標準的算定日数とは?疾患別リハの見方と 13 単位

制度・実務
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標準的算定日数は「打ち切り日」ではなく、区分・起算日・継続条件をそろえるための基準です

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標準的算定日数は、疾患別リハビリテーション料で「いつまで所定点数を算定するのか」を考えるときの基本線です。ただし、現場で大事なのは日数だけを見ることではありません。どの区分か起算日はどこか 1 日何単位までか日数を超えた後はどのルートで継続するのかをセットで確認して、初めて運用が安定します。

この記事では、標準的算定日数の意味、疾患別リハ 5 区分の日数と起算日、 1 日 6 / 9 単位、標準日数超え後の考え方、 1 月 13 単位の見方までを総論として整理します。まず区分全体を確認したい場合は、疾患別リハビリテーション料の総論記事から先に見るとつながりやすいです。

標準的算定日数とは

標準的算定日数は、各疾患別リハビリテーション料の注 1 本文に規定されている日数です。実務では「この日数までは通常の所定点数で算定する基本線」と理解すると整理しやすいです。

標準的算定日数の見方 3 ステップを整理した図版
標準的算定日数は「区分」「起算日」「超えた後のルート」の順で整理すると迷いにくくなります。

ただし、標準的算定日数は単純な終了日ではありません。通知上は、日数を超えても治療継続により状態の改善が期待できると医学的に判断される場合などには所定点数を継続できる整理があり、さらに区分によっては 1 月 13 単位に限る継続算定のルートもあります。つまり、現場では「標準日数を超えた = 一律終了」ではなく、継続の根拠と算定ルートを分けて考えることが大切です。

5 区分の標準的算定日数と起算日

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疾患別リハビリテーション料 5 区分の標準的算定日数
区分 起算の考え方 標準的算定日数 メモ
H000 心大血管 治療開始日 150 日 心機能回復や再発予防のリハが中心
H001 脳血管疾患等 発症・手術・急性増悪・最初に診断された日 180 日 脳卒中、高次脳機能障害など
H001-2 廃用症候群 診断または急性増悪 120 日 急性疾患等に伴う安静による機能低下
H002 運動器 発症・手術・急性増悪・最初に診断された日 150 日 骨折、関節疾患、術後など
H003 呼吸器 治療開始日 90 日 呼吸機能低下、術後の呼吸訓練、 COPD など

この表で特に混ざりやすいのは、脳血管疾患等リハと運動器リハは「発症・手術・急性増悪・最初に診断された日」心大血管と呼吸器は「治療開始日」廃用症候群は「診断または急性増悪」が起算の中心になる点です。同じ「 150 日」でも、何を起点に数えるのかが違うと、日数台帳がずれやすくなります。

1 日 6 単位 / 9 単位の考え方

疾患別リハビリテーション料は、通則 4 で患者の疾患等を勘案し、最も適当な区分 1 つに限り算定し、この場合患者 1 人につき 1 日 6 単位、別に厚生労働大臣が定める患者では 1 日 9 単位までとされています。

ここで大事なのは、複数区分を並べて別々に上限まで算定できるわけではないことです。たとえば脳血管疾患と運動器疾患を併せ持つ患者でも、まずはその日の主たる区分を決め、日単位上限は 6 / 9 単位の中で運用する考え方になります。人によって「区分が 2 つあるから単位も 2 倍」と誤解しやすい部分なので、先に固定しておくとぶれにくいです。

標準的算定日数を超えた後の考え方

標準的算定日数を超えた後は、大きく 2 つの見方があります。 1 つは、通知で定める患者や場合に該当し、所定点数のまま継続算定するルートです。もう 1 つは、各区分の注 6・注 7 に基づき、 1 月 13 単位に限る継続算定を行うルートです。

つまり、実務ではまず注 1 ただし書きに該当してフルで継続できるかを確認し、その次に 13 単位 / 月の限定算定にあたるかを見ます。ここを逆に考えると、「標準日数を超えたから一律で 13 単位」と整理してしまいがちなので注意が必要です。

1 月 13 単位の見方

1 月 13 単位の扱いは、区分ごとに少し違います。心大血管と呼吸器では、必要があってそれぞれの標準的算定日数を超えてリハを行った場合、 1 月 13 単位に限り算定する規定です。

一方、脳血管疾患等、廃用症候群、運動器では、要介護被保険者等以外に対する注 6 と、入院中の要介護被保険者等に対する注 7 が分かれています。前者は 1 月 13 単位に限る継続算定、後者は 1 月 13 単位に限り低い点数体系で算定する整理です。ここは「日数超え後の患者背景」で分岐するため、要介護認定の有無と入院 / 外来を混ぜないことが大切です。

計画書・説明・記録の基本

疾患別リハを実施する場合、医師は定期的な機能検査等をもとに効果判定を行い、リハビリテーション実施計画書を開始後原則 7 日以内、遅くとも 14 日以内に作成する必要があります。また、計画書の作成時と、その後は原則 3 か月に 1 回以上、患者または家族等へ説明し、その写しを診療録に添付します。

標準的算定日数を超えて継続する場合は、さらに記録が重要です。継続することとなった日を診療録に残し、状態変化、今後の計画、改善の見込み、指標を用いた継続理由を示していく必要があります。日数台帳だけでなく、継続の根拠が本文と計画書でつながっているかまで見ておくと、後から確認しやすくなります。

現場の詰まりどころ

標準的算定日数の運用で詰まりやすいのは、起算日の取り違え 6 / 9 単位の誤解標準日数超え後のルート判断の 3 点です。特に転院患者では、入院日なのか、転院前の起算を引き継ぐのか、発症日や手術日を見るのかが混ざりやすくなります。

もうひとつ多いのが、「標準的算定日数を超えたから 13 単位」と短絡することです。実際には、まずフル継続の条件を確認し、そのうえで注 6・注 7 の限定算定を見る順番が安全です。制度の条文をそのまま読むだけでなく、院内で起算日・上限・継続ルートの確認順を共通化しておくと、人が変わってもぶれにくくなります。

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

標準的算定日数を超えたら必ず終了ですか?

一律終了ではありません。通知で定める患者や場合に該当すれば、所定点数のまま継続できるルートがあります。さらに、区分によっては 1 月 13 単位に限る継続算定の規定もあります。

複数の疾患別リハ区分を同じ日に並べて上限まで算定できますか?

できません。疾患別リハは、患者の疾患等を勘案して最も適当な区分 1 つに限り算定し、この場合の上限は患者 1 人につき 1 日 6 単位、対象患者は 9 単位です。

13 単位 / 月はすべての区分で同じ考え方ですか?

同じではありません。心大血管と呼吸器は注 6 で 1 月 13 単位、脳血管疾患等・廃用症候群・運動器は要介護被保険者等かどうか、入院中かどうかで注 6 / 注 7 の扱いが分かれます。

計画書はいつまでに作ればよいですか?

リハビリテーション実施計画書は、開始後原則 7 日以内、遅くとも 14 日以内の作成が必要です。作成時とその後は原則 3 か月に 1 回以上、患者または家族等に説明し、その写しを診療録に添付します。

次の一手

まず区分全体を整理したい方へ:
疾患別リハビリテーション料とは? 5 区分・日数・単位

計画書の算定と説明ルールまでつなげたい方へ:
リハ総合計画評価料 1・ 2 の違い【 2026 】転院・再発も整理

改定全体の位置づけを確認したい方へ:
令和 8 年 改定リハ領域ハブ|全体像と読む順番


参考文献

  1. 厚生労働省.別表第一 医科診療報酬点数表(令和 8 年 6 月 1 日適用).第 7 部 リハビリテーション 通則 4、 H000 心大血管疾患リハビリテーション料、 H001 脳血管疾患等リハビリテーション料、 H001-2 廃用症候群リハビリテーション料、 H002 運動器リハビリテーション料、 H003 呼吸器リハビリテーション料.PDF
  2. 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和 8 年 6 月 1 日適用).第 7 部 リハビリテーション.PDF
  3. 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定について.改定通知・疑義解釈・施設基準等の総合ページ.公式ページ

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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