SAS 分類の使い方【METs でみる心不全の活動能力】

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評価
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SAS 分類とは(METs による活動可否の半定量化)
  • 評価方法(ステップ&問診スクリプト)
  • METs 活動早見(例)
  • 採点・判定(解釈ガイド)
  • 評価のポイント(再現性と標準化)
  • 中止基準(レッドフラッグ)
  • 記録テンプレート(コピー&運用)
  • ミニケース(判定練習)
  • 評価票ダウンロード(A4・印刷対応)
  • よくある質問
  • 参考文献
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    SAS( Specific Activity Scale )は、活動例と METs を手がかりに「可能/困難/不可」を問診し、不可になった最も低い MET 値を機能指標として扱う方法です。NYHA の主観性を補い、運動処方の足切りや日常活動ゴール設定に有用です。

    心リハの評価〜運動処方の流れを最短で整える(#flow)

    位置づけと使い分けは、心不全評価の使い分け【NYHA/SAS】も参照してください。

    評価方法(ステップ&問診スクリプト)

    1. 標準化された活動リストを提示:階段昇段、速歩、荷物運搬、家事など。施設で“例示文”を統一。
    2. 各活動の可否を確認:可能/困難/不可。症状の種類(息切れ・胸痛・動悸 等)と回復時間も記録。
    3. 最低不可 MET を算出:「不可」が最初に出た MET レベルを SAS として記録。
    4. 同一条件で再評価:説明文・順序・時間帯を固定し再現性を担保。

    問診テンプレ:「階段を 1 階分、普段のペースで上がるのはどうですか?」「速歩(6 km/h 相当)は?」「買い物で 2〜3 kg の荷物を持って歩くのは?」

    METs 活動早見(例)

    SAS 判定に使う代表的な活動例と METs(例)
    MET レベル 代表的な活動例 可能 困難 不可
    ≧ 7 MET ジョギング(約 8 km/h)、連続で 2 階分の階段昇段、雪かきなど
    5–7 MET 速歩(約 6 km/h)、10–12 kg の荷物を持って階段を上がる、重めの庭仕事
    2–5 MET 普通歩行(約 4 km/h)、軽い家事、買い物で数 kg を持つ
    < 2 MET 身の回り(食事・洗面・更衣など)中心、ベッド上での軽い動作

    ※ 活動例は施設・地域特性に合わせてローカライズしてください。最低不可 METの経時変化を追うことで、介入の有効性を半定量で把握できます。

    採点・判定(解釈ガイド)

    評価のポイント(再現性と標準化)

    よくあるミスと対策(OK/NG 早見)
    テーマNGOK(対策)
    活動リスト 海外例をそのまま使用 施設標準リストを整備(家庭内・公共交通・職業活動を含める)
    判定基準 「主観」でバラつく 症状の種類・回復時間を併記し可否の根拠を明確化
    比較条件 毎回の説明が違う 同一説明・同一順序で実施し再現性を担保

    中止基準(レッドフラッグ)

    異常があれば評価を中止し、速やかに医師へ共有します。

    記録テンプレート(コピー&運用)

    SAS 記録テンプレ
    日付最低不可 MET不可となった活動症状・回復時間備考
    2025-10-122普通歩行(約 4 km/h)息切れ・2分で回復階段は不可

    ミニケース(判定練習)

    1. 速歩(6 km/h)は困難、階段 1 階分は不可 → 最低不可 5 MET(中等度低下)。
    2. 普通歩行で不可 → 最低不可 2–3 MET(低〜高度低下)。
    3. 日常動作は概ね可能、ジョギング不可 → 最低不可 7 MET(良好)。

    評価から運動処方までの全体像は理学療法士キャリアガイド(#flow)も参照してください。

    評価票ダウンロード(A4・印刷対応)

    SAS(Specific Activity Scale)評価票(A4・印刷) ※印刷 → PDF 保存も可

    よくある質問

    METs はどこまで厳密に扱うべき?

    臨床では目安で十分です。施設標準の活動例を用い、最低不可 METの経時変化を追う運用が現実的です。

    NYHA と SAS はどちらを先に?

    まず NYHA で重症度の目安を共有し、必要に応じて SAS で活動可否を半定量化する流れがスムーズです。

    参考文献

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