理学療法士の生涯学習制度は2026・2027年度に段階的に変わります
理学療法士の生涯学習制度は、2025年から2027年にかけて段階的に見直されています。2026年9月時点では、登録理学療法士の活動期間変更・更新時研修の無料化などはすでに適用済みで、次の大きな境界日は2027年4月1日です。
この記事では、日本理学療法士協会の公式情報をもとに、「何が変わったか」ではなく「いつから・誰に関係するか」を軸に整理します。前期・後期研修、登録理学療法士、認定・専門理学療法士のうち、自分に必要な変更だけ確認してください。
2026年9月時点のポイント:2026年度の変更はすでに適用されています。2027年4月からは、登録理学療法士の更新未完了者への猶予措置、認定・専門理学療法士の更新要件、前期・後期研修の一部eラーニング講義内容が変わります。
生涯学習制度の見直し|2025〜2029年度の適用日
今回の見直しは、すべてが同じ日に変わったわけではありません。2025年4月、2025年9月、2026年4月、2027年4月の4つの適用時期に分けると整理しやすくなります。さらに、日本理学療法士協会は2029年度に生涯学習制度の抜本的な改定を予定しています。

| 適用時期 | 対象 | 主な変更 | 2026年9月時点 |
|---|---|---|---|
| 2025年4月1日 | 後期研修 | E領域別研修(事例)の症例検討会で、日本理学療法士協会を主催団体に追加 | 適用済み |
| 2025年9月1日以降 | 登録PT更新 認定・専門PT更新 |
対象となる研修・活動を拡大。同一カリキュラムコードでは高いポイントへの上書きを可能に | 適用済み |
| 2026年4月1日 | 登録PT更新 認定・専門PT更新 |
活動期間、更新時研修、更新延長要件などを変更。認定・専門PT更新で認められる活動も拡大 | 適用済み |
| 2027年4月1日 | 前期・後期研修 登録PT更新 認定・専門PT更新 |
eラーニング講義内容、登録PTの猶予措置、認定・専門PTの更新要件を見直し | 今後適用 |
| 2029年度 | 生涯学習制度全体 | 抜本的な制度改定を予定 | 詳細は今後の公式発表を確認 |
登録理学療法士|2026年4月からすでに変わったこと
登録理学療法士の更新では、2026年4月1日から活動期間、カリキュラムコード、更新時研修、更新延長要件が見直されています。2026年度以降に更新する場合は、以前の運用だけで判断しないことが重要です。
| 項目 | 変更内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| カリキュラムコード | 14コードを追加し、全184コードへ拡大 | 受講予定の研修がどのコードに該当するか確認する |
| 活動期間 | 取得日から更新年度の3月31日までへ変更 | 従来の12月31日までという認識で判断しない |
| 更新時研修 | eラーニング受講料を無料化 | 更新年度の受講状況をマイページで確認する |
| 更新延長 | ケガ・病気、育児、介護、海外留学・赴任などの要件を具体化 | 延長が必要な場合は、該当要件と申請条件を公式情報で確認する |
特に実務上わかりやすい変更は、活動期間が更新年度の3月31日までになった点です。3月31日までに更新要件を満たしていれば、自動更新の対象になります。更新年度に入ったら、以前の「12月末まで」という期限感覚ではなく、現在のルールで残りの要件を確認してください。
登録理学療法士|2027年4月から猶予措置が変わります
2027年4月1日からは、登録理学療法士の更新未完了者に対する猶予措置が見直されます。日本理学療法士協会は、2029年度の制度改定まで登録理学療法士を失効しない仕組みとし、猶予期間中に更新する場合の追加要件を設定しています。
| 更新年 | 追加要件 | 対象となる参加 |
|---|---|---|
| 6年目 | 下記のうち1つ以上への参加 | 日本理学療法学術研修大会、ブロックの学術大会・学術集会、都道府県理学療法士学会・学術集会 |
| 7年目 | 下記のうち2つ以上への参加 |
ここで重要なのは、「更新できなくても何もしなくてよい」という制度ではないことです。猶予期間中に更新するには追加要件があります。更新不足が見えている場合は、有効期限を過ぎてから確認するのではなく、マイページと公式の更新要件を早めに照合してください。
認定・専門理学療法士|2026年と2027年の変更を分けて確認します
認定理学療法士と専門理学療法士は、2026年にも更新対象となる活動が拡大していますが、2027年4月からの要件①は両資格で扱いが異なります。「認定も専門も同じ変更」と覚えないことが重要です。
2026年4月からは更新に認められる活動が拡大
2026年4月から、認定・専門理学療法士の更新では、論文投稿、学会発表、研修会の講師、症例検討会の座長、論文査読などについて、対象となる活動の範囲が拡大しています。
更新に使う実績がある場合は、「以前は対象外だった」と自己判断せず、現在の点数基準と活動日を確認してください。対象となる学術雑誌、学術大会、研修会等には条件があるため、個別の点数は日本理学療法士協会の最新基準で確認する必要があります。
2027年4月からは要件①・③が変わる
| 区分 | 要件① | 要件③(更新時研修) |
|---|---|---|
| 認定理学療法士 | 「学術雑誌への論文投稿」または「学会での筆頭演者としての発表」を必須要件から削除 | 分野別研修3コマへ変更 |
| 専門理学療法士 | 従来の論文投稿・筆頭演者としての発表に加え、学会での講演講師・シンポジスト・パネリストを対象に追加 | 分野別研修3コマへ変更 |
認定理学療法士では、2027年4月1日以降の更新申請分から、論文投稿または学会での筆頭演者としての発表が必須ではなくなります。一方、専門理学療法士は要件①そのものがなくなるわけではありません。
認定理学療法士の取得・更新全体を確認したい場合は、認定理学療法士の取り方・更新要件で通常の更新設計を確認してください。
前期・後期研修|2027年は講義内容が変わりますが履修要件は変わりません
前期研修・後期研修では、2027年4月1日から一部eラーニングの講義内容が見直されますが、履修要件・カリキュラムそのものに変更はありません。ここは「制度が全面的に変わる」と誤解しやすいポイントです。
区別して確認:2027年4月に変わるのは一部eラーニングの講義内容です。前期研修・後期研修の履修要件やカリキュラムが新制度へ切り替わるわけではありません。
すでに対象eラーニングへ申し込んでいる場合も、2027年4月に動画内容が差し替えられる予定です。実際の履修方法を確認したい場合は、前期研修の進め方または後期研修の進め方を確認してください。
なお、後期研修ではこれとは別に、2025年4月1日からE領域別研修(事例)の症例検討会について、日本理学療法士協会が主催団体として追加されています。
自分に関係する変更だけ確認する方法
制度の変更点をすべて覚える必要はありません。まず自分が今どの段階にいるかを決め、その区分の適用日だけ確認すると迷いにくくなります。
| 現在の状況 | 主に確認する時期 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 前期研修を履修中 | 2027年4月 | 一部eラーニング講義内容の変更。履修要件・カリキュラムは変更なし |
| 後期研修を履修中 | 2025年4月 2027年4月 |
症例検討会の主催団体追加と、一部eラーニング講義内容の変更 |
| 登録理学療法士を更新する | 2025年9月 2026年4月 2027年4月 |
ポイント取得方法、活動期間、更新時研修、延長・猶予措置 |
| 認定理学療法士を更新する | 2025年9月 2026年4月 2027年4月 |
対象活動の拡大、要件①の必須要件削除、更新時研修変更 |
| 専門理学療法士を更新する | 2025年9月 2026年4月 2027年4月 |
対象活動の拡大、要件①の対象追加、更新時研修変更 |
更新予定が近い場合は、この記事だけで要件を確定せず、自分のマイページ上の履修・ポイント状況と、日本理学療法士協会の最新ページを照合してください。制度改定記事は変更の全体像をつかむために使い、最終的な更新可否は公式情報で確認するのが安全です。
2029年度は抜本改定予定|現時点では詳細を決めつけない
日本理学療法士協会は、2029年度に生涯学習制度を抜本的に改定する予定としています。2026年度・2027年度の見直しも、この2029年度改定を見据えたものと位置づけられています。
一方で、2026年9月時点で公表されている情報だけでは、2029年度以降の制度全体を確定的に説明することはできません。今後、新しい取得経路や更新要件などが正式に示された場合は、現在の制度と分けて確認する必要があります。
現時点の考え方:2029年度の詳細を予測して受講計画を変えるのではなく、現在適用されている要件と2027年4月までに正式決定している変更を基準に進めます。
よくある質問
Q1. 2026年度の生涯学習制度変更は、もう適用されていますか?
はい。2026年4月1日から、登録理学療法士の活動期間変更、更新時研修の無料化、更新延長要件の変更などが適用されています。認定・専門理学療法士でも、更新に認められる活動の範囲が拡大しています。
Q2. 2027年4月から前期・後期研修の必要コマ数や履修要件も変わりますか?
日本理学療法士協会は、前期研修・後期研修について「履修要件・カリキュラムに変更はない」としています。2027年4月から見直されるのは、一部eラーニングの講義内容です。
Q3. 登録理学療法士を期限までに更新できなかったら、すぐ失効しますか?
2027年4月1日からは、2029年度の制度改定まで失効しない猶予措置が設けられます。ただし、猶予期間中に更新する場合は、6年目・7年目に追加要件があります。更新不足が見えている場合は、事前に公式要件を確認してください。
Q4. 認定理学療法士と専門理学療法士の2027年変更は同じですか?
同じではありません。認定理学療法士は要件①の必須要件が削除されますが、専門理学療法士では要件①に講演講師・シンポジスト・パネリストが追加されます。要件③の更新時研修は、両資格とも分野別研修3コマへ変更されます。
次に確認すること
まず自分が「前期・後期研修中」「登録理学療法士更新」「認定・専門理学療法士更新」のどこに該当するかを確認してください。そのうえで、該当する適用日とマイページの履修・更新状況を照合すれば、不要な制度情報まで追う必要がなくなります。
参考文献・公式情報
- 公益社団法人 日本理学療法士協会. 生涯学習制度の見直し. 2026年9月19日閲覧.
- 公益社団法人 日本理学療法士協会. 生涯学習制度の見直しについて. 2026年1月15日改訂.
- 公益社団法人 日本理学療法士協会. 登録理学療法士更新について. 2026年9月19日閲覧.
- 公益社団法人 日本理学療法士協会. 認定・専門理学療法士制度について. 2026年9月19日閲覧.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、現場で確認しやすい実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

