危険因子評価票の運用プロトコル|記載例

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臨床手技・プロトコル
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スクリーニングは早いほど価値が高い――でも「評価しただけ」で止まると成果は出ません。本稿は、厚労省「危険因子評価票」の結果を 診療計画書・看護計画 へ確実に接続する運用プロトコルを提示します。記載例・ PT 指示文テンプレ・監査チェックリストを同梱しました。

全体像(結論)

目的は「二者択一 → 具体策」の迅速な橋渡しです。評価者が迷わない フロー・用語・文例 を病棟で統一すれば、交代勤務でも質が揺れません。ベースラインは ① 対象= ADL 自立度 B/C、② 8 項目の二者択一、③ 1 項目でも該当なら計画立案へ。評価方法の詳細は① 評価方法の解説をご覧ください。

病棟で使えるテンプレをもっと見る

運用フロー(院内標準ひな形)

① 評価実施 → ② 該当項目の抽出 → ③ 担当割り(看護/ PT /栄養/医師) → ④ 診療計画書へ転記(用語統一) → ⑤ 日次モニタ → ⑥ 48 時間で効果判定 → ⑦ 計画更新。PT は「体位変換ができる身体づくり」と「座面環境の規格化」を両輪で、座り直しの頻度・手がかり、クッション配置、移乗ハンドリングを短サイクルで回します。

内部導線:褥瘡予防バンドルマットレス選定OH スコア運用

記載例(看護計画・ PT 指示文)

「評価票 → 診療計画書」への翻訳文例(コピー可)
該当項目 看護計画(例) PT 指示文テンプレ(例)
基本的動作能力 2 時間ごと体位変換。座位 30 分ごと座り直し声かけ。皮膚観察 QD。 座位保持訓練 15 分 × 2/日。座面高・足台・背支持を調整し、自力座り直しの手がかりを付与。
病的骨突出 仙骨・踵に除圧材。ズレ防止の滑走シート導入。 骨突出部の圧集中を評価し、クッション配置図を病棟共有。移乗時の牽引回避を指導。
関節拘縮 安全な ROM 範囲内で体位を変化。衣類・寝具の抵抗を最小化。 拘縮関節の駆動域確保とハンドリング指導。週 3 回で効果判定。
皮膚湿潤 失禁ケアの見直し。吸収材と通気性カバーを最適化。 長時間座位は 60 分以内で休止。ずれ・摩擦の最小化手順を教育。
スキンテア 保護材貼付、被覆材交換手順を統一。牽引動作禁止。 移乗・更衣で滑走面を使用。介助手順書を病棟で共有。

監査チェックリスト(院内用)

危険因子評価票の運用 監査チェック(抜粋)
項目 OK NG(是正例)
対象の適正 B/C のみを対象に実施 J/A に漫然適用 → 評価対象の明記と見直し
結果の共有 当日中に多職種へ共有 翌日以降に遅延 → 共有締切を標準手順に記載
計画への転記 用語・文例が標準化 属人的表現 → 本稿テンプレに統一
フォロー 48 時間で効果判定 放置 → 観察指標と期限の明記

参考・一次情報

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