PT・OT・STも処遇改善の対象?2026年6月改定の給料反映3チェック

制度・実務
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PT・OT・STも処遇改善の対象?2026年6月の給料反映を確認

最終更新:2026年8月24日(令和8年度介護報酬改定・3月13日通知・Q&A第1版を確認)

2026年6月の介護報酬改定では、介護事業所で働くPT・OT・STも処遇改善加算による賃金改善の配分対象に含めることができます。ただし、リハ職なら全員の給料が一律に月1万円、まして最大1.9万円上がるという制度ではありません。

自分への反映を見分けるポイントは、①勤務先が加算を算定しているか、②PT・OT・STを配分対象にしているか、③基本給・手当・賞与などのどこに、いつ反映するかの3点です。この記事では、厚生労働省の通知・Q&Aをもとに、リハ職本人が確認すべきことへ絞って整理します。

介護分野全体の賃上げから確認したい方へ
2026年6月の介護給料改定を確認する

まず結論|リハ職は「算定・配分対象・反映方法」の3点を確認します

PT・OT・STは制度上の対象範囲に含まれますが、個人への配分額や支給方法まで一律に決められているわけではありません。勤務先で次の3点を確認すると、自分の給料へ反映されるかを整理しやすくなります。

PT・OT・STの給料反映を確認する3ポイントを示した図版
図:PT・OT・STの給料反映は「加算の算定」「配分対象」「反映方法」の3点から確認します。

PT・OT・STも配分対象|厚労省Q&Aに職種名が明記されています

「リハ職は介護職ではないから対象外」と考える必要はありません。令和8年度の厚生労働省Q&Aでは、処遇改善加算の事業所内配分について、介護職員以外の全職種が対象範囲に含まれると整理されています。

介護事業所に勤務する主な職種の例として、医師、看護師、介護支援専門員などと並び、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士も明記されています。

PT・OT・STが押さえておきたい制度上の整理
確認したいこと 制度上の整理 注意点
PT・OT・STは対象? 賃金改善の配分対象に含めることができる 個人への一定額の支給を保証する意味ではない
全員が同じ額? 事業所内で柔軟な配分が認められている 勤務先の配分方針によって反映額は異なり得る
加算を取れば終わり? 算定額に相当する賃金改善を行う必要がある 自分がどのように配分されるかは別途確認する

配分には事業所の裁量がありますが、職務内容や勤務実態に見合わない著しく偏った配分は行わないことも通知で示されています。

月1万円・最大1.9万円はどう読む?|リハ職への一律支給額ではありません

今回の改定では、介護職員だけでなく介護従事者を対象に、幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置が示されています。ただし、これはPT・OT・ST一人ひとりへ月1万円をそのまま支給するという意味ではありません。

さらに、生産性向上や協働化に取り組む事業者への月0.7万円(2.4%)の上乗せは介護職員を対象とした措置です。「最大月1.9万円(6.3%)」という数字も介護職員についての説明で、定期昇給0.2万円を含みます。

2026年6月改定の金額表現とPT・OT・STの読み方
資料上の表現 制度上の意味 リハ職の注意点
月1.0万円(3.3%) 介護従事者を対象に幅広く賃上げを実現する措置 個人へ月1万円を一律支給する意味ではない
月0.7万円(2.4%)上乗せ 生産性向上・協働化に取り組む事業者の介護職員が対象 PT・OT・STへそのまま0.7万円上乗せされる数字ではない
最大月1.9万円(6.3%) 介護職員について定期昇給0.2万円を含めた説明 リハ職の一律賃上げ額として読まない

したがって、給与明細で「1万円」「1.9万円」という数字だけを探すのではなく、勤務先がどの加算を算定し、自分をどのように配分対象としているかを確認することが重要です。

給与にはどう反映される?|基本給・手当・賞与などを確認します

処遇改善加算を算定する事業者は、算定額に相当する介護職員その他の職員の賃金改善を行う必要があります。対象となる賃金には、基本給、手当、賞与などが含まれます。

また、令和8年度に改定などによって新たに増加した加算額については、その増加額に相当する新たな賃金改善を行う必要があり、通知ではベースアップによる改善を基本としています。ベースアップだけで対応できない場合には、その他の手当や一時金などを組み合わせることも認められています。

自分への反映を確認するときは、次のように分けて確認すると分かりやすくなります。

  • 何で反映するか:基本給、毎月の手当、賞与、一時金など
  • いつ反映するか:何月分の給与から変更されるか
  • 誰を対象にするか:PT・OT・STが配分対象に含まれているか

訪問リハは2026年6月から新設|加算率1.5%は個人の昇給率ではありません

訪問リハビリテーションは、これまで処遇改善加算の対象外でしたが、2026年6月から新たに処遇改善加算が設けられました。厚生労働省の改定概要では、訪問リハビリテーションの加算率は1.5%とされています。

ただし、「訪問リハで働いているから給料が1.5%上がる」という意味ではありません。1.5%は、処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数に乗じる事業所側の加算率であり、PT・OT・ST個人の給与上昇率ではありません。

訪問リハで算定要件や届出まで確認したい場合は、訪問リハ処遇改善2026|要点と4ステップで各論を整理しています。

自分の職場ではどう確認する?|まず3つ質問します

制度の細かな名称をすべて覚えなくても、自分への給与反映は3つの質問から確認できます。「給料は上がりますか?」だけで終わらせず、算定、配分対象、反映方法に分けて聞くのがポイントです。

  1. 「2026年6月以降、今のサービスで処遇改善加算を算定していますか?」
  2. 「PT・OT・STは今回の賃金改善の配分対象に含まれていますか?」
  3. 「基本給・手当・賞与などのどこに、いつから反映する予定ですか?」

1つ目で加算の有無、2つ目で自分の職種への配分、3つ目で実際の給与への反映方法を確認できます。法人や事業所によって配分方法が異なるため、最終的には勤務先の説明と給与規程・給与明細で確認してください。

制度要件と「働きやすい職場を見る視点」は分けて考えます

処遇改善加算にはキャリアパス要件や職場環境等要件がありますが、面談の回数、研修を勤務時間内に実施するか、記録テンプレートがあるかといった個別の項目を、そのまま全事業所共通の必須条件として考えるのは適切ではありません。

一方で、面談や研修を無理なく実施できるか、役割分担が明確か、記録が二重化していないかといった点は、改定後も働き続けやすい職場かを見る実務上の確認ポイントになります。制度の算定要件と、職場選びの判断材料は分けて確認しましょう。

配布物|面談や職場確認で使えるチェックシート

職場へ確認したいことを整理できる「リハ職の職場見分けチェックシート」をA4・1枚にまとめています。面談前の準備、職場見学、上司や総務とのすり合わせに利用できます。

このチェックシートは、働き方や職場環境を確認するための独自資料です。処遇改善加算の算定可否を判定する厚生労働省の公式様式ではありません。

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よくある質問

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2026年6月の改定でPT・OT・STは処遇改善の対象ですか?

処遇改善加算の事業所内配分では、介護職員以外の全職種が対象範囲に含まれます。厚生労働省Q&Aには、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士も具体的に明記されています。ただし、個人への一定額の配分を保証する意味ではありません。

PT・OT・STも月1万円上がりますか?

月1.0万円は、介護従事者を対象に幅広く賃上げを実現するための制度上の措置を示した数字です。PT・OT・ST一人ひとりの給与に月1万円を一律支給するという意味ではありません。勤務先の算定状況と配分方針を確認する必要があります。

最大月1.9万円はリハ職にも当てはまりますか?

最大月1.9万円という説明は介護職員についてのもので、定期昇給0.2万円も含まれています。PT・OT・STの一律賃上げ額として読むのは適切ではありません。

訪問リハなら給料が1.5%上がりますか?

いいえ。1.5%は訪問リハビリテーションに新設された処遇改善加算の加算率であり、PT・OT・ST個人の昇給率ではありません。実際の給与反映は、事業所の賃金改善と配分方法によって異なります。

次の一手|自分の職場で3点を確認します

まずは、勤務先が処遇改善加算を算定しているか、PT・OT・STが配分対象に含まれているか、基本給・手当・賞与などのどこへ反映するかを確認してください。

「対象職種だから必ず上がる」「月1万円や最大1.9万円がそのまま支給される」と判断せず、勤務先の算定と配分方法まで確認して初めて、自分への反映が見えてきます


参考文献

  1. 厚生労働省. 令和8年度介護報酬改定について. 厚生労働省
  2. 厚生労働省老健局. 介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分). 令和8年3月13日. PDF
  3. 厚生労働省老健局. 介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版). 令和8年3月13日. PDF
  4. 厚生労働省. 令和8年度介護報酬改定の概要. PDF

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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