4-Stage Balance Testのやり方と判定|4段階・10秒基準

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4-Stage Balance Testとは?|4つの足位を各10秒で確認します

4-Stage Balance Testは、両足を横に並べた立位、セミタンデム、タンデム、片脚立位の4段階で静的バランスを確認する評価です。各足位を10秒保持できれば次へ進み、足を動かす、支持が必要になるなど10秒保持できなければ、その段階で検査を終了します。

CDCのSTEADIでは高齢者の転倒リスク評価に用いられており、特にタンデム立位を10秒保持できない高齢者は転倒リスクが高いとされています。この記事では、4段階の足位、実施条件、終了条件、10秒基準の読み方、記録方法まで整理します。

4-Stage Balance Testの4段階と10秒基準
段階 足位 確認時間 次へ進む条件
1 両足を横に並べた立位 10秒 足を動かさず、支持なしで10秒保持
2 セミタンデム 10秒 足を動かさず、支持なしで10秒保持
3 タンデム 10秒 足を動かさず、支持なしで10秒保持
4 片脚立位 10秒 10秒保持で検査終了

4-Stage Balance Testは、4段階を1〜4点として合計する評価ではありません。CDCの記録様式では、それぞれの足位を何秒保持できたかを記録し、最初に10秒保持できなかった段階で終了します。

4-Stage Balance Testの実施と判定フロー。両足を横に並べた立位、セミタンデム、タンデム、片脚立位を各10秒保持し、保持できなければ終了する流れと、タンデム10秒未満の高齢者では転倒リスク上昇のサインとなることを示した図。
図:4-Stage Balance Testの実施と判定フロー。4つの足位を各10秒確認し、タンデム10秒未満の場合は高齢者の転倒リスクを他の評価と合わせて確認します。

4-Stage Balance Testのやり方|安定してから10秒を計時します

標準的な実施条件は開眼・歩行補助具なしです。評価者は対象者の横に立ち、正しい足位を作るところまで支援します。対象者が安定したら支持を離し、転倒時にすぐ介助できる位置を保ったまま計時します。

  1. これから行う4つの足位を対象者へ説明・実演する
  2. 評価者が横に立ち、必要に応じて上肢を支えて正しい足位へ誘導する
  3. 姿勢が安定したら支持を離して計時を開始する
  4. 10秒保持できれば次の足位へ進む
  5. 10秒保持できなければ、その段階で検査を終了する

4つの足位を同じ条件で作ります

4-Stage Balance Testの足位
足位 セット方法
両足を横に並べた立位 左右の足を横に並べて立つ
セミタンデム 一方の足の足背内側が、もう一方の足の母趾に触れる位置へ置く
タンデム 一方の足を前に置き、前足の踵と後足の足尖を接する
片脚立位 片脚を床から離して立つ

対象者は腕を広げたり、体幹を動かしたりしてバランスを取ることができます。一方、足を動かした場合や支持を必要とした場合は、その足位を10秒保持できたとは判定しません。

公式の終了条件と安全上の中止を分けます

CDCの検査手順では、足を動かさず、支持を必要とせずに10秒保持できなければ、その段階で検査を終了します。「少し足を動かしたが、そのまま10秒まで続ける」といった運用は標準条件から外れます。

これとは別に、転倒しそうになった、疼痛が強くなった、強い恐怖や体調不良がみられたなど、安全な実施が難しい場合は臨床判断として中止します。再評価時に結果を比較するためにも、「10秒保持できなかった理由」と「安全上の中止理由」は分けて記録しておくと整理しやすくなります。

判定|タンデム立位10秒未満をどう読むか

CDC STEADIでは、高齢者がタンデム立位を少なくとも10秒保持できない場合、転倒リスクが高いとされています。したがって、両足を横に並べた立位やセミタンデムを通過してもタンデムで10秒未満となった場合は、転倒リスクをさらに確認するきっかけになります。

判定のポイント:タンデム10秒未満は「必ず転倒する」「歩行不可」という意味ではありません。高齢者における転倒リスク上昇のサインとして、他の評価や背景因子と組み合わせて判断します。

タンデム10秒未満だった場合は、転倒歴、歩行能力、下肢筋力、感覚、視覚、疼痛、薬剤、起立性低血圧なども確認し、どの要因が実際の転倒リスクにつながっているかを整理します。

4-Stage Balance Testの結果から次に確認すること
結果 読み方 次に確認すること
最初の足位で10秒未満 広い支持基底面でも静的立位保持が不安定 立位能力、下肢支持性、循環動態、安全な移動方法
セミタンデムで10秒未満 支持基底面が狭くなると保持が難しい 歩行、方向転換、下肢筋力、感覚など
タンデムで10秒未満 高齢者では転倒リスク上昇のサイン 転倒歴、歩行能力、環境、他の転倒リスク因子
4段階すべて10秒 標準的な4-Stageを完遂 必要に応じて、より高難度のバランス・歩行評価

4段階すべて10秒でも「バランス障害なし」とは限りません

4-Stage Balance Testは簡便な静的バランス評価ですが、10秒という上限があるため、比較的バランス能力が高い対象者の微細な低下は捉えにくい可能性があります。

2024年の地域在住高齢者153人を対象とした研究では、同じ4つの立位姿勢を最大30秒まで測定し、タンデム立位と片脚立位の保持時間が6か月後の転倒予測に関連しました。また、微細なバランス低下を捉える目的では10秒では短い可能性が示されています。

この研究はCDC STEADIの標準的な10秒プロトコルを変更するものではありません。4段階すべて10秒保持できても、転倒歴や歩行中の不安定性などがある場合は、4-Stageだけで「問題なし」とせず、目的に合った別のバランス評価を追加するという位置づけで捉えます。

記録|保持秒数・終了段階・終了理由をセットで残します

結果は「段階3まで」のような到達段階だけでなく、各足位の保持秒数と終了理由まで記録します。同じ段階で終了していても、タンデム2秒と9秒では経過が異なるため、秒数を残しておくことで再評価時の変化を確認しやすくなります。

4-Stage Balance Testで記録する項目
記録項目 残す内容
実施条件 開眼、歩行補助具なし、実施環境など
保持時間 実施した各足位の保持秒数
終了段階 最初に10秒保持できなかった足位
終了理由 足部移動、支持が必要、安全上の中止など
比較条件 疼痛、疲労、装具など結果へ影響し得る条件

記録例:4-Stage Balance Test:開眼・歩行補助具なし。両足を横に並べた立位10秒、セミタンデム10秒、タンデム6秒で左足部移動あり終了。片脚立位は未実施。

Excel・PDF記録シート

当サイトでは、4-Stage Balance Testの標準条件、4段階の保持時間、終了理由、安全上の中止、再評価時の比較条件を1枚で整理できる記録シートを用意しています。CDC公式様式そのものではなく、当サイトが臨床での記録を補助する目的で作成した独自資料です。

Excel版は保持時間を入力しながら記録・編集したい場合に、PDF版は印刷して手書きで記録したい場合に使えます。

4-Stage Balance Test 記録シート

4段階の保持秒数、10秒保持の可否、終了理由、安全上の中止、次に確認する転倒リスク因子、再評価時の変化を整理できます。

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迷いやすいポイント|標準条件を変えないことが重要です

4-Stage Balance Testでは、足位・計時開始・終了条件を毎回そろえることが重要です。次のような運用になると、標準的な結果と比較しにくくなります。

  • 足位を作っている途中から計時する:対象者が安定し、評価者が支持を離してから計時します。
  • 足が動いても10秒まで継続する:10秒保持できなければ、その段階で検査を終了します。
  • 杖や歩行器を使用した結果を標準結果として扱う:CDC STEADIの実施条件は歩行補助具なしです。
  • タンデム10秒未満だけで歩行可否を決める:転倒歴や歩行能力など他の情報と合わせて判断します。
  • 4段階できたためバランス評価を終了する:より高い能力が疑われる場合や転倒歴がある場合は別の評価を検討します。

よくある質問

杖や歩行器を使用したまま実施してもよいですか?

CDC STEADIの4-Stage Balance Testは、歩行補助具を使用せず、開眼で実施します。補助具なしでは安全に実施できない場合は、標準条件での4-Stageを無理に行わず、その対象者に適した別の立位・移動能力評価を選択します。

足位を作るときに評価者が支えてもよいですか?

はい。CDCの手順では、評価者が対象者の横に立ち、上肢を支えながら正しい足位へ誘導します。対象者が安定したら支持を離し、そこから保持時間を測定します。

腕を広げたり体幹を動かしたら終了ですか?

腕を広げたり、身体を動かしたりしてバランスを取ることは認められています。ただし、足を動かした場合や支持を必要とした場合は、その足位を10秒保持できたとは判定しません。

タンデム立位が10秒未満なら転倒リスクが高いですか?

CDC STEADIでは、高齢者がタンデム立位を10秒保持できない場合は転倒リスクが高いとされています。ただし、すべての対象者に一律に適用して転倒や歩行可否を断定する基準ではありません。転倒歴、歩行能力、筋力、感覚、薬剤などと合わせて評価します。

4段階すべて10秒できればバランス評価は不要ですか?

必ずしもそうではありません。4-Stageは簡便な静的バランス評価であり、10秒という上限があります。転倒歴、方向転換や歩行中の不安定性など別の問題がある場合は、目的に合わせてより高難度または動的なバランス評価を追加します。

次に確認したい評価


参考文献

  1. Centers for Disease Control and Prevention. The 4-Stage Balance Test [Internet]. Atlanta: Centers for Disease Control and Prevention; 2017 [cited 2026 Sep 6]. Available from: https://www.cdc.gov/steadi/media/pdfs/STEADI-Assessment-4Stage-508.pdf
  2. de Abreu DCC, Bandeira ACL, Magnani PE, de Oliveira Grigoletto DA, de Faria Junior JR, Teixeira VRS, et al. Standing balance test for fall prediction in older adults: a 6-month longitudinal study. BMC Geriatr. 2024;24(1):947. doi:10.1186/s12877-024-05380-9. PubMed / DOI.

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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