WOMAC 評価方法まとめ|スコア算出・ 0–100 換算・解釈

評価
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WOMAC の評価方法とスコア解釈|OA(膝・股)の痛みと機能を「同じ条件で」追う

WOMAC( Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index )は、変形性膝関節症・股関節症( OA )の痛み・こわばり・身体機能をまとめて把握できる代表的な PROM です。ポイントは「点数を出すこと」より、同じ条件で測って変化を読むこと。この記事では、スコアリング( 0–96 / 0–100 換算 )、解釈( MCID の目安 )、日本語版(準 WOMAC )の運用、記録・共有のコツまでを、臨床で迷わない形に整理します。

評価は「測る → 記録 → 解釈 → 次の一手」までが 1 セット。型があると回ります。 評価〜記録の流れを 3 分で確認する

5 分で運用できる:WOMAC の回し方(いつ・何を固定して測るか)

結論:WOMAC は「実施条件を固定して、点数変化を他指標とセットで読む」と強いです。最初に固定したいのは、①対象(膝/股・左右)、②想起期間、③回答方法(自記/聞き取り/代理)、④鎮痛薬や直前負荷、⑤表記レンジ( 0–96 か 0–100 か)、⑥記録粒度(点数のみ/根拠 1 行)です。

  • おすすめの実施タイミング:保存療法なら 6〜 12 週→ 3〜 6 ヶ月、術前後( TKA / THA )なら術前→ 3 ヶ月→ 6 ヶ月→ 1 年など「節目」を固定します。
  • 合わせて残すと解釈が速い:歩行速度、 TUG 、 6MWT 、階段所要など(「主観」と「客観」を同じ時点で残す)。

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WOMAC とは?|膝・股 OA の「痛み・こわばり・機能」をまとめてみる

WOMAC は、 OA による日常生活の困りごとを、痛み( Pain )・こわばり( Stiffness )・身体機能( Function )の 3 領域で評価する患者立脚指標です。研究やガイドラインでも参照されやすく、「 OA のアウトカムを共通言語で話す」用途に向きます。

臨床では、単独で完結させるより、身体機能( ROM ・筋力・歩行)や運動耐容能と組み合わせて「どこが改善し、どこが残ったか」を整理すると、介入計画に直結します。

WOMAC の構成| 3 サブスケールが拾う生活機能

WOMAC は 24 項目で、サブスケールは 3 つです(項目の設問文は、運用している質問票に従って確認してください)。

WOMAC の 3 サブスケール(臨床で拾える困りごとの方向)
サブスケール ねらい 臨床で見えやすい場面(例)
痛み( Pain ) 荷重・動作に伴う痛みの強さを整理 立位・歩行、階段、夜間/安静、日常動作での痛み
こわばり( Stiffness ) 炎症・活動性を主観で追うヒント 起床時、活動後のこわばり
身体機能( Function ) ADL / IADL の全体像を把握 歩行・立ち上がり・家事・外出など「生活としての不自由」

評価方法とスコアリング| 0〜4 リッカートと 0–100 換算

代表的なスコアレンジは、痛み 0〜20 点、こわばり 0〜8 点、身体機能 0〜68 点、総スコア 0〜96 点です。点数が高いほど症状が強い(不自由が大きい)方向で運用します。

臨床・研究では 0–100 に正規化して扱うことが多く、たとえば総スコアは(合計点 ÷ 96 × 100)で換算します。記録では「WOMAC( 0–96 )」または「WOMAC( 0–100 )」のように、レンジを必ず書くと解釈ミスが減ります。

0–100 換算の書き方(迷わないテンプレ)

  • 痛み:合計点 ÷ 20 × 100 =(    )
  • こわばり:合計点 ÷ 8 × 100 =(    )
  • 身体機能:合計点 ÷ 68 × 100 =(    )
  • 総スコア:合計点 ÷ 96 × 100 =(    )

スコアの解釈| MCID の目安と「意味のある改善」の考え方

WOMAC の MCID は対象や解析法で幅がありますが、術後( TKA など)や保存療法の研究を総合すると、 0–100 換算でおおむね 10〜20 ポイント前後の改善が「臨床的に意味のある変化」の目安として扱われることが多いです。

ただし、数ポイントの増減を単独で追うより、患者さんの主観(回復感・生活での困り)と、歩行や TUG など客観指標をセットで見て「この変化は介入や生活の変化と整合するか?」を判断する方が、臨床では再現性が高いです。

日本語版(準 WOMAC )と実務上のポイント

日本国内では、英語版 WOMAC をもとにした日本語版(準 WOMAC )が運用されることがあります。実務では、施設内で質問票の版(フォーム)を統一し、説明(想起期間・回答方法)を「ひな型」として揃えると、再評価のブレが減ります。

また、同じ患者さんでも「自記」と「聞き取り」を混ぜるとスコアの性質が変わりやすいので、原則はどちらかに固定し、変えた場合は記録に残します。

臨床での活用例| TKA / THA /保存療法で「どこが残ったか」を読む

術前後で WOMAC を追うときは、総スコアだけでなく、サブスケール(痛み・こわばり・機能)も並べると介入が立てやすくなります。たとえば「痛みは大きく改善したが、身体機能が残る」なら、筋力・持久力・活動量の設計や生活動作の再学習に焦点を移せます。

保存療法でも、 3〜 6 ヶ月ごとに WOMAC をフォローして「痛みは下がったが機能が上がらない」などのパターンを言語化できると、運動療法の負荷設計や目標設定の見直しが速くなります。

KOOS / HOOS / LEFS など他指標との使い分け(早見表)

下肢の PROM は複数あります。迷ったときは「対象関節」「拾いたい活動レベル」「研究との接続」の 3 点で選ぶと整理しやすいです。

下肢 PROM の使い分け早見(臨床の選び方)
指標 向いている場面 注意点 関連
WOMAC OA(膝・股)の痛み〜 ADL の全体像を標準的に追う レンジ( 0–96 / 0–100 )の表記を必ず固定 評価指標の全体像
KOOS 膝の詳細+高活動(スポーツ等)も見たい 目的に合うサブスケールを選ぶ KOOS の評価方法
HOOS 股の詳細+活動レベルも含めて追いたい 術後経過の比較で強い HOOS の評価方法
LEFS 下肢機能を疾患横断で比較したい/高機能まで拾う OA 特異性は WOMAC ほど強くない LEFS の評価方法

現場の詰まりどころ/よくある失敗

WOMAC を運用していて詰まりやすいのは、点数そのものではなく条件のブレです。次の 4 つは、再評価の解釈を一気に難しくします。

  1. 方向の取り違え:高いほど重い(悪い)方向なのに、低いほど悪いと誤読する。
  2. レンジ未記載: 0–96 と 0–100 が混在し、比較できなくなる。
  3. 想起期間のブレ:「過去 48 時間」と「過去 1 週間」が混ざり、変化が読めなくなる。
  4. 回答方法の混在:自記と聞き取り(代理)が混ざり、同じ点数でも意味が変わる。

対策はシンプルで、「固定する項目」を 1 枚にまとめて、毎回同じ順にチェックすることです。配布している WOMAC 記録シートも、運用の固定と記録の再現性を上げる目的で使えます。

記録とチーム共有のコツ|カルテに残す最小セット

カルテには、①レンジ( 0–96 / 0–100 )、②サブスケール、③総スコア、④固定条件(想起期間・回答方法・鎮痛薬など)を最小セットとして残すと、後から読み返しても解釈がブレません。

  • 例:WOMAC( 0–100 ):痛み 65 → 20、こわばり 60 → 25、機能 70 → 35、総合 68 → 30(術前 → 退院時)
  • 併記: 10 m 歩行、 TUG 、階段など(同じ時点で)

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

WOMAC は何点くらい改善したら「効果あり」と見てよいですか?

目安としては、 0–100 換算で 10〜20 ポイント前後の改善が「意味のある変化」として扱われることが多いです。ただし、対象や時期で幅があるため、回復感や歩行・ TUG など客観指標と合わせて総合判断します。

0–96 と 0–100 のどちらで記録すべきですか?

どちらでもよいですが施設内で固定し、「WOMAC( 0–96 )」「WOMAC( 0–100 )」のようにレンジを必ず明記します。複数人が関わる現場ほど、レンジ表記が事故を防ぎます。

自記が難しい患者さんは聞き取りでもよいですか?

可能ですが回答方法が変わると点数の意味が変わりやすいので原則固定し、変更した場合は記録に残します(例:自記 → 聞き取りへ変更、代理回答など)。

次の一手

WOMAC を「測れる」状態から「運用として回る」状態に寄せるなら、評価の全体像と、院内の共有の型をセットで整えるのが近道です。

参考文献

  1. Clement ND, Bardgett M, Weir D, et al. What is the minimum clinically important difference for the WOMAC index after total knee arthroplasty? Clin Orthop Relat Res. 2018;476(10):2005–2014. doi: 10.1097/CORR.0000000000000456
  2. Hashimoto H, Hanyu T, Sledge CB, Lingard EA. Validation of a Japanese patient-derived outcome scale for assessing total knee arthroplasty: comparison with WOMAC. J Orthop Sci. 2003;8(3):288–293. doi: 10.1007/s10776-002-0629-0
  3. Bellamy N, Buchanan WW, Goldsmith CH, Campbell J, Stitt L. Validation study of WOMAC: a health status instrument for measuring clinically important patient-relevant outcomes in antirheumatic drug therapy in patients with osteoarthritis of the hip or knee. J Rheumatol. 1988;15(12):1833–1840. PubMed

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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