ICFの書き方と記載例【理学療法士向け】

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ICF(国際生活機能分類)とは?(理学療法士のための書き方と例)

ICF は 生活機能を「心身機能・身体構造(b/s)」「活動・参加(d)」「環境因子(e)」で整理する枠組みです。本記事では、理学療法士が迷いやすい ICF 書き方 の基本と、実際にカルテに使える ICF 例(特に高齢者の事例) をまとめます。いわゆる「ICF 書き方 ♭」や「icf 事例 高齢者」で検索して来られた方にも、明日から使える形を意図しています。関連導線:評価ハブMMT握力・歩行速度(AWGS)

あわせて、icf 参加 具体例icf 心身機能 身体構造 例icf 個人因子 例 としてよく挙がるポイントも整理し、理学療法士がチーム内で共有しやすい書き方を目指します。

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まずここだけ( 1 分サマリー)

  • d から書く:活動・参加(d)=ゴール、b/s は手段、e は阻害(−)/促進(+)。
  • Performance / Capacity:現実環境での実際(Performance)と標準環境でのできる力(Capacity)を別々に修飾子で表す。
  • 修飾子 0–4(%目安):0=0–4%、1=5–24%、2=25–49%、3=50–95%、4=96–100%。8=未特定、9=非該当。
  • e 因子:阻害要因は exxx.−n、促進要因は exxx.+n で明記(n は強さ)。
  • 再評価:MMT・握力・歩行速度などの客観指標をゴールに紐づけ、同一条件で再検。

ICF の構成(心身機能・身体構造/活動・参加/環境因子)

ICF は「何ができているか」「なぜ難しいか」「どんな環境か」を分けて考えるための共通言語です。icf 心身機能 身体構造 例 として筋力・痛み・関節拘縮など、icf 参加 具体例 として歩行・更衣・役割参加などを整理しておくと、理学療法士同士だけでなく多職種でも共有しやすくなります。

ICF の構成と具体例(理学療法士が押さえたいポイント)
領域 内容 コード例 臨床での例
心身機能・身体構造(b/s) 生体機能・解剖構造 b730(筋力)、b280(痛み)、s750(下肢) b730 大腿四頭筋の筋力低下、b280 膝痛、s750 大腿四頭筋萎縮 など
活動・参加(d) 課題遂行と社会参加 d450(歩く)、d410(体位変換)、d540(更衣) d450 屋内 10 m 歩行、d540 上衣の着脱、d750 余暇活動への参加 など
環境因子(e) 物的・人的・制度的環境 e115(製品・技術)、e355(介助者)、e580(制度) e115.+2 四点杖が有効、e355.+1 家族介助、e150.−2 玄関段差が阻害 など

ICF 記載の基本(書き順とルール)

ICF の書き方で迷ったら、「d → b/s → e →修飾子 → 計画」 の順番を固定すると安定します。理学療法士が評価で集めた情報をそのまま並べるのではなく、まず「何ができるようになってほしいか(d)」から考えることがポイントです。

  1. d(活動・参加)から決める:最も達成したい ADL / 役割を 1–2 項目 に絞る(例:d450 歩く)。
  2. b/s を整理:その d を妨げる機能・構造を列挙(例:b730 筋力、b710 関節可動性、b280 痛み)。
  3. e 因子の仕分け:阻害(−)/促進(+)を分け、強さを仮置き。
  4. 修飾子を割り当て:Performance と Capacity を 0–4(8=未特定、9=非該当)で評価。
  5. 計画と指標:SMART / GAS 化し、MMT・握力・歩行速度などの再評価指標を紐づける。

Performance と Capacity の違い

Performance は現実の環境(補助具・家族介助・段差・病棟構造など込み)で「実際にしていること」。Capacity は標準化された条件での「できる力」です。たとえば高齢者の ICF 事例では、屋内歩行は P=2(杖+見守りで 20 m)だが、訓練室では Cap=1(平地 50 m)といったギャップがよくみられます。

同じ d コードでも値が違って当然なので、必ず P / Cap を並記して経過を追うと、「どこまで環境調整で改善し得るか」「どこからは能力そのものの変化が必要か」が見えやすくなります。

修飾子(0–4・8/9)と%目安

修飾子は「どのくらい困っているか」を定量的に表す道具です。感覚ではなく、おおよその %目安や具体的な行動(距離・時間・回数)にひも付けておくと、理学療法士同士の解釈差を減らせます。

修飾子の定義と運用の目安(%は一般的な目安)
意味 目安 メモ
0 問題なし 0–4% 支障なし
1 軽度 5–24% 軽い困難(距離や時間の軽度制限)
2 中等度 25–49% 部分的な困難(目的遂行に明らかな制限)
3 重度 50–95% 著しい困難(介助や代替手段が前提)
4 完全 96–100% ほぼ/全くできない
8 未特定 情報不足で判定困難
9 非該当 その人に該当しない項目

環境因子(e)の書き分け

環境因子は「その人の能力」を変えるものではなく、「その人がどれだけ発揮しやすいか」を左右する要因です。阻害と促進を分け、強さを数字でそろえることで、チーム内での優先順位がつけやすくなります。

  • 阻害要因: e150.−2(玄関段差が中等度の阻害)
  • 促進要因: e115.+2(四点杖が中等度の促進)
  • 同一因子が阻害 / 促進の両面を持つ場合は、別々に記載し、強さ(1–4)を明記。

個人因子(personal factors)の押さえ方

個人因子は ICF コードは付きませんが、「性格・価値観・これまでの生活歴・趣味・職業・学歴」など、リハビリの目標設定やモチベーションに影響する要素です。icf 個人因子 例 としては「元農家で屋外活動へのこだわりが強い」「痛みに敏感で不安が強い」「配偶者の介護も担っている」などが挙げられます。

記録では、ICF の本体とは別に「個人因子:○○」と 1 行添えておくだけでも、ゴール選択や説明の仕方がそろいやすくなります。理学療法士にとっては「運動処方の前提条件」として位置づけておくイメージです。

高齢者の ICF 記載例(短文テンプレ)

ここでは、icf 事例 高齢者 を想定した短文テンプレを示します。急性期〜回復期病棟でよく見る「膝痛があり屋内歩行が不安定な高齢者」のケースです。

目標(d):d450(歩く)屋内 20 m。Performance=3→2、Capacity=2 を目標。
b/s:b730(膝伸展筋力)2、b280(膝痛)1。
e:e115.+2(四点杖)、e150.−2(玄関段差)。
個人因子:一人暮らし歴が長く、買い物を自分でしたい意欲が強い。
計画:大腿四頭筋レジスタンストレーニング・疼痛コントロール・段差アプローチ訓練。

このように、「d → b/s → e → 個人因子 → 計画」 の流れを意識しておくと、ICF の書き方が安定し、他職種にも伝わりやすくなります。

よくある NG / OK(現場の詰まりどころ)

ICF 記載での「現場の詰まりどころ」は、d と b/s の混同や、Performance / Capacity の書き分け漏れが代表例です。よくある間違い を押さえておくと、カンファレンスでのモヤモヤが減ります。

ICF 記載のありがちなミスと対策
ミス NG 例 対策(OK)
d と b/s の混同 「歩けない(b730)」とだけ記載 できていないのは d450(歩く)。b/s は原因として別に列挙する
P / Cap 混在 d450=3 とだけ記載 P=3, Cap=2 のように両方を書く(環境調整の余地を可視化)
e 因子の符号抜け e115=2 促進は +、阻害は − を明記(例:e115.+2、e150.−2)
修飾子の根拠不明 「何となく 2 にした」 %目安や具体行動(距離・時間・介助量)で根拠を添える

記録テンプレ(コピペ用)

「2025-09-29 ICF 記載:d450(歩く)P=3 / Cap=2(屋内 10–20 m、四点杖)。b730=2、b280=1。e115.+2(杖)、e150.−2(玄関段差)。個人因子=買い物への参加意欲が強い。一人暮らし歴長い。計画=下肢筋力訓練・疼痛コントロール・段差訓練。指標=MMT・歩行速度・NRS。」

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参考

  • ICF 概説(WHO 資料):Performance / Capacity、修飾子の定義。
  • 施設基準・保険書式に合わせて用語・略号は調整してください。

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

教育体制に不安があるとき、転職はいつ検討すべき?

ICF の書き方を学んでも、「評価の仕方を教えてもらえない」「カンファレンスで相談しづらい」など、職場の教育体制そのものに違和感が続くことがあります。教育・研修のレッドフラグ に当てはまる項目が多い場合は、情報収集や見学の段階から次の選択肢を持っておくと安心です。

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