FIM+FAM の評価方法|FIM だけでは足りない場面

評価
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FIM+FAMとは

評価の型を先にそろえたい方へ

点数を取るだけで終わらせず、認知・行動面まで含めて共有できる形にすると、退院支援やチーム連携が進めやすくなります。

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FIM+FAM は、FIM 18 項目に FAM 12 項目を追加して、ADL の自立度だけでなく、脳損傷で問題になりやすい認知・コミュニケーション・心理社会面まで整理しやすくした尺度です。 FAM は単独で使うのではなく、 FIM に追加して 30 項目のセットとして扱います。

そのため、 FIM+FAM は「 FIM の代わり」というより、 FIM だけでは薄くなりやすい領域を補う尺度 と理解すると使いやすくなります。特に回復期や脳損傷リハでは、身体面の自立度だけでなく、読み書き、注意、感情面、安全面まで共有したい場面で価値が高くなります。

30 項目の構成

FIM+FAM は、ベースとなる FIM 18 項目に、 FAM 12 項目を追加した構成です。採点は FIM と同じ 7 段階で、介助量や自立度を共通のものさしでそろえられるのが特徴です。

実務では、全 30 項目を細かく暗記するより、まず FIM の土台に、コミュニケーション・心理社会・認知関連の項目が追加される と押さえると整理しやすくなります。 FAM 追加項目の代表例としては、嚥下、車移乗、地域移動、読み書き、発話明瞭度、情緒状態、障害受容、余暇、見当識、集中、安全意識などがあります。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

FIM+FAM の構成イメージ
まとまり 主にみる内容 実務での意味 読み方のコツ
FIM 項目 セルフケア、排泄管理、移乗、移動、理解、表出、社会的交流、問題解決、記憶 ADL の土台となる自立度をそろえやすい まず FIM の枠組みで身体面と基本認知面を押さえます。
FAM 追加項目 嚥下、車移乗、地域移動、読み書き、発話明瞭度、情緒状態、障害受容、余暇、見当識、集中、安全意識など FIM だけでは拾いにくい脳損傷リハの課題を補いやすい 日常生活の実行だけでなく、生活参加と行動面まで確認します。
採点 7 段階評定 FIM と同じスケール感で共有しやすい 点数の上下だけでなく、どの領域が弱いかを見ます。

FIM と何が違うのか

FIM は、 ADL の自立度と必要介助量を統一的にみるのに優れた尺度です。一方、 FIM+FAM はその FIM を土台にしながら、脳損傷で残りやすい認知・行動・コミュニケーション面をもう一段詳しくみるための拡張版と考えると分かりやすくなります。

つまり、 FIM = ADL の土台をそろえる尺度、 FIM+FAM = その土台に認知・心理社会面を足して共有する尺度 です。 BI / FIM の違いを整理した記事を読んだあとなら、次の一手として「 FIM で足りない部分をどう補うか」を考える記事として位置づけやすくなります。

FIM と FIM+FAM の違いを整理した図版
図:FIM は ADL の土台をそろえ、 FIM+FAM は認知・行動面まで補って整理します。

図版で全体像を押さえたうえで下の比較表を見ると、項目数だけでなく「どの領域を補っているか」が理解しやすくなります。比較の焦点は、細かい点数差ではなく、 FIM だけでは見えにくい面を FIM+FAM がどう補うか に置くと読みやすくなります。

関連:FIM の基本的な位置づけは Barthel Index と FIM の違い【比較・使い分け】 で先に押さえると流れがつかみやすくなります。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

FIM と FIM+FAM の違い
比較軸 FIM FIM+FAM
項目数 18 項目 30 項目
強み ADL の自立度と介助量を整理しやすい FIM に加えて認知・心理社会面を補いやすい
向く場面 幅広い疾患の基本 ADL 評価 脳損傷リハ、回復期、行動・認知面も共有したい場面
読み方 合計点 + 領域差 合計点 + 追加項目の偏り

向いている場面・向きにくい場面

FIM+FAM が向いているのは、身体面の ADL だけでは患者像が見えにくい場面です。たとえば、外見上は移動やセルフケアがある程度できていても、注意、見当識、安全意識、感情面、コミュニケーションの問題で退院後に生活が回りにくいケースでは、 FIM+FAM のほうが共有しやすくなります。

一方で、まず基本 ADL の介助量だけを短時間でそろえたい場面では、 FIM や BI のほうが扱いやすいこともあります。 FIM+FAM は、どの患者にも必ず使うというより、 FIM だけでは薄く感じるときに選ぶ と実務に乗せやすくなります。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

FIM+FAM が向く場面と向きにくい場面
場面 向きやすさ 理由
脳損傷の回復期リハ 向く 認知・行動・コミュニケーション面を補って共有しやすいからです。
高次脳機能障害を伴う退院支援 向く ADL の自立度だけでは見えにくい課題を拾いやすいからです。
多職種での経時共有 向く 入院時と退院時で領域差を見やすいからです。
基本 ADL のみを短時間で整理したい 向きにくい FIM や BI のほうが簡潔に扱いやすいからです。
認知・心理社会面の影響が少ない症例 向きにくい 追加項目の必要性が低くなることがあるからです。

記録と多職種共有のコツ

FIM+FAM は、合計点だけで読むと強みが薄くなります。実務では、 どの追加項目で止まりやすいか を短く言語化すると、多職種共有で使いやすくなります。たとえば「移動は概ね自立だが、見当識・集中・安全意識で支援が必要」のように書くと、退院支援や家族説明につながりやすくなります。

また、 FIM の土台に FAM をどう重ねるかをチームでそろえておくことも大切です。 FIM だけで終えると身体面に引っ張られやすいため、 FAM の追加項目で「生活が止まる理由」を補う意識で使うと、点数が判断に変わりやすくなります。関連:点数を文章に変える考え方は FIM と BI の退院支援 5 ステップ【例文付き】 も参考になります。

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FIM+FAM の記録で押さえたい点
ポイント なぜ重要か 実務のコツ
合計点だけで終えない 追加項目の価値が見えにくくなる 弱い領域を 2〜3 個言葉で残します。
FIM と FAM を混ぜすぎない 何を補っているかが曖昧になる FIM の土台と FAM の追加項目を意識して読みます。
生活場面へ翻訳する 会議や家族説明で使いやすくなる 「何ができないか」より「どこで止まるか」で書きます。
入院時と退院時を並べる 変化が見えやすい 領域差と改善の偏りを確認します。

よくある失敗

よくある失敗の 1 つ目は、 FIM+FAM を「 FIM の細かい版」とだけ捉えてしまうことです。実際には、追加されているのは単なる細分化ではなく、脳損傷リハで問題になりやすい認知・行動・心理社会面です。ここを見落とすと、 FIM+FAM を使う意味が薄くなります。

2 つ目は、 FAM の追加項目だけを見て FIM の土台を軽く扱うことです。 3 つ目は、点数の上下だけに注目して、生活場面への翻訳をしないことです。 FIM+FAM は、点数よりも どの領域がボトルネックか を共有してこそ実務に乗りやすくなります。

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FIM+FAM でよくある失敗と回避策
失敗 なぜずれるか 回避策
FIM の細かい版とだけ考える 追加項目の意味が薄れる 認知・心理社会面を補う尺度と整理します。
FAM 項目だけに注目する FIM の土台が抜ける FIM の枠組みの上に FAM を重ねて読みます。
合計点だけで共有する どこが弱いかが伝わらない 弱い領域を短く言語化します。
どの症例にも使おうとする 必要性が低い症例もある FIM だけでは薄い症例で選択します。

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

FIM+FAM は FAM だけで使えますか?

いいえ。 FAM は単独では使わず、 FIM 18 項目に追加して 30 項目の FIM+FAM として使うのが基本です。

FIM と何が一番違いますか?

一番の違いは、脳損傷リハで重要になりやすい認知・コミュニケーション・心理社会面を補いやすいことです。 FIM の土台に追加して使うイメージです。

どんな患者に向いていますか?

高次脳機能障害や行動・安全面の問題を含む脳損傷患者、回復期で退院支援まで見据えたい症例に向きやすいです。

FIM があれば FIM+FAM は不要ですか?

必ずしも不要ではありません。 FIM だけでは患者像が薄くなると感じる場面、特に認知・行動面の共有が必要な場面では FIM+FAM の価値が高くなります。

次の一手

FIM+FAM で FIM だけでは薄くなりやすい領域 を補ったら、次は 退院支援でどう書くか他の ADL 尺度とどう分けるか をつなぐと、実務で使いやすくなります。同テーマで続けて読むなら、次の 3 本がつながりやすいです。

評価の回し方や共有の型を、個人だけでなく職場全体で整えたいときは、環境面の詰まりも点検しておくと動きやすくなります。無料チェックシートを見る


参考文献

  1. King’s College London. The UK FIM+FAM (Functional Assessment Measure) manual v2.2. PDF
  2. Shirley Ryan AbilityLab. Functional Assessment Measure. 公式ページ
  3. Shirley Ryan AbilityLab. Functional Independence Measure. 公式ページ
  4. Hawley CA, Taylor R, Hellawell DJ, Pentland B. Use of the functional assessment measure (FIM+FAM) in head injury rehabilitation: a psychometric analysis. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 1999;67(6):749-754. PubMed

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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