「兼任先」と「18・24・108単位」を分けて確認します
2026年度診療報酬改定では、疾患別リハビリテーション料に規定する専従の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士について、疾患別リハ以外に従事できる業務と、他の専従者との兼任関係が明確化されました。療法士側の実施単位数は1日18単位を標準、週108単位まで、1日24単位までが上限です。
ここで混同しやすいのが、患者1人あたりの「6・9単位」と、療法士1人あたりの「18・24・108単位」です。本記事では、2026年9月時点の公式資料をもとに、専従者は何の業務を行えるのか、何と兼任できるのか、20分換算をどこまで含めるのかを整理します。
2026年度改定のリハ領域をまとめて確認したい方へ
まず結論|専従・兼任と18・24・108単位の早見表
最初に押さえたいのは、「何と兼任できるか」と「何を単位数へ含めるか」は別の論点だという点です。2026年度改定後の基本整理は次のとおりです。
| 論点 | 2026年度の基本整理 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1日の実施単位数 | 18単位を標準 | 18単位は「標準」であり、1日の上限そのものではない |
| 1日の上限 | 24単位まで | 20分換算の対象業務を含めて管理する |
| 週の上限 | 108単位まで | 日単位だけでなく週単位でも確認する |
| 第7部リハ第1節各区分の専従療法士等 | 兼任可能 | 心大血管疾患リハは実施日・時間の条件に注意 |
| 入院料・入院基本料等加算の専従療法士等 | 兼任不可 | 「専従」と「専任」を混同しない |
| 入院料・入院基本料等加算の専任療法士等 | 兼任可能 | 各施設基準で求められる配置要件を別途確認する |
この表だけで判断を完結させるのではなく、実際の届出では、対象となる疾患別リハの施設基準と、兼任先の入院料・加算等で使われている「専従」「専任」の表記を照合してください。
図で整理|患者側6・9単位と療法士側18・24・108単位を混同しない
疾患別リハの「上限」には、患者側と療法士側で異なる数字が登場します。さらに、療法士が疾患別リハの専従者なのか、病棟配置等の専従者なのかによって適用する規定も変わります。

実務では、①患者側か療法士側かを分ける → ②どの専従者として配置されているか確認する → ③兼任先を確認する → ④療法士側の単位数を管理する、の順で見ると整理しやすくなります。
疾患別リハの専従療法士は、疾患別リハ以外の業務にも従事できます
2026年度改定では、疾患別リハビリテーション料に規定する専従療法士について、疾患別リハ以外に従事できる業務が明確化されました。「専従だから疾患別リハ以外の業務は一切できない」と考えるのではなく、施設基準で認められた業務範囲を確認します。
厚生労働省の改定資料では、主に次の業務が示されています。
- 第2章第1部の医学管理等
- 第2部の在宅医療
- 第7部のリハビリテーション
- 第8部の精神科専門療法
- その他のリハビリテーション
- 患者・家族等の指導に係る業務
- 介護施設等への助言業務
担当患者の退院時指導など、職務に照らして必要な業務へ関わることも可能であることが明確化されています。ただし、「専従者が従事できる」ことと、「その業務を診療報酬として算定できる」ことは同じ意味ではありません。個々の診療報酬項目について、対象患者・職種・実施内容などの算定要件を満たす必要があります。
兼任できる専従者・できない専従者を分けて確認します
兼任判断では、相手側の配置要件が第7部リハビリテーションの専従者なのか、入院料等の専従者なのかを最初に分けます。
| 兼任先 | 基本判断 | 注意点 |
|---|---|---|
| 第7部リハビリテーション第1節各区分の専従療法士等 | 兼任可能 | 各区分の施設基準を確認する |
| 心大血管疾患リハの専従療法士等 | 条件付きで可能 | 心大血管疾患リハとその他のリハの実施日・時間が異なる場合のみ |
| 入院料・入院基本料等加算の専従療法士等 | 兼任不可 | 疾患別リハ側だけでなく、入院料等の施設基準も確認する |
| 入院料・入院基本料等加算の専任療法士等 | 兼任可能 | 専任として求められる業務・勤務条件は別途満たす必要がある |
心大血管疾患リハは「実施日・時間」が境界です
心大血管疾患リハビリテーション料については、他のリハビリテーションと同じように無条件で兼任できるわけではありません。厚生労働省資料では、心大血管疾患リハとその他のリハの実施日・時間が異なる場合のみ、別のリハビリテーションの専従者との兼任が可能と整理されています。
そのため、届出上の担当者名だけを見るのではなく、実際の実施曜日・実施時間帯・勤務表まで照合することが重要です。
18単位・24単位・週108単位は、それぞれ意味が違います
療法士側の単位管理では、18・24・108を同じ「上限」として扱わないことがポイントです。18単位は1日の標準、24単位は1日の上限、108単位は週の上限です。
| 数字 | 意味 | 実務での読み方 |
|---|---|---|
| 18単位 | 1日当たりの標準 | 18単位を超えた時点で直ちに上限超過になるわけではない |
| 24単位 | 1日当たりの上限 | 対象となる20分換算分も含めて確認する |
| 108単位 | 週当たりの上限 | 1日ごとの確認だけでなく、週累計も見る |
たとえば、ある日に疾患別リハ等を16単位実施し、後述する20分換算の対象となる特掲診療料業務へ40分従事した場合は、その40分を2単位相当として加え、上限管理上は18単位相当として確認します。
「20分=1単位」で合算するのは、すべての業務時間ではありません
2026年度改定で特に注意したいのが、疾患別リハ以外の業務時間の扱いです。疾患別リハビリテーション料および集団コミュニケーション療法以外の特掲診療料に係る対象業務へ従事した場合、その従事時間を合算し、20分以上であれば20分につき1単位とみなして実施単位数へ含めます。
一方で、専従者が行うことを認められている業務が、すべて18・24・108単位の計算へ入るわけではありません。
| 業務 | 規定の単位数への扱い | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 疾患別リハビリテーション料 | 実施単位として含む | 通常の実施単位を計上する |
| 集団コミュニケーション療法 | 実施単位として含む | 疾患別リハと合わせて管理する |
| それ以外の対象となる特掲診療料業務 | 20分につき1単位として含む | 対象業務の従事時間を合算して確認する |
| その他リハビリテーション、患者・家族等への指導、介護施設等への助言 | 規定の単位数には含めない | 従事可能な業務と単位換算対象を分ける |
| リハビリテーションの記録時間、個別療法のための移動時間等 | 規定の単位数には含めない | 勤務時間すべてを20分換算しない |
また、厚生労働省の説明資料では、第7部リハビリテーションに係る業務のうち、「H003-2 リハビリテーション総合計画評価料」に係る計画書の作成・説明時間は、この20分換算から除外されています。
20分換算の対象業務や具体的な数え方は、2026改定のみなし単位の整理で詳しく扱っています。
患者側の6・9単位と、療法士側の18・24・108単位は別ルールです
この記事で最も混同を避けたいのが、患者側と療法士側の上限です。数字だけを並べて覚えるのではなく、「誰に対する上限なのか」を先に確認します。
| 区分 | 対象 | 主な数字 | 何を管理するか |
|---|---|---|---|
| 患者側 | 患者1人 | 原則6単位/別に定める患者は9単位 | 1日に患者へ算定できる疾患別リハの合計 |
| 療法士側 | 従事者1人 | 18単位標準/24単位上限/週108単位 | 療法士の実施単位数と対象業務の20分換算 |
患者側の6・9単位については、対象患者や標準的算定日数など別の論点があります。詳しくは疾患別リハの標準的算定日数と単位上限で確認してください。
病棟配置の専従療法士には、18・24・108単位をそのまま当てはめません
疾患別リハの専従療法士と、入院料・入院基本料等加算で病棟等へ配置される専従療法士は、同じ「専従」という言葉でも根拠となる施設基準が異なります。
そのため、病棟専従者について「疾患別リハの専従者だから18・24・108単位で管理する」と横展開するのは避けます。まず何の入院料・加算の配置要件として専従になっているのかを確認し、その項目固有の業務範囲・兼任条件・疾患別リハ算定の制限を確認してください。
院内では4点をそろえると、専従・上限判断を説明しやすくなります
ここからは公式要件そのものではなく、院内運用へ落とし込むための整理例です。全国一律に次の様式が求められているわけではありませんが、担当者が変わっても判断根拠を追えるよう、最低限の確認項目をそろえておくと運用しやすくなります。
| 確認項目 | 確認する内容 | 残し方の例 |
|---|---|---|
| 配置区分 | 疾患別リハ専従か、病棟・入院料等の配置者か | 届出区分・対象施設基準 |
| 兼任先 | 第7部リハか、入院料等の専従・専任か | 兼任先・判断根拠 |
| 実施単位数 | 疾患別リハ等の単位数と20分換算対象業務 | 日合計・週累計 |
| 例外条件 | 心大血管疾患リハの実施日・時間など | 勤務表・実施時間・確認者 |
迷ったときは「専従という言葉だけ」で判断せず、①配置根拠 → ②兼任先 → ③単位数へ含める業務 → ④日・週の合計の順で確認します。
院内確認に使えるチェックシート
専従・兼任や上限管理を部署内で確認するときは、判断した結論だけでなく、根拠・確認者・見直し日まで残しておくと後から追いやすくなります。
以下のチェックシートは、対象条件、専従・兼務の前提、上限到達見込み、今回の判断、根拠・確認者を1枚で整理するためのものです。公式の届出様式ではなく、院内確認用の補助シートとして使用してください。
疾患別リハの専従・上限管理で間違えやすい4点
制度を院内運用へ落とすときは、次の4つを混同しないことが重要です。
| 間違えやすい考え方 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 「専従なら疾患別リハ以外は一切できない」 | 2026年度改定で、専従者が従事できる業務範囲が明確化されている |
| 「従事できる業務は全部20分換算する」 | 従事可能な業務と、18・24・108単位へ算入する業務は分けて確認する |
| 「18単位が1日の絶対上限」 | 18単位は標準。1日の上限は24単位、週の上限は108単位 |
| 「6・9単位と18・24・108単位は同じ上限」 | 6・9単位は患者側、18・24・108単位は療法士側の管理 |
よくある質問(FAQ)
疾患別リハの専従療法士は、疾患別リハ以外の業務をしてはいけませんか?
いいえ。2026年度改定では、医学管理等、在宅医療、第7部リハビリテーション、第8部精神科専門療法、患者・家族等への指導、介護施設等への助言など、疾患別リハ以外に従事できる業務が明確化されています。ただし、各診療報酬項目を算定する場合は、それぞれの算定要件を満たす必要があります。
他の疾患別リハの専従療法士と兼任できますか?
第7部リハビリテーション第1節各区分の専従療法士等との兼任は可能とされています。ただし、心大血管疾患リハビリテーション料については、心大血管疾患リハとその他のリハの実施日・時間が異なる場合のみ兼任可能です。
病棟の専従療法士と兼任できますか?
入院料や入院基本料等加算で「専従」として配置される理学療法士等とは兼任できません。一方、入院料等で「専任」とされる療法士等との兼任は可能とされています。実際には、双方の施設基準の表記を確認してください。
18単位・24単位・108単位と、患者の6・9単位は何が違いますか?
18単位標準・1日24単位上限・週108単位は、療法士1人の実施単位数を管理するルールです。一方、6・9単位は患者1人に対して1日に算定できる疾患別リハの合計単位数に関するルールです。対象が異なるため、分けて確認します。
次の一手
疾患別リハの専従者ではなく、回復期リハビリテーション病棟入院料や地域包括ケア病棟入院料など、病棟に配置される療法士の業務範囲・兼任・指導を確認したい場合は、次の記事へ進むと整理しやすくなります。
参考文献
- 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定の概要 13. 重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション). 2026. 公式資料
- 厚生労働省保険局医療課. 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて. 保医発0305第8号. 2026年3月5日(2026年7月30日訂正後). 令和8年度診療報酬改定 関係法令・通知等
- 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定について. 2026. 厚生労働省
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

