A308-3 は「転棟後の扱い」と「病棟単位の届出」を先に固定すると迷いません
A308-3 で迷いやすいのは、 30 点 や 14 日上限 そのものより、転棟後も続けて算定できるのか、病棟ごとに別区分で届け出てよいのか、混在病棟で管理栄養士を何名置くのかが見えにくいことです。地域包括ケア病棟の A308-3 は、A233 や A304 と同じ感覚で扱うと、算定と運用の両方で認識差が出やすくなります。
本記事では、A308-3 の算定要件を 2026 年改定ベース で整理しつつ、転棟後の継続算定、病棟ごとの届出、混在病棟の管理栄養士配置まで、地域包括ケア病棟で止まりやすい実務論点に絞って解説します。全体比較を先に見たい場合は親記事へ、本記事では A308-3 単独の運用を短時間で確認できる形にまとめます。
制度変更が続く時期は、働き方の整理も一緒に進めると迷いが減ります
加算対応、届出、記録の見直しが重なる時期ほど、「今の職場で何を優先するか」を整理しておくと負担感が下がります。制度対応とあわせて、キャリア全体の動き方も見直したい方は総合ガイドをどうぞ。
PT のキャリア総合ガイドを見る
A308-3 とは?地域包括ケア病棟で新設された 30 点の位置づけ
A308-3 は、地域包括ケア病棟において、リハビリテーション、栄養管理、口腔管理を一体的に進める取組を評価するために新設された加算です。点数は 30 点 で、計画作成日から起算して 14 日を限度に算定します。まずは「地域包括ケア病棟向けの新設加算」であり、A233 や A304 と似て見えても、対象病棟と要件の置き方が異なると押さえると整理しやすくなります。
実務では、名称よりも「どの病棟で」「いつから」「何日まで」「転棟後はどう扱うか」を先に固定した方が迷いません。全体像を比較で確認したい場合は親記事に戻り、本記事では A308-3 単独の運用差に絞って読み進めると理解しやすくなります。
A308-3 の算定要件【2026】
A308-3 の要件は、管理栄養士、医師、疾患別リハの早期実施、休日リハの提供状況、褥瘡割合などで整理されます。ここで大事なのは、A233 / A304 と似た枠組みでも、A308-3 は地域包括ケア病棟向けの新設区分として見ることです。
また、A233 / A304 と違って、A308-3 では ADL 低下割合要件が置かれていない点も特徴です。比較のために全部を覚えるより、「A308-3 は何が必要で、何が要らないか」を分けて確認した方が実務では使いやすくなります。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 項目 | 要件の要点 | 実務メモ |
|---|---|---|
| 点数 | 30 点 | 地域包括ケア病棟向けの新設加算です |
| 算定期間 | 計画作成日から起算して 14 日を限度 | 開始日と終了日の管理を先にそろえます |
| 管理栄養士 | 専任の常勤管理栄養士 1 名以上 | 混在病棟の扱いは後述します |
| 医師 | 経験・件数要件を満たす常勤医師 1 名以上 | 施設基準の根拠資料を確認します |
| 早期リハ | 入棟後 3 日目までの疾患別リハ実施患者割合が 6 割以上 | 対象患者の抽出条件を院内で統一します |
| 休日リハ | 土日祝の提供単位数が平日の 7 割以上 | 単位集計の方法を先にそろえるとズレにくいです |
| 褥瘡割合 | 院内褥瘡割合が 2.5 %未満 | 算出方法を他部門と共有しておくと安全です |
| ADL 低下割合 | 要件なし | A233 / A304 との違いとして覚えると整理しやすいです |
転棟後は継続算定できる?
ここが A308-3 で最も誤解されやすいポイントです。A233 や A304 を算定する病棟から、A308-3 を算定する地域包括ケア病棟へ転棟した場合、転棟後の病棟では、 14 日以内でも継続して算定できません。つまり、「まだ 14 日残っているから続けられる」という考え方はできません。
一方で、 ADL ・栄養状態・口腔状態の評価と、それに基づく計画は引き継いで差し支えないと整理されています。現場で混乱しやすいのは、算定可否と評価・計画の引継ぎ可否を同じ話として扱ってしまうことです。図版のように「継続算定は NG、評価・計画の引継ぎは OK」と分けて覚えると、申し送りや院内説明がかなり楽になります。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 論点 | 扱い | 実務メモ |
|---|---|---|
| A233 / A304 病棟から A308-3 病棟へ転棟 | 継続算定不可 | 14 日以内でも転棟後病棟では算定できません |
| ADL ・栄養・口腔の評価 | 引継ぎ可 | 評価結果は転棟後病棟で活用できます |
| 評価に基づく計画 | 引継ぎ可 | 計画を踏まえて再整理すると運用しやすくなります |
病棟ごとの届出と混在病棟の考え方
A308-3 では、連携加算を病棟ごとに異なる区分で届け出ることが可能です。ここを一括で考えてしまうと、「病院全体でどれか 1 つにそろえないといけないのでは」と誤解しやすくなります。実務では、まず病棟単位でどの区分を算定するかを切り分け、そのうえで必要な体制と資料をそろえる流れが分かりやすいです。
また、A233 の病室と A308-3 の病室が混在する 1 病棟では、専任の常勤管理栄養士は 1 名の配置で差し支えないと整理されています。「混在しているから 2 名必要」と早合点しやすい部分なので、ここは施設基準の読み違いを防ぐポイントとして先に共有しておくと安心です。関連:制度全体の整理は施設基準ハブで確認できます。
よくある失敗
よくある失敗の 1 つ目は、A308-3 を A233 / A304 と同じ感覚で見てしまうことです。似た名称でも、対象病棟、要件、転棟後の扱いに差があります。とくに「A308-3 は地域包括ケア病棟向けの新設区分」という前提が抜けると、比較があいまいになりやすくなります。
2 つ目は、転棟後も 14 日以内なら継続算定できると考えてしまうことです。3 つ目は、混在病棟だから管理栄養士が 2 名必要だと思い込むことです。どちらも、公式資料では整理が出ているので、算定可否と体制要件を分けて確認するだけでかなり防げます。
現場の詰まりどころ
現場で詰まりやすいのは、「算定できるか」と「評価・計画を引き継げるか」を一緒に考えてしまうことです。算定の話なのか、計画の継続運用の話なのかが混ざると、転棟時の申し送りや記録の書き方まで曖昧になりやすくなります。
このズレを減らすには、転棟時に算定、評価、計画を分けて確認する型を持つのが有効です。本記事の図版と表は、その確認順をそろえるための土台として使えます。全体比較を見直したいときは、親記事に戻ると整理しやすくなります。
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
A308-3 は何点で何日まで算定できますか?
A308-3 は 30 点 で、計画作成日から起算して 14 日を限度に算定します。地域包括ケア病棟向けの新設加算として整理すると分かりやすいです。
転棟後も 14 日以内なら継続算定できますか?
できません。A233 や A304 を算定する病棟から A308-3 を算定する病棟へ転棟した場合、転棟後病棟では 14 日以内でも継続算定できません。
病棟ごとに別区分で届け出てよいですか?
はい。連携加算は病棟ごとに異なる区分で届け出ることができます。病院全体で 1 区分に固定する必要はありません。
A233 と A308-3 が混在する病棟では管理栄養士は何名必要ですか?
疑義解釈では、A233 の病室と A308-3 の病室が混在する 1 病棟では、専任の常勤管理栄養士は 1 名の配置で差し支えないと整理されています。
次の一手
まず A233 / A304 / A308-3 の全体比較に戻って整理したいときは、リハ・栄養・口腔連携加算【2026】の親記事が向いています。区分全体の違いを俯瞰しやすいからです。
次に、制度横断で届出や体制要件も確認したい場合は、施設基準ハブへ進むと流れがつながります。回復期側の疑義解釈まで見ておきたい場合は、回復期リハ病棟の疑義解釈 2026もあわせて確認しておくと、病棟間の制度差が整理しやすくなります。
参考資料
- 厚生労働省. 令和 8 年度診療報酬改定の概要【入院(その 3 )】. PDF
- 厚生労働省疑義解釈資料(その 2 )掲載 PDF. 日本作業療法士協会. PDF
- rehabilikun blog. リハ・栄養・口腔連携加算【2026】48 時間・ 14 日を整理
- rehabilikun blog. 施設基準ハブ| PT が関わる要件・記録・委員会を最短で整理
- rehabilikun blog. 回復期リハ病棟の疑義解釈 2026| FIM 研修・重症割合・届出
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

