NST専門療法士の過去問は公式問題集で確認できる
NST専門療法士の過去問を探している方は、まず2025年9月刊行の公式過去問題集を確認しましょう。日本栄養治療学会(JSPEN)認定・資格制度委員会が編集した書籍で、全73問を4領域に分けて収録しています。
この記事では、公式過去問題集の内容と2026年版JSPENテキストブックの使い分けを整理し、無料で解けるオリジナル予想問題20問を掲載します。公式問題の転載ではなく、知識の確認と弱点の発見を目的とした演習です。受験資格や申請方法はNST専門療法士の取り方2026で解説しています。
この記事で確認できること
- 公式過去問題集73問の4領域と問題数
- 2026年版JSPENテキストブックとの使い分け
- 無料オリジナル問題20問と解説
- 間違えた領域に応じた復習方法
注意:本記事の20問は当サイトが独自に作成した学習用問題です。JSPENの公式過去問ではなく、実際の認定試験と同じ問題や出題形式であることを保証するものでもありません。
公式過去問題集は73問・4領域で構成される
「日本栄養治療学会JSPEN NST専門療法士認定試験過去問題集」は、2025年9月に南江堂から刊行されました。近年の出題内容を踏まえた問題と解説が収録されており、試験対策の中心となる公式教材です。[1]
| 領域 | 収録範囲 | 問題数 |
|---|---|---|
| 栄養治療にかかわる基礎知識 | 問1〜27 | 27問 |
| 栄養治療の基礎 | 問28〜37 | 10問 |
| 経腸栄養法と静脈栄養法 | 問38〜46 | 9問 |
| 各種病態下の栄養治療 | 問47〜73 | 27問 |
基礎知識と病態別栄養の収録問題数が比較的多い一方、栄養治療の基礎、経腸・静脈栄養も独立した章として扱われています。問題数だけで学習の優先順位を決めず、4領域すべてを確認することが重要です。
また、公式過去問題集の第1版第1刷には正誤表が公開されています。手元の書籍の刷数を確認し、解答や解説に疑問がある場合は南江堂の公式商品ページから正誤情報を確認してください。
2026年の問題演習は「過去問→復習→追加問題」で進める
2026年の試験対策では、公式過去問題集で弱点を把握し、JSPENテキストブック改訂第2版で根拠を確認してから、別の問題で理解度を確かめる流れがおすすめです。公式過去問と当サイトのオリジナル問題は、役割を分けて使用します。

| 教材 | 主な役割 | 使うタイミング |
|---|---|---|
| 公式過去問題集 | 実際に出題された内容を確認し、弱い領域を見つける | 問題演習の中心 |
| JSPENテキストブック改訂第2版 | 間違えた問題の根拠や周辺知識を確認する | 過去問で弱点を見つけた後 |
| 当サイトのオリジナル20問 | 同じ知識を別の聞かれ方でも判断できるか確かめる | 復習後の追加演習 |
2026年3月刊行のJSPENテキストブック改訂第2版では、栄養スクリーニング・アセスメント、GLIM基準、水・電解質、経腸栄養、静脈栄養、病態別栄養、在宅栄養療法などを体系的に確認できます。[2]
2026年のNST専門療法士受験必須セミナーでも、消化器解剖・生理、栄養素の生化学・代謝、水分・電解質代謝、栄養評価、小児、経腸栄養、静脈栄養、在宅栄養療法など11講座が設定されています。セミナーの講義領域も学習範囲を点検する参考になりますが、講義項目と本試験の出題比率が一致するとは限りません。[3]
NST専門療法士のオリジナル予想問題20問
ここからは、公式過去問題集の4領域に対応させたオリジナル問題を5問ずつ、計20問掲載します。各問題は5つの選択肢から最も適切なものを1つ選ぶ形式です。
まず自分で解答を決め、続いて「答え・解説を見る」を開いて確認してください。正解した問題でも、ほかの選択肢が適切でない理由を説明できるか確かめると、知識の整理につながります。
領域1|栄養治療にかかわる基礎知識(問題1〜5)
問題1|エネルギー産生栄養素
脂質1gから得られるエネルギー量の概算として適切なのはどれですか。
- 2kcal
- 4kcal
- 7kcal
- 9kcal
- 12kcal
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正解:D.9kcal
一般的なエネルギー換算係数では、脂質は9kcal/g、たんぱく質と利用可能炭水化物はそれぞれ約4kcal/gです。栄養剤の組成やエネルギー量を理解するための基本事項です。
A・C・Eは標準的な換算係数に該当しません。Bの4kcal/gは、たんぱく質や利用可能炭水化物の概算値です。
問題2|BMIの計算
身長1.60m、体重50kgの成人のBMIとして最も近いものはどれですか。
- 15.6kg/m²
- 17.8kg/m²
- 19.5kg/m²
- 21.8kg/m²
- 24.4kg/m²
答え・解説を見る
正解:C.19.5kg/m²
BMIは体重(kg)÷身長(m)の2乗で求めます。50÷1.60²=約19.5kg/m²です。
A・Bは計算結果より低く、D・Eは高い値です。BMIだけで低栄養を診断せず、体重減少、摂取量、筋肉量、病態などを合わせて確認します。
問題3|リフィーディング症候群
長期間の摂取不足後に栄養投与を再開した患者で、特に注意して確認する電解質の組み合わせはどれですか。
- Na・Clのみ
- Ca・Naのみ
- P・K・Mg
- Fe・Cu・Zn
- Ca・Fe・Na
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正解:C.P・K・Mg
リフィーディング症候群では、再栄養開始後のリン、カリウム、マグネシウムの低下などに注意します。ASPENのコンセンサスでは、再栄養開始後5日以内のこれらの電解質変化を診断の考え方に含めています。[6]
A・B・D・Eに含まれる電解質や微量元素も臨床上重要ですが、リフィーディング症候群で特に重視する組み合わせとしてはCが適切です。リスク患者では投与開始前の評価、チアミン補充、段階的な栄養投与、電解質の再評価も重要です。
問題4|窒素とたんぱく質
窒素1gに相当するたんぱく質量の概算として適切なのはどれですか。
- 2.0g
- 4.0g
- 5.0g
- 6.25g
- 9.0g
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正解:D.6.25g
たんぱく質中の窒素含有率を約16%と仮定すると、1÷0.16=6.25となります。窒素量とたんぱく質量の概算換算に用いる値です。
A・B・C・Eは、この換算係数には該当しません。実際の窒素含有率はたんぱく質の種類によって異なるため、6.25は一般的な概算値として理解します。
問題5|血清アルブミンの解釈
血清アルブミン値の栄養評価上の扱いとして最も適切なのはどれですか。
- アルブミン値だけで低栄養を診断できる
- アルブミン値だけで筋肉量を推定できる
- 炎症の影響を受けるため、単独の栄養指標として扱わない
- 食事摂取量とは無関係なので測定する意味がない
- アルブミンが正常なら低栄養は否定できる
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正解:C.炎症の影響を受けるため、単独の栄養指標として扱わない
血清アルブミンは炎症や疾患の影響を受けます。ASPENはアルブミンやプレアルブミンを、体たんぱく量や筋肉量を示す代用指標として使用しないよう示しています。[7]
A・B・Eは単独で診断・推定できるとする点が不適切です。Dも、病態評価や予後に関する情報として利用される場面があるため不適切です。
領域2|栄養治療の基礎(問題6〜10)
問題6|栄養スクリーニング
栄養スクリーニングの主な役割として適切なのはどれですか。
- すべての患者の栄養診断を確定する
- 低栄養リスクのある患者を抽出する
- 必要エネルギー量を確定する
- 経腸栄養剤の製品名を決める
- 静脈栄養の処方を決める
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正解:B.低栄養リスクのある患者を抽出する
栄養スクリーニングは、低栄養リスクがあり詳細評価を必要とする患者を見つけるために行います。リスクが確認された場合は、栄養アセスメントへ進みます。
Aは栄養診断、Cは必要量の推定、D・Eは具体的な栄養療法の選択に関する内容であり、スクリーニングそのものの主目的ではありません。
問題7|GLIM基準による低栄養診断
GLIM基準で低栄養を診断する際の基本的な組み合わせとして適切なのはどれですか。
- 表現型基準だけを2項目満たす
- 病因基準だけを2項目満たす
- 表現型基準1項目以上と病因基準1項目以上を満たす
- 血清アルブミン低値だけで診断する
- BMI低値だけで診断する
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正解:C.表現型基準1項目以上と病因基準1項目以上を満たす
GLIM基準では、栄養リスクを確認した後に、表現型基準と病因基準を評価します。低栄養の診断には、少なくともそれぞれ1項目を満たすことが基本です。[4]
A・Bは片方の基準しか評価していません。D・Eも単独で診断できるとする点が不適切です。
問題8|GLIM基準の表現型
次のうち、GLIM基準の表現型基準に含まれないものはどれですか。
- 意図しない体重減少
- 低BMI
- 筋肉量減少
- 炎症・疾患負荷
- 該当するものはない
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正解:D.炎症・疾患負荷
GLIM基準の表現型基準は、意図しない体重減少、低BMI、筋肉量減少です。一方、炎症・疾患負荷は病因基準に含まれます。[4]
A・B・Cは表現型基準です。Eも、表現型に含まれないDが存在するため不適切です。
問題9|間接熱量測定
間接熱量測定で主に利用する情報はどれですか。
- 血清アルブミンとCRP
- 酸素消費量と二酸化炭素産生量
- 体重と身長のみ
- 尿量と血圧
- 握力と歩行速度
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正解:B.酸素消費量と二酸化炭素産生量
間接熱量測定では、酸素消費量(VO₂)と二酸化炭素産生量(VCO₂)などからエネルギー消費量を推定します。
Aは炎症・病態に関する検査値、Cは体格情報、Dは循環・水分管理、Eは身体機能に関する情報です。いずれも間接熱量測定の主な測定項目ではありません。
問題10|GLIM基準での筋肉量評価
GLIM基準の「筋肉量減少」を確認する考え方として最も適切なのはどれですか。
- 握力だけで筋肉量を判定する
- BMIだけで筋肉量を判定する
- 利用可能な身体組成評価や身体計測などから筋肉量を評価する
- 血清アルブミンだけで筋肉量を判定する
- 年齢だけで筋肉量を判定する
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正解:C.利用可能な身体組成評価や身体計測などから筋肉量を評価する
筋肉量の評価には、DXA、CT、BIAなどの定量的評価が利用されます。これらが利用できない場合は、身体計測や身体診察なども検討します。[5]
Aの握力は筋機能の評価であり、筋肉量そのものではありません。B・D・Eも筋肉量を単独で判定する方法としては不適切です。
領域3|経腸栄養法と静脈栄養法(問題11〜15)
問題11|栄養投与経路の選択
消化管機能が保たれているものの、経口摂取だけでは必要量を満たせない患者で検討する栄養療法として最も適切なのはどれですか。
- 経口栄養補助や経管栄養などの経腸的な補給
- 必ず中心静脈栄養を開始する
- 必ず末梢静脈栄養のみを使用する
- 不足分を補わず経過観察する
- 水分投与のみを行う
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正解:A.経口栄養補助や経管栄養などの経腸的な補給
消化管を使用できる場合は、経口栄養補助や経管栄養などによって不足分を補うことを検討します。患者の嚥下機能、消化管機能、必要量、投与期間などによって方法を選択します。
B・Cは静脈栄養を一律に選択する点が不適切です。D・Eでは栄養不足を解消できない可能性があります。
問題12|消化管が使用できない場合
機械的腸閉塞などで消化管からの栄養投与が困難であり、栄養療法が必要な患者への対応として適切なのはどれですか。
- 必ず経口摂取を継続する
- 経腸栄養の投与量を増やす
- 静脈栄養の必要性を検討する
- 栄養療法は一切行わない
- 水分制限だけを行う
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正解:C.静脈栄養の必要性を検討する
消化管を安全に使用できない場合や、消化管から必要量を確保できない場合は、静脈栄養を検討します。実際には病態、予想される栄養療法の期間、栄養状態なども考慮します。
A・Bは消化管を使用できない状況に適していません。D・Eは栄養療法が必要という条件を満たせない対応です。
問題13|中心静脈栄養の特徴
中心静脈栄養の特徴として適切なのはどれですか。
- 高浸透圧の輸液は使用できない
- 末梢静脈より高濃度の栄養輸液を投与しやすい
- カテーテル感染への配慮は不要である
- 必ず短期間しか使用できない
- 血糖や電解質の観察は不要である
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正解:B.末梢静脈より高濃度の栄養輸液を投与しやすい
中心静脈は血流量が多いため、高浸透圧の栄養輸液を投与しやすい特徴があります。ただし、カテーテル関連血流感染症や代謝性合併症などへの注意が必要です。
Aは中心静脈栄養の特徴と反対です。C・Eは安全管理を不要としており不適切です。Dも投与期間を一律に限定しているため適切ではありません。
問題14|経腸栄養中の下痢
経腸栄養中に下痢が出現した場合の初期対応として最も適切なのはどれですか。
- 原因を確認せず経腸栄養を永久に中止する
- 投与速度、薬剤、感染、栄養剤などの関連要因を確認する
- 必ず中心静脈栄養へ変更する
- 水分投与をすべて中止する
- 症状を観察せず同じ方法を継続する
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正解:B.投与速度、薬剤、感染、栄養剤などの関連要因を確認する
経腸栄養中の下痢は、投与速度、薬剤、感染、栄養剤の組成、基礎疾患など複数の原因で起こります。脱水や循環状態も確認し、原因に応じて対応します。
A・Cは原因を評価せず栄養経路を変更する点が不適切です。Dは脱水を悪化させるおそれがあり、Eは症状への対応が不十分です。
問題15|経管投与と薬剤管理
経管栄養中の患者へ薬剤を投与するときの考え方として適切なのはどれですか。
- すべての錠剤をそのまま粉砕できる
- 徐放錠や腸溶錠も必ず粉砕する
- 剤形や投与経路を確認し、チューブ閉塞や相互作用に注意する
- 複数の薬剤を栄養剤へまとめて混ぜる
- チューブのフラッシュは不要である
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正解:C.剤形や投与経路を確認し、チューブ閉塞や相互作用に注意する
薬剤には粉砕に適さない剤形があります。経管投与では、剤形、簡易懸濁の可否、栄養剤との相互作用、投与前後のフラッシュなどを確認します。2026年版JSPENテキストブックでも、経腸栄養法における薬剤投与が独立した項目として扱われています。[2]
A・Bは剤形の違いを無視しています。Dは薬剤同士や栄養剤との配合変化などの問題があり、Eは閉塞予防の観点から不適切です。
領域4|各種病態下の栄養治療(問題16〜20)
問題16|急性膵炎と栄養管理
急性膵炎患者の栄養管理について最も適切なのはどれですか。
- すべての患者で長期間絶食する
- 経口摂取可能でも必ず静脈栄養を行う
- 病態と耐容性を評価し、可能であれば経口・経腸栄養を活用する
- 栄養状態の評価は不要である
- 重症度にかかわらず同じ栄養療法を行う
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正解:C.病態と耐容性を評価し、可能であれば経口・経腸栄養を活用する
急性膵炎では、重症度や消化管の耐容性を確認し、可能な場合は経口・経腸栄養を活用します。一律に長期絶食とする考え方は適切ではありません。[8]
A・Bは栄養療法を一律に決めています。Dは栄養評価を省略しており、Eは病態の違いを考慮していないため不適切です。
問題17|腎機能障害と栄養療法
腎機能障害患者の栄養管理として最も適切なのはどれですか。
- 腎疾患なら全員同じ量までたんぱく質を制限する
- 腎代替療法の有無は栄養計画に影響しない
- 病期、急性期か慢性期か、腎代替療法、異化状態などを確認して個別化する
- 栄養状態を確認する必要はない
- エネルギー量だけを見ればよい
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正解:C.病期、急性期か慢性期か、腎代替療法、異化状態などを確認して個別化する
腎疾患患者の栄養必要量は一律ではありません。急性腎障害か慢性腎臓病か、透析などの腎代替療法の有無、異化状態、栄養状態などを考慮して個別に評価します。[9]
Aは一律の制限を前提とし、Bは腎代替療法の影響を無視しています。D・Eも栄養評価の一部しか捉えていません。
問題18|脳卒中と嚥下障害
急性期脳卒中患者の栄養管理で重要な初期対応はどれですか。
- 嚥下機能を確認せず通常食を開始する
- 嚥下障害リスクをスクリーニングし、安全な摂取方法を検討する
- 全例で経口摂取を禁止する
- 全例で胃瘻を造設する
- 水分状態は確認しない
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正解:B.嚥下障害リスクをスクリーニングし、安全な摂取方法を検討する
脳卒中後の嚥下障害は、誤嚥性肺炎、低栄養、脱水などと関連します。嚥下スクリーニングを行い、必要に応じて詳細評価へつなげ、安全性と栄養・水分確保の両面から摂取方法を検討します。[10]
Aは誤嚥リスクを確認していません。C・Dは全例に同じ対応を求める点が不適切です。Eも脱水などのリスクを見落とす可能性があります。
問題19|褥瘡と栄養管理
褥瘡があり、低栄養または低栄養リスクを認め、通常の食事だけでは必要量を満たせない患者への対応として適切なのはどれですか。
- 栄養状態に関係なく補助栄養は不要である
- 必要量を満たせるよう栄養補助を検討する
- 褥瘡があれば全員に経管栄養を開始する
- たんぱく質摂取を必ず減らす
- 水分状態の評価は不要である
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正解:B.必要量を満たせるよう栄養補助を検討する
褥瘡があり、低栄養または低栄養リスクを認める患者では、栄養状態を評価し、必要量を満たせない場合は栄養補助を検討します。栄養管理は除圧、体位管理、創傷管理などと組み合わせて実施します。[11]
A・Eは必要な評価や対応を省略しています。Cは栄養経路を一律に決める点が不適切です。Dも病態を考慮せずたんぱく質を制限しているため適切ではありません。
問題20|在宅経腸栄養
在宅経腸栄養へ移行する際の確認として最も適切なのはどれですか。
- 栄養剤の種類だけ確認すればよい
- 投与経路、必要量、水分、チューブ管理、合併症対応、支援体制を確認する
- 家族や介護者への説明は不要である
- 退院後の再評価は不要である
- 経口摂取の可能性は確認しない
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正解:B.投与経路、必要量、水分、チューブ管理、合併症対応、支援体制を確認する
在宅栄養療法では、栄養投与そのものに加えて、患者・家族・介護者が安全に管理を継続できるかが重要です。必要量、投与方法、チューブ管理、トラブル時の連絡先、支援体制、再評価方法まで確認します。[2]
Aは確認項目が不足しています。C・Dは在宅管理の継続性を損ない、Eは経口摂取の可能性を検討していないため不適切です。
間違えた問題は4領域ごとに復習する
20問を解いた後は、合計正答数だけでなく、どの領域で間違えたかを確認しましょう。公式過去問題集の4領域に合わせて分類すると、次に戻るべき教材の範囲が明確になります。
| 問題番号 | 領域 | テキストで確認したい内容 |
|---|---|---|
| 1〜5 | 栄養治療にかかわる基礎知識 | エネルギー代謝、身体計測、窒素代謝、水・電解質、炎症と栄養指標 |
| 6〜10 | 栄養治療の基礎 | スクリーニング、GLIM基準、筋肉量評価、間接熱量測定 |
| 11〜15 | 経腸栄養法と静脈栄養法 | 栄養経路、経腸栄養の管理、静脈栄養、薬剤投与、合併症 |
| 16〜20 | 各種病態下の栄養治療 | 膵疾患、腎疾患、脳卒中、褥瘡、在宅栄養療法 |
例えば、問題7・8で間違えた場合はGLIM基準の表現型・病因基準へ、問題11・12で迷った場合は栄養療法の選択基準へ戻ります。答えを暗記するだけでなく、「どの条件が変わると判断も変わるか」を確認することが重要です。
なお、今回の20問は各領域5問ずつですが、公式過去問題集の問題数は領域ごとに異なります。この20問の得点率を、そのまま本試験の得点予測や合格可能性の判定には使用できません。
公式教材は「解く→戻る→解き直す」で使う
公式過去問題集を解く際は、正答数を増やすことだけを目標にせず、解答の根拠を説明できる状態を目指します。間違えた問題の周辺知識を確認してから別の問題を解くと、初見の設問への対応力を確認しやすくなります。
- 公式過去問題集を解く:73問を4領域に分け、正答と迷った問題を確認する
- 間違えた理由を整理する:知識不足、計算、病態の読み違い、選択肢の判断などに分ける
- テキストへ戻る:JSPENテキストブック改訂第2版の該当項目で根拠を確認する
- 別問題で再確認する:当サイトの20問などで、同じ領域を異なる聞かれ方でも判断できるか確認する
試験直前期は、未学習の領域を無理に広げるよりも、公式過去問題集で繰り返し間違えたテーマを優先して確認する方法もあります。ただし、苦手領域に偏りすぎず、4領域全体を見渡して復習しましょう。
NST専門療法士の問題演習に使う公式教材2冊
問題演習の中心となる教材は、公式過去問題集とJSPENテキストブック改訂第2版です。どちらか一方だけでなく、問題演習と根拠確認という役割を分けて使うと整理しやすくなります。
JSPEN NST専門療法士認定試験過去問題集
2025年9月刊行、224ページ。JSPEN認定・資格制度委員会編集の公式過去問題集です。73問を4領域に分けて収録しており、実際の出題内容を踏まえて問題演習したい方に適しています。[1]
JSPENテキストブック改訂第2版
2026年3月刊行、744ページ。栄養治療の基礎から経腸・静脈栄養、病態別栄養、在宅栄養療法までを体系的に学べるテキストです。公式過去問題集で間違えたテーマの根拠を確認する際に役立ちます。[2]
購入前には、版・刷数と出版社が公開している正誤情報を確認してください。いずれの書籍も本記事では出版社の公式ページを案内しており、アフィリエイトリンクは使用していません。
NST専門療法士の過去問・問題集でよくある質問
NST専門療法士の公式過去問はありますか?
あります。2025年9月にJSPEN認定・資格制度委員会編集の公式過去問題集が刊行されています。73問を4領域に分けて収録しています。[1]
公式過去問題集は無料で公開されていますか?
本記事で紹介している73問の公式過去問題集は市販書籍です。無料で公開された問題集全文ではありません。無料で追加演習したい方は、本記事のオリジナル20問を利用できます。ただし、公式過去問と当サイトの問題は明確に区別してください。
公式過去問題集とテキストブックはどちらから始めるべきですか?
すでに臨床栄養の基礎を学んでいる方は、公式過去問題集を解いて弱点を確認する方法が使いやすいです。基礎知識に不安がある場合は、JSPENテキストブックで関連項目を確認してから問題演習へ進んでも構いません。
この記事の20問だけで試験対策は十分ですか?
十分とは言えません。本記事の20問は4領域の基礎知識を確認するための追加演習です。公式過去問題集、JSPENテキストブック、JSPENが公開する最新の試験案内などを中心に学習してください。
公式問題集の正誤表は確認した方がよいですか?
はい。公式過去問題集には第1版第1刷の正誤表が公開されています。計算問題や解説の内容に関わる訂正もあるため、出版社の公式ページで手元の版に該当する情報を確認してください。
次の一手
まず公式過去問題集の4領域を確認し、弱い分野を2026年版テキストブックで補強しましょう。この記事の20問は、その後の理解度確認に使用できます。
ほかの医療系資格や試験対策記事も比較したい方は、医療資格・認定資格ハブをご覧ください。
参考文献
- 日本栄養治療学会認定・資格制度委員会, 編. 日本栄養治療学会JSPEN NST専門療法士認定試験過去問題集. 東京: 南江堂; 2025. 出版社情報・正誤表
- 日本栄養治療学会, 編. 日本栄養治療学会JSPENテキストブック. 改訂第2版. 東京: 南江堂; 2026. 出版社情報
- 日本栄養治療学会. NST専門療法士受験必須セミナー. 公式サイト
- Cederholm T, Jensen GL, Correia MITD, et al. GLIM criteria for the diagnosis of malnutrition: a consensus report from the global clinical nutrition community. Clin Nutr. 2019;38(1):1-9. doi:10.1016/j.clnu.2018.08.002. PubMed
- Barazzoni R, Jensen GL, Correia MITD, et al. Guidance for assessment of the muscle mass phenotypic criterion for the Global Leadership Initiative on Malnutrition diagnosis of malnutrition. Clin Nutr. 2022;41(6):1425-1433. doi:10.1016/j.clnu.2022.02.001. PubMed
- da Silva JSV, Seres DS, Sabino K, et al. ASPEN Consensus Recommendations for Refeeding Syndrome. Nutr Clin Pract. 2020;35(2):178-195. doi:10.1002/ncp.10474. PubMed
- Evans DC, Corkins MR, Malone A, et al. The Use of Visceral Proteins as Nutrition Markers: An ASPEN Position Paper. Nutr Clin Pract. 2021;36(1):22-28. doi:10.1002/ncp.10588. PubMed
- Arvanitakis M, Ockenga J, Bezmarevic M, et al. ESPEN guideline on clinical nutrition in acute and chronic pancreatitis. Clin Nutr. 2020;39(3):612-631. doi:10.1016/j.clnu.2020.01.004. PubMed
- Sabatino A, Fiaccadori E, Barazzoni R, et al. ESPEN practical guideline on clinical nutrition in hospitalized patients with acute or chronic kidney disease. Clin Nutr. 2024;43(9):2238-2254. doi:10.1016/j.clnu.2024.08.002. PubMed
- Dziewas R, Michou E, Trapl-Grundschober M, et al. European Stroke Organisation and European Society for Swallowing Disorders guideline for the diagnosis and treatment of post-stroke dysphagia. Eur Stroke J. 2021;6(3):LXXXIX-CXV. doi:10.1177/23969873211039721. PubMed
- National Pressure Injury Advisory Panel, European Pressure Ulcer Advisory Panel, Pan Pacific Pressure Injury Alliance. Nutrition in Pressure Injury Prevention and Treatment. In: Prevention and Treatment of Pressure Ulcers/Injuries: Clinical Practice Guideline. 4th ed. International Guideline
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

