外来リハビリテーション診療料とは?1・2の違いと算定要件

制度・実務
記事内に広告が含まれています。
B_InArticle_Body

外来リハビリテーション診療料は「毎回診察しない外来リハ」を制度上整理する診療料です

外来リハビリテーション診療料は、状態が比較的安定している外来患者に対して、医師がリハビリテーションに関する包括的な診察を行い、その後の外来リハを一定期間まとめて運用するための診療料です。PT / OT / ST の実務では、「毎回医師診察が必要なのか」「外来リハ診療料 1 と 2 の違いは何か」「療法士は何を記録するのか」で迷いやすい項目です。

この記事では、令和 8 年度改定時点の公式資料をもとに、外来リハビリテーション診療料 1 ・ 2 の点数、対象患者、算定間隔、初診料・再診料との関係、療法士の観察記録、医師への報告まで整理します。疾患別リハビリテーション料の全体像から確認したい場合は、先に 疾患別リハビリテーション料の 5 区分 を読むとつながりやすくなります。

外来リハビリテーション診療料とは

外来リハビリテーション診療料は、入院中ではない患者に対して、心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料を外来で継続する場合に関係する診療料です。

ポイントは、疾患別リハビリテーション料そのものではなく、外来でリハビリを継続する際の「医師の包括的な診察」を評価する点です。療法士がリハを実施する日は、患者状態の観察、療養指導記録への記載、医師への報告が運用の軸になります。

点数は 1 が 74 点、2 が 111 点です

令和 8 年度の医科点数表では、B001-2-7 外来リハビリテーション診療料として、外来リハビリテーション診療料 1 は 74 点、外来リハビリテーション診療料 2 は 111 点とされています。以前の資料や二次情報では旧点数が残っていることがあるため、公開時点の公式資料で確認することが重要です。

1 と 2 は単に点数が違うだけではなく、対象となる提供頻度と算定間隔が異なります。外来リハの頻度、実施計画書の記載、医師診察のタイミング、リハ実施日の観察記録をセットで整理します。

外来リハビリテーション診療料1と2の違いを点数・リハ頻度・算定間隔で比較した図版
外来リハビリテーション診療料 1 ・ 2 の違い
外来リハビリテーション診療料 1 ・ 2 の違い(令和 8 年度)
区分 点数 対象となるリハ提供計画 算定間隔
外来リハビリテーション診療料 1 74 点 1 週間に 2 日以上 7 日間に 1 回
外来リハビリテーション診療料 2 111 点 2 週間に 2 日以上 14 日間に 1 回

対象患者は「状態が比較的安定している外来患者」です

外来リハビリテーション診療料 1 ・ 2 の対象は、状態が比較的安定している患者です。入院中の患者ではなく、外来で疾患別リハビリテーションを継続する患者が前提になります。

外来リハビリテーション診療料 1 は、リハビリテーション実施計画書で疾患別リハを 1 週間に 2 日以上提供することとしている患者が対象です。外来リハビリテーション診療料 2 は、2 週間に 2 日以上提供することとしている患者が対象です。

外来リハビリテーション診療料の対象確認
確認項目 見るポイント 記録・運用の要点
入院中ではない 外来患者として疾患別リハを実施する 外来リハとしての来院日・実施日を整理する
状態が比較的安定 毎回の医師診察を要する急変リスクが高くない 状態変化時は医師診察につなぐ
実施計画書 1 週間または 2 週間あたりの実施頻度を確認 診療料 1 ・ 2 の選択根拠になる
対象リハ料 心大血管、脳血管、廃用、運動器、呼吸器 疾患別リハの区分と外来リハ診療料を混同しない

外来リハビリテーション診療料 1 は「7 日間に 1 回」の整理です

外来リハビリテーション診療料 1 は、リハビリテーション実施計画書で疾患別リハビリテーションを 1 週間に 2 日以上提供することとしている患者が対象です。算定した日から起算して 7 日間は、当該リハビリテーションの実施に係る初診料、再診料、外来診療料、外来リハビリテーション診療料 2 は算定しない整理になります。

実務上は、週 2 回以上の外来リハが計画されている患者で、医師が包括的に診察し、その後のリハ実施日には療法士が状態観察と記録を行う流れです。頻度が週 2 回以上で安定している外来リハでは、1 の運用対象になりやすいです。

外来リハビリテーション診療料 2 は「14 日間に 1 回」の整理です

外来リハビリテーション診療料 2 は、リハビリテーション実施計画書で疾患別リハビリテーションを 2 週間に 2 日以上提供することとしている患者が対象です。算定した日から起算して 14 日間は、当該リハビリテーションの実施に係る初診料、再診料、外来診療料、外来リハビリテーション診療料 1 は算定しない整理になります。

2 週間に 2 日以上の外来リハを計画している場合は、1 週間単位ではなく 2 週間単位で診察・観察・報告の流れを整えることが大切です。リハの頻度が隔週に近い患者や、週 1 回程度の外来リハを継続する患者では、2 の対象になるかを確認します。

初診料・再診料・外来診療料との関係を混同しない

外来リハビリテーション診療料で特に混乱しやすいのは、疾患別リハビリテーション料そのものと、初診料・再診料・外来診療料との関係です。外来リハビリテーション診療料 1 を算定した日から 7 日間、2 を算定した日から 14 日間は、当該リハビリテーションの実施に係る初診料・再診料・外来診療料を算定しない整理になります。

一方で、疾患別リハビリテーション料の費用は算定できます。つまり、外来リハ診療料は「リハを実施するたびに医師診察料を算定する」ためのものではなく、一定期間の外来リハ継続を医師の包括的な診察と療法士の観察・報告で支える運用と理解すると整理しやすくなります。

外来リハ診療料と初診料・再診料の関係
項目 診療料 1 診療料 2 現場の注意点
算定間隔 7 日間に 1 回 14 日間に 1 回 算定日からの起算を確認する
初診料・再診料 7 日間は当該リハ実施に係るものは算定しない 14 日間は当該リハ実施に係るものは算定しない リハ実施に係る診療かを区別する
疾患別リハ料 算定可 算定可 外来リハ診療料と疾患別リハ料を混同しない
併算定 診療料 2 は算定しない 診療料 1 は算定しない 同一期間で 1 と 2 を混在させない

療法士はリハ提供前の観察と療養指導記録が重要です

外来リハビリテーション診療料 1 ・ 2 を算定している場合、疾患別リハビリテーションを提供する日に、リハビリテーションスタッフは患者の状態を十分に観察し、療養指導記録に記載します。ここは PT / OT / ST の実務に直結する重要なポイントです。

観察では、疼痛、バイタル、神経症状、転倒、ADL 変化、服薬変更、生活状況の変化など、前回からの変化を確認します。前回と比べて状態変化がある場合や患者の求めがある場合などは、必要に応じて医師診察につなげます。

外来リハ実施前に療法士が確認したい項目
確認項目 見る内容 医師へつなぐ目安
症状変化 疼痛増悪、しびれ、息切れ、めまい、発熱 前回より明らかな悪化がある
バイタル 血圧、脈拍、SpO2、倦怠感 通常と異なる値や自覚症状がある
生活変化 転倒、ADL 低下、外出量低下、服薬変更 治療方針や負荷量の見直しが必要
患者の希望 診察希望、不安、リハ内容の相談 患者が医師診察を求めている

医師は療法士からの報告を受け、効果や進捗を確認します

外来リハビリテーション診療料 1 ・ 2 を算定している場合、医師は、疾患別リハビリテーション料の算定ごとに、患者にリハビリテーションを提供したスタッフから報告を受け、リハビリテーションの効果や進捗状況等を確認し、診療録等に記載します。

療法士からの報告は、カンファレンスの実施により代えることも可能とされています。外来リハでは診察室、リハ室、医事課の情報が分断されやすいため、報告内容を「状態変化」「実施内容」「効果」「次回方針」の 4 つにそろえると運用しやすくなります。

医師へ報告しやすい外来リハ記録の型
報告項目 書く内容 記載例
状態変化 前回からの症状・生活変化 右膝痛は前回同程度。転倒なし。
実施内容 運動療法、ADL 練習、歩行練習など 関節可動域練習、筋力練習、屋外歩行練習を実施。
効果 疼痛、可動域、歩行、ADL の変化 TUG 18 秒から 15 秒へ改善。
次回方針 継続、負荷量変更、医師確認の必要性 疼痛増悪なく、歩行耐久性向上を目的に継続。

現場の詰まりどころ:1 と 2 の選択、診察タイミング、記録漏れ

外来リハビリテーション診療料でよくある詰まりは、1 と 2 を点数だけで選んでしまうことです。実際には、リハビリテーション実施計画書における提供頻度、算定間隔、状態観察、医師への報告がセットになります。

また、「外来リハ診療料を算定しているから医師診察は不要」と考えるのも危険です。状態変化がある場合、患者が診察を希望する場合、リハ継続の可否や負荷量変更を医師が判断すべき場合は、必要に応じて診察につなげます。

外来リハビリテーション診療料のよくあるミスと対策
よくあるミス なぜ問題か 対策
1 と 2 を点数で選ぶ 提供頻度と算定間隔がずれる 実施計画書の頻度から選ぶ
リハ前観察を記録しない 療法士の観察・療養指導記録が残らない 前回比の変化を定型文で残す
状態変化を医師へ共有しない 診察や方針変更の判断が遅れる 変化あり・患者希望ありは報告する
初診料・再診料との関係を混同する 当該リハ実施に係る算定整理が崩れる 算定日から 7 日 / 14 日を台帳化する

5 分確認フロー:外来リハ診療料を使う前に見る順番

外来リハビリテーション診療料は、外来リハを続ける患者すべてに機械的に当てはめるものではありません。患者状態が比較的安定しているか、対象となる疾患別リハか、実施計画書上の頻度はどうか、療法士の観察と医師報告の体制があるかを確認します。

外来リハの現場では、受付、診察、リハ室、会計の流れが速いため、算定判断を個人の記憶に頼るとミスが起こりやすくなります。以下の順番で確認すると、医師診察・療法士記録・医事算定をそろえやすくなります。

外来リハビリテーション診療料の 5 分確認フロー
順番 確認すること 判断の目安
1 入院中ではない外来患者か 外来で疾患別リハを継続する患者
2 状態が比較的安定しているか 毎回の医師診察を要する状態変化がない
3 実施計画書の頻度はどうか 週 2 日以上なら 1、2 週間で 2 日以上なら 2 を検討
4 リハ前観察と療養指導記録が残せるか 前回比、症状、バイタル、生活変化を記録
5 医師への報告・診療録記載ができるか 効果、進捗、状態変化、次回方針を共有

記録例:運動器リハを外来で週 2 回継続する場合

たとえば、人工膝関節置換術後に外来運動器リハを週 2 回継続する患者では、リハビリテーション実施計画書に外来リハの頻度と目標を明記し、医師が包括的に診察したうえで外来リハビリテーション診療料 1 の対象になるかを確認します。

リハ実施日には、療法士が疼痛、腫脹、可動域、歩行状態、転倒の有無、生活動作の変化を確認し、療養指導記録に残します。疼痛増悪、腫脹の増加、転倒、発熱、患者の診察希望があれば、必要に応じて医師診察につなげます。

外来リハビリテーション診療料の記録例
場面 記録例 補足
医師診察日 右 TKA 術後、外来運動器リハを週 2 回継続予定。疼痛は安定し、歩行耐久性向上を目的に外来リハ継続。 包括的な診察と計画を残す
リハ実施前 前回後の疼痛増悪なし。転倒なし。創部トラブルなし。血圧 128 / 76 mmHg、リハ実施可と判断。 療法士の観察を記録する
医師報告 膝屈曲可動域 105 度から 115 度へ改善。屋外歩行は杖使用で安定。階段昇降練習を段階的に追加予定。 効果・進捗・次回方針を共有する

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

外来リハビリテーション診療料 1 と 2 は何が違いますか?

主な違いは、対象となるリハ提供計画と算定間隔です。1 は、実施計画書で疾患別リハを 1 週間に 2 日以上提供する患者が対象で、7 日間に 1 回算定します。2 は、2 週間に 2 日以上提供する患者が対象で、14 日間に 1 回算定します。

外来リハ診療料を算定していれば、毎回医師診察は不要ですか?

毎回の医師診察を前提にする診療料ではありませんが、医師診察が不要になるという意味ではありません。療法士がリハ提供前に患者状態を観察し、前回と比べて状態変化がある場合や患者の求めがある場合などは、必要に応じて医師が診察します。

外来リハ診療料を算定した期間中も疾患別リハ料は算定できますか?

算定できます。外来リハビリテーション診療料 1 を算定した日から 7 日間、2 を算定した日から 14 日間は、当該リハビリテーションの実施に係る初診料、再診料、外来診療料を算定しない一方で、疾患別リハビリテーションの費用は算定できます。

療法士はどのような記録を残せばよいですか?

リハ提供前の患者状態を観察し、療養指導記録に記載します。前回からの症状変化、バイタル、疼痛、転倒、ADL 変化、患者の希望、リハ実施可否の判断を残すと、医師への報告や診療録記載とつながりやすくなります。

外来リハ診療料 1 と 2 を同じ期間に併用できますか?

同じ期間で 1 と 2 を混在させる運用は避けます。点数表では、1 を算定する日から起算して 7 日以内は外来リハビリテーション診療料 2 を算定しない、2 を算定する日から起算して 14 日以内は外来リハビリテーション診療料 1 を算定しない整理になっています。

次の一手

外来リハビリテーション診療料を整理したら、次は疾患別リハビリテーション料の区分と標準的算定日数を合わせて確認します。まずは 疾患別リハビリテーション料の 5 区分 で対象リハ料を確認し、継続期間や 13 単位の扱いは 標準的算定日数の記事 で整理してください。

外来リハでは、整形外科・クリニック・病院外来で運用が分かれやすいため、運動器リハを中心に扱う施設では 運動器リハビリテーション料の施設基準 も合わせて確認しておくと、実施計画書、記録、算定のつながりが見えやすくなります。


参考文献

  1. 厚生労働省. 令和 8 年度診療報酬改定について. 2026.
  2. 厚生労働省. 令和 8 年度診療報酬改定 医科点数表. 2026.
  3. 厚生労働省保険局医療課. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和 8 年 3 月 5 日保医発 0305 第 6 号). 2026.

著者情報

rehabilikunの著者アイコン

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

運営者について編集・引用ポリシーお問い合わせ

タイトルとURLをコピーしました