2026 リハ単位管理のミスをゼロにする|上限・日数・併算定チェックリスト(返戻対策)
PT の転職・職場選びで迷ったら:失敗しない進め方(無料チェック付)
この記事には広告が含まれています。
令和 8 年度( 2026 )改定の年は、制度変更そのものより “運用の明確化” が進みやすく、単位・日数・併算定の「うっかり」が返戻につながりやすい年です。特にリハは、病棟移動、休日体制、急変・検査、担当交代で情報が分断されやすく、ミスは個人の注意だけではゼロになりません。
本記事では、単位管理のミスをゼロに近づけるために、①上限・日数・併算定のチェック観点、②ダブルチェックの型、③よくある失敗の潰し方を、部門で使えるチェックリストにまとめます。
現場の詰まりどころ(よくあるミス)
| ミス | 典型シーン | 原因 | 最小の対策 |
|---|---|---|---|
| 上限超え | 休日・緊急対応が重なった | リアルタイムで見えない | 当日累計が見える “ 1 画面” を作る |
| 日数カウントのズレ | 転棟・転院で情報が分断 | 起算日・除外の扱いが曖昧 | 起算ルールを 1 枚に固定 |
| 併算定の抜け | 他部門が先に算定していた | 共有不足 | 併算定は “確認欄” を必須にする |
| 実施はしたが記録が弱い | 急変で短縮・中止 | 根拠・時刻が残っていない | 中止時の 3 点(理由・時刻・次回) |
| 担当交代で引継ぎ漏れ | 年末年始・人事異動 | 属人化 | 引継ぎテンプレ( 5 項目)を統一 |
ミスをゼロにする基本方針:個人でなく “仕組み” で防ぐ
単位管理は、個人が毎回気をつけてもミスは起きます。防ぐコツは、①当日累計の見える化、②日数の起算ルール固定、③併算定の確認欄を必須化、④例外時(中止・短縮)も証明できる記録、の 4 つを “部門ルール” にすることです。
上限・日数・併算定チェックリスト(部門で使える)
以下は、現場のダブルチェックにそのまま使える点検表です。院内のルールに合わせて “担当” の欄だけ埋めると回ります。
| タイミング | チェック項目 | OK の目安 | NG の典型 | 担当(例) |
|---|---|---|---|---|
| 当日(朝) | 当日累計が 1 画面で確認できる | 予定+実績が見える | 見えるのが担当者だけ | 管理担当 |
| 当日(実施前) | 上限に近い患者の “注意フラグ” | 上限手前で警告 | 上限直前で気づく | 主担当 |
| 当日(実施前) | 併算定の有無を確認する欄がある | チェック欄が必須 | 口頭確認のみ | 主担当 |
| 当日(実施後) | 短縮・中止のとき “ 3 点” を残す | 理由+時刻+次回 | 「中止」だけ | 実施者 |
| 週 1 | 日数カウント(起算・除外)を点検 | 起算日が明確 | 転棟でズレる | 管理担当 |
| 週 1 | 上限超えリスク患者を抽出 | 先回りで調整できる | 当日に慌てる | 病棟担当 |
| 転棟・転院 | 引継ぎテンプレ( 5 項目)で共有 | 抜け漏れがない | 日数・上限が不明 | 主担当 |
| 月末 | 返戻になりやすい症例を振り返る | 原因と対策が 1 行 | 同じミスを繰り返す | 部門 |
引継ぎテンプレ( 5 項目)
担当交代でミスが出るなら、引継ぎを “型” にしてしまうのが最短です。以下の 5 項目だけで十分回ります。
- ①当日累計の状況(上限に近いか)
- ②日数の起算(起算日・注意点)
- ③併算定の注意(他部門の算定・注意点)
- ④例外(中止・短縮)(理由・時刻・次回)
- ⑤次回の調整(量・頻度をどうするか)
院内で統一すべきルール(最小)
単位管理は、院内でルールが揃っていないと事故が起きます。最低限、次の 3 つは文章で統一しておくと安全です。
- ①日数の起算ルール:起算日・除外・転棟時の扱い
- ②上限の見える化:当日累計の確認方法と責任者
- ③併算定の確認方法:チェック欄(記録)を必須にする
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. “当日累計の見える化” は誰が管理するべき?
おすすめは管理担当( 1 人)+バックアップ( 1 人)です。全員が管理しようとすると責任が曖昧になり、結局ミスが増えます。朝に 1 回、当日累計を確認する運用だけでも効果があります。
Q2. 併算定は口頭確認でも大丈夫?
返戻対策としては弱いです。確認した事実が残る “チェック欄” を必須化すると、担当交代でも抜けにくくなります。
Q3. 急変で中止になった日は、何を残せばいい?
中止時は「理由・時刻・次回」の 3 点を最小セットにします。これだけで説明可能性が上がり、記録の弱さが原因の指摘を減らせます。
参考文献・一次情報
- 令和 8 年度診療報酬改定の基本方針の概要(厚生労働省 PDF )
- 地方厚生局(各局)|診療報酬・指導監査関連情報(トップ)
- 厚生労働省|医療 DX について
- Donabedian A. The quality of care. How can it be assessed? JAMA. 1988;260(12):1743-1748.
- WHO|International Classification of Functioning, Disability and Health( ICF )
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下
おわりに
単位管理のミスは「見える化 → ルール固定 → チェック欄必須 → 例外時の証明」で、個人の注意ではなく仕組みで減らせます。まずは当日累計の 1 画面化と、日数起算ルール、併算定チェック欄の 3 点から整えるのが最短です。

