ベースアップ評価料で派遣職員はどう扱う?確認項目と注意点

制度・実務
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ベースアップ評価料の派遣職員は「対象条件」と「派遣元への確認」を分けて整理します

ベースアップ評価料で派遣職員を扱うときは、派遣職員を一律に含めるのではなく、対象条件と派遣元から受け取る情報を分けて確認することが重要です。この記事では、制度全体ではなく、派遣職員を中間報告書・実績報告書へ反映するときの実務ポイントに絞って整理します。

関連:ベースアップ評価料の中間報告書2026|提出時期・必要項目・注意点

派遣職員の扱いは「区分計算」と「報告書反映」を分けて考える

派遣職員の扱いで最初に確認したいのは、区分計算に含める場面と、報告書に賃金改善実績として反映する場面を分けることです。

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)や訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)の区分計算では、通知上、当該派遣職員も対象職員に含めて計算する整理があります。一方で、報告書では、ベースアップ評価料を用いて当該派遣職員の賃金改善を実施した場合に、中間報告書・実績報告書へ含めて作成します。

ベースアップ評価料における派遣職員の扱いを対象条件、派遣元への確認、報告書反映の3ステップで整理した図版
派遣職員は「対象条件の確認 → 派遣元への確認 → 報告書への反映」の順で整理すると、派遣料と賃金改善額を混同しにくくなります。

実務では、「派遣職員だから入れる」ではなく、どの評価料の計算か実際に賃金改善を行ったか派遣元から必要情報を受け取れるかの順で確認すると整理しやすくなります。

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派遣職員を含めるか判断するときの基本整理
場面 確認すること 実務の考え方
区分計算 評価料(Ⅱ)等の対象か 通知で示された区分では派遣職員も対象職員に含めて計算する
中間報告書 派遣職員の賃金改善を実施したか 実施した場合は当該派遣職員を含めて作成・提出する
実績報告書 派遣職員の賃金改善を実施したか 実施した場合は当該派遣職員を含めて作成・提出する

派遣元への支払額をそのまま月額賃金として書いてはいけない

派遣職員で特に注意したいのは、派遣元へ支払う費用を、そのまま月額賃金として記載できない点です。

医療機関が派遣会社へ支払う金額には、実際の賃金以外の要素が含まれる可能性があります。そのため、月額賃金総額の算出では、原則として派遣元から派遣職員の賃金に関する情報提供を受ける必要があります。

現場では、派遣料、請求額、契約額、賃金改善額が混ざりやすいです。提出前には、報告書に使う数字が「派遣元への支払額」なのか、「実際の賃金改善に関する情報」なのかを必ず分けて確認します。

派遣元に確認する情報は先に一覧化しておく

派遣職員を報告書に反映する場合は、院内資料だけで完結しないため、派遣元への確認項目を先に決めておくことが重要です。

通知上も、報告書作成に当たっては派遣元と相談し、実際の賃金改善額など、記載に必要な情報提供を受ける整理になります。期限直前に確認すると、必要な数字がそろわず、報告書作成が止まりやすくなります。

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派遣元に確認したい情報
確認項目 必要な理由 注意点
実際の賃金改善額 報告書へ反映するため 派遣料ではなく、賃金改善額として確認する
月額賃金総額の算出に必要な情報 区分計算の前提をそろえるため 派遣元への支払額で代用しない
対象となる派遣職員の範囲 誰を含めるか判断するため 一律ではなく、評価料と賃金改善の条件で確認する

中間報告書と実績報告書の両方で確認する

ベースアップ評価料を用いて派遣職員の賃金改善を実施した場合は、中間報告書と実績報告書の両方で扱いを確認します。

中間報告書は年度途中の賃金改善の進捗を確認する書類、実績報告書は前年度の賃金改善結果を確認する書類です。派遣職員を含める場合も、この役割に沿って整理します。

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派遣職員の情報を反映する報告書
書類 見る内容 確認ポイント
賃金改善中間報告書 年度途中の進捗 派遣職員の賃金改善を実施しているか
賃金改善実績報告書 前年度全体の実績 実際の賃金改善額を反映できているか

よくある失敗は「派遣料」と「賃金改善額」の混同です

派遣職員の扱いで最も起こりやすい失敗は、派遣元への支払額をそのまま賃金改善の数字として扱ってしまうことです。

実際の現場では、報告書作成の担当者だけでなく、事務、経理、派遣元との確認が必要になります。そのため、確認順序を決めずに進めると、誰に何を確認すればよいか分からなくなりやすいです。

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派遣職員の扱いで止まりやすいポイント
詰まりどころ 問題点 対応
派遣料をそのまま使う 月額賃金総額と支払額が混ざる 派遣元から賃金に関する情報を確認する
派遣元への確認が遅い 報告期限前に数字がそろわない 依頼項目を先に一覧化する
片方の報告書だけを見る 中間報告書と実績報告書の役割が混ざる 両方の書類で扱いを確認する
対象条件を確認しない 含めるべき範囲が曖昧になる 評価料区分と賃金改善実施の有無を確認する

提出前チェックは6項目で確認する

提出前は、細かい文章表現よりも、対象確認から報告書反映までの流れがつながっているかを確認します。

とくに、派遣元から受け取った情報と、報告書に記載する数字が一致しているかが重要です。院内で分かる情報と、派遣元に確認しないと分からない情報を分けておくと、確認漏れを減らせます。

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派遣職員を扱うときの提出前チェック
順番 確認項目 見るポイント
1 対象条件 該当する評価料区分か、賃金改善を実施したか
2 派遣元への依頼 必要な情報項目を共有したか
3 賃金情報の受領 実際の賃金改善額などを確認したか
4 月額賃金総額 派遣元への支払額で代用していないか
5 報告書への反映 中間報告書と実績報告書の両方を確認したか
6 根拠資料 派遣元から受け取った情報と記載内容が一致しているか

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

ベースアップ評価料では派遣職員を必ず含めますか?

必ずではありません。評価料の区分計算で対象職員に含める場面と、実際にベースアップ評価料を用いて派遣職員の賃金改善を実施した場合に報告書へ含める場面を分けて確認します。

派遣元への支払額を月額賃金として記載できますか?

できません。月額賃金総額の算出では、原則として派遣元から賃金に関する情報提供を受け、派遣元へ支払う費用をそのまま月額賃金として記載しない整理です。

派遣元には何を確認すればよいですか?

実際の賃金改善額、月額賃金総額の算出に必要な情報、対象となる派遣職員の範囲を確認します。報告期限前に慌てないよう、依頼項目を先に一覧化しておくと安全です。

中間報告書だけに含めればよいですか?

いいえ。派遣職員の賃金改善を実施した場合は、中間報告書と実績報告書の両方で扱いを確認します。

この記事の次に読むならどの記事ですか?

まず中間報告書の記事で年度途中の確認を整理し、その後に実績報告書の記事で年度全体の結果への反映を確認すると、流れがつかみやすくなります。

次の一手

まずは、派遣職員を含める条件と、派遣元へ確認する情報を1枚に整理してください。そのうえで、報告書へ反映する前に、派遣元への支払額をそのまま月額賃金として扱っていないかを確認します。

続けて読むなら、ベースアップ評価料の中間報告書2026|提出時期・必要項目・注意点で年度途中の確認を整理し、ベースアップ評価料の実績報告書2026|提出時期・注意点で年度結果への反映を確認してください。


参考文献

  1. 厚生労働省. 疑義解釈資料の送付について(その1). 令和8年3月23日. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001678310.pdf
  2. 厚生労働省. 疑義解釈資料の送付について. 令和8年4月1日. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001685126.pdf
  3. 厚生労働省. ベースアップ評価料等について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html

著者情報

rehabilikun のプロフィール画像

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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