令和8年度診療報酬改定|リハビリの変更点・点数を早見表で確認

制度・実務
記事内に広告が含まれています。

令和8年度診療報酬改定|リハビリの主要変更点・点数を早見表で確認

令和8年度(2026年度)診療報酬改定では、リハビリテーション領域で早期リハビリテーション加算の点数・期間変更、休日リハビリテーション加算の新設、離床を伴わない一定の疾患別リハビリテーションの90%評価・1日2単位上限、リハビリテーション総合計画評価料の再編など、算定と実務の両方に関わる変更が行われました。

この記事では、PT・OT・STやリハ部門の担当者が「何が、改定前からどう変わったのか」を短時間で確認できるよう、改定前→改定後の順で主要項目を整理します。個別症例の算定可否や境界判断は各論記事へ分け、ここでは点数・期間・対象・施設基準の主要差分に絞ってまとめます。

最終更新:2026年9月25日

厚生労働省の告示・通知、2026年7月30日までの訂正通知、2026年9月2日公表の疑義解釈その12まで確認して更新しています。

令和8年度改定|リハビリの主要変更点早見表

まず押さえたいのは、単純な増点だけでなく、起算日の変更、新しい減算・単位上限、対象患者の限定、施設基準の追加が同時に行われていることです。

令和8年度診療報酬改定:リハビリ関連の主な改定前→改定後
項目 改定前 2026年改定後 まず確認すること
早期リハビリテーション加算 25点/単位。起算日から30日まで。 入院1〜3日目:60点/単位
4〜14日目:25点/単位
入院日。転院患者では転院前医療機関の入院日。
休日リハビリテーション加算 該当する加算なし 25点/単位を新設 対象となる土曜日・休日、起算日、他加算との関係。
離床を伴わない一定の疾患別リハ 専用の90%評価・2単位上限なし 特定の患者では所定点数の90%、1日2単位まで 対象患者の判定、対象外条件、例外で3単位以上が必要な場合の取扱い。
リハビリテーション総合計画評価料1 300点 初回300点/2回目以降240点 今回が初回か、2回目以降か。
リハビリテーション総合計画評価料2 240点 初回240点/2回目以降196点 評価料1・2の区分と算定回数。
退院時リハビリテーション指導料 300点。入院患者を対象。 300点は維持。入院中に対象算定項目がある患者へ対象を限定 入院中の算定歴。
医療機関外の疾患別リハビリテーション 医療機関外では1日3単位まで 基本は1日3単位まで。必要な場合は一連の入院期間中にさらに合計3単位、所定の上限緩和対象患者では合計6単位まで。 院外実施の要件と一連の入院での累計。
リハ・栄養・口腔連携体制加算 加算1:120点/日 加算1:150点/日
加算2:90点/日を新設
届出区分、配置要件、病棟区分。
回復期リハ病棟の実績指数 入院料1:40以上
入院料2:要件なし
入院料3:35以上
入院料4:要件なし
1:42以上
2:32以上
3:37以上
4:32以上
入院料2・4は2026年9月30日まで経過措置。
回復期リハ強化体制加算 なし 80点/日を新設 回復期リハ病棟入院料1、実績指数48以上などの施設基準。
令和8年度リハ改定の主要変更点を改定前・改定後・まず確認することに整理した図版
令和8年度リハ改定の主要変更点を「改定前→改定後→まず確認すること」で整理した早見図です。

この表と図版は「何が変わったか」を短時間で探すための早見です。個別患者への算定可否は、通知・疑義解釈と自院の届出状況まで確認してください。

早期リハは60点へ増点、休日リハは25点で新設

急性期で特に大きい変更は、早期リハビリテーション加算の起算日・算定期間・点数がまとめて変更されたことです。

早期リハビリテーション加算

改定前は25点/単位で、発症・手術・急性増悪等を基準とした起算日から30日まで算定する仕組みでした。

改定後は、原則として入院した日を起算日とし、入院1〜3日目は60点/単位、4〜14日目は25点/単位となりました。他の保険医療機関から転院した患者では、転院前の医療機関へ入院した日が起算日となります。

ポイント:「リハを開始した日」ではなく「入院日」を確認します。転院症例では、自院への転院日だけを見て判断しないことが重要です。

2026年5月31日以前から早期リハ加算を算定していた患者については、改定日前後の起算日の扱いが疑義解釈で整理されています。改定日またぎ症例を確認する場合は、早期リハ加算の6月1日またぎで詳しく確認してください。

休日リハビリテーション加算

休日リハビリテーション加算は令和8年度改定で新設され、対象となる患者へ土曜日・休日に疾患別リハビリテーションを実施した場合、1単位につき25点を算定します。

対象患者や起算日の考え方は、心大血管疾患、脳血管疾患等、廃用症候群、運動器、呼吸器などで異なります。そのため「休日に実施した=一律に加算」ではなく、対象となる疾患別リハと算定期間を確認する必要があります。

早期リハビリテーション加算、初期加算、急性期リハビリテーション加算、休日リハビリテーション加算は、それぞれの要件を満たす場合に併算定できます。

離床を伴わないリハは「ベッド上かどうか」だけでは決まらない

令和8年度改定では、一定の「離床を伴わないリハビリテーション」について、所定点数の90%、患者1人につき1日2単位までという評価が導入されました。

ただし、疑義解釈では「ベッド上で実施した」という事実だけで対象になるわけではないことが明確にされています。判定の中心は、ベッド上のみで、ポジショニングや拘縮予防等を目的とした他動的訓練のみに該当するかどうかです。

離床を伴わない一定のリハで先に確認したいポイント
確認項目 要点
対象患者 ベッド上からの移動が困難で、ポジショニング・拘縮予防等を目的とした他動運動や体位変換等が中心の患者。
対象外になりやすい例 車椅子移乗、ベッド上での自動運動、排痰訓練、言語療法、臥位から座位方向への耐久性訓練など。
基本の評価 所定点数の90%、1日2単位まで。
例外 医師が特に認め、3単位以上の個別療法が医学的に必要な場合は別の扱いがあります。
記録 医学的理由、長時間のリハが必要な理由、訓練内容を記録します。

離床を伴わないリハの具体的な6事例や、3単位以上が必要な場合の扱いは、離床を伴わないリハの判定・算定ルールで詳しく整理しています。

3単位以上が医学的に必要な例外では記録頻度も確認する

ベッド上から移動できない患者で、3単位以上の個別療法が医学的に必要と医師が特に認める場合には、一定の条件で90%評価・2単位上限の対象外となる扱いがあります。

この場合は、ベッド上から移動できない医学的理由、長時間のリハが必要な理由、訓練内容を記録します。疑義解釈その12では、診療報酬明細書への記載は毎月、診療録は状態変化時に随時記載し、変化がなくても少なくとも月1回記載することが示されました。

総合計画評価料は「初回/2回目以降」に再編

リハビリテーション総合計画評価料では、単純な点数変更だけでなく、計画書と説明方法も見直されています。

リハビリテーション総合計画評価料の改定
区分 初回 2回目以降
評価料1 300点 240点
評価料2 240点 196点

あわせて、リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書が統合され、患者等の署名欄が廃止されました。

計画書の説明については、回復期リハビリテーション病棟以外では、医師の指示を受けた看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による説明も可能になりました。一方、回復期リハビリテーション病棟では引き続き医師による説明が必要です。

疑義解釈その12では、がん患者リハビリテーション料に関連し、一連のがん治療中に同一医療機関で総合計画評価料1を再度算定する場合は「2回目以降」とすることも示されています。

退院時指導と医療機関外リハも算定条件が変更

見落としやすい変更として、退院時リハビリテーション指導料の対象患者と、医療機関外で行う疾患別リハビリテーションの上限があります。

退院時リハビリテーション指導料

退院時リハビリテーション指導料は300点で、点数そのものは維持されています。

変更されたのは対象患者です。改定後は、当該医療機関での入院中に、疾患別リハビリテーション料、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算、所定の早期離床・リハビリテーション加算など、規定された項目を算定した患者に限定されます。

そのため、退院時に指導を行ったかだけでなく、入院中に対象となる算定実績があるかを先に確認します。

医療機関外で行う疾患別リハビリテーション

改定前は、所定の条件を満たして医療機関外で疾患別リハを行う場合、1日3単位までとされていました。

改定後は、1日3単位までの基本的な取扱いに加え、1日3単位を超えて院外での訓練が必要な場合、一連の入院期間中にさらに合計3単位、所定の上限緩和対象患者では合計6単位まで別に疾患別リハとして扱えるよう見直されています。

毎日追加3単位を算定できるという意味ではなく、一連の入院期間での追加分の累計である点に注意が必要です。

リハ・栄養・口腔連携は加算2新設と増点

リハビリテーション・栄養管理・口腔管理を一体的に行う評価も拡充されました。

リハ・栄養・口腔連携関連の主な点数変更
対象 改定前 改定後
A233 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算 120点/日 加算1:150点/日
加算2:90点/日を新設
地域包括医療病棟のリハ・栄養・口腔連携加算 80点/日 加算1:110点/日
加算2:50点/日を新設
地域包括ケア病棟のリハ・栄養・口腔連携加算 該当評価なし 30点/日を新設

加算2は単なる低い点数区分ではなく、加算1とは配置・休日リハ実施割合・ADL等の施設基準が異なります。自院がどの病棟区分で、どの加算を届け出ているかを分けて確認してください。

詳細な施設基準や専従・専任療法士の扱いは、リハ・栄養・口腔連携加算の改定まとめで確認できます。

回復期リハ病棟は点数・実績指数・新加算を確認する

回復期リハビリテーション病棟では、入院料そのものに加え、重症患者割合、リハビリテーション実績指数、新設の強化体制加算が変更されています。

回復期リハビリテーション病棟入院料の主な改定
区分 改定前 改定後 実績指数
入院料1 2,229点 2,346点 40以上 → 42以上
入院料2 2,166点 2,274点 要件なし → 32以上
入院料3 1,917点 2,062点 35以上 → 37以上
入院料4 1,859点 2,000点 要件なし → 32以上
入院料5 1,696点 1,794点 ―

2026年10月1日前に入院料2・4の実績指数を再確認

2026年9月時点の重要確認:回復期リハビリテーション病棟入院料2・4は、新たに実績指数32以上が要件となりましたが、2026年9月30日までは実績指数の施設基準を満たすものとする経過措置があります。

したがって、入院料2・4を届け出ている病棟では、2026年10月1日以降を見据えて実績指数32以上を満たしているかを確認しておく必要があります。

回復期リハビリテーション強化体制加算は80点/日

回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟を対象として、回復期リハビリテーション強化体制加算80点/日が新設されました。

施設基準には、回復期リハ病棟入院料1の届出に加え、実績指数48以上、排尿自立支援加算に係る届出、退院前訪問指導の実施割合などが含まれます。

実績指数の算出方法や除外対象まで確認する場合は、令和8年度改定の回復期リハ実績指数へ進んでください。

疑義解釈はその12まで公開|点数表だけで判断しない

2026年9月25日時点で、厚生労働省は疑義解釈その12(2026年9月2日)まで公開しています。

リハ関連では、改定直後の疑義解釈で「離床を伴わないリハ」の具体的な6事例、総合計画評価料の初回・2回目以降の考え方、計画書説明時の医師の指示方法などが整理され、その後も早期リハ加算の起算日や記録方法などが補足されています。

さらに疑義解釈その12では、離床を伴わないリハの例外として3単位以上を行う場合の診療録・摘要欄の記載頻度や、がん患者リハビリテーション料における総合計画評価料の再算定が示されました。

本記事は「何が変わったか」の早見を目的とするため、疑義解釈を時系列では掲載していません。追加通知・訂正通知を追う場合は、令和8年度診療報酬改定のリハ更新トラッカーを確認してください。

まとめ|まず「点数」ではなく変更された条件まで確認する

令和8年度診療報酬改定のリハ領域では、早期リハの60点への増点や休日リハ25点の新設など、点数だけを見ても分かりやすい変更があります。

一方で実務上重要なのは、早期リハの起算日、離床を伴わないリハの対象判定、総合計画評価料の初回・2回目以降、退院時リハ指導料の対象患者、回復期リハ病棟2・4の実績指数など、算定条件そのものが変わった項目です。

特に2026年9月時点では、回復期リハビリテーション病棟入院料2・4の実績指数に関する経過措置が9月30日で終了するため、該当病棟では10月1日以降の施設基準を確認してください。

次に確認する記事


参考資料

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.
  2. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:発症早期のリハビリテーションの更なる推進.
  3. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:休日のリハビリテーションの適切な評価等.
  4. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:疾患別リハビリテーション料の訓練内容に応じた評価の見直し.
  5. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:リハビリテーション総合計画評価料の見直し.
  6. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:退院時リハビリテーション指導料・医療機関外の疾患別リハビリテーション等の見直し.
  7. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の見直し.
  8. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準等.
  9. 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その2).
  10. 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その12).2026年9月2日.

著者情報

rehabilikun(理学療法士)のアイコン

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

運営者について / 編集・引用ポリシー / お問い合わせ