スコープライト設定と記録【比較・使い分け】

臨床手技・プロトコル
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スコープライトの設定と記録は「全自動→例外対応→所見の型」で迷いません

エアマットレス運用で詰まりやすいのは、機能の暗記ではなく「どの状態を、どの設定として扱うか」が人によってズレることです。スコープライトは全自動運転が強みなので、まずは全自動を基準に置き、例外だけを明文化すると現場で回りやすくなります。

この記事は、スコープライト(+同系統の交互圧マットレス)を例に、設定の決め方/モードの使い分け/カルテの最小記録をテンプレ化します。選び方の全体像は、先に 体圧分散マットレスの種類と選び方(褥瘡予防) を確認しておくと理解が速いです。

運用を整える前に、働き方の選択肢も 1 枚で整理しておくと判断がブレません PT のキャリア設計(全体像)を見る

対象とゴール

対象は、スコープライトを導入した(または導入予定の)病棟・施設で、「誰が触っても同じ運用」へ寄せたいチームです。特に、背上げ・移乗・端座位の頻度が高い現場ほど、設定と記録のブレが褥瘡対応を遅らせがちです。

ゴールは 3 つです。①全自動を基準にして例外だけを管理する、②モード切替の理由を短文化する、③再評価のトリガー(変化点)を固定して追跡できる形にする。これだけで「結局どの設定?」が消えます。

スコープライトの機能を「運用目線」で押さえる

スコープライトは、利用者の状態を見ながら全自動で圧対策モードを切り替える設計です。運用上は「全自動を回しつつ、例外のときだけ人が止める(または固定する)」が基本になります。

現場で押さえるのは、①仰臥位の圧対策(静止/圧切替/体位変換)、②背上げ時の底着き・背抜き圧対策、③寝床内のむれ対策、の 3 ブロックです。まずはこの 3 ブロックをカルテの見出しに落とすと記録が揃います。

スコープライトの「運用で見る」機能まとめ(例:全自動を基準に例外だけ管理)
ブロック 現場で見るポイント 記録に落とす一言例
仰臥位 全自動が選んだモード(静止/圧切替/体位変換) 「全自動:○○で作動」
背上げ 背上げ時の体感(苦しさ・ずれ感)と体位の崩れ 「背上げ:ずれ感あり→例外対応」
むれ 発汗・湿潤・皮膚トラブルの兆候 「むれ:皮膚所見に合わせて調整」

初回設定の 5 分フロー

導入初日は「触る場所」と「残す記録」を先に固定します。ポイントは、細かな調整よりも基準運用を 1 つに決めることです。全自動を基準にして、例外だけを分岐で残すと運用が崩れません。

下のフローは、病棟でそのまま回せる最小手順です。機能説明より先に、観察点と記録点を合わせてください。

  1. 設置:頭側・足元側、シーツ固定、コード類の挟み込みがないことを確認
  2. 電源:通電を確認し、まずは全自動で開始
  3. 初回観察:体位の崩れ/ずれ感/皮膚所見のベースラインを 1 回だけ取る
  4. 例外判定:背上げ頻回・ずれが強い・皮膚が弱いなど「例外の理由」を 1 行で決める
  5. 記録:全自動の採用+例外の有無+再評価トリガーを残す
初回設定チェック(最小セット)
項目 確認 記録例 よくあるズレ
基準運用 全自動を採用する 「全自動で開始」 最初から人が頻回に触ってしまう
例外の理由 例外は理由を 1 行で固定 「背上げ頻回のため例外対応」 理由が毎回変わる/書かれない
皮膚ベース 赤み・湿潤・痛みの有無 「仙骨:赤みなし」 部位が曖昧で追えない
再評価トリガー 変化点を固定 「赤み/ずれ感/発汗増で再評価」 再評価のタイミングが属人的

動作モードの使い分け早見【比較・使い分け】

モード選択は「褥瘡リスク」だけでなく「体位変換の可否」「背上げの頻度」「ずれの出やすさ」で決めるとブレません。ここではスコープライトの運用を、同系統の交互圧マットレスにも転用できる形で整理します。

基本は全自動で、状況に応じて「固定する」か「止める」かを選びます。使い分けの判断材料を、記録に残せる言葉へ落とし込むのがポイントです。

モードの使い分け早見(例:全自動を基準に、例外は理由を短文化)
状況 方針 記録の一言 次の再評価
体位変換が介助で可能 全自動を継続 「全自動:モードは機器判定」 皮膚所見が変わったら
体位変換が難しく同一肢位が長い 例外対応(モード固定を検討) 「同一肢位が長いため例外対応」 24 時間以内に 1 回
背上げ頻回でずれが目立つ 背上げ時の所見を主語に再設計 「背上げでずれ感→例外対応」 背上げパターンが変わったら
湿潤・発汗が増えて皮膚トラブルが出る むれの所見を主語に調整 「発汗増→むれ対策を調整」 皮膚所見が変わったら

カルテ記録テンプレ:最小セット(そのまま貼れる)

記録は「設定名」を書くより、理由→所見→次の確認の順に残すほうがチームで揃います。スコープライトは全自動が前提なので、「全自動を採用」を 1 行で固定すると、日々の追記が短くなります。

下のテンプレは、看護・介護・リハで共有しやすい表現に寄せています。施設ごとの書式に合わせて、単語だけ置き換えて使ってください。

【マットレス運用】
・機種:スコープライト
・基準:全自動で運用
・例外:あり/なし(理由:______)
・皮膚所見:仙骨___/踵___/他___(赤み・湿潤・痛み)
・背上げ:ずれ感(あり/なし) 体位の崩れ(あり/なし)
・次の再評価:______(赤み出現/湿潤増/背上げ頻度変化 など)

現場の詰まりどころ/よくある失敗

運用が止まる原因は「どのボタンを押すか」ではなく、例外対応の基準が共有されないことです。とくに背上げ頻回の病棟では、ずれ感の訴えや体位の崩れが増え、設定が日替わりになりがちです。

下の表は、詰まりの出やすい場面を「原因→対策→記録」で揃えています。チーム内の申し送り用に、そのまま転記できる形にしています。

詰まりどころと対策(例:例外の理由を 1 行で固定して共有)
場面 起きやすいこと 対策 記録ポイント
背上げが増えた ずれ感/体位の崩れが増える 背上げパターンを主語に、例外の理由を固定 「背上げ頻回→例外対応(理由)」
皮膚所見が曖昧 「赤い」だけで追えない 部位を固定し、同じ言葉で比較 仙骨/踵/他の 3 点で統一
人によって設定が変わる 申し送りで再現できない 設定名より「理由→所見→次の確認」で書く 例外の有無+理由 1 行
再評価が先延ばし 変化点を見逃す 再評価トリガーを固定しておく 赤み/湿潤/背上げ変化

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. まず「全自動」で運用していいですか?

A. はい。基準運用を 1 つに決めるほうが、申し送りと再評価が揃います。例外が必要なときだけ、理由を 1 行で固定して分岐させる設計が回しやすいです。

Q2. 例外対応が必要になるのは、どんな場面ですか?

A. 背上げ頻回でずれ感が強い、同一肢位が長くなる、湿潤・発汗が増える、など「所見が変わった」ときです。例外の理由は毎回変えず、チームで使う言葉を 1 つに揃えるのがコツです。

Q3. 記録は「設定名」を書けば十分ですか?

A. 設定名だけだと、次の担当者が再現できません。理由(なぜ)→所見(どうだった)→次の確認(いつ何を見る)の順で短く残すほうが、再評価が速くなります。

Q4. 皮膚所見はどの部位を固定すると回りやすいですか?

A. まずは仙骨・踵・その他 1 点(例:大転子など)に固定し、同じ言葉で比較できる形にします。部位が増えるほど記録が散らばるので、最初は最小セットがおすすめです。

次の一手

このページのテンプレは「スコープライトを例にした型」なので、同系統の交互圧マットレスにも転用できます。まずは親記事で全体像を押さえてから、院内の言葉へ寄せてください。

運用を整える → 共有の型を作る → 環境の詰まりも点検

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参考文献

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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