心臓リハビリテーション指導士 2026|症例報告 10 例を “迷わず集めて書く” 運用テンプレ
心臓リハビリテーション指導士の申請では、症例報告 10 例が書類の中心になります。ここで詰まると、勉強が進んでいても出願が止まります。
このページは、症例報告を「文章力」で頑張るのではなく、集め方(候補 15→確定 10)/下書きの型/提出前チェックを固定して、迷いなく回すための “運用” に特化します。日程や全体像は親記事で確認し、ここは症例 10 例の実装だけに集中してください。
回遊の三段(同ジャンル):全体像(親)→ 症例 10 例(ここ)→ 研修制度/試験準備、の順が最短です。
症例報告 10 例の位置づけ|“出願の中核” として先に確保する
症例報告は「最後にまとめて書く」ほど事故が増えます。理由は、症例の選び直しや根拠データの取りこぼしが起きるからです。おすすめは、最初に候補症例を多めに確保し、途中で差し替えできる状態を作ることです。
書式や注意事項は年度で更新されるため、必ず公式の最新版をダウンロードして、その枠に合わせて進めてください。
集め方の型|候補 15 → “書ける” 10 を早期に確定する
症例が足りない、情報がそろわない、担当が変わる――で止まりやすいので、運用は台帳化が最短です。おすすめは「候補 15 例」を作って、書ける 10 例を早めに確定する方法です。
| ID | 疾患群 | 評価(運動耐容能) | 処方根拠 | 教育/連携 | 状態 |
|---|---|---|---|---|---|
| 01 | 例:心不全 | CPX / 6 分間歩行 等 | AT / HRR / Borg | 退院指導 / カンファ | 候補 / 確定 / 下書き / 完成 |
| 02 | 例:冠動脈疾患 | 負荷試験 / 代替評価 | 強度・時間・頻度 | 服薬/危険因子 | 候補 / 確定 / 下書き / 完成 |
症例の選び方| “心リハとして書ける” を外さない 3 ルール
症例のバリエーションより大事なのは、心リハとしての評価→運動処方→教育→連携を筋道立てて書けることです。迷ったら次の 3 ルールで選ぶと失敗が減ります。
- ルール 1:主目的が循環器のリスク管理と運動療法になっている( “一般的な ADL 訓練中心” に寄りすぎない )
- ルール 2:運動耐容能評価( CPX 等、または代替評価)と、その結果に基づく処方根拠が書ける
- ルール 3:危険因子評価・服薬・患者教育・多職種連携の “具体” が 1 行で書ける
書き方の型| 1 症例を「評価→処方→教育→連携」で 1 本化する
症例報告は、情報量を増やすより並び(型)を固定すると速くなります。おすすめは、下のテンプレで “不足している行” を埋める方式です(公式書式に沿って、内容の漏れを減らす目的で使います)。
| 項目 | 最小の書き方( 1 〜 2 行 ) | 根拠の例 |
|---|---|---|
| 背景 | 入院/外来、主病名、フェーズ、制限要因 | 診断、治療経過、リスク |
| 評価 | 運動耐容能、バイタル、症状、活動量 | CPX / 6 分間歩行 / 負荷試験 等 |
| 危険因子 | 冠危険因子、生活背景、抑うつ/睡眠など | 該当項目を “評価した証拠” を残す |
| 運動処方 | 強度・時間・頻度・期間、進め方 | AT / HRR / Borg(過負荷回避) |
| 教育 | 自己管理(症状/運動/服薬/再発予防)の要点 | 何を、誰に、いつ伝えたか |
| 連携 | カンファ内容、役割分担、情報共有 | 多職種で “何を揃えたか” |
| 経過・結果 | 介入で何が変わったか(短く) | 測定値・症状・活動の変化 |
| 考察 | 狙いと結果、次の改善 1 点 | ガイドラインや必携に準拠 |
運動処方の書き方|“根拠の見える化” で差し戻しを減らす
運動処方は「書いた量」ではなく、根拠が見えるかで評価が安定します。特に、強度をどう決めたか( AT / 心拍予備能 / Borg など)と、過負荷にならない工夫を書けると、症例が “同じ型” になりにくいです。
CPX が使えない場合でも、運動耐容能評価を行い、代替として何を使ったかを明示して、処方へつなげる流れにします。
現場の詰まりどころ|“同じ症例に見える” と止まりやすい
詰まりやすいのは、症例ごとの評価・処方が書けず、全例が同じ文面に見えてしまうケースです。先に「差が出る行」を固定すると、書く速度が上がります。
この章の最短導線
よくある失敗(あるある)
| 失敗パターン | 起きること | 回避策(最小) |
|---|---|---|
| 運動耐容能評価が曖昧 | 処方の根拠が弱い | CPX か代替評価を明示し、処方へつなげる |
| 全例同じ処方・同じ教育 | 症例差が見えない | “差が出る行” を固定(強度・症状・生活背景・連携) |
| 冠危険因子評価が抜ける | 必須観点の抜けで弱い | 全例で危険因子評価を “書く枠” を作る |
| 数値が少ない | 根拠が伝わらない | 測定値(評価)を先にメモし、転記する |
| 服薬が散らかる | 指導・考察とつながらない | 目的別に整理し、触れるものを明示する |
| 下書き無しで直書き | 修正が増えて時間が溶ける | 台帳→ 1 症例メモ→公式書式へ転記、で固定 |
提出前チェック(最小)
- 10 例:候補 15→確定 10 の状態になっている
- 評価:運動耐容能評価と、根拠となる測定値が書けている
- 処方:強度・時間・頻度・期間が具体で、過負荷回避の工夫がある
- 危険因子:全例で評価している(抜けがない)
- 連携:多職種で何を揃えたかが 1 行で書ける
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
症例 10 例はいつから書き始めるべき?
結論は “今すぐ候補出し” です。候補 15 例を台帳化して、早期に 10 例を確定すると、担当変更や情報不足でも差し替えができます。最後にまとめるほど、根拠データの取りこぼしで詰まりやすくなります。
CPX がない施設でも書けますか?
書けます。ポイントは、 CPX の有無ではなく、運動耐容能評価を行い、代替として何を使ったかを明示して、運動処方へつなげることです。評価→処方の根拠が見える形にします。
症例の疾患が偏っても大丈夫?
偏りより “心リハとして書けるか” が重要です。全例が同じ文章に見えると弱くなるので、症例ごとの制限要因、評価、処方根拠、教育、連携の差が出るように設計してください。
薬剤は全部書く必要がありますか?
重要なのは、運動処方やリスク管理と関係する情報が整理され、指導・考察とつながっていることです。目的別にまとめ、言及する内容は書く、の運用にすると散らかりにくいです。
次の一手(行動)|全体像 → 研修制度 → 書類完成
- 全体像に戻る:心リハ指導士 2026(親記事)
- 実地経験が足りない:研修制度ルート(子①)
- 締切管理:資格カレンダー 2026
参考文献(公式)
- 日本心臓リハビリテーション学会|心臓リハビリテーション指導士試験について(書式・サンプル)
- 日本心臓リハビリテーション学会|新規受験に必須の条件(症例 10 例)
- 自験例報告書(書類様式 6 )
- 指導士レポートの書き方(参考)
- 不適切な記載例(参考)
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

