低栄養スクリーニングの使い分け【比較表+配布物+GLIMクイック計算】
現場で迷いやすい NRS-2002 / MNA-SF / MUST / MST / SNAQ / GNRI の「いつ・どれを使う?」を、場面別に素早く決められるよう整理しました。ページ冒頭に A4配布物(使い分け早見表/共通記録シート/GLIMクイック計算) を用意しています。
- ✔ 場面別のおすすめスクリーニングがすぐ分かる
- ✔ 主要6指標の比較表(所要時間・準備物・判定の見方)
- ✔ A4配布物:使い分け早見表/共通記録シート/GLIMクイック計算
- ✔ ケース別の運用例と次アクション
使い分け早見表(A4・印刷) 共通記録シート(A4) GLIMクイック計算(A4)
場面別:まず何を使う?
- 入院(急性期/回復期): NRS-2002 を第一選択。必要に応じて GLIM 評価へ。
- 高齢者外来・施設・在宅: MNA-SF → 必要時 MNA 本体や GLIM。
- 外来/地域包括で汎用: MUST(BMI・体重減少・急性疾患の 3 要素)。
- まずは簡便に: MST / SNAQ でスクリーニング→陽性なら上位指標へ。
- 採血データあり: GNRI は補助的にリスク層別(アルブミン+身長体重)。
※本ページは公式質問項目の転載ではありません。実施時は各指標の正規様式/マニュアルをご参照ください。
比較表(主要6指標)
| ツール | 主な対象/場面 | 所要 | 準備物 | 判定の見方(概略) | 強み/注意 | 次の一手 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| NRS-2002 | 入院急性期/回復期 | 3–5分 | 身長体重、摂取、重症度 | 栄養状態×重症度で層別 | 急性期に強い | GLIM/栄養プランへ |
| MNA-SF | 高齢者全般 | 3–5分 | 身長体重、機能/心理 | 合計点で層別 | 高齢領域で普及 | MNA/GLIMへ |
| MUST | 外来/在宅/地域 | 3–5分 | BMI, 体重減少, 急性疾患 | 3要素で層別 | 汎用性◯ | 介入と再評価間隔の設定 |
| MST | 簡易スクリーニング | 1–2分 | 体重/食欲の聴取 | 合計点で陽性判定 | 迅速。陰性でも要注意例あり | 上位指標へ |
| SNAQ | 外来/在宅 | 1–2分 | 食欲/体重変化 | 合計点で層別 | 非常に簡便 | 他指標・詳細評価へ |
| GNRI | 高齢入院/回復期 | 1–2分 | Alb, 身長体重 | 式でリスク層別 | 採血が前提 | GLIM/方針補強 |
導入フロー(3ステップ)
- 場面で選ぶ: 上の「場面別」を参照し 1 つ選択。
- 実施・記録: 共通記録シート に統一書式で記入。
- 判断→次へ: 陽性/境界なら GLIM 要素(体重減少率・BMI・FFMI)を GLIM クイック計算 で確認→栄養介入と再評価間隔をセット。
ケースミニ(所見→解釈→次アクション)
- 回復期・脳卒中後(75歳): NRS-2002 陽性。次:GLIM のフェノタイプ確認→蛋白/エネルギー処方と再評価 7–14 日。
- 外来・フレイル疑い(80歳): MNA-SF でリスク。次:MNA 本体 or MUST、摂食嚥下の確認、在宅支援の導入。
- 在宅・食欲低下(78歳): MST 陽性。次:MUST で層別→訪問栄養×運動介入、再評価 2–4 週。
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よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
NRS-2002 と MNA-SF はどう使い分ける?
入院急性期/回復期では NRS-2002、高齢者の外来や施設/在宅では MNA-SF を第一選択にすると運用が安定します。
スクリーニング後は必ず GLIM が必要?
陽性/境界のときは GLIM 要素(体重減少率・BMI・FFMI、炎症/摂取不足)を確認し、介入の妥当性を高めます。
GNRI はいつ使う?
採血(アルブミン)がある入院/回復期で補助的に用い、GLIM や臨床判断の補強にします。


