令和 8 年改定(案)|リハ・栄養・口腔連携加算の実装ポイント(加算 1 / 2・ 48 時間・ 14 日)
最終更新:2026 年 2 月 13 日(公開資料ベースで更新)
令和 8 年度診療報酬改定に向けた議論では、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的取組を推進する方向性が示されています。実務で先に揃えるべきは、点数予測ではなく「対象・期限・記録」です。本記事は、加算 1 / 加算 2 の差分と、入棟後 48 時間・起算日・ 14 日上限の運用を、現場実装の順番で整理します。
運用フロー図(起点→計画→ 14 日→退院前評価)
資料に明記された見直しポイント
公開資料で読み取れる中核は、①連携加算の要件見直し、②地域包括ケア病棟での算定可能化、③評価・研修・体制の運用強化です。閾値や点数の確定前でも、院内ルールを先に固定すれば、告示後の乗せ替えが速くなります。
| 論点 | 方向性 | 現場でズレやすい所 | 先に決める型 |
|---|---|---|---|
| 連携加算の再設計 | 算定要件の見直し、加算 2 の評価軸を整理 | 対象抽出・職種役割・記録粒度 | 対象基準/担当表/記録テンプレ |
| 期限の明確化 | 計画日起算の 14 日上限、 48 時間超時の起算整理 | 起算日の数え違い | 起点→計画→終了日の一気通貫 |
| ADL 評価の標準化 | BI 研修(年 1 回以上)・ FIM 内容を含むことが望ましい | 採点条件の部署差 | 採点条件の文書化と定例研修 |
| 対象拡大 | 地域包括ケア病棟でも算定可能化の方向 | 病棟横断の引き継ぎ分断 | 栄養・口腔・活動の 3 点引き継ぎ |
運用の芯| 48 時間・起算日・ 14 日上限を固定する
算定運用で最も事故が出るのは期限です。起点の時点、起算日の定義、終了日の見える化を先に揃えるだけで、部署間の認識ズレを大幅に減らせます。
| 項目 | 決めること | 記録に残す最小 |
|---|---|---|
| 起点( 48 時間) | 誰が連携開始の合図を出すか | 起点カンファ(日時・職種・合意) |
| 起算日 | 原則日と例外時の扱いを明文化 | 起算根拠 1 行を固定欄へ |
| 14 日上限 | 終了予定日をカレンダー可視化 | 14 日目をテンプレ欄に記録 |
加算 1 / 加算 2 の違い(案)|体制+プロセス・アウトカムで設計する
加算 2 は、体制に加えてプロセス・アウトカム評価を見据えた設計が必要です。未確定閾値を待つより、休日提供と退院・転棟前後の ADL 再評価が集計できる記録へ先に変えるのが最短です。
| 観点 | 加算 1(案) | 加算 2(案) | 先に作る運用 |
|---|---|---|---|
| 基本 | 多職種評価と計画に基づく一体的取組 | 加算 1 を土台に追加要件を評価 | 対象・期限・記録の統一 |
| 配置 | 病棟の PT / OT / ST・管理栄養士等で実施 | より厚い専従体制を求める方向 | 専従/兼務の線引き表 |
| 評価(例) | BI などで ADL を把握 | 休日提供や ADL 低下割合を評価 | 休日提供と退院前再評価を固定化 |
人員配置で詰まる所|専従と兼務ルールを 1 枚にする
専従者の兼務可否は、加算・病棟・他加算との関係で読み違いが起きやすい領域です。院内で「兼務 NG / 条件付き OK / OK」を明文化した 1 枚表を持つと、調整コストが下がります。
| よくある誤解 | 詰まる理由 | 最小の対策 | 記録の一言 |
|---|---|---|---|
| 専従は一切兼務不可 | 禁止と例外が混在する | 兼務区分表を運用資料に固定 | 担当範囲を明記 |
| 休日対応は都度調整で十分 | 属人化して継続不能 | 休日定番メニューを事前固定 | 目的・単位数を固定欄へ |
ADL 評価の標準化| BI 研修(年 1 回)を定例運用にする
評価者差を減らすには、採点条件の統一と研修の定例化が有効です。入棟時と退院(転棟)時の同条件評価を徹底し、経時比較の信頼性を担保します。
- 補助量・歩行具・見守り基準を 1 枚化する
- 入棟時/退院(転棟)時の評価時点を固定する
- 迷いやすい採点項目は判定例を短文化する
対象拡大の注意点|地域包括ケア病棟は栄養算定ルートを同時設計
地域包括ケア病棟での算定可能化は、連携の入口が広がる一方で、栄養系算定・連携を取りこぼしやすくなります。対象患者の抽出と同時に、栄養の確認ルートをチェック化しておくことが重要です。
| 見るべき項目 | 抜けやすい理由 | 最小の揃え方 |
|---|---|---|
| 連携加算の対象抽出 | 担当者依存で運用差が出る | 対象基準を 1 枚化する |
| 栄養系の算定・連携 | 加算ルートと分断しやすい | 対象患者は栄養確認を必須化 |
現場の詰まりどころ(よくある失敗)
期限ルール と 加算差分 を先に固定すると、実装の手戻りを抑えられます。記録の型づくりは 書類簡素化の親記事 も合わせて確認してください。
| 場面 | NG | OK | 記録ポイント |
|---|---|---|---|
| 起点 | 気づいた人ベースで開始 | 入棟後 48 時間以内に起点カンファ固定 | 日時・参加職種・決定事項 |
| 期限 | 14 日の数え方が部署で違う | 起算日と終了予定日をテンプレ欄へ | 例外時の起算根拠 1 行 |
| 評価 | 評価者で BI がブレる | 採点条件 1 枚+年次研修 | 補助量・歩行具・見守り |
| 引き継ぎ | 栄養・口腔・活動が分断 | 引き継ぎ 3 点セットを固定 | 課題 1 つ+次回条件 |
よくある質問(FAQ)
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Q1. いつから変わりますか?
A. 現時点は議論の整理(案)段階です。点数や一部閾値は告示・通知で確定するため、まずは期限と記録の型を先に揃えるのが実務的です。
Q2. 加算 2 を見据えるなら最初に何を整えるべき?
A. 休日提供(目的・単位)と退院前後の ADL 再評価を、必ず集計できる様式にすることです。閾値確定後も載せ替えが容易になります。
Q3. 地域包括ケア病棟での要点は?
A. 連携加算の対象抽出と同時に、栄養系の算定・連携確認を同じフローへ組み込みます。別運用は引き継ぎ漏れの原因になります。
Q4. 専従・兼務の整理はどう始める?
A. 「兼務 NG / 条件付き OK / OK」の 3 区分表を院内で作成し、担当範囲を記録様式へ明記します。解釈差の縮小に有効です。
次の一手(この順で実装)
- 対象基準を 1 枚化(抽出条件を統一)
- 入棟後 48 時間以内の起点カンファを固定
- 起算日・ 14 日目をテンプレ欄へ固定
- BI 採点条件を統一し、年 1 回研修を定例化
- 休日提供・退院前評価を集計可能様式へ変更
運用を整えたあとに、職場環境の詰まりも点検しておきましょう
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著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


