療養病棟の医療区分 2・3 見直しは「判定を説明できる運用」を先に作ると回ります
療養病棟の医療区分 2・3 見直しでは、点数の暗記よりも「誰を、どの順に、どう説明して受け入れるか」を先に揃えることが重要です。判定が担当者ごとにズレると、受け入れ遅延・説明負担・監査時の不整合が同時に起きやすくなります。
本記事では、療養病棟で運用が止まりやすい場面に絞って、判定フローと記録文の最小セットを整理します。確定値そのものは、必要に応じて差分記事で確認してください。
判定フロー( 5 ステップ )
まずは「判定の順番」を固定すると、判断のブレが減ります。以下は、病棟カンファで共有しやすい最小フローです。
| ステップ | 確認事項 | 判断のポイント | 記録で残す文言(例) |
|---|---|---|---|
| 1 | 対象患者の抽出 | 対象条件に合致する候補を漏れなく拾う | 「本日、対象候補として抽出」 |
| 2 | 重症度・医療必要度の確認 | 判定根拠を担当者依存にしない | 「判定根拠:〇〇に基づき確認」 |
| 3 | 例外条件の確認 | 例外適用の有無と理由を明文化 | 「例外適用:有/無、理由:〇〇」 |
| 4 | 多職種合意 | 判定者・承認者を固定して説明可能にする | 「カンファ合意:PT/OT/ST/看護/医師」 |
| 5 | 再評価予定の設定 | 再評価時期を先に決めて見直し遅れを防ぐ | 「再評価予定日:YYYY-MM-DD」 |
制度全体の位置づけを先に確認したい場合は、慢性期・療養病棟向け総論を併読すると、判定基準の優先順位が揃えやすくなります。
よくある誤判定を OK/NG で整理
| 場面 | NG(起きやすい) | OK(推奨) | 理由 |
|---|---|---|---|
| 対象抽出 | 担当者の記憶で候補抽出する | 日次で対象候補リストを機械的に作る | 漏れ・偏りを防げるため |
| 例外対応 | 口頭合意のみで進める | 例外理由を定型文で記録する | 監査・引き継ぎで説明しやすいため |
| 承認ルート | その場の参加者で都度決める | 判定者・承認者を固定する | 判定の一貫性が保てるため |
| 再評価 | 「必要時に見直し」で曖昧にする | 再評価日を必ず記録する | 見直し遅延を防げるため |
記録テンプレ(そのまま使える短文)
判定そのものより、後から説明できる記録が不足していると運用が崩れます。以下の短文テンプレを病棟で共通化すると、引き継ぎと監査対応が安定します。
| 記録場面 | テンプレ文(例) | 記録ポイント |
|---|---|---|
| 初回判定 | 「対象候補として抽出し、判定根拠を確認した。」 | 抽出日・判定根拠をセットで残す |
| 例外適用 | 「例外適用の必要性を検討し、理由を記録した。」 | 有無だけでなく理由を明記する |
| 多職種合意 | 「病棟カンファで判定方針を合意した。」 | 参加職種と合意日を残す |
| 再評価計画 | 「再評価予定日を設定し、見直し条件を共有した。」 | 予定日・見直し条件を明確化する |
現場の詰まりどころ/よくある失敗
よくある失敗( 3 つ )
| 失敗 | なぜ起きる? | 最小修正 |
|---|---|---|
| 判定が人で変わる | 判定順と例外条件が未定義 | 判定フローを 1 枚化する |
| 例外が口頭のみ | 記録テンプレがない | 例外理由の定型文を導入する |
| 再評価が遅れる | 予定日が決まっていない | 再評価日を必須項目にする |
導入チェック( 5 分 )
- 判定フロー( 5 ステップ )を病棟で共有済み
- 例外適用の文言テンプレがある
- 判定者・承認者が固定されている
- 再評価予定日を必ず記録している
- 確定差分の確認先が統一されている
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. このページは「確定差分まとめ」と何が違いますか?
本ページは療養病棟の医療区分 2・3 を現場で判定・記録するための実装記事です。確定点数や条文確認は差分まとめ側で行い、ここでは運用手順に集中します。
Q2. 最初に整えるべき項目は何ですか?
判定順(フロー)・例外条件・承認ルート・再評価日の 4 点です。これを先に固定すると、担当者間の判断差が減ります。
Q3. 例外適用はどこまで記録すべきですか?
少なくとも「適用有無」「理由」「合意日」「合意した職種」を残すと、監査時の説明が通しやすくなります。
Q4. 再評価頻度はどう決めればよいですか?
病棟の運用に合わせて固定し、個別条件で前倒し・後ろ倒しの基準を決めておくと、運用が安定します。まずは再評価予定日を必須化してください。
次の一手
- 全体方針に戻る:慢性期・療養病棟向け総論
- 確定値を確認する:確定点数・要件差分(確定版)
参考資料(一次情報)
- 厚生労働省(中医協).令和 8 年度 診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案).
- 厚生労働省(中医協).個別改定項目について(令和 8 年度診療報酬改定).
- rehabilikunblog.令和 8 年改定 リハ確定差分まとめ.
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


