FAIとは?15項目の評価・採点・解釈と再評価

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FAIとは?15項目の評価・採点・解釈と再評価

FAIは「できる能力」ではなく、生活の中で実際に行った活動の頻度を捉えるIADL評価です。


生活範囲・社会参加の評価ハブへ

FAI(Frenchay Activities Index)は、家事、外出、余暇、仕事など、在宅生活で本人が実際に行った活動の頻度を15項目で評価する尺度です。日本語版で広く用いられる採点方法では、各項目を0〜3点、合計0〜45点で表します。

評価では「動作として可能か」ではなく、基準期間内に本人が実際にどの程度行ったかを確認します。本記事では、FAIの15項目の評価内容、聞き取りのポイント、採点方法、5領域での解釈、低頻度時の追加評価と支援、参照値、MDC、記録例、再評価シートの使い方を整理します。

FAIは実際に行った活動頻度を15項目で評価します

FAIは、脳卒中後の人の応用的な生活活動を確認するために開発された評価尺度です。食事や移動などの基本的ADLだけでは捉えにくい、家事、屋外活動、余暇、社会生活、仕事の実施状況を評価できます。

  • 項目数:15項目
  • 日本語版で一般的な配点:各項目0〜3点
  • 合計点:0〜45点
  • 評価する内容:家事、屋外活動、余暇、仕事などの実施頻度
  • 主な回答方法:本人への面接または自己記入
  • 代理回答:必要に応じて、本人の生活を把握している家族などから情報を得る

FAIが捉えるのは、能力検査で確認した「できる活動」ではなく、普段の生活で「実際にしている活動」です。動作能力が保たれていても、家族による代行、転倒不安、疲労、交通手段、生活役割の変化などによって活動頻度が低くなることがあります。

能力が改善しただけでは、FAIの得点が上がるとは限りません。歩行能力や筋力が改善したあとに、本人が希望する家事、外出、趣味などを実生活で再開し、その頻度が増えたかまで確認することが重要です。

FAIの原法と日本語版では採点方法・基準期間を確認します

FAIを実施する前に、採用している版、採点方法、基準期間を確認します。原法では各項目を1〜4点、合計15〜60点で表す方法が用いられました。その後、各項目を0〜3点、合計0〜45点とする方法が広く使用され、日本語版自己評価表も0〜45点で集計します。

原法では活動の性質に応じて過去3か月または6か月の頻度を確認します。一方、改訂版の日本語版自己評価表では、判定期間を「最近の3か月」にそろえた様式も使用されています。本記事では、国内で一般的な0〜45点方式を扱いますが、実際の採点では所属施設が採用している正式な評価用紙を優先してください。

FAIを実施する前に確認する評価条件
確認項目 確認する内容 記録例
採用版 原法、修正版、日本語版自己評価表など 「改訂版FAI自己評価表を使用」
配点 各項目0〜3点か、1〜4点か 「0〜45点方式」
基準期間 過去3か月、過去6か月など 「最近3か月の活動を評価」
回答者 本人、家族、その他の支援者 「本人回答、長女に補足確認」
回答方法 面接、自己記入、代理回答 「療法士による面接」

FAIの採点方法|各項目を正式な頻度区分で評価します

採点では、正式な評価用紙に記載された各活動について、基準期間内の実施頻度に最も近い回答肢を選択します。日本語版で一般的な方式では、各項目を0〜3点で採点し、15項目を合計して0〜45点で表します。

日常的な家事、外出、旅行、庭仕事、読書、勤労では活動の性質が異なるため、すべてを同じ「週何回」という区分で採点するわけではありません。質問文、基準期間、回答肢を独自に置き換えず、使用中の正式な評価用紙に従ってください。

FAI評価の進め方

  1. 評価用紙を確認する:採用版、質問文、基準期間、頻度区分を確認します。
  2. 回答者を記録する:本人回答か、家族などによる代理回答かを残します。
  3. 実際の頻度を聞く:「できますか」ではなく、「基準期間内に実際にどのくらい行いましたか」と尋ねます。
  4. 本人実施と代行を分ける:家族やサービスが行った活動を本人の実施として扱わないようにします。
  5. 部分参加を確認する:活動全体の中で本人がどの程度の仕事量を担ったかを確認します。
  6. 正式回答肢で採点する:独自の頻度区分を作らず、最も近い回答肢を選択します。
  7. 合計点と項目別結果を残す:どの活動の頻度が高いか、低いかを記録します。
FAI評価で実施頻度の確認から次回目標の設定までを整理した流れ図
図:FAIは実施頻度を確認し、本人実施と代行を分け、点数変化の背景を確認して次の支援へつなげます。

基準期間・回答者・生活条件をそろえて評価します

FAIの再評価で点数が変動する要因には、本人の活動変化だけでなく、基準期間、回答者、頻度の解釈、生活環境の違いがあります。初回評価時に条件を記録し、再評価時にも可能な範囲でそろえます。

FAIの評価条件として記録する項目
記録項目 確認内容 再評価時の注意
基準期間 使用する正式な評価用紙で指定された期間 前回と同じ期間設定で確認する
回答者 本人、家族、その他の支援者 回答者が変わった場合は記録する
回答方法 面接、自己記入、代理回答 可能な限り前回と方法をそろえる
代行・外注 家族代行、配食、買い物代行、家事サービスなど 本人が行った部分と分けて残す
生活条件 入退院、同居者、支援量、季節、移動手段の変化 得点変化の背景として解釈する

頻度を聞くときは、曖昧な「よくしていますか」ではなく、「基準期間内に何回くらい行いましたか」と具体的に確認します。ただし、最終的な得点は評価者が作った頻度区分ではなく、正式用紙の回答肢から選択してください。

FAIの15項目|評価内容と聞き取りのポイント

15項目では、活動を行える能力ではなく、本人が実際に行った頻度を確認します。以下は正式な設問文や採点肢の転載ではなく、各項目で確認する活動内容と、療法士が補足したい評価ポイントを整理したものです。

FAIの15項目と評価時の確認ポイント
項目 主に確認する活動 評価・聞き取りのポイント
屋内家事|食事の用意 食材や調理器具を使い、食事を準備した頻度 献立、下ごしらえ、調理などを本人がどの程度担ったかを確認する。完成した料理を温めただけの場合は、正式な実施として扱えるか評価用紙で確認する
屋内家事|食事の後片付け 食器や調理器具の片付け、洗浄を行った頻度 活動全体を担ったか、一部の食器をすすいだだけかを区別する。食器洗浄機の使用は本人が担った工程を補足する
屋内家事|洗濯 衣類を洗う、干す、取り込むなどの洗濯活動を行った頻度 洗濯機の操作、運搬、物干しなどの仕事量を確認する。乾いた衣類を畳むだけの場合は部分参加として補足する
屋内家事|掃除・整頓 室内の掃除や整理を行った頻度 本人が担当する部屋や作業範囲、使用する道具、家族との分担量を確認する
屋内家事|力仕事 比較的身体負荷の大きい家事を行った頻度 家具の移動や床作業などを本人が行ったかを確認する。従来から担当していない場合は、能力低下と生活役割を分ける
屋外家事|買い物 本人が商品を選び、購入する活動を行った頻度 店舗までの移動だけでなく、商品選択、会計、荷物運搬への関与を確認する。家族への依頼や買い物代行とは分ける
戸外活動|外出 社会的な目的を含め、自宅外へ出かけた頻度 家族や友人への訪問なども確認する。送迎や同行の有無だけで得点を下げず、実際の外出頻度と支援条件を分けて記録する
戸外活動|屋外歩行 屋外で一定時間歩いた頻度 正式用紙に定められた歩行条件を確認する。目的、距離、補助具、介助、転倒不安、休憩の有無は補足情報として残す
趣味|趣味活動 本人が趣味として行う活動の頻度 「興味がある」「テレビで見る」だけでなく、本人が主体的に実施したかを確認する。発症前からの趣味や新しい活動も補足する
戸外活動|交通手段の利用 自転車、自動車、バス、電車などを利用した頻度 本人の運転だけに限定せず、実際に交通手段を利用した状況を確認する。乗降、支払い、経路選択、同行条件は別に評価する
戸外活動|旅行 日常的な生活圏を越えて出かけた頻度 正式用紙の定義と基準期間を確認する。日帰り・宿泊、移動手段、同行者、身体的負担を補足する
屋外家事|庭仕事 庭や屋外環境の手入れを行った頻度 庭や作業場所があるかを確認する。実施機会がない場合と、能力や安全性の問題で行えない場合を分ける
屋外家事|家や車の手入れ 住居や車両の維持管理に関わった頻度 住居・車の所有、従来の役割、工具操作、身体負荷を確認する。機会がないことを能力低下とみなさない
趣味|読書 書籍などを読んだ頻度 視力、注意、理解、疲労を確認する。新聞、スマートフォン、音声媒体などの利用は、正式回答を変更せず補足情報として残す
仕事|勤労 収入を伴う仕事を行った頻度や時間 就労可能性ではなく、基準期間内に実際に働いた状況を確認する。休職、退職、勤務調整、家業、ボランティア活動は分けて記録する

部分的な参加を、そのまま実施頻度に含めない

家族や同居者と作業を分担している場合は、本人が分担者と同程度の仕事量を担っているかを確認します。完成した料理を温めるだけ、食器をすすぐだけ、乾いた洗濯物を畳むだけなど、一部の工程のみを行う場合は正式得点に含めない扱いがあります。採点は使用する評価用紙に従い、部分的な参加内容は補足情報として記録してください。

15項目で共通して確認する5つのポイント

  • 実施状況:本人が基準期間内に実際に行ったか
  • 頻度:正式用紙が定める頻度区分のどれに該当するか
  • 仕事量:活動の一部だけでなく、実施として扱える程度に参加したか
  • 代行:家族やサービスが行った部分を本人実施として数えていないか
  • 未実施の理由:能力、安全性、機会、役割、環境のどれが影響したか

FAIは合計点と5領域の活動パターンで解釈します

FAIは、合計点だけで自立・非自立を決める尺度ではありません。合計点で活動頻度全体を捉え、項目別・領域別の結果から、どの生活活動が保たれ、どこで頻度が低下しているかを確認します。

日本語版の標準値研究では、15項目を関連の深い5領域に整理しています。これは独立したカットオフを設定するものではなく、活動パターンを理解するための分類です。

FAIを解釈するときの5領域
領域 構成項目 配点 確認する活動
屋内家事 食事の用意、後片付け、洗濯、掃除・整頓、力仕事 0〜15点 家庭内で本人が担っている家事活動の広がり
屋外家事 買い物、庭仕事、家や車の手入れ 0〜9点 住居周辺や生活維持に関わる屋外活動
戸外活動 外出、屋外歩行、交通手段の利用、旅行 0〜12点 自宅外での移動と生活範囲の広がり
趣味 趣味、読書 0〜6点 本人が主体的に行う余暇・知的活動
仕事 勤労 0〜3点 収入を伴う仕事の実施状況
FAIの評価で確認する屋内活動、屋外活動、余暇・社会参加の広がりを示した図版
図:FAIは合計点だけでなく、家事、外出、余暇・社会生活のうち、どの活動が実際に行われているかを確認します。

FAIが低いときは能力・機会・代行・環境を分けます

FAIの点数が低くても、直ちにその活動を行う能力がないとは判断できません。実施頻度が低い理由を分けることで、必要な追加評価と支援方法が見えやすくなります。

FAIの低得点を解釈するときの確認ポイント
低頻度の理由 確認例 対応の方向性
能力や安全性の低下 筋力、バランス、認知機能、疲労、痛み、視聴覚機能 関連する機能・動作評価を行い、安全に実施できる条件を設定する
実施機会がない 生活環境、季節、所有物、店舗や交通、従来の役割 本人が再開を希望する活動か、別の活動で代替できるかを確認する
家族が代行している 本人ができるかにかかわらず、家族が先に行っている 本人が安全に担える工程と、家族が担う工程を再調整する
サービスを利用している 配食、買い物代行、家事援助、移送サービスなど 生活維持に必要な支援と、本人の活動機会を分けて考える
心理・社会面で止まっている 転倒不安、意欲低下、対人不安、役割喪失、同行者不足 本人の希望を確認し、支援条件を整えて段階的に再開する

「していない」という結果だけで終わらせず、できないのか、機会がないのか、他者が行っているのか、本人が望んでいないのかを備考へ残します。

低頻度の領域から追加評価とアプローチを考えます

療法士は、点数が低い活動をそのまま反復練習するのではなく、活動が止まっている工程と背景を確認します。そのうえで、本人にとって再開する意味がある活動を選び、練習、代償手段、環境調整、支援体制を組み合わせます。

FAIの5領域から考える追加評価とアプローチ
領域 まず考える背景 主な追加評価 アプローチの方向
屋内家事 上肢機能、立位耐久性、手順、安全性、家族代行、家事動線 バランス、持久力、疼痛、上肢・手指機能、認知機能、家事動作、住環境 工程分割、座位化、軽量道具、配置変更、休憩設定、本人と家族の役割再調整
屋外家事 屋外移動、運搬、工具操作、住環境、従来の生活役割 屋外歩行、段差、運搬能力、遂行機能、視覚、作業環境 運搬方法の変更、宅配利用、作業範囲の縮小、道具変更、部分的な活動再開
戸外活動 転倒不安、交通手段、疲労、同行者、経路、外出目的 屋外歩行、生活範囲、耐久性、注意・遂行機能、公共交通利用、転倒自己効力感 経路練習、短距離からの外出、同行、移動手段の変更、休憩地点の設定
趣味 本人の関心、感覚機能、操作能力、認知機能、仲間や実施場所 興味・関心、視聴覚機能、上肢機能、注意・記憶、気分、社会的交流 道具や難易度の調整、音声・デジタル媒体、短時間化、活動場所や交流方法の変更
仕事 本人の希望、身体・認知負荷、疲労、通勤、職場環境、勤務制度 作業能力、持久力、認知機能、通勤能力、業務分析、職場の支援体制 業務変更、勤務時間短縮、段階的復職、職場との調整、別の社会的役割の検討

低頻度項目から支援へつなげる流れ

  1. 低頻度となった項目を確認する
  2. 本人が再開または継続を希望する活動か確認する
  3. 能力、安全性、機会、代行、役割、環境を分析する
  4. 活動を工程ごとに分け、止まっている部分を確認する
  5. 練習、代償手段、環境調整、支援条件を設定する
  6. 実生活で活動が行われたかを再評価する

FAIで確認する最終的な成果

模擬課題ができたか、筋力や歩行能力が改善したかだけでなく、本人が望む活動を実生活で行う頻度が増えたかを確認します。活動の再開には、本人の能力だけでなく、家族の協力、交通、役割、サービス、活動機会の調整が必要です。

FAIの信頼性・参照値・変化量

FAIは脳卒中患者を対象として開発され、その後、脳卒中患者、一般地域住民、地域在住高齢者などで信頼性・妥当性が検討されています。ただし、得点は年齢、性別、家庭内の役割、居住形態、文化、生活環境などの影響を受けます。

性別・年代別の参照値

日本の地域在住中高年者752人を対象とした研究では、次の平均値が報告されています。

地域在住中高年者のFAI参照値
年齢 男性 女性
55〜59歳 22.5 ± 7.1点 32.9 ± 8.8点
60〜69歳 24.6 ± 8.3点 31.5 ± 7.2点
70〜79歳 21.3 ± 8.6点 27.5 ± 8.6点
80〜89歳 20.9 ± 11.5点 18.9 ± 10.1点

慢性期脳卒中者を対象とした報告では、男性12.5 ± 7.5点、女性23.0 ± 9.3点という平均値も示されています。

参照値はカットオフではありません。FAIは家事や勤労など生活役割の影響を受けるため、平均値より低いという理由だけで能力低下や支援の必要性を断定しないでください。本人の生活歴、同居者、役割、環境、項目別結果を併せて確認します。

再評価時のMDC

FAIの変化を解釈するときは、得点差が測定誤差の範囲に含まれる可能性を考慮します。報告されているMDCには、次の値があります。

FAIで報告されているMDC
対象 測定間隔 MDC 解釈上の注意
慢性期脳卒中者 2週間 6.7点 この値を超える変化は、測定誤差だけでは説明しにくい可能性がある
地域在住高齢者 2週間 8.64点 中国語版FAIを用いた報告であり、日本語版へ一律に適用しない

MDCは、得点変化が本人にとって重要であることを示す値ではなく、測定誤差を超えた可能性を判断する目安です。FAIでは確立したMCIDの情報が十分ではないため、得点差だけでなく、本人にとって意味のある活動が再開したかを確認してください。

FAIに固定カットオフはありません

FAIには、自立・非自立を分ける単一の固定カットオフはありません。本人の活動頻度が前回からどのように変化したかを確認し、その背景を項目別に解釈する使い方が基本です。

実務では、次の4点を組み合わせて確認します。

  • 合計点:活動頻度全体が増えたか、減ったか
  • 領域別得点:屋内家事、屋外家事、戸外活動、趣味、仕事のどこが変化したか
  • 項目別の変化:どの生活活動が再開・減少したか
  • 生活上の意味:本人が希望する役割、外出、余暇につながったか

研究で示された参照値や対象集団の分布を参照する場合も、対象者の年齢、性別、生活役割、使用した評価版が自施設の対象と一致しているかを確認してください。

FAIの記録方法|点数・評価条件・低頻度の理由を残します

FAIの記録では、合計点に加えて、評価版、基準期間、回答者、回答方法、変化した活動、低頻度の理由、次回の確認点を残します。

基本の記録例

FAI 18/45点。改訂版自己評価表を使用し、最近3か月の生活について本人面接で評価。屋内家事は継続しているが、戸外活動の頻度が低い。転倒不安と交通手段が主な阻害因子。家族同行での買い物を試行し、次回評価時に外出頻度、疲労、支援条件を確認する。

家族による代行がある場合

「FAI 20/45点。食事の用意、洗濯、買い物は同居長女が代行。本人は食器の片付けと衣類の整理に部分参加しているが、正式得点へ含めず補足欄へ記載。本人は買い物の再開を希望している。」

活動機会がない場合

「庭仕事は0点。集合住宅で庭がなく、発症前から実施機会なし。身体能力低下を理由とした未実施ではない。屋外活動については、散歩と地域交流への参加状況を別に確認する。」

再評価の記録例

「前回18/45点、今回25/45点。評価版、基準期間、回答方法は同一。買い物、外出、交通手段の利用が増加し、合計7点上昇。家族同行と福祉タクシー導入後に実施頻度が増えた。慢性期脳卒中で報告されるMDCを上回るが、支援条件の変化も併せて解釈する。」

記録文には、次の要素を含めると再評価しやすくなります。

  1. 得点:合計点と、必要に応じて5領域の小計
  2. 評価条件:採用版、基準期間、回答者、回答方法
  3. 変化した活動:得点が増減した項目
  4. 低頻度の理由:能力、機会、代行、環境、本人の希望
  5. 支援条件:家族同行、サービス、道具、環境調整
  6. 次回確認:試行する活動と再評価時期

FAIの再評価では条件と生活環境をそろえます

再評価では、前回と同じ評価版、基準期間、回答方法、回答者、代行の扱いを可能な範囲でそろえます。条件が変わった場合は、得点変化と一緒に記録してください。

再評価の時期は一律ではありませんが、次の場面が目安になります。

  • 介入前後で実生活の活動頻度を確認するとき
  • 退院後の生活が安定し、基準期間を確保できたとき
  • 同居者や家族の役割分担が変わったとき
  • 支援サービスが開始・変更・終了したとき
  • 移動手段や住環境が変わったとき
  • 病状悪化、転倒、入院などにより活動頻度が変化したとき

合計点の変化だけでなく、どの活動が変わったか、その変化が本人の生活目標と一致しているか、どの支援条件によって活動が成立したかを確認します。

FAI再評価・比較記録シートPDF

FAIを継続して使う場合は、前回と今回の得点だけでなく、基準期間、回答方法、代理・外注、項目別の変化、次回目標を同じ用紙に残すと、再評価の解釈が安定します。

以下の記録シートは、FAIの正式な設問文と回答肢を掲載せず、項目番号、得点、頻度や理由のメモ、活動別の変化、次回目標を記入できるA4・1枚の補助用紙です。採点時は、正式な評価用紙と併用してください。

前回と今回の変化を1枚で整理できます


FAI再評価・比較記録シートPDFを開く

記録項目:基本情報、比較条件、15項目の前回・今回、活動別変化、次回目標、次回確認

PDFプレビューを開く

プレビューできない場合は、こちらからPDFを開いてください

FAI評価で起こりやすい7つの誤り

FAI評価で起こりやすい誤りと対策
誤り 問題点 対策
能力で採点する 実際の生活頻度を反映しなくなる 「できるか」ではなく、基準期間内に実際に行った頻度を確認する
頻度区分を自己流で統一する 正式な項目別の採点方法と異なる 採用している正式な評価用紙に従う
部分参加をすべて実施とする 活動頻度を過大評価する 本人が活動全体の中で担った仕事量を確認する
家族代行を本人実施とする 本人の活動頻度を過大評価する 本人実施と代行内容を分けて記録する
介助や送迎がある外出を0点とする 実際の外出頻度を反映しない 外出頻度を正式に採点し、介助や送迎は支援条件として記録する
合計点だけを共有する 変化した活動や介入すべき背景が分からない 5領域、項目別結果、低頻度の理由を残す
評価条件を残さない 前回との比較が難しくなる 採用版、基準期間、回答者、生活条件を記録する

FAIの対象・実施方法・所要時間

  • 主な対象:在宅生活におけるIADLや生活活動の実施頻度を把握したい人
  • 主な使用例:脳卒中後、地域在住高齢者、生活期リハビリテーションなど
  • 実施方法:本人への面接または自己記入を基本とし、必要に応じて代理者から情報を得る
  • 所要時間:5分程度が目安。生活状況や代行内容を詳しく確認する場合は追加時間を要する
  • 主な用途:退院後の生活状況、活動再開、介入前後の変化、社会生活の広がりの確認
  • 注意点:能力評価ではなく、基準期間内の実際の活動頻度として採点する

FAIに関するよくある質問

各項目名をタップすると回答が開きます。もう一度タップすると閉じます。

Q1.FAIは何点満点ですか?

日本語版で一般的に使用される方式では、15項目をそれぞれ0〜3点で評価し、合計0〜45点です。点数が高いほど活動頻度が高い方向を示しますが、合計点だけでなく5領域と項目別の結果も確認します。

Q2.FAIは「できる能力」を評価しますか?

原則として能力ではなく、基準期間内に本人が実際に行った活動の頻度を評価します。動作として可能でも、普段の生活で実施していなければ、その実態に沿って回答します。

Q3.FAIの基準期間はどのくらいですか?

原法では、項目の性質に応じて過去3か月または6か月の活動頻度を確認します。改訂版の日本語版自己評価表では、最近3か月に統一した様式もあります。採用している正式な評価用紙を確認し、再評価でも同じ版と期間を使用してください。

Q4.家族が家事を代行している場合はどう評価しますか?

本人が実際に行った頻度と、家族やサービスが代行した部分を分けて確認します。また、一部の工程だけに参加している場合は、正式な実施として扱える仕事量かを確認し、部分参加の内容を補足欄へ記録します。

Q5.送迎や付き添いがある外出は得点になりますか?

外出項目では、交通手段や介助者の有無だけを理由に得点を下げません。正式な回答肢に従って実際の外出頻度を採点し、送迎、同行、補助具などは外出を成立させた支援条件として別に記録します。

Q6.FAIにカットオフはありますか?

自立・非自立を分ける単一の固定カットオフはありません。同じ対象者の合計点、5領域、項目別の変化を継続して確認し、本人の生活目標と併せて解釈します。

Q7.FAIは何点変化すれば改善と判断できますか?

慢性期脳卒中ではMDC 6.7点、地域在住高齢者ではMDC 8.64点が報告されています。ただし、後者は中国語版FAIの報告であり、日本語版へ一律に適用できません。MDCを上回る変化は測定誤差だけでは説明しにくい可能性がありますが、本人にとって意味のある改善かどうかは、再開した活動と生活上の変化から判断します。

Q8.低得点の項目は、その動作を練習すればよいですか?

低得点の理由は能力低下だけではありません。実施機会、家族代行、役割、環境、本人の希望を確認し、必要な機能・動作評価を行ったうえで、練習、代償手段、環境調整、支援条件を組み合わせます。

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参考文献

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著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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