【息切れの評価方法】おすすめ6選【呼吸困難の評価スケール】

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呼吸器系
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リハビリくん
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サイト管理者のリハビリくんと申します。

記事の内容
  1. この記事は「息切れの評価方法」をキーワードに内容を構成しています
  2. 「息切れ」は健常者においても激しい運動直後には起こることがありますが、安静時や軽い身体活動で息切れをきたす場合には、病的な状態であることが考えられます
  3. 息切れの原因には、呼吸器疾患、循環器疾患、神経筋疾患、廃用症候群などがあげられます
  4. 息切れの評価で重要なことは、「その息切れが病的なものであるのか?」そして、病的であると判断した場合には「息切れの原因は何であるのか?」を見極めることになります
  5. この記事では、病的な息切れの有無とその程度を判断するための評価法について、わかりやすく解説していきます
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理学療法士として以下の経験と実績を持つリハビリくんが解説します♪

リハビリくんの実績
  1. rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設
  2. 2025 年 6 月時点:178 記事公開(月間 3 万 PV)
  3. 実務経験(医療機関、療養型施設、デイケア、訪問)
  4. 講師活動(診療報酬、褥瘡等をテーマに 4 回実施)
  5. 脳卒中 認定理学療法士
  6. 褥瘡 創傷ケア 認定理学療法士
  7. 3 学会合同呼吸療法認定士
  8. 福祉住環境コーディネーター 2 級
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息切れの評価方法

病的な息切れであるかどうかを判断するためには、息切れの程度について評価する必要があります。

息切れ、すなわち呼吸困難の程度を評価するための代表的な評価法には、修正 Borg スケール、Visual Analogue Scale(VAS)、Fletcher-Hugh-Jones 分類、modified British Medical Research Council(mMRC) 息切れスケール等があげられます。

修正 Borg スケールや VAS は、呼吸困難感の程度を患者本人が主観的に判断する直接的評価法として位置づけられます。

一方、Fletcher , Hugh-Jones 分類、mMRC 息切れスケールは間接的評価法として位置づけられます。呼吸困難感によって制限される日常生活能力の評価結果から、呼吸困難の程度を判定します。

各評価法の概要や使用方法について、わかりやすく解説していきます。

Borg スケール

はじめに、Borg スケールについて紹介します。

Borg スケールは、主観的運動強度のことを意味します。運動を行う本人がどの程度の「疲労度」あるいは「きつさ」を感じているかを測定する指標になります。

ボルグスケールでは、「非常に楽である」から「非常にきつい」までの主観的感覚を 6 ~ 20 の 15 段階で区分されています。6 ~ 20 のうち選択した点数の 10 倍の数値が心拍数に近似することが報告されています。

しかし、呼吸器疾患を有する症例では心拍数が運動強度と相関しないこともあること、6 ~ 20 の 15 段階という数値設定が感覚的に分かりにくい等の指摘があった背景もあり、新たに修正 Borg スケールが開発されています。

修正 Borg スケール

修正 Borg スケールは別名 Clinical Rating Scale for Dyspnea (CR-10)とも呼ばれています。

修正 Borg スケールでは、0 ~ 10 に 0.5を加えた 12 段階で「疲労度」あるいは「きつさ」を判定する指標になります。

Borg スケールが心拍数を反映させる特徴がある一方、修正 Borg スケールは動脈血酸素飽和度や血中乳酸濃度を反映することが報告されています。

Visual Analogue Scale(VAS)

VAS は痛みの評価スケールとしてもよく知られた評価尺度になります。評価は紙に書いた 10 cm(100 mm)の水平線を活用して行います。

評価前のオリエンテーションとして、水平線の左端を「息切れなし」、右端を「最も強い息切れ」とすることを説明します。その後、現在の息切れがどの程度の症状であるのかを、本人に指し示してもらう視覚的および主観的な評価方法になります。

息切れの絶対値は人によって異なりますが、VAS は個々の対象者の息切れの推移を評価することに優れています。

また、感度が良く、簡単で再現性があり、世界共通のものであることから、臨床でよく使用されている主観的な息切れの評価尺度となります。

Fletcher,Hugh-Jones 分類

Fletcher , Hugh – Jones 分類は息切れ(呼吸困難)の間接的評価法になります。呼吸困難感によって制限される歩行等の日常生活能力から、息切れ(呼吸困難)の程度を評価します。

I 度から V 度までの 5 段階で息切れ(呼吸困難)の程度を評価することができるため、簡便で臨床で活用しやすい指標となっています。

注意点として、Fletcher , Hugh – Jones 分類は国内では一般的となっていますが、国際的な使用頻度は低い指標であることに留意する必要があります。

MRC 息切れスケール

Medical Research Council (MRC) 息切れスケールとは、諸外国において息切れの評価法として一般的に使われているスケールになります。

息切れを感じる日常生活の活動能力を Grade 0 ~ 5 の 6 段階に分類し、呼吸困難の程度を評価する指標となります。

mMRC 息切れスケール

modified British Medical Re-search Council(mMRC)息切れスケールは、前項で紹介した MRC 息切れスケールの改訂版になります。

mMRC 息切れスケールでは MRC 息切れスケールでいう Grade 0 の「息切れを感じない」 が除外されており、「息切れを感じない」を除いた項目で Grade 0 ~ 4 の 5 段階評価へと改定されています。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

こちらの記事では「息切れの評価方法」をキーワードに内容を構成させて頂きました。

この記事を読むことで「息切れの評価方法」についての理解が深まり、呼吸器疾患に対する診療の一助となれば幸いです。

参考文献

  1. 中村健,岡村正嗣,佐伯拓也.息切れの評価法.The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine.54(12),p941-946,2017.
  2. 白木照夫.修正Borgスケール.緩和ケア病棟
    医療.72(11),p466-466,2018.

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