
いつも当サイト(rehabilikun blog)の記事をお読みいただき誠にありがとうございます。また、初めましての方はよろしくお願い致します。サイト管理者のリハビリくんです!
この記事は「Frenchay Activities Index(FAI)」をキーワードに内容を構成しております。こちらのテーマについて、もともと関心が高く知識を有している方に対しても、ほとんど知識がなくて右も左も分からない方に対しても、有益な情報がお届けできるように心掛けております。それでは早速、内容に移らせていただきます。
Frenchay Activities Index(FAI)について、皆様はどのような印象をお持ちでしょうか?
私見にはなりますが、FAIはIADL評価法の中でも、対象者のIADL能力をうまく点数化することができる評価だと考えております。
例えば、老研式活動能力指標やLawtonの尺度は「はい」「いいえ」の2択で点数をつけていきますが、FAIについては「はい」と回答した人に更に「頻度」まで確認することによって0点から3点まで幅を持たせて採点することができます。
一方、評価項目では「庭仕事」や「家や車の手入れ」が加わっていますが、これに至っては個人因子や環境因子に左右する項目だと思いますので、他の質問と同様の重み付け少し疑問を感じる部分ではあります。今回はそんなFrenchay Activities Index(FAI)についてまとめさせて頂きます!

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として働いていると、一般的な会社員とは異なるリハビリ専門職ならではの苦悩や辛いことがあると思います。当サイト(rehabilikun blog)ではそのような療法士の働き方に対する記事も作成し、働き方改革の一助に携わりたいと考えております。
理学療法士としての主な取得資格は以下の通りです
登録理学療法士
脳卒中認定理学療法士
褥瘡 創傷ケア認定理学療法士
3学会合同呼吸療法認定士
福祉住環境コーディネーター2級
IADLとは

IADLは「Instrumental Activities of Daily Living」の略で、日本語では「手段的ADL」もしくは「手段的日常生活動作」と呼ばれています。
ADLは日常生活の「基本的な動作」であるのに対し、IADLはADLよりも複雑な動作と判断が求められる「応用的な動作」のことです。
例えば「買い物」や「乗り物(公共交通機関等)の使用」など、単純に動作が行えるかだけでなく、判断や意思決定が可能かどうかもチェック内容に含まれます。IADLは生活の質(QOL)にも直結するため、IADLをできる限り維持していく事が、人生100年時代を生き抜くためにとても大切です。
ADLとIADLの違い
ADL と IADL は、介護やリハビリテーションの世界では一般的に使われている言葉です。
ADL の項目は、移動(歩く、車椅子を操作する)、食事や着替えなどの運動項目、コミュニケーションにおける理解(言葉や意味が分かること)、や表出(自分の意思や意図を伝えること)などの認知項目など、最低限の日常生活を行うための動作を指します。
これに対して IADL は、前述の通り ADL よりも複雑な動作と判断が求められる動作のことを指します。IADLの項目に含まれている「洗濯」を例にとって、説明します。
洗濯には「洗濯カゴから洗濯機に洗濯物を移す作業」「洗剤や柔軟剤を入れる作業」「洗濯を干す作業」「洗濯物を畳む作業」「洗濯物を家族ごとに分けて収納する作業」と様々な工程に分かれます。単純な作業で完結するわけではなく、洗濯した服が誰のものなのか、どの服なのかによって、畳み方も収納場所も異なり、臨機応変な行動が求められます。
このように、IADL は身体を動かす機能だけでなく、判断力や理解力などの機能も関わってきます。
IADLについては、他の記事でまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【IADLの充実を目指したリハビリについての記事はこちらから】
IADL評価方法、評価尺度
- Lawton(ロートン)の尺度
- 老研式活動能力指標
- DASC-21
- Frenchay Activities Index(FAI)
この 4 種類の評価を抑えておけば間違いないと思います。
FAI(Frenchay Activities Index)とは

Frenchay Activities Index(FAI)は、日常生活動作(IADL:Instrumental Activities of Daily Living)を評価する指標の一つです。
FAIは、1983 年に Holbrook らによって開発されました。元々は脳卒中後の患者の社会復帰を評価する目的で考案されたもので、退院後の生活の質や社会参加レベルを客観的に把握する手段として広まりました。現在では、脳血管障害のみならず、整形外科疾患や高齢者の IADL 評価にも幅広く活用されています。
IADL は、ADL よりも複雑で社会生活に密接に関連する活動を指し、特に高齢者や脳血管障害後の方における自立度を把握するうえで重要な評価指標となります。
FAI の目的と特徴
FAIは、過去 3 か月または 6 か月間における応用的な日常生活活動や社会的活動の実施状況を評価します。対象者が地域でどのような生活を送っているのか、どの程度社会参加しているかを把握することが主な目的です。評価は主に面接形式で行われ、評価者が本人または介護者から生活状況を聴取する方法が一般的です。
評価項目

FAI は以下の 15 項目から構成されています。
- 食事の用意
- 食後の片付け
- 洗濯
- 掃除や整頓
- 力仕事
- 買い物
- 外出
- 屋外歩行
- 趣味活動
- 交通手段の利用
- 旅行
- 庭仕事
- 家や車の手入れ
- 読書
- 勤労
これらはすべてIADLに該当する活動であり、自立した生活や社会参加の程度を反映する重要な情報となります。
評価方法と得点の付け方
各項目は活動頻度に応じて 0 ~ 3 点で評価され、総得点は最大で 45 点となります。具体的には、以下のように評価されます。
- 0 点:活動していない
- 1 点:まれに活動する
- 2 点:時々活動する
- 3 点:定期的に活動している
評価方法には面接による聴取のほか、自己記入式の質問票を用いることもあります。比較的心身機能が保たれている対象者に適した尺度です。
評価用紙

Frenchay Activities Index(FAI)の評価表をダウンロードできるようにしておきました!評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺
結果の解釈と活用方法
FAI の合計点は 0 点(非活動的)から 45 点(活動的)までの範囲で、点数が高いほど社会的活動の頻度が高いと解釈されます。得点は数値として視覚的に示されるため、リハビリの効果判定やケアプラン作成の材料としても有用です。
FAI の臨床的メリットとして以下の項目があげられます。
- 社会参加の現状が視覚的に把握しやすい
- 介入前後の変化を数値で捉えやすい
- 一度の評価で多様な IADL を網羅できる
- 疾病罹患前後の生活状況の比較が可能
- 情報収集を評価者間で標準化しやすい
まとめ
最後までお読み頂きありがとうございます!
FAI(Frenchay Activities Index)は、対象者の社会参加状況や地域生活での自立度を多角的に評価できる信頼性の高い指標です。特に IADL のアセスメントが求められる高齢者リハビリテーションの場面では、非常に有用です。
日常生活の質を高める支援の一環として、FAI を積極的に活用していくことが、地域での自立支援に繋がります。
参考文献
- 蜂須賀研二,千坂洋巳,河津隆三,佐伯覚,根ヶ山俊介.応用的日常生活動作と無作為抽出法 を用いて定めた在宅中高年齢者のFrenchay Activities Index標準値.リハビリテーション医学.2001,38,p287-295.