オスカーの使い方|A/Bタイプ別の初期設定と体位変換

臨床手技・プロトコル
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オスカーの使い方はA/Bタイプの確認から始める

結論:オスカーを使用するときは、最初にリモコンがAタイプかBタイプかを確認します。Aタイプは標準設定後に「体型・ひざの曲がり・発汗・ひえ・体位変換程度」を設定し、Bタイプは「標準・船酔い対策・ひざ下げ固定」のかんたん設定から選択します。

日常操作では、リハビリは約60分、背上げは約120分で自動的に通常状態へ戻ります。むれへの対応はタイプによって異なり、Aタイプには「強力除湿」、Bタイプには「むれ対策」があります。また、ベッドを背上げした状態で自動体位変換を行わないことが重要です。

この記事では、メーカー公式の取扱説明書をもとに、A/Bタイプの見分け方、初期設定、リハビリ・背上げ・むれ対策・自動体位変換まで、病棟や施設で迷いやすい操作を順番に整理します。

まず確認するポイント

  • Aタイプ:標準設定後に5項目を設定
  • Bタイプ:かんたん設定から3条件のいずれかを選択
  • リハビリ:約60分
  • 背上げ:約120分
  • Aタイプ:強力除湿
  • Bタイプ:むれ対策は30分運転・15分停止を繰り返す
  • 背上げ中と自動体位変換を重ねない

AタイプとBタイプはリモコンを確認して見分ける

オスカーでは、リモコンのAタイプ・Bタイプによって初期設定と操作方法が異なります。A/Bタイプは、ハイブリッドタイプ/コンパクト収納タイプというマットレス本体の種類を示すものではありません。操作を始める前に、使用しているリモコンを確認してください。

Aタイプは、利用者の身体状況に合わせて「体型」「ひざの曲がり」「発汗」「ひえ」「体位変換程度」を設定します。Bタイプは「かんたん設定」があり、「標準」「船酔い対策」「ひざ下げ固定」の3条件から選択できます。

※表は横にスクロールできます。

オスカー Aタイプ・Bタイプの違い
確認点 Aタイプ Bタイプ
初期設定 標準設定後に身体状況を設定 かんたん設定から選択
主な設定 体型・ひざの曲がり・発汗・ひえ・体位変換程度 標準・船酔い対策・ひざ下げ固定
湿潤へのアシスト 強力除湿 むれ対策
共通する主な操作 リハビリ・背上げ・自動体位変換など リハビリ・背上げ・自動体位変換など

リモコンの表示や仕様がこの記事と異なる場合は、手元の製品に付属する取扱説明書を優先してください。

初期設定はAタイプとBタイプで手順が違う

Aタイプは利用者の身体状況を項目ごとに設定し、Bタイプはかんたん設定から条件を選びます。「オスカーだから同じ設定」と考えず、使用しているリモコンに合わせて操作することがポイントです。

Aタイプは標準設定後に5項目を設定する

Aタイプでは、まず「標準設定」を選択し、その後に利用者の状態に合わせて5項目を設定します。

  1. 標準設定を選択する
  2. 体型を設定する
  3. ひざの曲がりを設定する
  4. 発汗を設定する
  5. ひえを設定する
  6. 体位変換程度を設定する

「体型」は体重の数値を直接入力する項目ではありません。身長と体重を目安に、利用者の体型に合う条件を選択します。初回からマニュアルモードを細かく変更するのではなく、まず標準設定から開始し、利用者の状態に応じて調整します。

Bタイプは3つのかんたん設定から選ぶ

Bタイプでは、利用者の状態に合わせて「標準」「船酔い対策」「ひざ下げ固定」の3条件から選択します。

※表は横にスクロールできます。

Bタイプのかんたん設定
設定 選択を検討する場面
標準 特別な調整を必要としない基本設定として使用する
船酔い対策 エアマットレスの揺れや動きが気になる場合に検討する
ひざ下げ固定 ひざ部の角度を下げた状態で固定したい場合に検討する

「かんたん設定」を選択すると、エアマットレス側が条件に応じた設定へ切り替わります。より細かな調整が必要な場合は、マニュアルモードを使用します。

オスカーの操作早見表。AタイプとBタイプの確認、初期設定、リハビリ・背上げ・むれ対策、自動体位変換時の注意点を示す
オスカーの操作早見表。最初にA/Bタイプを確認し、初期設定後は場面に応じてリハビリ・背上げ・むれ対策などを使い分けます。

日常操作はリハビリ60分・背上げ120分を押さえる

日常のケアや離床で押さえておきたいのは、「リハビリ」と「背上げ」の使い分けです。リハビリはマットレスを安定させたい場面、背上げは食事や口腔ケアなどでベッドを背上げする場面に使用します。

※表は横にスクロールできます。

オスカーの主なアシストモード
場面 操作 時間・動作 主な目的
離床・移乗・ケア リハビリ 約60分で自動解除 マットレスを安定させる
食事・口腔ケア・処置 背上げ 約120分で自動解除 背上げ姿勢を支えやすくする
一時的に湿潤が強い場面 Aタイプ:強力除湿 約60分 連続送風でむれに対応する
寝床内のむれ Bタイプ:むれ対策 30分運転・15分停止 寝床内の湿った空気を換気する

リハビリモードは離床・移乗・ケア時に使う

リハビリモードは、エアマットレス特有のふわふわした不安定感を減らし、マットレスを安定させる機能です。端座位や移乗、リハビリだけでなく、おむつ交換や更衣など、安定した支持面が必要なケアにも使用できます。

体位変換を行っている状態でリハビリモードを選択すると、マットレスは上向きの状態へ移行します。端座位や移乗を始める直前ではなく、準備段階で切り替えておくと動作へ移りやすくなります。

リハビリモードは約60分で自動的に解除され、通常のマットレス状態へ戻ります。そのため、モードを使用した時刻を把握しておくと、長時間の訓練やケアでも状態を確認しやすくなります。

背上げモードはベッドを背上げするときに使う

食事、口腔ケア、処置などでベッドを背上げするときは「背上げ」を使用します。マットレスの安定性を高め、背上げ姿勢をサポートするとともに、背中にかかる負担を緩和するための背抜き動作が作動します。

背上げモードは約120分で自動的に解除されます。120分以上継続して背上げする場合は、取扱説明書に従って再度設定します。

背上げモード=ベッドを背上げする機能ではありません

「背上げ」は、電動ベッドの背上げに合わせてマットレス側を調整する機能です。ベッド自体の背上げ操作は別に行います。

むれ対策はAタイプとBタイプで操作が異なる

AタイプとBタイプでは、寝床内のむれに対応する操作が異なります。「むれ対策30分・15分」をすべてのオスカーに共通する操作として覚えず、リモコンタイプを確認してください。

Aタイプは強力除湿を使用する

Aタイプには「強力除湿」があります。入浴後や清拭後など、寝床内の湿潤が一時的に強くなった場面で使用し、約60分間連続して送風します。

Aタイプでは初期設定に「発汗」の項目もあります。日常的な身体状況としての発汗設定と、一時的な湿潤に対応する強力除湿を分けて考えると操作を整理しやすくなります。

Bタイプのむれ対策は30分運転・15分停止を繰り返す

Bタイプの「むれ対策」は、足元側から室温と同じ空気を送り、寝床内の湿った空気を換気する機能です。

30分送風した後に15分停止する断続運転を繰り返します。身体を冷やすための冷房機能や温度調整機能ではありません。

むれ対策を使用していても寝床内環境が改善しにくい場合は、室温や湿度、衣類、寝具なども併せて確認します。マットレスの機能だけで寝床内のむれを完全に除去するものではありません。

自動体位変換は背上げと同時に使わない

オスカーを使用するときの重要な安全上の注意は、ベッドを背上げした状態で自動体位変換を行わないことです。自動体位変換中にベッドを背上げすることも避けます。

背上げした状態で身体を傾けると、身体がずれたり、体位が崩れたりして、ベッドからの転落につながる危険があります。自動体位変換を使用するときは、ベッドの状態を確認してから操作します。

禁止する組み合わせ

背上げ中 × 自動体位変換は行いません。自動体位変換中にベッドを背上げすることも避けます。

オスカーの自動体位変換では、ポジショニングセルを使用して身体を傾けます。利用者の状態に応じて体位変換の条件を設定できますが、角度や保持時間などを変更する場合は、マニュアルモードの内容を確認してから操作してください。

背上げ・体位変換後は人の手による背抜き・圧抜きも行う

オスカーの背抜き・圧抜き動作だけで、人の手による背抜き・圧抜きが不要になるわけではありません。メーカーも、アシストモードによる動作は背中にかかる苦しさを緩和するもので、完全に取り除くものではないと説明しています。

ベッドを背上げした後や体位変換後は、身体とマットレスの間に生じたずれ、衣類の突っ張り、皮膚への負担などを確認し、必要な背抜き・圧抜きを行います。

リハビリで端座位や移乗へ進む場合も、リハビリモードへ切り替えるだけで完結させず、骨盤位置、衣類のしわ、仙骨部周囲のずれ、点滴やカテーテルなどのライン類も確認します。

マニュアルモードは標準設定で対応しにくいときに検討する

マニュアルモードは、標準的な設定では利用者の状態に合わない場合に検討します。かたさ、除圧動作、体位変換などを調整できますが、初回から細かな設定変更を行う必要はありません。

Aタイプでは身体状況に合わせた初期設定、Bタイプではかんたん設定を基本とし、そのうえで必要な項目だけを調整します。

※表は横にスクロールできます。

マニュアルモードを確認する場面
状況 確認する設定 確認したいこと
エアセルの動きが気になる 除圧動作など 不快感や睡眠への影響
支持面を調整したい かたさ 体圧分散と安定性
体位変換を調整したい 体位・体位変換動作など 体位保持と安全性

マニュアルモードには、ベッドを背上げして使用しない設定もあります。特に「超ソフト」や「除圧重視」などを使用する場合は、取扱説明書の注意事項を確認してください。

設置時は電源・マットレス・寝具の状態を確認する

オスカーを設置したら、電源を入れて初期設定を行い、マットレスが正常に作動していることを確認してから使用します。

  1. マットレスと専用ポンプを正しく設置する
  2. 電源プラグをコンセントへ接続する
  3. リモコンの電源を入れる
  4. AタイプまたはBタイプに応じた初期設定を行う
  5. マットレスが正常に作動していることを確認する
  6. シーツや寝具が機能を妨げていないか確認する

むれ対策を使用する場合は、足元側から送られる空気が寝床内へ届くよう、シーツや寝具の状態も確認します。寝具を重ねすぎたり、送風を妨げたりすると、本来の機能を十分に生かせない可能性があります。

注意表示・停電時は無理に設定を変更せず取扱説明書を確認する

警告や異常が疑われる場合は、無理に設定変更を繰り返さず、リモコンの表示と取扱説明書を確認します。日常的には、リモコン、電源コード、ポンプ、マットレス、送風部などに異常がないか確認しておくことが重要です。

ハイブリッドタイプでは、停電などでエアマットレスの空気が抜けた場合にも、フィッティング層と底づき防止層によって支持する構造になっています。また、メーカーは停電復旧後に停電前の設定条件へ戻る仕様を示しています。

ただし、停電中の患者状態、使用しているオスカーのタイプ、施設設備によって必要な対応は異なります。施設の停電対応手順と、使用中の製品に付属する取扱説明書を優先してください。

記録するなら「タイプ・設定・使用場面・所見」を残す

オスカーの記録では、どのリモコンタイプで、どの設定を、何のために使用したのかが分かるようにします。操作項目をすべて記録する必要はなく、患者ケアや多職種間の設定共有に必要な情報を残します。

たとえば、離床時にリハビリモードを使用した場合は、モード名だけでなく、端座位や移乗時の安定性も確認します。背上げでは使用目的やずれの有無、体位変換では設定と安全上の問題がなかったかを記録すると、次の担当者が判断しやすくなります。

【支持面】オスカー
【リモコン】Aタイプ/Bタイプ
【基本設定】____
【使用モード】リハビリ/背上げ/むれ対策等
【使用場面】端座位/移乗/食事/口腔ケア/体位変換等
【所見】安定性__/ずれ__/皮膚__/不快感__
【対応】継続/設定変更/取扱説明書確認/相談

オスカー固有の操作として「48〜72時間後に必ず再評価する」といった固定時間を設定するのではなく、皮膚所見、体位変換時の安全性、離床のしやすさ、睡眠、不快感など、患者状態や設定変更の必要性に応じて確認します。

オスカーは本体タイプとリモコンタイプを分けて考える

オスカーには本体のタイプとリモコンのA/Bタイプがあるため、両者を混同しないことが重要です。メーカーの取扱説明書では、オスカーにハイブリッドタイプとコンパクト収納タイプがあり、それぞれの製品情報が案内されています。

一方、本記事で扱っているAタイプ・Bタイプはリモコン操作の違いです。「Aタイプ=ハイブリッド」「Bタイプ=コンパクト収納」という対応ではありません。

製品選定では、オスカーの操作方法だけでなく、患者の身体状況、離床頻度、体位変換の必要性、ベッドとの適合、支持面に求める機能などを含めて判断します。

オスカーの使い方でよくある質問

オスカーのAタイプとBタイプはどこで見分けますか?

使用しているリモコンを確認します。Aタイプは身体状況を項目ごとに設定する構成で、Bタイプには「標準」「船酔い対策」「ひざ下げ固定」のかんたん設定があります。A/Bはハイブリッドタイプ/コンパクト収納タイプの区別ではありません。

リハビリモードは何分使えますか?

約60分で通常のマットレス状態へ戻ります。リハビリ、端座位、移乗、おむつ交換、更衣など、マットレスを安定させたい場面で使用します。

背上げモードは何分で解除されますか?

約120分で自動解除されます。120分以上継続して背上げする場合は、使用している製品の取扱説明書に従って再設定してください。

AタイプとBタイプのむれ対策は同じですか?

操作が異なります。Aタイプには「強力除湿」があり、Bタイプの「むれ対策」は30分運転・15分停止を繰り返します。身体を冷やすための冷房機能ではありません。

背上げしたまま自動体位変換できますか?

行いません。背上げした状態で自動体位変換を使用すると転落につながる危険があります。自動体位変換中にベッドを背上げすることも避けてください。

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参考文献

  1. 株式会社モルテン. エアマットレス オスカー[Internet]. 株式会社モルテン 健康用品事業本部. 製品情報
  2. 株式会社モルテン. 体位変換付き高機能エアマットレス オスカー ハイブリッドタイプ 取扱説明書[Internet]. 取扱説明書
  3. 株式会社モルテン. オスカー 簡単操作マニュアル Aタイプ[Internet]. 簡単操作マニュアル A
  4. 株式会社モルテン. オスカー 簡単操作マニュアル Bタイプ[Internet]. 簡単操作マニュアル B
  5. 株式会社モルテン. 取扱説明書ダウンロード 販売中の製品[Internet]. 取扱説明書ダウンロード

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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