運動器リハビリテーション料の施設基準|Ⅰ〜Ⅲの違い

制度・実務
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運動器リハビリテーション料の施設基準とは

制度や記録の運用まで含めて、働きやすい職場を見直したい方へ

施設基準を理解しても現場で回しにくいときは、教育体制や記録文化も点検候補です。

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運動器リハビリテーション料は、 H002 に位置づけられる疾患別リハビリテーション料です。骨折、関節疾患、術後、慢性運動器疾患などに対するリハビリテーションで関わることが多く、整形外科、外来リハ、回復期、地域包括ケア病棟など幅広い現場で確認が必要になります。

この記事では、運動器リハビリテーション料 Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ の違いを、人員配置、専用機能訓練室、届出様式、休日リハ、ベッド上のみリハの注意点から整理します。 5 区分全体の位置づけから確認したい場合は、先に 疾患別リハビリテーション料とは? 5 区分・日数・単位 を読むと、 H002 の位置づけがつかみやすくなります。

運動器リハビリテーション料 Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ の違い

運動器リハビリテーション料の施設基準で確認したい Ⅰ〜Ⅲの区分、人員・訓練室、休日リハ・記録を整理した図版
図:運動器リハ施設基準は、Ⅰ〜Ⅲの区分、人員・訓練室、休日リハ・記録の順に確認すると整理しやすくなります。

運動器リハビリテーション料は、 Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ で点数だけでなく、求められる体制が異なります。実務では「何点か」よりも、どの人員配置で、どの訓練室を使い、どの届出書類で説明できるかを先に確認した方が迷いにくくなります。

特に運動器リハでは、 PT ・ OT の配置、専用機能訓練室の面積、平面図、器具、勤務表との整合が確認ポイントになります。さらに 2026 年改定では、休日リハビリテーション加算やベッド上のみリハビリテーションの取扱いも重要です。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

運動器リハビリテーション料 Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ の主な確認ポイント
区分 点数 人員配置の見方 専用機能訓練室 実務メモ
185 点 運動器リハ経験を有する専任常勤医師、専従常勤 PT ・ OT の配置を確認します。 病院 100 ㎡ 以上、診療所 45 ㎡ 以上が確認点です。 上位区分として、人員・面積・器具・届出書類をセットで確認します。
170 点 専任常勤医師と、区分に応じた専従常勤 PT ・ OT の配置を確認します。 病院 100 ㎡ 以上、診療所 45 ㎡ 以上が確認点です。 Ⅰ より点数差は小さいですが、勤務表と届出様式の整合が重要です。
85 点 専任常勤医師と、専従常勤 PT または OT の配置を確認します。 45 ㎡ 以上が確認点です。 小規模体制や外来リハで確認されやすく、平面図・器具・記録の整理が重要です。

この表は、届出前の概要確認として使うものです。実際の届出では、施設基準通知、管轄厚生局の届出一覧、様式 42、様式 44 の 2、平面図をあわせて確認してください。特に人員配置は、人数だけでなく常勤・非常勤、専従・非専従、専任・非専任の区分まで確認対象になります。

人員配置・専従・兼任で確認したいこと

運動器リハビリテーション料の施設基準では、医師、 PT 、 OT の配置が重要です。Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ の区分によって必要な体制は異なりますが、共通して「届出上の職員」と「実際の勤務表」が一致しているかを確認する必要があります。

現場で迷いやすいのは、専従・専任・兼任の扱いです。疾患別リハの他区分と兼任できる場面がある一方で、病棟配置や特定の施設基準で求められる常勤従事者との関係は慎重に確認する必要があります。医事課だけでなく、リハ部門側でも勤務表と様式 44 の 2 を突合できる状態にしておくと、届出後の変更にも対応しやすくなります。

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運動器リハの人員配置で確認したい届出項目
確認項目 届出で見るもの 院内で残したいもの
医師 専任常勤医師の配置、経験の確認 担当医一覧、勤務表、経験・研修歴のメモ
PT 専従常勤 PT の配置 勤務表、配置表、担当患者一覧、兼任状況
OT 専従常勤 OT の配置 勤務表、配置表、担当領域、兼任状況
勤務態様 常勤・非常勤、専従・非専従、専任・非専任 様式 44 の 2 と勤務実態を突合できる管理表
兼任 他リハ料や病棟配置との関係 兼任可否を確認したメモ、配置変更時の確認欄

療法士側では、届出書類そのものを作成しないこともあります。しかし、実際の勤務実態や配置はリハ部門が最も把握していることが多いため、職員異動や配置変更時に施設基準を再確認する流れを作っておくことが大切です。

専用機能訓練室・器具・平面図で確認すること

運動器リハビリテーション料では、専用機能訓練室の面積、平面図、器具の整備が確認ポイントになります。面積だけを満たしていても、実際の使用状況や他リハとの併用、外来・入院の時間帯が整理されていないと、届出時の説明と現場運用がずれやすくなります。

また、平行棒、姿勢矯正用鏡、車椅子、歩行補助具、測定用器具など、運動器リハに必要な器具の整備も確認対象です。器具は「あるかどうか」だけでなく、点検状況、保管場所、使用ルールまで台帳化しておくと、監査や院内確認のときに説明しやすくなります。

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専用機能訓練室・器具で確認したいこと
確認項目 見るポイント 院内で残したいもの
面積 区分ごとの基準を満たすか 平面図、面積確認メモ、更新日
使用区画 専用機能訓練室として説明できるか 室名、使用時間帯、用途、他リハとの使い分け
器具 測定用器具、平行棒、鏡、車椅子、歩行補助具など 器具一覧、設置場所、点検記録
併用 外来・入院・他リハとの使用が混線していないか 運用ルール、時間割、責任者
変更時 改修・移転・用途変更があるか 変更日、確認メモ、届出要否の確認

届出で確認したい様式 42・様式 44 の 2・平面図

運動器リハビリテーション料の届出では、様式 42、様式 44 の 2、専用機能訓練室の平面図を確認します。地方厚生局の届出一覧でも、運動器リハビリテーション料 Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ は、別添 2、様式 42、様式 44 の 2、平面図が確認対象として整理されています。

届出は提出して終わりではありません。職員の異動、訓練室の用途変更、器具の更新、外来リハの運用変更があったときに、届出時の前提と現場運用がずれていないかを確認できる状態にしておく必要があります。

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運動器リハビリテーション料の届出前に確認したい書類と院内資料
確認項目 届出で見るもの 院内で残したいもの
届出区分 別添 2、様式 42 届出控え、受理状況、算定区分一覧
人員配置 様式 44 の 2 勤務表、職種別一覧、経験・研修歴
勤務態様 常勤・非常勤、専従・非専従、専任・非専任 配置表、兼任状況、勤務実態の突合表
訓練室 専用機能訓練室の平面図 面積、室名、使用ルール、更新日
器具 必要な器具の整備状況 器具台帳、点検記録、保管場所

特に様式 44 の 2 は、療法士の氏名と勤務態様を確認するため、リハ部門の勤務表とずれていると説明が難しくなります。届出控え、勤務表、平面図、器具台帳を同じ場所で確認できるようにしておくと、年度更新や配置変更時の負担を減らせます。

2026 改定で注意したい休日リハ・ベッド上のみリハ

2026 年改定では、疾患別リハ全体で、休日リハビリテーション加算やベッド上のみリハビリテーションの取扱いが重要になっています。運動器リハでも、単に「実施したか」だけでなく、対象患者、起算日、実施内容、記録、単位数を確認する必要があります。

特にベッド上のみリハでは、車椅子へ移乗している場合や、ベッド上でも他動訓練以外を行っている場合など、特定の患者に該当しない例が示されています。反対に、ベッド上のみで拘縮予防等を目的とした他動的訓練のみを行う場合は、100 分の 90 の点数による 2 単位までの算定対象として整理されます。

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2026 改定で確認したい運動器リハの注意点
論点 見るポイント 記録で残したいこと
休日リハ 休日に切れ目なく実施したか 実施日、提供体制、起算日、対象患者
ベッド上のみ 特定の患者に該当するか ベッド上のみの理由、訓練内容、単位数
他動的訓練のみ 拘縮予防等を目的とした他動的訓練のみか 目的、実施部位、内容、反応
早期リハ 入院日基準の起算日を確認する 入院日、転院前入院日、開始日
摘要欄 例外的取扱いの根拠を残す 医師判断、医学的理由、訓練内容

2026 改定の注意点は、現場の算定ミスにつながりやすい部分です。特にベッド上のみリハは、単に「病室で行った」ではなく、移乗の有無、訓練内容、他動的訓練のみかどうかまで確認する必要があります。

対象患者と標準的算定日数で迷いやすい場面

運動器リハビリテーション料の対象は、急性発症した運動器疾患・術後患者と、慢性運動器疾患により一定程度以上の運動機能・ ADL 低下を来している患者に大きく整理できます。整形外科領域では対象が広いため、病名だけでなく、今回のリハが必要な理由を記録で説明できることが重要です。

標準的算定日数は 150 日です。発症・手術・急性増悪の日が明確な場合はその日から、明確でない場合は最初に当該疾患と診断された日から考えます。疾患別リハ全体の算定日数や起算日の整理は、標準的算定日数とは?疾患別リハの見方と 13 単位 にまとめています。

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運動器リハの対象患者で確認したい見方
場面 確認したいこと 記録で残したいこと
骨折・外傷後 発症日、手術日、荷重制限、機能障害 受傷日、術式、荷重条件、ADL 低下
TKA・THA 術後 術後経過、可動域、筋力、歩行能力 手術日、疼痛、ROM、歩行状況、退院目標
脊椎疾患 疼痛、神経症状、ADL 制限、装具 診断日、症状、禁忌、動作指導内容
慢性運動器疾患 運動機能低下、ADL 低下、継続理由 診断日、評価結果、目標、再評価予定

現場の詰まりどころ

運動器リハビリテーション料の施設基準は、通知や届出様式を読めば理解できるように見えて、実際には人員、訓練室、平面図、勤務表、記録がつながっていないと詰まりやすくなります。

よくある失敗は、Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ を点数だけで判断してしまうことです。施設基準記事として読むなら、点数差よりも、その区分を支える体制を院内で説明できるかを重視しましょう。

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運動器リハ施設基準でよくある失敗と回避策
場面 NG OK
区分確認 点数だけで Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ を見る 人員、面積、届出書類、記録体制までセットで見る
訓練室 古い平面図のまま確認する 現在の面積、室名、用途、使用時間帯と突合する
勤務表 様式 44 の 2 と勤務表を別々に管理する 常勤・非常勤、専従・専任を突合できる台帳にする
兼任 病棟配置との関係を曖昧にする 兼任可否を届出前に確認し、配置変更時にも見直す
ベッド上のみ 理由・訓練内容・単位数を残さない 医学的理由、訓練内容、単位数、摘要欄をそろえる
休日リハ 起算日を取り違える 入院日や改定前からの経過を含めて確認する

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

運動器リハビリテーション料 Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ は何が違いますか?

点数だけでなく、人員配置、専用機能訓練室、届出書類の確認が異なります。実務では、まず Ⅰ ・ Ⅱ ・ Ⅲ の区分を確認し、その後に医師・ PT ・ OT の配置、訓練室面積、平面図、勤務表、器具、記録体制を順に確認すると整理しやすくなります。

専用機能訓練室は何㎡必要ですか?

区分によって確認点が異なります。Ⅰ ・ Ⅱ では病院 100 ㎡ 以上、診療所 45 ㎡ 以上が確認点です。Ⅲ では 45 ㎡ 以上が確認点になります。実際の届出では、管轄厚生局の届出一覧と平面図を確認してください。

様式 42 と様式 44 の 2 では何を確認しますか?

様式 42 では届出区分や施設基準に関する事項を確認します。様式 44 の 2 では、当該治療に従事する医師、理学療法士、作業療法士、その他従事者の氏名や勤務態様を確認します。勤務表と一致しているかが重要です。

ベッド上のみリハは何を記録すればよいですか?

ベッド上のみである医学的理由、拘縮予防等を目的とした他動的訓練のみかどうか、実施内容、単位数、医師判断、摘要欄に必要な情報を残します。車椅子へ移乗している場合や、他動訓練以外を行っている場合は、特定の患者に該当しない例もあるため注意が必要です。

次の一手

疾患別リハ全体の中で H002 の位置づけを確認したい場合は、疾患別リハビリテーション料とは? 5 区分・日数・単位 を先に読むと、心大血管・脳血管・廃用・運動器・呼吸器の違いを整理しやすくなります。

運動器リハの算定日数や起算日で迷う場合は、標準的算定日数とは?疾患別リハの見方と 13 単位 が続きます。臨床介入まで確認したい場合は、TKA 術後リハビリの進め方大腿骨近位部骨折リハビリ もあわせて確認してください。

施設基準全体の抜け漏れを横断で見直したい場合は、施設基準ハブ| PT が関わる要件・記録・委員会を最短で整理 からたどると回遊しやすくなります。

運用を整えても回しにくさが残る場合は、教育体制や記録文化も点検候補です。環境の詰まりを見直す無料チェックシート もあわせて使えます。


参考文献

  1. 厚生労働省.特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和 8 年 3 月 5 日 保医発 0305 第 8 号)
  2. 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和 8 年 3 月 5 日 保医発 0305 第 6 号)
  3. 関東信越厚生局.特掲診療料の届出一覧(令和 8 年度診療報酬改定)
  4. 九州厚生局.施設基準等の届出に係る添付書類一覧(特掲診療料)
  5. PT-OT-ST.NET.H002 運動器リハビリテーション料|令和 8 年診療報酬改定情報
  6. PT-OT-ST.NET.第 7 部 リハビリテーション|令和 8 年診療報酬改定情報

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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