A233(リハ栄養・口腔連携加算)運用の型

制度・実務
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A233(リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算)とは?算定要件を“現場で回る型”にする

制度は「読める」より「回る」が勝ち。評価→記録→解釈→次の一手まで、型で揃えると迷いが減ります。 PT キャリアガイドを見る(評価スキルを最短で伸ばす)

A233(リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算)は、急性期で「ADL を落とさない」ために、リハ(離床)・栄養・口腔48 時間以内の評価と計画から始め、通算 14 日の枠内で多職種が回す仕組みを評価する加算です。ポイントは“要件を満たす”だけでなく、監査で説明できる記録までを最小セットで整えることです。

1 分要約:A233 でやることは 3 つだけ

結論はシンプルで、やることは次の 3 点に集約できます。

  • 入棟後 48 時間以内に「ADL・栄養・口腔」を評価し、3 領域を束ねた計画を作る
  • 計画日から通算 14 日、食事状況の観察や調整を含めて多職種で実行する
  • 病棟として、カンファの運用と KPI(プロセス/アウトカム)を継続して説明できる形にする

5 分で分かる:入棟〜14 日のタイムライン(現場の回し方)

この加算が詰まりやすいのは「いつ、誰が、何を、どこに残すか」が曖昧なときです。まずはタイムラインで役割分担を固定します。

A233 のタイムライン(入棟後 48 時間 → 通算 14 日)
時点 やること(最小) 主担当(例) 記録の置き場所(例)
0〜48 時間 ADL(BI 等)・栄養(スクリーニング→必要なら GLIM)・口腔状態を評価し、3 領域を束ねた計画を作成 PT/OT/ST+管理栄養士+看護+医師(必要に応じ歯科) 計画書(EHR 1 箇所に集約)+評価の根拠(スコア/所見)
Day1〜14(通算) 離床・運動/嚥下・食形態/補助栄養・口腔ケアを実行。食事状況の観察を定期化(週 5 回の考え方を運用で固定) 病棟チーム 観察ログ(看護/リハ/栄養のどれかに統一)
週次 カンファで「進捗・阻害因子・次の一手」を更新(計画の更新が必要なら反映) 司会固定(例:リハ or 看護) カンファ記録(議題テンプレで固定)

算定要件の早見表:何が必須で、何が“監査で見られる”か

制度文を読んでも動けないのは、要件が「行為」なのか「体制」なのか混ざっているからです。ここでは現場実装に必要な粒度へ落とします。

A233 の要件・体制・記録の対応表(監査で説明できる形)
要件の核 現場でやること 最低限残す記録 よくある落とし穴
48 時間以内の評価と計画 ADL・栄養・口腔を評価し、優先順位をつけて計画に統合 評価日・スコア/所見・課題・目標・介入・担当 評価はしているが、3 領域が別書類でバラバラ
通算 14 日の運用 計画日を起点に 14 日の枠で観察→調整→再評価を回す 起算日、観察ログ、調整理由、再評価の要点 「いつから 14 日か」が曖昧で起算日が説明できない
定期カンファ 議題を固定し、阻害因子と次の一手を毎回更新 日時、参加職種、決定事項、次回までの宿題 会議はしているが、議事録がない/薄い
口腔の課題があれば歯科連携 口腔状態の課題を拾い、院内歯科または受診勧奨へ 課題の内容、連携方法(依頼/紹介/指示) 口腔評価が“実施の印”だけで中身がない

施設基準(KPI)の考え方:4 指標は「計算」より「運用」で守る

施設基準は、届出の可否だけでなく“継続できるか”が本番です。KPI は多くの場合、日々の運用の小さなズレで落ちます。

  • 入棟後 3 日までに疾患別リハが算定された患者割合(例:8 割以上)
  • 土日祝の提供単位数(平日の 8 割以上の考え方)
  • 退院/転棟時の ADL が入院時より低下した患者割合(例:3% 未満)
  • 院内発生褥瘡(DESIGN-R2020 d2 以上)の保有割合(例:2.5% 未満)

ポイントは、KPI を「月末に集計して焦る」のではなく、週次で“危ない兆し”を拾う仕組みにすることです。たとえば ADL は入院時の測定条件(誰が、いつ、どう測るか)を固定し、転棟/退院のタイミングで取りこぼさないように運用で担保します。

定期カンファの“型”:議題を固定すると回り始める

カンファが形骸化する最大の理由は「議題が毎回変わる」ことです。次の 6 点をテンプレ化すると、短時間でも情報が揃います。

  1. この 1 週間の変化(ADL・食事・口腔のサマリ)
  2. 阻害因子(疼痛、せん妄、過鎮静、食事形態、口腔環境など)
  3. 優先順位(今週“必ず守る” 1 点)
  4. 介入の更新(離床/運動、栄養、口腔)
  5. 観察ポイント(誰が・いつ・何を見るか)
  6. 次回までの宿題(担当と期限)

現場の詰まりどころ/よくある失敗:返戻より先に“運用の穴”がある

ここが詰まると、要件は満たしているのに「説明できない」で弱くなります。よくある失敗は次のとおりです。

  • 48 時間以内の評価が“実施チェック”で終わり、計画に統合されていない
  • 通算 14 日の起算日が曖昧で、観察ログの期間がズレる
  • 食事時観察が“気づいたときだけ”になり、週の回数が担保されない
  • カンファの議事録が薄く、決定事項と宿題が追えない

対策は「記録を増やす」より、最小セットを 1 箇所に集約して誰でも追える形にすることです。新人が入るほどブレやすいので、面談準備や業務棚卸しも含めて“型”を整えたい場合は、こちらのチェックリストも使えます:マイナビコメディカルの無料ダウンロード(面談・準備チェック)

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 「48 時間以内」は何をどこまでやればOK?

A. 目的は“評価の実施”ではなく、ADL・栄養・口腔の課題をそろえて計画に統合することです。スコアは最低限(BI 等)でよいので、課題→目標→介入→担当まで 1 つの計画として読める形にします。

Q2. 「通算 14 日」はいつから数える?

A. 原則は「計画を作成した日」を起点に 14 日です。起算日を計画書に明記し、観察ログも同じ起算日で揃えると説明が楽になります。

Q3. 退院/転棟時の ADL 低下割合は、転棟でも測定が必要?

A. 疑義解釈では、同一入院料を算定する別病棟への転棟時も ADL の測定が必要とされています。

Q4. DPC の ADL データを使ってよいケースはある?

A. 疑義解釈では、一定期間に限り DPC 関連調査の ADL スコアを用いた評価でも差し支えない旨が示されています。運用時点の最新資料を確認して適用範囲を明確にしてください。

次の一手(関連リンク)

参考資料

  • 厚生労働省. 令和 6 年度診療報酬改定の概要(急性期におけるリハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の取組の推進/A233 120 点). PDF
  • 厚生労働省. 疑義解釈資料の送付について(その 2). 厚労省ページPDF
  • 日本歯科医学会. 公式サイト(歯科連携の情報参照先). 公式

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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