やる気スコア(Apathy Scale)とは
意欲評価 総論の個別ページです。Apathy Scale(やる気スコア)は自己記入式でアパシー傾向を簡便に把握する14項目のスクリーニング尺度です(4件法・合計0–42点)。
新人向けの導入フローは こちらの手順 も参考にしてください。
実施手順(説明スクリプト例)
- 目的と所要時間(約3–5分)を最初に伝え、直近1–2週間の普段の状態で答える旨を説明。
- 眠気・疼痛・せん妄・薬剤影響など可逆因子を事前チェック。
- 迷った設問は第一印象で回答。評価者は説明の追加のみで誘導しない。
採点方法とカットオフ
- 各項目0–3点、合計0–42点。
- 14点以上は臨床的アパシーの目安とする報告が多く、16点を閾値に採用する報告もあります。施設内で運用値を統一してください。
- 単回値より再評価の推移で解釈。実施時間帯を揃える。
評価項目の“見ているポイント”(要約)
- 始める力:自分から行動を起こす/始動に助けが要るか。
- 興味・好奇心:趣味・交流・ニュースなどへの関心の広さと頻度。
- 持続・努力:一度始めた活動を続ける力、途中でやめないか。
- 感情反応:嬉しい・楽しいといったポジティブ感情の表出。
- 社会的関わり:家族・友人・スタッフとの関わりを自発的に持つか。
採点の目安(行動例;言い換え)
- 軽度:誘えば趣味や体操を始められる/予定があると動ける。
- 中等度:誘っても腰が重いことが多い/楽しみを感じにくい日が増える。
- 高度:ほとんど自分から始めない/身だしなみや会話への関心が乏しい。
判定の判断ポイント(自己記入スケール共通)
- 頻度語の解釈統一:「ときどき」「よくある」などの曖昧語は事前に定義(例:ときどき=週に数回)。
- 迷った場合:第一印象で回答。評価者は選択を誘導しない。
- 境界域の扱い:14–16点は経時推移で判断。2–3点の変動を“臨床的変化”候補に。
- 状態要因の併記:睡眠不足・疼痛・薬剤変更日はログに明記して解釈に反映。
記録・集計の実務
| 項目 | 要点 | 記録欄の例 |
|---|---|---|
| 方式 | 自己記入(4件法) | 回答欄○/総点 |
| 所要時間 | 約3–5分 | 実施時刻 |
| 判定 | 14–16点以上で要注意(施設で統一) | 解釈メモ |
| 再評価 | 急性期1–3日/回復期1–2週/生活期1か月 | 次回予定 |
よくある誤りと対策
- 説明不足で自己回答がブレる → スクリプトを読み上げる。
- 家族が代筆してしまう → 本人の主観を尊重し、支援は最小限。
- 睡眠不足・疼痛日を比較 → 同条件で再評価。
配布:記録・集計用シート
原法の設問本文は掲載しません(著作権配慮)。以下は項目本文を含まない記録・集計用です。
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