A233の算定要件【2026】加算1・2の違いと運用の型

制度・実務
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A233(リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算)2026年の算定要件と運用

結論:2026年度のA233(リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算)は、加算1が150点/日、加算2が90点/日の2区分です。どちらも、原則として入棟後48時間以内にADL・栄養・口腔を評価して計画を作成し、計画作成日から通算14日を上限に多職種で運用します。加算1・2では、休日リハの提供量やADL低下患者割合などの施設基準が異なります。

このページでは、加算1・2の違い、対象病棟、人員配置、48時間・14日の数え方、管理栄養士による週5回以上の食事観察、施設基準のKPI、転棟時の扱い、記録の残し方を実務順に整理します。A233を「誰が・いつ・何を・どこに残すか」まで落とし込めるよう、2026年度版の図版とA4記録シートPDFも掲載しています。

施設基準全体から確認したい場合

A233以外の施設基準も含めて整理すると、この記事の位置づけを確認しやすくなります。

施設基準ハブを見る

1分要約:A233は加算1・2の違いを最初に確認する

A233は2026年度から加算1と加算2に分かれました。48時間以内の評価・計画や14日の算定期間など、患者ごとの基本的な運用は共通ですが、施設基準の一部が異なります。まず全体像を図で確認してください。

A233の2026年度版図解。加算1の150点と加算2の90点、休日リハ提供割合、ADL低下割合、48時間以内の評価と計画、14日以内の運用、再評価までの流れを示す
A233【2026】:加算1・2の違いと、48時間評価から14日運用までの全体像

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A233 加算1・加算2の主な違い
確認項目 加算1 加算2
点数 150点/日 90点/日
入棟後3日までの疾患別リハ開始割合 8割以上 8割以上
土日祝の疾患別リハ提供量 平日の8割以上 平日の7割以上
退院・転棟時にADLが低下した患者割合 3%未満 5%未満
院内発生褥瘡のある患者割合 2.5%未満 2.5%未満

患者ごとの運用で先に固定したいのは、48時間・14日・週5回・記録の4点です。

  • 48時間:原則として入棟後48時間以内にADL・栄養状態・口腔状態を評価し、計画を作成する
  • 14日:原則として計画作成日から通算14日を上限に算定する
  • 週5回:管理栄養士が食事提供時間に週5回以上、低栄養等のリスクが高い患者を中心に食事状況を観察する
  • 記録:評価・計画・経過・カンファレンス・再評価を後から追えるようにする

対象病棟と人員配置を確認する

A233は、対象となる急性期病棟で施設基準を満たし、病棟単位で届出を行って算定します。2026年度は、加算1と加算2で基本となる療法士・管理栄養士の配置は共通ですが、加算2では専従療法士の一部兼務規定が緩和されています。

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A233の対象病棟と主な配置・体制
項目 確認する内容 実務で先にそろえるもの
対象病棟 急性期病院一般入院基本料、急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料の一般病棟、専門病院入院基本料の対象病棟 届出予定病棟の入院基本料と届出区分を確認する
専従療法士 専従の常勤PT・OT・STのいずれか1名 勤務表、専従区分、他業務との兼務状況を確認する
専任療法士 専任の常勤PT・OT・STのいずれか1名 病棟業務と疾患別リハの勤務実態を整理する
管理栄養士 当該病棟に専任の常勤管理栄養士を1名以上配置する 病棟ごとの配置と不在時の対応を決めておく
医師 リハビリテーション医療の経験と、リハ・栄養・口腔管理に係る所定の研修要件を満たす常勤医師を配置する 経験年数、研修名、修了証などを確認できるようにする
歯科連携 口腔状態に課題を認めた場合に、院内歯科または他の歯科医療機関へつなげられる体制を整える 相談先、依頼方法、返答を残す場所を決める

加算2の専従療法士は、原則として他業務の専従者との兼務はできませんが、排尿自立支援加算、精神科リエゾンチーム加算、摂食嚥下機能回復体制加算など、一定のチームに係る加算の専従者との兼務が認められています。加算1と加算2では兼務条件が異なるため、人員台帳だけでなく勤務実態まで確認してください。

5分で分かる:入棟から14日までの運用フロー

A233は、入棟後48時間以内の評価・計画 → 14日内の介入・観察 → リスクに応じた再評価の順で整理すると運用しやすくなります。制度要件を職種別に分断せず、患者1人の経過として追える形にすることがポイントです。

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A233の時系列と記録の型
時点 やること 主担当の例 残す記録
入棟〜48時間 ADL・栄養状態・口腔状態を評価し、評価結果に基づく計画を作成する 医師、看護師、PT・OT・ST、管理栄養士等 評価日時、所見、リスク、課題、目標、介入内容
入棟〜48時間 管理栄養士が患者に対面し、入院前の食生活や食物アレルギー等を確認して栄養状態を評価する 管理栄養士 食生活、アレルギー、栄養評価、必要な栄養管理
Day 1〜14 離床、ADL支援、疾患別リハ、栄養管理、口腔管理を計画に沿って実施する 病棟多職種 実施内容、状態変化、調整理由、申し送り
週5回以上 食事提供時間に、低栄養等のリスクが高い患者を中心に食事状況を観察する 管理栄養士 食欲、摂取量、食事状況、問題点、調整内容
定期的 多職種カンファレンスで評価結果、課題、進捗、今後の対応を共有する 病棟多職種 開催日、参加職種、検討内容、決定事項
再評価時 患者のリスクに応じた期間でADL・栄養状態・口腔状態を再評価する 各評価担当者 変化、計画の修正、次の対応

原則として算定期間は、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理に係る計画を作成した日から14日です。ただし、やむを得ない理由で入棟後48時間を超えて計画を作成した場合は、実際の計画作成日にかかわらず入棟後3日目を起算日とします。

48時間・14日・週5回は別々の要件として記録する

A233で混同しやすいのは、評価・計画の期限、算定期間、食事観察の頻度がそれぞれ別の要件であることです。院内では1本の運用フローとして管理しつつ、記録上は各要件を個別に確認できる形にします。

A233の主要要件と記録ポイント
要件 確認すること 記録で残すこと 迷いやすい点
48時間以内 ADL・栄養状態・口腔状態を評価し、評価に基づく計画を作成する 評価日時、評価結果、課題、目標、計画 職種別評価だけで終わり、計画につながっていない
14日 原則、計画作成日を起算日として算定期間を管理する 計画作成日、起算日、算定終了日 48時間を超えた症例で、遅れた計画作成日から14日と数えてしまう
週5回以上 食事提供時間に、低栄養等のリスクが高い患者を中心に食事状況を観察する 観察日、食欲、摂取量、問題点、調整内容 病棟の全患者を毎回観察する要件と考えてしまう
定期カンファレンス 評価結果や計画を多職種で定期的に共有し、必要に応じて見直す 日時、参加職種、検討内容、決定事項 開催した事実だけで、何を検討したかが残らない
口腔管理 口腔状態を評価し、課題があれば必要に応じて歯科と連携する 口腔課題、依頼先、依頼内容、対応結果 「口腔ケア実施」だけで課題や連携理由が分からない

加算1・2の施設基準:4つのKPIを区分別に確認する

施設基準では、早期リハ、休日リハ、ADL低下、院内発生褥瘡の4つを確認します。加算1と加算2で異なるのは、休日リハの割合とADL低下患者割合です。

月末に初めて数値を確認すると修正が間に合わないことがあるため、院内運用としては週次など一定間隔で途中経過を見る方法もあります。ただし、週次確認そのものが施設基準として求められているわけではありません。

A233加算1・2で確認する4つの施設基準
指標 加算1 加算2 実務で確認すること
入棟後3日までの疾患別リハ開始割合 8割以上 8割以上 疾患別リハを実施した退院・転棟患者の開始日を確認する
土日祝の疾患別リハ提供量 平日の8割以上 平日の7割以上 平日と休日の1日あたり提供単位数を区分して管理する
退院・転棟時のADL低下患者割合 3%未満 5%未満 BIの測定時点と対象患者を統一する
院内発生褥瘡のある患者割合 2.5%未満 2.5%未満 入院時から存在した褥瘡と院内発生を区別する

ADL低下割合ではBarthel Index(BI)を用います。死亡退院や終末期のがん患者等は対象から除外されるため、単純に全退院・転棟患者を分母として計算しない点にも注意してください。

また、当該保険医療機関では、BIの測定に関わる職員を対象とした研修会を年1回以上開催します。2026年度からは、この研修にFIMの測定に関する内容も併せて含めることが望ましいとされています。

定期カンファは「週1回必須」ではない|頻度と議題を院内で固定する

A233で求められているのは、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の評価と計画について、多職種によるカンファレンスを定期的に開催することです。「毎週1回」が全国一律の算定要件として定められているわけではありません。

そのため、院内では患者の状態や病棟運用に合わせて開催方法を決めたうえで、毎回確認する議題をそろえると記録がぶれにくくなります。以下は、制度上の必須議題を示すものではなく、院内運用を標準化するための一例です。

A233の定期カンファでそろえやすい議題例
議題 確認する内容 記録に残す内容
ADL 離床量、移動、セルフケア、活動状況 変化と次の目標
栄養 摂取量、食欲、食形態、補助栄養 問題点と調整内容
口腔 口腔衛生、咬合、義歯、疼痛、乾燥など 課題と歯科連携の要否
阻害因子 せん妄、疼痛、過鎮静、倦怠感など 優先して対応する課題
計画の修正 評価結果と現在の介入が合っているか 変更点と変更理由
次の対応 誰が、いつまでに、何を行うか 担当者、内容、期限

転棟時は「算定」と「評価・計画の引継ぎ」を分けて考える

同じ医療機関内でも、別の入院料を算定する病棟へ転棟した場合は、「最初の算定開始日から14日以内だから、そのまま連携加算を算定できる」とは限りません。

2026年度の疑義解釈では、A233またはリハビリテーション・栄養・口腔連携加算をすでに算定していた患者が、同一医療機関内の別の入院料を算定する病棟へ転棟した場合、当初の算定開始日から14日以内であっても、転棟先でリハビリテーション・栄養・口腔連携加算を継続算定することはできないとされています。

一方、転棟前に実施したADL・栄養状態・口腔状態の評価と、それに基づく計画は引き継いで差し支えありません。転棟後も、患者のリスクに応じた期間で定期的に再評価します。

転棟時の整理:
「加算を継続算定できるか」と「評価・計画を引き継げるか」は別の判断です。転棟先の入院料を確認してから算定可否を判断してください。

現場で詰まりやすい6場面と対策

A233は、制度文を知っているだけでは安定して回りません。特に、加算区分、48時間、14日の起算、週5回の食事観察、カンファレンス、転棟を院内ルールへ落とし込むことが重要です。

A233で詰まりやすい場面と先に決める対策
詰まりどころ 起きやすい理由 先に決める対策
加算1・2が区別されていない 2024年度の単一区分の運用をそのまま使用している 点数、休日リハ、ADL基準、兼務条件を区分別に更新する
48時間評価が職種別で終わる ADL・栄養・口腔の記録場所が分かれている 評価結果から計画まで追える記録様式を決める
14日の起算日がずれる 48時間を超えた症例で、実際の計画作成日をそのまま起算日にする 計画書や管理表に起算日を明示する
週5回観察が回らない 病棟の全患者を毎回観察する必要があると考える 低栄養等のリスクが高い患者を中心に計画的に確認する
カンファ記録が追えない 開催日時だけを記録し、検討内容や変更理由が残らない 課題、決定事項、担当者まで共通項目で残す
転棟後も加算を継続してしまう 14日以内なら算定できると考えてしまう 転棟先の入院料を確認し、算定と計画の引継ぎを分けて判断する

A4記録シートPDF|評価から14日運用までを1枚で追う

A233は、初期評価 → 計画 → 14日内の観察・調整 → 再評価を一続きで追えると、担当者が変わっても情報を共有しやすくなります。既存のA4記録シートは、対象確認から再評価までの流れを1枚で整理するために使用できます。

A233 記録シート PDF を開く

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書き込みでは、Step 1に対象・リスク、Step 2に初期評価と計画、Step 3に14日内の観察と調整、Step 4に再評価と引継ぎをそろえると、患者ごとの経過を追いやすくなります。

2026年度の施設基準を確認するとき:
記録シートは患者ごとの運用記録に使用し、加算1・2の休日リハ割合やADL低下割合などの施設基準は、本文の2026年度基準とあわせて確認してください。

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。

Q1. A233の加算1と加算2は何が違いますか?

A. 2026年度は、加算1が150点/日、加算2が90点/日です。主な施設基準の差は、土日祝の疾患別リハ提供量が加算1では平日の8割以上、加算2では7割以上、退院・転棟時のADL低下患者割合が加算1では3%未満、加算2では5%未満であることです。専従療法士の兼務条件にも違いがあります。

Q2. 48時間以内に計画を作れなかった場合、14日はいつから数えますか?

A. やむを得ない理由で入棟後48時間以内に計画を作成できなかった場合は、実際に計画を作成した日ではなく、入棟後3日目を起算日として扱います。

Q3. 週5回の食事観察は、毎回すべての患者を見る必要がありますか?

A. いいえ。低栄養等のリスクが高い患者を中心に、週5回以上の食事観察の中で計画的に確認します。観察で問題を認めた場合は、医師・看護師等と速やかに共有し、食事内容や食形態など必要な調整につなげます。

Q4. A233のカンファレンスは毎週1回必要ですか?

A. 通知では、多職種によるカンファレンスを定期的に開催することが求められていますが、「週1回」と一律に定められているわけではありません。院内で開催方法を定め、評価結果や計画、変更点を追えるように記録します。

Q5. 別の入院料の病棟へ転棟した場合、14日以内なら連携加算を続けて算定できますか?

A. 同一医療機関内の別の入院料を算定する病棟で、すでにA233またはリハビリテーション・栄養・口腔連携加算を算定していた場合、転棟後は、当初の算定開始日から14日以内でも転棟先の連携加算を算定できません。ただし、ADL・栄養状態・口腔状態の評価と、それに基づく計画は引き継いで差し支えありません。

Q6. 病棟ごとにA233の加算1・加算2を分けて届け出ることはできますか?

A. はい。病棟ごとに異なる区分の届出が可能です。それぞれの病棟について、休日リハ提供量、ADL低下割合、専従者の兼務条件など、該当する施設基準を確認してください。

次の一手

A233単独の要件を確認したあとは、目的に応じて次の記事へ進んでください。2026年度改定の横断比較と、病棟運用の点検は別の記事で扱っています。


参考資料

  1. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定の概要【急性期・高度急性期入院医療】. 2026. PDF
  2. 厚生労働省. 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて. 保医発0305第7号. 2026. PDF
  3. 厚生労働省. 疑義解釈資料の送付について(その1). 2026. PDF
  4. 厚生労働省. 疑義解釈資料の送付について(その2). 2026. PDF
  5. 厚生労働省. 疑義解釈資料の送付について(その6). 2026. PDF

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に、臨床・教育活動に取り組んでいます。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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