リハ×栄養×口腔連携チェックリスト 2026

制度・実務
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リハ×栄養×口腔連携は「48 時間・14 日・再評価」を固定すると回ります

この記事は、リハ・栄養・口腔(摂食嚥下を含む)を院内で実装するための 2026 年版チェックリストです。制度の細目をすべて解説するのではなく、病棟で「誰が・いつ・何を評価し、どこに記録するか」を 5 分で確認できる形に整理します。

結論は、①入棟後の起点を決める、② 48 時間以内に ADL・栄養・口腔/嚥下をそろえる、③計画作成日から 14 日以内の介入と再評価を記録する、の 3 点です。改定要件や点数差は 2026 改定の論点 に分け、本ページでは現場実装に集中します。

このページで答えること・答えないことを分ける

このページで答えるのは、リハ・栄養・口腔連携を病棟で止めないための 実装手順です。制度改定の細目、点数差、施設基準の読み込みは必要ですが、ここで深掘りしすぎると検索意図がぶれます。

そのため、本記事では「48 時間以内に何をそろえるか」「14 日以内に何を記録するか」「再評価時に何を更新するか」に絞ります。制度面・歯科依頼・A233 の詳細は関連ページへ分けることで、親記事としての役割を明確にします。

本ページの役割定義と関連ページの棲み分け
論点 本ページで扱う 深掘り先
院内実装の流れ 48 時間・14 日・再評価の運用手順 本ページで完結
2026 改定の要件差 現場に必要な入口のみ 2026 改定の論点
A233 の算定運用 全体像と記録の考え方 A233 運用の型
歯科依頼の具体文 依頼が必要になる場面のみ 歯科依頼導線の作り方
口腔管理体制 連携上の注意点のみ 口腔管理体制の確認

5 分で確認する実装フロー

最初に固定するのは、評価項目よりも 期限です。起点日、48 時間以内の初期評価、計画作成日、14 日以内の介入、再評価日を先に決めると、職種ごとの動きがそろいやすくなります。

次に、評価項目を ADL・栄養・口腔/嚥下の 3 領域に絞ります。最後に、電子カルテ上の記録先、カンファレンスで共有する項目、歯科依頼の基準を固定します。ここまでを 1 枚のチェックリストで確認できる状態にすることが、現場実装の近道です。

リハ栄養口腔連携の入院から48時間、14日、再評価までの流れを示した図版
期限(48 時間・14 日・再評価)を先に固定すると、職種間の連携漏れと記録のばらつきが減り、監査対応もしやすくなります。
リハ・栄養・口腔連携の 5 分フロー(病棟運用向け)
タイミング 決めること 記録すること 止まりやすい点
入棟時 起点日・担当職種・記録先 入棟日、評価予定日、担当者 起点が部署ごとにずれる
48 時間以内 ADL・栄養・口腔/嚥下の初期評価 尺度名、所見、リスク、次アクション 評価はあるが判断が残らない
計画作成時 目標、介入、歯科依頼の要否 計画作成日、介入内容、依頼先 所見だけで期限がない
14 日以内 介入結果と再評価予定 実施内容、反応、変更理由 再評価日が未設定になる
退棟・転棟時 次施設へ渡す情報 ADL、摂取状況、口腔課題、継続依頼 申し送りが職種別に分散する

2026 年版チェックリストで評価漏れを減らす

チェックリストは、項目を増やすためではなく、最低限そろえる情報を固定するために使います。ADL、栄養、口腔/嚥下を別々に評価しても、記録の粒度がそろわないとカンファレンスで次アクションが決まりません。

下の表では、各職種が確認しやすいように「見る項目」「判断」「次アクション」を 1 セットにしています。病院ごとの様式に合わせて表現を変えても、構造は崩さないのがポイントです。

48 時間以内にそろえる最小チェックリスト(2026 年版)
領域 見る項目 判断の目安 次アクション
ADL BI / FIM、離床状況、基本動作、転倒リスク 入棟前との差、介助量、低下リスクを確認 離床目標、介助方法、再評価日を設定
栄養 体重変化、摂取量、食形態、GLIM 評価、食物アレルギー 低栄養リスク、摂取不足、嚥下との関連を確認 栄養介入、食事調整、観察頻度を設定
口腔/嚥下 口腔衛生、義歯、咬合、むせ、湿性嗄声、食事場面 口腔課題、嚥下リスク、歯科依頼の必要性を確認 口腔ケア、ST 評価、歯科依頼を検討
連携 カンファレンス、依頼導線、返答の記録 誰が誰へ何を渡すかを確認 依頼時刻、返答、実施結果を残す
リハ栄養口腔連携の48時間以内から14日以内再評価までの使い方を示した図版
評価・判断・依頼・再評価を 1 枚でつなぐと、連携漏れや記録の抜けを確認しやすくなります。

リハ・栄養・口腔連携チェックシート

病棟でそのまま使えるように、48 時間以内の評価、14 日以内の介入、歯科依頼、再評価メモを 1 枚にまとめた A4 チェックシートを用意しました。印刷してカンファレンス前の確認や、電子カルテ記録の抜けチェックに使えます。

使い方はシンプルです。入棟時に基本情報を記入し、48 時間以内に ADL・栄養・口腔/嚥下の初期評価を確認します。その後、計画作成日、依頼先、14 日以内の再評価日をそろえると、連携漏れを減らしやすくなります。

A4 1 枚:リハ・栄養・口腔連携チェックシート

48 時間評価・14 日以内介入・再評価・依頼共有を 1 枚で確認できます。

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記録は「評価→判断→依頼→再評価」の型で残す

監査や引き継ぎで困るのは、評価を実施したかどうかよりも、評価結果から何を判断し、誰へつないだかが追えないことです。記録は長く書くより、時系列で追える型にそろえる方が再現性が高くなります。

おすすめは「評価」「判断」「依頼」「再評価」の 4 要素です。職種ごとの専門用語を使ってもよいですが、カンファレンスで共有する欄には、他職種が読んでも次の行動が分かる言葉で残します。

リハ・栄養・口腔連携の記録テンプレート
記録要素 書く内容 記録例
評価 ADL・栄養・口腔/嚥下の所見 BI 45 点、摂取 5 割、義歯不適合あり
判断 低下リスク、介入優先度、歯科依頼の要否 摂取不足と口腔課題が ADL 低下に影響する可能性
依頼 誰へ、何を、いつまでに依頼したか 管理栄養士へ食事調整依頼、歯科へ義歯確認依頼
再評価 反応、変更点、次回確認日 3 日後に摂取量・離床量・口腔状態を再確認

現場の詰まりどころは「期限・語彙・記録先」の未固定です

リハ・栄養・口腔連携が止まる原因は、知識不足だけではありません。実際には、期限が曖昧、評価語彙が職種ごとに違う、記録先が分散している、という運用面のズレで止まりやすくなります。

特に、カンファレンスで合意しても「誰が・いつまでに・何を更新するか」が残っていないと、次回の再評価で同じ議論を繰り返します。詰まりどころは、以下の 3 点から先に確認してください。

毎回同じところで詰まる場合は、手順だけでなく学べる環境も確認しておきましょう。

評価・記録・報告の型が共有されていないと、個人の努力だけでは改善しにくいことがあります。教育体制や相談相手、共通フォーマットの有無も含めて整理したい方は、PT キャリアガイドも参考になります。

PT キャリアガイドを見る

よくある失敗は OK/NG で先に潰す

連携運用では、評価項目の不足よりも「次に何をするか」が書かれていないことが問題になります。NG は、所見だけが残り、期限・担当・依頼先が抜ける状態です。

OK は、所見に加えて、具体的介入、担当職種、期限、再評価日まで 1 セットで残すことです。以下の表を、病棟カンファレンス前の確認表として使うと抜けが減ります。

リハ・栄養・口腔連携でよくある失敗(OK/NG)
場面 NG OK
初期評価 担当者ごとに評価日がずれる 起点日を共通定義し、48 時間以内の確認項目を固定する
カンファレンス 所見だけで次アクションがない 所見+介入+担当+期限で記録する
栄養介入 食事量だけを見て ADL とつながらない 摂取量、体重変化、離床量、疲労感を合わせて見る
口腔/嚥下 むせの有無だけで判断する 口腔衛生、義歯、咬合、食事場面、湿性嗄声を合わせて確認する
歯科依頼 長文依頼で要点が埋もれる 主訴、所見、依頼内容、希望期限を 1 行でそろえる
再評価 実施したことだけを記録する 反応、変更理由、次回確認日まで残す

回避手順は監査目線で確認する

実装後は、「実施したか」ではなく、後から追跡できるかで確認します。監査目線では、起点日、評価、計画、依頼、再評価が時系列でつながっていることが重要です。

以下の手順で確認すると、記録先の分散や依頼漏れを見つけやすくなります。病棟ごとに運用差がある場合は、まず 1 病棟で試行し、記録テンプレートを固定してから横展開すると安定します。

  1. 起点日が明記されているか(入棟日・評価開始日・計画作成日)
  2. 48 時間以内に ADL・栄養・口腔/嚥下の 3 領域がそろっているか
  3. 評価結果から次アクションが職種別に書かれているか
  4. 歯科依頼が必要な場合、依頼時刻・依頼先・返答が追えるか
  5. 14 日以内の介入内容と再評価日が記録されているか
  6. 再評価時に、変更理由と次回確認日まで残せているか
  7. 退棟・転棟時に、次施設へ渡す ADL・栄養・口腔情報が整理されているか

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. まず何から固定すると連携が回りやすくなりますか?

最初は「期限」と「記録先」です。評価項目を増やすより先に、起点日、48 時間以内の初期評価、計画作成日、再評価日を固定し、電子カルテ上の記録場所を 1 つに寄せると運用が安定します。

Q2. 48 時間以内に必ず見るべき項目は何ですか?

最低限そろえたいのは、ADL、栄養状態、口腔/嚥下状態です。ADL は BI や FIM など、栄養は体重変化・摂取量・GLIM 評価など、口腔/嚥下は口腔衛生・義歯・咬合・むせ・食事場面を確認します。

Q3. 14 日以内には何を記録すればよいですか?

計画作成日、介入内容、職種別の役割、患者の反応、変更理由、次回再評価日を残します。実施内容だけではなく、「評価から何を判断して、どう変えたか」が追える形にすることが重要です。

Q4. 歯科依頼はどのタイミングで検討しますか?

口腔衛生状態の不良、義歯不適合、咬合不良、食事中のトラブル、口腔内疼痛などが ADL・摂取量・嚥下に影響している場合は早めに検討します。依頼文は長文化せず、主訴・所見・依頼内容・希望期限を短くそろえます。

Q5. 制度改定の細かな要件はこのページで確認できますか?

このページは実装チェックリストです。点数、施設基準、加算区分、届出の細目は、2026 改定の論点ページや厚生労働省の告示・通知・疑義解釈を確認してください。

次の一手

運用を整えたあとに、職場環境の詰まりも点検しておきましょう。

教育体制、人員配置、記録文化、相談環境が整っているかを見える化すると、連携が止まる原因を整理しやすくなります。

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参考文献

著者情報

rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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