運動器リハビリテーション料の施設基準は「区分・人員・訓練室・届出書類」で確認します
運動器リハビリテーション料の施設基準は、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの点数だけでなく、人員配置、専用機能訓練室、届出様式、平面図までセットで確認する必要があります。この記事では、PT・OT・医事課が届出前後に見直したいポイントを、2026年改定の注意点も含めて実務向けに整理します。
5区分全体の位置づけから確認したい場合は、先に 疾患別リハビリテーション料とは?5区分・日数・単位 を読むと、H002の位置づけがつかみやすくなります。
運動器リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの違い

運動器リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、点数だけでなく、必要な人員配置と専用機能訓練室の要件が異なります。
実務では「何点か」だけで判断せず、その区分を支える人員・面積・器具・届出書類を説明できるかを確認します。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 区分 | 点数 | 人員配置の見方 | 専用機能訓練室 | 実務メモ |
|---|---|---|---|---|
| Ⅰ | 185点 | 運動器リハ経験を有する専任常勤医師、専従常勤PT・OTの配置を確認します。 | 病院100㎡以上、診療所45㎡以上が確認点です。 | 上位区分として、人員・面積・器具・届出書類をセットで確認します。 |
| Ⅱ | 170点 | 専任常勤医師と、区分に応じた専従常勤PT・OTの配置を確認します。 | 病院100㎡以上、診療所45㎡以上が確認点です。 | Ⅰより点数差は小さいですが、勤務表と届出様式の整合が重要です。 |
| Ⅲ | 85点 | 専任常勤医師と、専従常勤PTまたはOTの配置を確認します。 | 45㎡以上が確認点です。 | 小規模体制や外来リハで確認されやすく、平面図・器具・記録の整理が重要です。 |
この表は概要確認用です。実際の届出では、施設基準通知、管轄厚生局の届出一覧、様式42、様式44の2、平面図をあわせて確認してください。
人員配置・専従・兼任で確認したいこと
人員配置では、届出上の職員と実際の勤務表が一致しているかを確認します。
現場で迷いやすいのは、専従・専任・兼任の扱いです。疾患別リハの他区分や病棟配置と関係する場合は、医事課だけでなくリハ部門側でも勤務表と様式44の2を突合できる状態にしておくと安全です。
療養病棟や地域包括ケア病棟では、配置変更や兼務が日常的に起こりやすいため、年度途中の異動時にも施設基準を見直す流れを作っておくと、届出後のズレを防ぎやすくなります。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 確認項目 | 届出で見るもの | 院内で残したいもの |
|---|---|---|
| 医師 | 専任常勤医師の配置、経験の確認 | 担当医一覧、勤務表、経験・研修歴のメモ |
| PT | 専従常勤PTの配置 | 勤務表、配置表、担当患者一覧、兼任状況 |
| OT | 専従常勤OTの配置 | 勤務表、配置表、担当領域、兼任状況 |
| 勤務態様 | 常勤・非常勤、専従・非専従、専任・非専任 | 様式44の2と勤務実態を突合できる管理表 |
| 兼任 | 他リハ料や病棟配置との関係 | 兼任可否を確認したメモ、配置変更時の確認欄 |
専用機能訓練室・器具・平面図で確認すること
専用機能訓練室では、面積、使用区画、器具、平面図の整合を確認します。
面積だけを満たしていても、実際の使用状況や他リハとの併用、外来・入院の時間帯が整理されていないと、届出時の説明と現場運用がずれやすくなります。
平行棒、姿勢矯正用鏡、車椅子、歩行補助具、測定用器具などは「あるかどうか」だけでなく、設置場所、点検状況、使用ルールまで台帳化しておくと説明しやすくなります。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 確認項目 | 見るポイント | 院内で残したいもの |
|---|---|---|
| 面積 | 区分ごとの基準を満たすか | 平面図、面積確認メモ、更新日 |
| 使用区画 | 専用機能訓練室として説明できるか | 室名、使用時間帯、用途、他リハとの使い分け |
| 器具 | 測定用器具、平行棒、鏡、車椅子、歩行補助具など | 器具一覧、設置場所、点検記録 |
| 併用 | 外来・入院・他リハとの使用が混線していないか | 運用ルール、時間割、責任者 |
| 変更時 | 改修・移転・用途変更があるか | 変更日、確認メモ、届出要否の確認 |
届出で確認したい様式42・様式44の2・平面図
運動器リハビリテーション料の届出では、様式42、様式44の2、専用機能訓練室の平面図を確認します。
届出は提出して終わりではありません。職員の異動、訓練室の用途変更、器具の更新、外来リハの運用変更があったときに、届出時の前提と現場運用がずれていないかを確認できる状態にしておく必要があります。
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| 確認項目 | 届出で見るもの | 院内で残したいもの |
|---|---|---|
| 届出区分 | 別添2、様式42 | 届出控え、受理状況、算定区分一覧 |
| 人員配置 | 様式44の2 | 勤務表、職種別一覧、経験・研修歴 |
| 勤務態様 | 常勤・非常勤、専従・非専従、専任・非専任 | 配置表、兼任状況、勤務実態の突合表 |
| 訓練室 | 専用機能訓練室の平面図 | 面積、室名、使用ルール、更新日 |
| 器具 | 必要な器具の整備状況 | 器具台帳、点検記録、保管場所 |
特に様式44の2は、療法士の氏名と勤務態様を確認するため、リハ部門の勤務表とずれていると説明が難しくなります。届出控え、勤務表、平面図、器具台帳を同じ場所で確認できるようにしておくと、年度更新や配置変更時の負担を減らせます。
2026年改定で注意したい休日リハ・ベッド上のみリハ
2026年改定では、休日リハビリテーション加算とベッド上のみリハビリテーションの取扱いを確認します。
運動器リハでも、単に「実施したか」だけでなく、対象患者、起算日、実施内容、記録、単位数を確認する必要があります。
特にベッド上のみリハでは、車椅子へ移乗している場合や、ベッド上でも他動訓練以外を行っている場合など、特定の患者に該当しない例があります。反対に、ベッド上のみで拘縮予防等を目的とした他動的訓練のみを行う場合は、減算や単位数の扱いを確認します。
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| 論点 | 見るポイント | 記録で残したいこと |
|---|---|---|
| 休日リハ | 休日に切れ目なく実施したか | 実施日、提供体制、起算日、対象患者 |
| ベッド上のみ | 特定の患者に該当するか | ベッド上のみの理由、訓練内容、単位数 |
| 他動的訓練のみ | 拘縮予防等を目的とした他動的訓練のみか | 目的、実施部位、内容、反応 |
| 早期リハ | 入院日基準の起算日を確認する | 入院日、転院前入院日、開始日 |
| 摘要欄 | 例外的取扱いの根拠を残す | 医師判断、医学的理由、訓練内容 |
対象患者と標準的算定日数で迷いやすい場面
対象患者は、急性発症した運動器疾患・術後患者と、慢性運動器疾患により運動機能やADLが低下している患者に分けて考えると整理しやすくなります。
整形外科領域では対象が広いため、病名だけでなく、今回のリハが必要な理由を記録で説明できることが重要です。標準的算定日数や起算日の詳しい整理は、標準的算定日数とは?疾患別リハの見方と13単位 にまとめています。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 場面 | 確認したいこと | 記録で残したいこと |
|---|---|---|
| 骨折・外傷後 | 発症日、手術日、荷重制限、機能障害 | 受傷日、術式、荷重条件、ADL低下 |
| TKA・THA術後 | 術後経過、可動域、筋力、歩行能力 | 手術日、疼痛、ROM、歩行状況、退院目標 |
| 脊椎疾患 | 疼痛、神経症状、ADL制限、装具 | 診断日、症状、禁忌、動作指導内容 |
| 慢性運動器疾患 | 運動機能低下、ADL低下、継続理由 | 診断日、評価結果、目標、再評価予定 |
現場の詰まりどころ
運動器リハビリテーション料の施設基準は、点数表だけでなく、勤務表、平面図、器具、記録がつながっていないと詰まりやすくなります。
よくある失敗は、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを点数だけで判断してしまうことです。施設基準記事として読むなら、点数差よりも、その区分を支える体制を院内で説明できるかを重視しましょう。
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| 場面 | NG | OK |
|---|---|---|
| 区分確認 | 点数だけでⅠ・Ⅱ・Ⅲを見る | 人員、面積、届出書類、記録体制までセットで見る |
| 訓練室 | 古い平面図のまま確認する | 現在の面積、室名、用途、使用時間帯と突合する |
| 勤務表 | 様式44の2と勤務表を別々に管理する | 常勤・非常勤、専従・専任を突合できる台帳にする |
| 兼任 | 病棟配置との関係を曖昧にする | 兼任可否を届出前に確認し、配置変更時にも見直す |
| ベッド上のみ | 理由・訓練内容・単位数を残さない | 医学的理由、訓練内容、単位数、摘要欄をそろえる |
| 休日リハ | 起算日を取り違える | 入院日や改定前からの経過を含めて確認する |
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
運動器リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは何が違いますか?
点数だけでなく、人員配置、専用機能訓練室、届出書類の確認が異なります。実務では、まずⅠ・Ⅱ・Ⅲの区分を確認し、その後に医師・PT・OTの配置、訓練室面積、平面図、勤務表、器具、記録体制を順に確認すると整理しやすくなります。
専用機能訓練室は何㎡必要ですか?
区分によって確認点が異なります。Ⅰ・Ⅱでは病院100㎡以上、診療所45㎡以上が確認点です。Ⅲでは45㎡以上が確認点になります。実際の届出では、管轄厚生局の届出一覧と平面図を確認してください。
様式42と様式44の2では何を確認しますか?
様式42では届出区分や施設基準に関する事項を確認します。様式44の2では、当該治療に従事する医師、理学療法士、作業療法士、その他従事者の氏名や勤務態様を確認します。勤務表と一致しているかが重要です。
ベッド上のみリハは何を記録すればよいですか?
ベッド上のみである医学的理由、拘縮予防等を目的とした他動的訓練のみかどうか、実施内容、単位数、医師判断、摘要欄に必要な情報を残します。車椅子へ移乗している場合や、他動訓練以外を行っている場合は注意が必要です。
次の一手
疾患別リハ全体の中でH002の位置づけを確認したい場合は、疾患別リハビリテーション料とは?5区分・日数・単位 を先に読むと、心大血管・脳血管・廃用・運動器・呼吸器の違いを整理しやすくなります。
運動器リハの算定日数や起算日で迷う場合は、標準的算定日数とは?疾患別リハの見方と13単位 が続きます。
施設基準全体の抜け漏れを横断で見直したい場合は、施設基準ハブ|PTが関わる要件・記録・委員会を最短で整理 から確認してください。
参考文献
- 厚生労働省.特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第8号).
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号).
- 関東信越厚生局.特掲診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定).
- 九州厚生局.施設基準等の届出に係る添付書類一覧(特掲診療料).
- PT-OT-ST.NET.H002 運動器リハビリテーション料|令和8年診療報酬改定情報.
- PT-OT-ST.NET.第7部 リハビリテーション|令和8年診療報酬改定情報.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

