バーセルインデックス(BI)の採点方法|10項目の配点と減点・判断ポイント

評価
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  1. バーセルインデックスは基本ADLを10項目・100点満点で評価します
  2. BIの10項目と配点一覧
  3. BIを採点する前にそろえたい6つの基本原則
  4. BIの10項目別採点ポイント|減点になる場面を解説
    1. 1.食事|食べこぼしやむせだけで機械的に減点しない
    2. 2.移乗|接触したかではなく、動作をどこまで介助者が担ったかを見る
    3. 3.整容|1つでも他者の援助を要する場合は0点を検討する
    4. 4.トイレ動作|移乗だけでなく衣服操作と清拭まで確認する
    5. 5.入浴|二択評価のため、わずかな援助でも0点になる
    6. 6.歩行・車椅子|距離、補助具、援助量をセットで確認する
    7. 7.階段昇降|手すり使用は自立になり得るが、監視があれば減点する
    8. 8.更衣|衣服の一部だけを手伝っても10点にはならない
    9. 9.排便コントロール|失便の有無と排便管理の援助を分けて見る
    10. 10.排尿コントロール|カテーテルの有無だけで0点と決めない
  5. BIの点数は総点より項目別プロフィールを重視する
    1. BIだけで退院可否や生活自立を決めない
  6. BIの記録は点数・判断根拠・評価条件をセットで残す
    1. 記録例
    2. 再評価する主なタイミング
  7. BI記録補助シート(PDF)
  8. BIとFIMは評価の詳しさと目的で使い分ける
  9. FAQ|BIの採点でよくある質問
  10. 次に確認したい関連記事
  11. まとめ|BIは援助の有無と程度を項目別に判断する
  12. 参考文献
  13. 著者情報
    1. 保有資格

バーセルインデックスは基本ADLを10項目・100点満点で評価します

バーセルインデックス(Barthel Index:BI)は、食事、移乗、整容、トイレ動作、入浴、移動、階段昇降、更衣、排便、排尿の10項目から基本ADLの自立度を評価する尺度です。一般的な0〜100点版では、点数が高いほど他者の援助を必要とする基本ADLが少ないと整理します。

採点で迷いやすいのは、食べこぼし、むせ、動作時間、見守り、接触介助などを、どの点数へ反映するかです。BIでは動作の見た目だけでなく、実際の生活場面で身体介助・声かけ・監視からどの程度独立しているかを確認します。

この記事では、BIの10項目と配点、減点を検討する場面、点数の境界で迷いやすいケース、記録例、FIMとの違い、A4記録補助シートまで臨床向けに整理します。

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BIの10項目と配点一覧

BIは項目によって最高点が異なります。まず配点の全体像を確認し、その後に各項目の判断ポイントを見ていくと採点しやすくなります。

BIの10項目と一般的な配点
項目 配点 判定の中心
食事 0・5・10点 援助なく食事を完結できるか。
移乗 0・5・10・15点 一連の移乗に必要な援助量。
整容 0・5点 必要な整容動作を自力で行えるか。
トイレ動作 0・5・10点 移乗・衣服操作・清拭の援助量。
入浴 0・5点 入浴動作に援助を要するか。
歩行・車椅子 0・5・10・15点 規定距離の移動方法と援助量。
階段昇降 0・5・10点 昇降時の援助・監視の有無。
更衣 0・5・10点 衣服・靴・装具の着脱に必要な援助。
排便コントロール 0・5・10点 失便と排便処置の自己管理。
排尿コントロール 0・5・10点 失禁と排尿器具の自己管理。

重要:BIには複数の表記・運用があります。以下は厚生労働省資料と一般的な0〜100点版のガイドラインを基に、臨床で迷いやすい点を独自に整理したものです。実際の採点では、施設で採用している正式な評価用紙と判定基準を優先してください。

BIを採点する前にそろえたい6つの基本原則

項目別の判断に入る前に、評価者間で採点の前提をそろえます。BIは「正常にできたか」よりも、他者の援助から独立して実行できたかを見る尺度です。

BI採点の基本原則
原則 採点時の考え方
実際にしている動作を見る 訓練室でできる可能性だけでなく、病棟や生活場面で実際に行っている状況を確認する。
わずかな援助も区別する 身体介助だけでなく、声かけや安全確保のための監視が必要なら完全自立とはしない。
直近の状況を確認する 通常は直近24〜48時間を中心に、状態変動がある場合は必要に応じて長い期間を確認する。
情報源を分ける 直接観察、本人申告、家族情報、病棟職員の情報を区別して記録する。
中間点は援助量を見る 一般的なガイドラインでは、中間カテゴリーは本人が動作の過半を担うことを前提とする。
補助具使用と自立を分けない 補助具を用いて他者の援助なく行える場合は自立として扱える。ただし、各項目の判定文に個別条件がある場合はそちらを優先する。

採点の合言葉:「所見があるか」ではなく、その所見によって他者の援助が必要になったかを確認します。食べこぼし、動作の遅さ、ふらつきなどがあっても、直ちに減点するのではなく、採用している判定基準と実際の援助量を照合します。

BIの10項目別採点ポイント|減点になる場面を解説

ここからは、10項目を「配点」「減点を検討する場面」「迷いやすい境界」「記録例」の順に整理します。

1.食事|食べこぼしやむせだけで機械的に減点しない

配点・判定の基本

食事の採点目安
点数 判断の目安
10点 食事が手の届く位置に準備されれば、必要な自助具を使って自分で摂取し、適切な時間内に食事を終えられる。
5点 食物を切り分けるなど一部の準備、継続的な声かけ、見守り、部分的な食事介助が必要。
0点 食事動作を自分で進められず、摂取の大部分またはすべてを他者が行う。

採点で迷いやすいポイント

食べこぼしがあるだけでは、直ちに5点とは限りません。多少こぼしても、自分で食具を操作し、介助や声かけなしに食事を完結できる場合は10点となる可能性があります。一方、食物を繰り返し食具へ乗せてもらう、手を誘導してもらう、食事を続けるための声かけが必要な場合は減点を検討します。

むせはBIの直接的な採点項目ではありません。一時的なむせだけで点数を下げるのではなく、安全確保のための常時監視、一口量や摂取速度の声かけ、食事介助が必要かを確認します。嚥下機能や誤嚥リスクは、BIとは別の嚥下評価で補います。

食事時間については、厚生労働省資料の10点基準に適切な時間内で終了することが含まれます。ただし「何分以上なら減点」と独自に決めず、施設の定義と前回条件をそろえて判断します。

記録例:食物の切り分けに介助を要する。準備後は自助具を使用し、声かけなく全量摂取できたため5点と判断した。

2.移乗|接触したかではなく、動作をどこまで介助者が担ったかを見る

配点・判定の基本

移乗の採点目安
点数 判断の目安
15点 ベッドと椅子間の移乗を一連で自立して行える。車椅子使用時は接近、ブレーキ、フットレスト操作なども含めて自立。
10点 見守り、声かけ、軽い身体介助が必要だが、本人が移乗動作の中心を担う。
5点 座位保持はできるが、大きな身体介助を要し、移乗の多くを介助者が担う。
0点 移乗が成立しない、座位保持が困難、または全面的な介助を要する。

採点で迷いやすいポイント

接触介助を要した場合は、原則として15点の完全自立ではありません。転倒予防のために体幹へ手を添える、方向転換時に軽く支える、一時的にバランスを修正する程度で、本人が動作の中心を担っていれば10点を検討します。

10点と5点の境界は、単に「1人介助か2人介助か」だけでは決まりません。介助者が立ち上がりで大きく引き上げる、体重を支え続ける、方向転換や着座を主に操作する場合は5点側です。反対に、軽い誘導や一瞬の支持で成立する場合は10点側と考えます。

「接触介助」とだけ記録せず、立ち上がり・方向転換・着座のどこで、どの程度体重を支えたかを残すと、評価者間のずれを減らせます。

記録例:立ち上がりは自力。方向転換時に後方へふらつき、骨盤部を一時的に支持した。本人が動作の大部分を行っており10点と判断した。

3.整容|1つでも他者の援助を要する場合は0点を検討する

配点・判定の基本

整容の採点目安
点数 判断の目安
5点 洗面、歯磨き、整髪、ひげそりなどを、必要な道具が準備された状態で自分で行える。
0点 整容動作のいずれかに身体介助や継続的な援助を要する。

採点で迷いやすいポイント

整容は中間点がないため、たとえば洗面と歯磨きは自立していても、ひげそりを他者が行う場合は0点を検討します。道具を手の届く場所へ置くことを許容する版がありますが、道具の操作や動作自体に援助を要する場合は自立とはしません。

対象者の性別や生活習慣によって実施していない動作がある場合は、施設の運用を確認し、何を観察して判定したかを記録します。

記録例:洗面、歯磨き、整髪は道具準備後に自立。電気シェーバー操作も自立しており5点と判断した。

4.トイレ動作|移乗だけでなく衣服操作と清拭まで確認する

配点・判定の基本

トイレ動作の採点目安
点数 判断の目安
10点 便座への移乗、衣服操作、清拭を自立して行える。ポータブルトイレ使用時は後始末まで行える。
5点 一連の動作の一部に身体介助、声かけ、監視を要するが、自分で行える部分がある。
0点 トイレ動作の大部分またはすべてを他者に依存する。

採点で迷いやすいポイント

便座への移乗が自立していても、ズボンの上げ下ろしや清拭に介助が必要なら10点にはなりません。反対に、失禁があっても、トイレ動作そのものを自立して行える場合があります。トイレ動作と排便・排尿コントロールは別項目として評価します。

安全のための見守り、手すり位置の指示、トイレットペーパーの準備が必要な場合は、何を援助したかを記録して5点を検討します。

記録例:便座移乗と清拭は自立。下衣を臀部まで引き上げる介助を要したため5点と判断した。

5.入浴|二択評価のため、わずかな援助でも0点になる

配点・判定の基本

入浴の採点目安
点数 判断の目安
5点 浴槽またはシャワーを用いた入浴を、他者の身体介助や監視なしに行える。
0点 洗体、浴槽・シャワー利用、安全確認などに他者の援助を要する。

採点で迷いやすいポイント

入浴には中間点がありません。背中や下肢の洗体だけを介助する場合、転倒予防で監視する場合、シャワーチェアへの移動を助ける場合も、採用している項目範囲に含まれるなら0点を検討します。

施設によって「浴槽への出入りを含むか」「洗体を中心に判定するか」の運用差が生じやすいため、使用する評価用紙の定義を固定し、介助した工程を具体的に残します。

記録例:シャワーチェア座位で上半身は自力洗体。下腿と足部の洗体に介助を要したため0点と判断した。

6.歩行・車椅子|距離、補助具、援助量をセットで確認する

配点・判定の基本

歩行・車椅子の採点目安
点数 判断の目安
15点 平地を45m以上、他者の援助なく歩ける。杖や装具などの使用条件は採用版を確認する。
10点 1人の身体介助、声かけ、監視があれば、平地を45m以上歩ける。
5点 歩行は困難だが、車椅子を自分で操作し、方向転換を含めて45m以上移動できる。
0点 規定距離の歩行・車椅子移動が成立せず、移動に全面的な介助を要する。

採点で迷いやすいポイント

歩行では「ふらついたか」だけでなく、そのために他者の監視や身体介助が必要だったかを確認します。独歩できても45mに満たない場合は15点の条件を満たさないため、距離を実測または確認して記録します。

補助具の扱いは版差に注意が必要です。厚生労働省の別添資料では、15点の歩行について車椅子・歩行器を除外する表記があります。一方、一般的な英語版には補助具を認める表記があるため、歩行器使用者を何点とするかは採用用紙で統一してください。

記録例:T字杖を使用し45m歩行。方向転換時を含め身体介助・声かけを要さなかった。施設で採用している判定基準に照らして15点と判断した。

7.階段昇降|手すり使用は自立になり得るが、監視があれば減点する

配点・判定の基本

階段昇降の採点目安
点数 判断の目安
10点 手すりや杖を使用しても、他者の援助なく階段を昇降できる。
5点 昇降に身体介助、声かけ、監視を要する。
0点 階段昇降ができない、または全面的な介助を要する。

採点で迷いやすいポイント

手すりや杖を使うだけでは減点になりません。ただし、杖を介助者が運ぶ、足の出し方を毎段指示する、転倒予防で身体を支える場合は5点を検討します。

段数や段差高が評価者ごとに異なると比較しにくいため、再評価では同じ階段条件を用いるか、条件の違いを記録します。

記録例:右手すりを使用し一足一段で昇降可能。下降時に足順の声かけを要したため5点と判断した。

8.更衣|衣服の一部だけを手伝っても10点にはならない

配点・判定の基本

更衣の採点目安
点数 判断の目安
10点 上衣・下衣・靴の着脱、ボタンやファスナー、必要な装具の着脱まで自立して行える。
5点 一部に介助を要するが、少なくとも動作の半分以上を自分で行い、適切な時間内に完了できる。
0点 更衣の大部分またはすべてを他者に依存する。

採点で迷いやすいポイント

片方の靴下だけ、背部の衣服だけ、装具のベルトだけであっても、他者の介助が必要なら10点ではありません。5点の判断では、単純な工程数よりも、対象者が更衣全体の半分以上を担っているかを確認します。

衣服を選ぶ、収納場所から取り出すといった準備をどこまで含めるかは用紙によって明確でないことがあります。準備介助がある場合は、その内容を記録して施設内で統一します。

記録例:上衣と下衣は自力で着脱。左靴下と短下肢装具の装着に介助を要するが、更衣の半分以上を自分で行うため5点と判断した。

9.排便コントロール|失便の有無と排便管理の援助を分けて見る

配点・判定の基本

排便コントロールの採点目安
点数 判断の目安
10点 失便がなく、必要時には坐薬や浣腸なども自分で管理できる。
5点 時に失便がある、または坐薬・浣腸などの管理に援助を要する。
0点 排便管理を自分で行えず、失便対応を含め全面的な介助を要する。

採点で迷いやすいポイント

評価日に排便がなかっただけでは、10点かどうかを判断できません。直近の失便状況、排便処置の方法、本人がどこまで管理しているかを、看護記録や本人・家族情報から確認します。

「時に失便」の頻度表現は版によって異なるため、独自の回数基準を混在させず、施設で採用している定義を使用します。

記録例:失便はないが、排便時の坐薬挿入を看護師が実施しているため5点と判断した。

10.排尿コントロール|カテーテルの有無だけで0点と決めない

配点・判定の基本

排尿コントロールの採点目安
点数 判断の目安
10点 失禁がなく、必要な排尿管理や器具の取り扱いを自分で行える。
5点 時に失禁がある、または収尿器具などの取り扱いに援助を要する。
0点 排尿管理を自分で行えず、失禁対応や器具管理を全面的に他者へ依存する。

採点で迷いやすいポイント

尿道カテーテルや収尿器具を使用している事実だけで、点数を決めるのは適切ではありません。器具の操作、排液、衛生管理を本人が行えるか、他者の援助が必要かを採用基準に沿って判断します。

排尿誘導や定時の声かけによって失禁を防いでいる場合は、本人だけで管理できているとは限りません。失禁回数だけでなく、失禁を防ぐために必要な援助を記録します。

記録例:日中の失禁はないが、尿器の設置と排液を職員が行っているため5点と判断した。

BIの点数は総点より項目別プロフィールを重視する

BIの総点は基本ADL全体を短時間で共有するのに役立ちます。ただし、同じ総点でも、介助が必要な動作と退院後に必要な支援は異なります。総点を確認した後は、低得点項目と介助理由を順に読み解きます。

BIの点数を総点、低得点項目、介助が必要な理由、生活環境と退院支援の4段階で読み解く図
BIは総点だけでなく、低得点項目、介助理由、生活環境まで順に確認します。
  1. 総点:基本ADL全体の大まかな自立度を共有する。
  2. 低得点項目:どの動作に援助が必要か確認する。
  3. 介助理由:筋力、バランス、疼痛、認知、安全認識、環境などを追加評価する。
  4. 生活への影響:退院先の住環境、家族介護力、福祉用具、サービスと組み合わせる。
同じBI総点でも支援内容が異なる例
状況 優先して確認すること
移乗・歩行・階段が低得点 移動手段、補助具、住宅内段差、家族が再現できる介助方法。
排泄関連が低得点 トイレ導線、衣服操作、排泄リズム、夜間対応、便座や手すり。
動作は可能だが監視が必要 理解、注意、記憶、判断、安全認識、見守り体制。

BIだけで退院可否や生活自立を決めない

BIは基本ADLを評価する尺度であり、認知機能、IADL、住環境、家族の介護力、医療処置、社会参加を単独で評価できません。100点でも、服薬管理、買い物、調理、金銭管理、屋外移動などに支援が必要な場合があります。

BIと併せて確認したい情報
領域 追加で確認すること
認知機能 理解、記憶、注意、判断、安全認識。
IADL 買い物、調理、洗濯、服薬管理、金銭管理、交通手段。
住環境 段差、階段、手すり、トイレ・浴室の構造、生活動線。
支援体制 家族介護力、介護サービス、福祉用具、地域資源。

BIの記録は点数・判断根拠・評価条件をセットで残す

再評価で比較できるように、点数だけでなく、どの場面で何を援助したため、その点数としたのかを記録します。「見守り」「軽介助」だけでは評価者によって意味が変わるため、具体的な動作を残します。

BI記録で残したい情報
記録項目 記録内容の例
評価場面 病棟、居室、訓練室、トイレ、浴室、本人・家族への聞き取り。
補助具・環境 杖、歩行器、車椅子、装具、手すり、便座高、ベッド高。
援助内容 準備、声かけ、監視、接触、体重支持、動作の代行。
判断根拠 どの工程で、どの程度の援助を要したか。
情報源 直接観察、本人申告、家族情報、看護・介護記録。
次回確認 再評価時期、確認する生活場面、変更する環境条件。

記録例

記録例:BI 65点。食事は食物の切り分けに介助を要し5点。移乗は立ち上がり自立だが方向転換時に骨盤部の一時的支持を要し10点。歩行は歩行器と見守りで45m可能。病棟トイレでは下衣操作に介助を要する。次回は自宅便座高を想定した移乗と衣服操作を再評価する。

再評価する主なタイミング

  • 入院・利用開始時に初期状態を把握するとき。
  • 疾患、疼痛、体力、認知面などに変化があったとき。
  • カンファレンス前に介入効果と支援課題を共有するとき。
  • 退院・退所前に生活環境での再現性を確認するとき。

再評価では総点の増減だけでなく、変化した項目、変化しなかった項目、補助具、援助内容、評価条件の違いを比較します。

BI記録補助シート(PDF)

BIの点数、評価条件、採点根拠、次回確認事項を整理しやすいように、A4印刷用の記録補助シートを用意しています。初回評価、再評価、カンファレンス前の整理、新人教育での確認に活用できます。

注意:このPDFは臨床記録を補助するための自作シートです。公式評価用紙や認定教材の代替ではありません。施設の運用ルールと正式な採点基準に沿って使用してください。


BI記録補助シート(PDF)を開く

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BIとFIMは評価の詳しさと目的で使い分ける

BIとFIMはどちらもADLを整理しますが、項目数、採点段階、認知項目の有無が異なります。BIは基本ADLの概要を短時間で共有したい場面、FIMは介助量や認知面まで詳しく整理したい場面に向いています。

BIとFIMの主な違い
比較項目 BI FIM
項目数 10項目 18項目
点数 一般的な0〜100点版 18〜126点
採点の細かさ 項目ごとに2〜4段階 各項目7段階
認知項目 含まれない コミュニケーションと社会的認知を含む
主な用途 基本ADLの概要把握と経過共有 介助量を含む詳細なチーム評価

BIは基本ADLの概要把握、FIMは介助量を含む詳細評価というように、評価目的と施設運用に応じて使い分けます。

FAQ|BIの採点でよくある質問

各項目をタップすると回答が開きます。

Q. 食べこぼしがあると食事は5点ですか?

A. 食べこぼしだけで機械的に減点するのではなく、食事を完結するために他者の介助、声かけ、監視が必要かを確認します。自分で食具を操作し、援助なく食べ終えられる場合は10点となる可能性があります。

Q. 食事中にむせた場合は減点しますか?

A. 一時的なむせだけで点数を決めません。常時監視、一口量や速度の声かけ、食事介助が必要かを確認します。嚥下機能と誤嚥リスクはBIとは別に評価してください。

Q. 移乗で接触介助が必要な場合は何点ですか?

A. 完全自立の15点ではなく、本人が動作の中心を担い、軽い接触や一時的な支持で成立する場合は10点を検討します。大きな引き上げや継続的な体重支持が必要で、移乗の多くを介助者が担う場合は5点側です。

Q. 見守りだけでも減点しますか?

A. 一般的なBIガイドラインでは、安全のための監視が必要な場合は完全自立とはしません。各項目の中間点を検討し、見守りが必要な理由を記録します。

Q. BIは「できるADL」と「しているADL」のどちらを評価しますか?

A. 一般的なガイドラインでは、できる可能性ではなく実際に行っている状況を記録します。訓練室と病棟で介助量が異なる場合は、評価した場面を明記してください。

Q. BIの採点に迷った場合はどうしますか?

A. 施設で採用している判定文を確認し、援助した工程、身体介助量、声かけ、監視、補助具、評価場面を具体化します。点数だけで解決せず、判断根拠を残して多職種で基準を共有することが重要です。

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目的 関連記事
ADL評価を目的別に選ぶ ADL評価スケールの種類と使い分け
BIとFIMを詳しく比較する Barthel IndexとFIMの違い

まとめ|BIは援助の有無と程度を項目別に判断する

BIの採点では、食べこぼし、むせ、ふらつき、動作の遅さなどの所見だけで点数を決めません。その所見によって身体介助、声かけ、監視が必要になったかを、施設で採用している判定基準と照合します。

特に迷いやすい食事では、食事を自分で完結できるか、移乗では、本人と介助者のどちらが動作の中心を担っているかを確認します。接触介助や見守りを一律に扱わず、どの工程で何を援助したかを具体的に記録してください。

総点だけでなく、低得点項目、介助理由、評価条件、生活環境を組み合わせることで、BIを介入方針、カンファレンス、退院支援へつなげやすくなります。


参考文献

  1. Mahoney FI, Barthel DW. Functional evaluation: the Barthel Index. Md State Med J. 1965;14:61–65. PubMed
  2. Collin C, Wade DT, Davies S, Horne V. The Barthel ADL Index: a reliability study. Int Disabil Stud. 1988;10(2):61–63. PubMed
  3. Shah S, Vanclay F, Cooper B. Improving the sensitivity of the Barthel Index for stroke rehabilitation. J Clin Epidemiol. 1989;42(8):703–709. DOI
  4. 厚生労働省. 別添資料2-2 ADL: Barthel Index. PDF
  5. Shirley Ryan AbilityLab. Barthel Index. Rehabilitation Measures Database. Web

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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