新卒 PT の賞与(ボーナス)|初年度が少ない理由と確認ポイント
新卒の理学療法士( PT )で「思ったよりボーナスが少ない」と感じるのは珍しくありません。結論として、初年度の賞与は在籍要件(算定期間に在籍している月数)と評価(査定)、そして算定ベース(基本給のみか/手当込みか)で大きく変わります。求人票に「賞与あり」と書かれていても、初年度は満額対象外や寸志の運用があるため、数字を回収してから判断するのが安全です。
本記事では、初年度に起きやすいズレの原因を整理し、面接で確認すべき項目をチェック表にまとめます。
賞与の基本|新人が誤解しやすい 3 つ
賞与は給与と違って「毎月必ず同じ額」ではありません。新卒がズレやすいのは、次の 3 点です。
- 支給回数:年 2 回(夏・冬)が多いが、年 1 回や 3 回の法人もある
- 算定期間:評価対象の期間があり、入職月が遅いほど初年度は不利になりやすい
- 算定ベース:「基本給 × ○か月」が多いが、手当込み/別テーブルのこともある
まずは「何をベースに、どの期間で、どう評価して支給するか」を分解して聞くと、求人票の曖昧さに引っ張られなくなります。
初年度が少ない理由|満額が出にくい仕組み
初年度の賞与が少なくなりやすいのは、制度として「在籍月数」を反映する運用が多いからです。例えば「夏の算定期間が前年冬〜当年春」などの場合、春に入職した新人は算定期間の在籍が短く、満額になりにくいことがあります。
また、評価(査定)は「初年度は評価対象外」「試用期間は対象外」「一定の在籍要件を満たしてから」など法人ごとにルールが違います。ここは曖昧なまま期待値を上げないのがコツです。
現場の詰まりどころ|賞与で新人がつまずく 5 つ
賞与は「ある/ない」より、どの条件でいくらになるかが重要です。特に新人は、求人票の一言で期待値が上がりやすいので、先に詰まりどころを固定しておくと失敗しにくいです。
| 詰まりどころ | 起きること | 最短の回避策 |
|---|---|---|
| 「賞与あり=初年度も満額」と思う | 在籍要件で満額対象外/寸志になる | 初年度の支給ルールを「月数」と「条件」で確認する |
| 「○か月分」のベースが不明 | 基本給のみなのに、手当込みで想定してしまう | 算定ベース(基本給のみ/手当込み)を明確化する |
| 査定(評価)基準が曖昧 | 評価の差で支給額がブレるが理由が分からない | 評価項目と運用(面談頻度)をセットで聞く |
| 試用期間の扱いを見落とす | 試用期間は算定対象外で下振れする | 試用期間が賞与算定に含まれるか確認する |
| 「実績」を鵜呑みにする | 業績や人員構成で年ごとに変動する | 平均実績と直近の変動要因(業績連動など)を聞く |
面接で確認|賞与のチェックリスト(これだけは数値で)
賞与の見込みを現実的にするには、次の項目を数値で回収するのが最短です。新人でも「条件を理解して働きたい」という文脈なら、自然に質問できます。
| 確認項目 | 聞く理由 | 質問例(そのまま使える) |
|---|---|---|
| 支給回数・支給時期 | 生活設計(引っ越し・更新)に直結 | 「賞与は年何回で、支給月はいつですか?」 |
| 算定ベース | 「○か月分」の中身を誤解しない | 「○か月分は基本給ベースですか?手当は含まれますか?」 |
| 算定期間と在籍要件 | 初年度が下振れする理由を事前に把握 | 「初年度は在籍月数で按分されますか?条件を教えてください」 |
| 初年度の扱い(満額/寸志) | 期待値のズレを防ぐ | 「新卒 1 年目の初年度は満額対象ですか?寸志の可能性はありますか?」 |
| 評価(査定)の基準と実績 | 将来の年収カーブが読みやすくなる | 「評価項目と、平均の支給実績(直近)を教えてください」 |
ケースで理解|同じ「賞与あり」でも差が出る
同じ「賞与あり」でも、運用の違いで初年度の見え方が変わります。次のように整理すると、比較がブレにくくなります。
| ケース | よくある運用 | 初年度に起きやすいこと | 見るべき観点 |
|---|---|---|---|
| A:基本給ベースが明確 | 基本給 × ○か月、在籍按分あり | 初年度は月数で下振れしやすいが、説明が明確 | 算定期間/在籍要件/初年度の按分 |
| B:手当が複雑 | 職務・資格などを加味して算定 | 総支給が高く見えるが、賞与算定が読みにくい | 賞与の対象項目(含む/含まない) |
| C:業績連動が強い | 法人業績で支給幅が変動 | 年ごとに変動し、期待値がぶれやすい | 直近実績の推移/変動要因 |
FAQ
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
求人票の「賞与 ○か月分」は、そのまま当てにしていい?
そのまま当てにせず、まずは「何をベースにした ○か月分か(基本給のみか/手当込みか)」と「初年度は在籍要件で按分されるか」を確認するのが安全です。特に新卒 1 年目は算定期間の在籍月数が短く、満額になりにくいケースがあります。
初年度は「寸志」ってよくある?
法人によってはあります。初年度の賞与が「満額対象外」「寸志のみ」「試用期間は対象外」などの運用があるため、面接で初年度の扱いを具体的に聞いておくとズレが減ります。
賞与が少ない職場は、やめた方がいい?
賞与だけで判断するより、「基本給の厚さ」「昇給幅」「評価の透明性」「残業や手当の構成」とセットで見るのが現実的です。賞与が少なくても、基本給が厚く昇給が安定しているケースもあります。
面接で賞与のことを聞くと印象が悪い?
「生活設計のために条件を整理したい」「長く働く前提で透明性を確認したい」という文脈なら問題になりにくいです。金額だけでなく、算定ベースや在籍要件など“制度の確認”として聞くのがコツです。
おわりに
初年度の賞与は「在籍要件」「算定ベース」「評価」の 3 点で想定からズレやすいので、求人票で曖昧な部分を面接で数値回収 → 条件を揃えて比較の順で進めると失敗しにくいです。面談前の準備を最短で整えるなら、マイナビコメディカルの面談準備チェック&職場評価シートで質問を手元に揃えてから臨むと安心です。
参考文献
- 厚生労働省. 毎月勤労統計調査(特別給与を含む賃金の動き). https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html
- e-Stat. 毎月勤労統計調査(統計データ). https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450071
- 厚生労働省. 賃金構造基本統計調査. https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

