意欲評価 総論|やる気スコア・VI・PRPSの使い分け

評価
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意欲評価の総論:選び方と運用のコツ

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意欲(モチベーション)は介入効果や離床・自主トレの実施率に直結します。本総論では、高齢者領域でよく使われる 3 指標(やる気スコア=Apathy ScaleVitality IndexPRPS)をどれをいつ使うかで整理します。詳細解説と配布(記録用シート)は各個別ページに集約し、ここでは使い分け・運用に集中します。

どの指標を選ぶ?(用途別の使い分け)

  • 短時間で意欲低下をスクリーニングやる気スコア(Apathy Scale)(自己回答/14項目/4件法)
  • 観察ベースで日常の活力度を追うVitality Index(5項目×3件法=10点満点/観察)
  • リハ参加態度をセラピスト観察で数値化PRPS(6段階評定/セッション毎記録)

比較早見表

意欲評価 3 指標の比較(成人/臨床一般)
指標 主目的 対象 方式 項目数/所要時間 判定・カットオフ例 主な適用場面
やる気スコア(Apathy Scale) アパシー傾向の把握(スクリーニング) 高齢者を中心に広く 自己記入(4件法) 14 項目/約 3–5 分 合計 0–42 点、14–16 点以上で要注意の運用が一般的 回復期・維持期の定期チェック、外来
Vitality Index 日常の活力度(起床・食事など)の観察 主に高齢者・要介護者 観察(0/1/2 点) 5 項目/約 1–3 分 合計 ≤7 点を低意欲の目安に 病棟・施設の定期ラウンド、家族説明
PRPS リハ参加態度の段階評価 リハ介入中の患者 セラピスト観察(6段階) 1 評定/即時 明確な閾値はなし。推移と週平均で判断 急性期〜回復期のセッション記録

実施の実務:準備・説明・再評価間隔

  • 準備:静かな環境、説明スクリプト、記録用シート(本文なし)を用意。
  • 説明:目的・所要時間・結果の使い道を最初に明示(バイアス低減)。
  • 再評価:急性期 1–3 日、回復期 1–2 週、生活期 1 ヵ月を目安(施設運用で調整)。
  • 併用:抑うつ・認知・ADL など関連尺度と合わせて全体像を把握。

判定と読み取りのポイント

  • 単回値より再評価のトレンドで解釈する。
  • 眠気・疼痛・せん妄・薬剤影響は 評価前チェックで除外。
  • 家族・介護者の補足聴取で日内変動・曜日差を把握。

よくある誤りと対策

  • 説明不足で自己記入がブレる → 共通スクリプトで対応。
  • 前回スコアを見せてしまう → 再評価時は白紙で開始。
  • 実施時間帯がバラバラ → 同時刻帯ルールを決める。

記録用シートと共通ツール

共通ツール(全スケールで使用)

各指標の個別解説への導線

  1. やる気スコア(Apathy Scale)の実施手順判定記録用シート
  2. Vitality Index の実施手順判定記録用シート
  3. PRPS の実施手順推移の見方記録用シート

配布物の取り扱い(著作権ポリシー)

当ブログの配布物は、「項目本文なしの記録・集計用」に統一しています。原法の設問本文や翻訳本文は掲載・配布していません。原文は各スケールの公式配布先・原著をご参照ください。

FAQ(各項目名をタップすると開きます)

スクリーニングはどれを優先?

自己回答が可能なら「やる気スコア」、観察主体で全員把握なら「Vitality Index」。セッション内の参加度は「PRPS」。

再評価の推奨頻度は?

急性期 1–3 日、回復期 1–2 週、生活期 1 ヵ月を目安。イベント(転棟・薬剤変更)後にも追加測定を。

家族説明に使うならどれ?

Vitality Index は生活行動と直結して説明しやすい指標です。


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