リハビリ施設基準チェックリスト 2026 の結論
結論から言うと、施設基準の確認は ①何を届け出るか ②何を満たすか ③どこに証跡を残すか の 3 点に分けると漏れにくくなります。制度文書を読む量を増やすより、院内で同じ順番・同じ言葉で確認できる状態を作ることが、届出漏れと監査前の手戻りを同時に減らす近道です。
このページで答えるのは、チェックリストの使い方・確認順・記録先です。個別の疾患別リハの施設基準や、各様式の細かな記入方法までは広げません。まずは「誰が・何を・どこに残すか」を決める入口として使ってください。
まず 5 分で確認する順番
最短で進めるなら、①対象算定区分の特定、②算定条件・除外条件の明文化、③担当体制の固定、④記録様式の統一、⑤月次レビューの順で進めます。現場で止まりやすいのは、要件の理解不足よりも「記録の書き方が部署で違う」状態です。
最初に 「誰が・何を・どこに残すか」 を決めるだけで、監査前の修正コストは大きく下がります。チェックは“知識の有無”ではなく、証跡として追えるかを基準に合わせると回しやすくなります。
チェックリストをダウンロード
記入欄を広めに取った実務版( A4 縦 )を用意しました。まずボタンで開き、必要なら下のプレビューで内容を確認してください。
プレビューを表示する(タップで開閉)
施設基準チェック表(届出漏れを防ぐ順)
| フェーズ | 確認項目 | 判定基準 | 記録先 | 担当 |
|---|---|---|---|---|
| 開始前 | 対象となる算定区分の特定 | 対象患者・体制・算定要件が定義されている | 要件一覧シート | 管理者 |
| 開始前 | 算定条件と除外条件の明文化 | 例外時の判断ルールまで文書化されている | 運用手順書 | 責任者 |
| 運用中 | 実施記録の必須項目統一 | 全職種で同じ必須項目を記入している | 記録テンプレート | 各担当 |
| 運用中 | 月次レビュー(抜け漏れ確認) | 漏れ件数と是正内容を追跡できる | 月次レビュー表 | 管理者 |
| 届出 / 監査前 | 証跡の突合(要件 ↔ 記録) | 抽出症例で整合が取れている | 監査前チェック票 | 監査担当 |
現場の詰まりどころ
詰まりの中心は「要件は知っているが、記録が残らない」ことです。評価や介入の質そのものより、記載ルールの不統一で後から説明不能になるケースが目立ちます。先に入力ルールを統一すると、運用は一気に安定します。
ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、書き方や手順だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。評価・記録・報告の「型」をまとめて整理したい方は、PT キャリアガイドも参考になります。
よくある失敗(OK / NG)
| 場面 | NG | OK | 回避策 | 記録ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 要件確認 | 担当者のみ把握している | 算定条件・除外条件を文書で共有している | 更新担当と更新日を固定する | 改訂履歴を残す |
| 記録運用 | 部署ごとに記載様式が異なる | 必須項目を 1 テンプレートに統一 | 見本記載を先に配布する | 未記入率を月次で確認 |
| 監査前対応 | 直前に一括修正する | 月次で症例抽出して前倒し確認 | 確認担当を複線化する | 是正期限と担当を明記 |
回避の手順(最短版)
回避策は複雑にしないことが重要です。①要件一覧を 1 枚化、②記録必須項目を統一、③月次で抽出点検、の 3 段で実効性が出ます。特に②が揃うと、異動や欠員時の質低下を抑えやすくなります。
運用の強さは個人の熟練よりも「引き継げる型」に依存します。まずは完璧を目指すより、継続できる最小運用を固定し、毎月改善する流れに切り替えるのが現実的です。
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
チェックリストは誰が更新すべきですか?
責任者 1 名に固定しつつ、現場代表(療法士・看護・事務)の 3 者で月次更新する運用が実務的です。単独管理は更新遅延、全員管理は責任分散を招きやすいためです。
このページだけで、個別の疾患別リハの要件や様式まで確認できますか?
そこまでは扱いません。このページは「確認順」と「記録先」をそろえる入口です。個別の専従要件や上限判断は、疾患別リハの上限・専従要件の記事で分けて確認すると整理しやすくなります。
監査前だけ整えれば十分ですか?
十分ではありません。監査前の整備だけでは遡及修正が増えて説明負担が高くなります。月次点検を前提にすると、監査前は最終確認で済みます。
最初に着手する 1 項目を選ぶなら?
「記録の必須項目統一」から始めるのが最短です。要件理解に差があっても、記録が揃えば点検と是正が回しやすくなります。
次の一手
- 全体像を戻って確認する:施設基準ハブ
- 個別要件へ進む:疾患別リハの上限・専従要件
参考文献
- 厚生労働省. 令和 8 年度診療報酬改定について. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 厚生労働省保険局医療課. 令和 8 年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリストの送付について. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001693862.pdf
- 関東信越厚生局. 令和 8 年度診療報酬改定について. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/iryo_shido/r08kaitei_00001.html
- 関東信越厚生局. 外来/在宅/リハビリテーションデータ提出加算及び充実管理加算に係る取扱いについて. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/iryo_shido/gzr.html
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


