リハ総合計画評価料1・2の違いと算定条件|2026年改定

制度・実務
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リハ総合計画評価料1・2は「区分判定→初回判定」の順に確認します

リハビリテーション総合計画評価料1・2は、介護保険の有無だけでは判定できません。まず算定しているリハビリテーション料を確認し、脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハビリテーションでは、要介護被保険者等に該当するか、標準的算定日数の3分の1を経過した期間かを確認します。そのうえで評価料1・2の区分を決め、最後に初回か2回目以降かを判定します。

2026年度診療報酬改定では、評価料1は初回300点・2回目以降240点、評価料2は初回240点・2回目以降196点となりました。転院時は前医で算定歴があっても、自院で同一疾患について初めて算定する場合は初回として扱います。

この記事では、評価料1・2の違い、介護保険との関係、標準的算定日数の3分の1、転院・再発・難病併存・2026年6月またぎの取り扱いを整理します。あわせて、計画書の作成・説明・評価と院内での確認方法も解説します。

評価料1・2の違いと2026年度の点数早見表

点数を選ぶ前に、評価料1・2のどちらに該当するかを決めます。その後、該当する区分について初回か2回目以降かを確認してください。

2026年度リハビリテーション総合計画評価料1・2の点数と対象
区分 初回 2回目以降 主な対象
評価料1 300点 240点 心大血管・呼吸器・がん・認知症など、および評価料2の対象ではない脳血管・廃用・運動器リハ
評価料2 240点 196点 脳血管・廃用・運動器リハで、通知に定める「介護リハビリテーションの利用を予定している患者」に該当する場合

評価料2の対象となる「介護リハビリテーションの利用を予定している患者」は、要介護被保険者等であり、対象となる疾患別リハビリテーションの標準的算定日数の3分の1を経過した期間にリハビリテーションを実施している患者です。

2026年度リハビリテーション総合計画評価料1・2の判定フロー。疾患別リハ、要介護被保険者等、標準的算定日数の3分の1を確認して区分と点数を判断する図
図:リハ総合計画評価料1・2の判定フロー。評価料の区分を先に決め、その区分について初回・2回目以降を判定します。分岐条件は以下の本文と早見表を確認してください。

最重要:脳血管・廃用・運動器リハでは、「要介護被保険者等に該当する」かつ「標準的算定日数の3分の1を経過した期間」であれば評価料2の対象です。いずれかを満たさない場合は評価料1側で判定します。心大血管・呼吸器・がん・認知症などは、この2条件による評価料2への分岐を行いません。

評価料2は「対象リハ・要介護被保険者等・1/3経過」で判定します

評価料2に該当するかは、3つの条件を順番に確認します。「介護保険証がある」「退院後に介護サービスを使う予定がある」という情報だけで、評価料2と判断しないことが重要です。

  1. 対象となる疾患別リハか:脳血管疾患等リハ、廃用症候群リハ、運動器リハのいずれかを算定しているか。
  2. 要介護被保険者等に該当するか:介護保険法第62条に規定する要介護被保険者等への該当を確認する。
  3. 標準的算定日数の3分の1を経過した期間か:疾患別リハの起算日から経過期間を確認する。

評価料2の判定に関係する3種類の疾患別リハビリテーションについて、標準的算定日数とその3分の1は次のとおりです。

疾患別リハビリテーションの標準的算定日数と3分の1
疾患別リハ 標準的算定日数 3分の1
脳血管疾患等リハ 180日 60日
廃用症候群リハ 120日 40日
運動器リハ 150日 50日

たとえば、要介護被保険者等である患者に脳血管疾患等リハを実施している場合、標準的算定日数の3分の1を経過する前は評価料1側で判定し、経過した期間では評価料2の対象として判定します。

60日・40日・50日は入院後の経過日数ではありません。疾患別リハの算定に用いる起算日を確認してください。転院患者では前医の情報も必要になります。

評価料1と2の判断が分かれる場面

評価料1・2の区分判定例
算定しているリハ 要介護被保険者等 1/3経過 判定
脳血管・廃用・運動器 該当しない 問わない 評価料1
脳血管・廃用・運動器 該当する 経過前 評価料1
脳血管・廃用・運動器 該当する 経過後の期間 評価料2
心大血管・呼吸器・がん・認知症など 問わない 対象外 評価料1

この表は評価料1・2の区分判定を示したものです。実際の算定には、対象となるリハビリテーション料の区分、施設基準、計画書の作成・評価など、別の算定要件も満たす必要があります。

初回・2回目以降は評価料1・2の区分ごとに確認します

評価料1を算定したことがあっても、評価料2として初めて算定する場合は評価料2・初回となります。2026年度改定では、評価料1・2それぞれに初回と2回目以降の点数が設けられました。

厚生労働省の改定資料では、要介護被保険者等について、評価料1の初回算定後に評価料1の2回目以降を算定し、その後、標準的算定日数の3分の1を経過した期間に評価料2の初回を算定するイメージが示されています。

評価料1・初回:300点

↓

評価料1・2回目以降:240点

↓ 標準的算定日数の3分の1を経過

評価料2・初回:240点

この流れは区分変更時の初回判定を示す算定イメージです。毎月必ずこの順番で算定するという意味ではありません。

なお、初回・2回目以降の点数区分が決まることと、今回の評価料を算定できることは別です。患者1人につき1月に1回までという算定上限や、計画書の作成・説明・評価などの要件を確認してください。

転院時は「自院での初回」と「疾患別リハの起算日」を分けます

他院で総合計画評価料を算定していても、自院で同一疾患に対して初めて算定する場合は初回です。2026年度の疑義解釈では、評価料1・2のいずれについても、他院での算定の有無にかかわらず、自院での初回として扱うことが示されています。

一方、転院したからといって、疾患別リハの起算日まで自院の入院日から数え直すわけではありません。前医から引き継いだ起算日を確認し、転院時点が標準的算定日数の3分の1を経過した期間かを判断します。

硬膜下血腫で転院し、脳血管疾患等リハを継続する場合

前医で硬膜下血腫に対して脳血管疾患等リハを実施していた患者が転院し、自院でも同じ疾患に対するリハを継続する場合を考えます。

硬膜下血腫で転院した患者の初回算定例
自院での算定時点の条件 初回算定の区分
要介護被保険者等に該当しない 評価料1・初回
要介護被保険者等で、標準的算定日数の1/3経過前 評価料1・初回
要介護被保険者等で、標準的算定日数の1/3経過後の期間 評価料2・初回

この表は、自院で同一疾患について総合計画評価料を初めて算定し、その他の算定要件も満たしている場合の例です。

硬膜下血腫という病名だけで評価料2になるわけではありません。実際に算定している疾患別リハ、要介護被保険者等への該当、前医から引き継いだ起算日を確認してください。

再発・区分変更・2026年6月またぎで迷いやすい初回判定

初回判定では、評価料1から2への変更だけでなく、起算日の再設定や改定前の算定履歴にも注意します。状況ごとに確認すべき情報を分けると、誤判定を防ぎやすくなります。

初回・2回目以降で迷いやすい場面
場面 基本的な取り扱い 確認事項
評価料1から2へ変更 評価料2として初めてなら評価料2・初回 1/3経過、区分別算定履歴
他院からの転院 自院で同一疾患について初めてなら初回 自院の算定履歴、前医情報
再発・急性増悪 起算日再設定と計画書の再作成・評価等を満たす場合は初回 起算日再設定の根拠、計画書
2026年6月またぎ 改定前に同一区分を算定済みなら2回目以降 2026年5月31日以前の算定履歴

再発・急性増悪によって起算日が再設定された場合

新たな疾患の発症、疾患の再発・急性増悪などによって疾患別リハの起算日が再設定され、改めてリハビリテーション総合実施計画書を作成・評価等した場合は、「初回の場合」を算定するとされています。

たとえば、以前の脳梗塞で総合計画評価料を算定していた患者でも、新たな脳梗塞の発症によって起算日が再設定された場合は、過去の算定歴だけで2回目以降と判断しません。

ただし、単に症状が悪化した、計画書を更新したというだけで、疾患別リハの起算日を再設定できるわけではありません。再設定の根拠を確認する必要があります。

2026年6月1日に全患者が初回へ戻るわけではありません

2026年5月31日以前に評価料1または評価料2を算定していた場合、6月1日以降に同じ区分の算定要件を満たして再度算定するときは、2回目以降として扱います。

2026年度改定で初回・2回目以降の点数が設けられても、同一区分の過去の算定履歴が消えるわけではありません。

計画書の作成・説明・評価も算定要件として確認します

リハビリテーション総合計画評価料は、計画書を作成しただけでは算定できません。医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の多職種が共同してリハビリテーション計画を策定し、その計画に基づくリハビリテーションの実施と評価を行う必要があります。

2026年度改定では、リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書の様式が統合され、記載内容の簡素化が行われました。ただし、様式の統合によって総合計画評価料の多職種による共同作成・評価の要件がなくなったわけではありません。

計画書の作成月と評価月が異なる場合

総合実施計画書を作成した月と、多職種による評価を行った月が異なる場合は、評価を行った月に算定する取り扱いが示されています。

計画書の作成日だけで請求月を決めず、共同評価を実施した時点と算定要件の充足状況を確認してください。

医師以外による説明と回復期リハ病棟での取り扱い

2026年度改定では、回復期リハビリテーション病棟以外において、医師の指示を受けた看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による計画書の説明が可能となりました。

一方、回復期リハビリテーション病棟では、引き続き医師による説明が必要です。医師以外が説明する場合は、医師の指示と対象病棟の条件を確認してください。

説明日・説明者と診療録の記載

計画書の写しに説明日・説明者の記載がない場合は、診療録への記載が必要です。一方、説明した内容をすべて診療録へ転記する必要はありません。

患者から計画に対する意見があった場合など、特に記録すべき事項については診療録に記載します。計画書の保存、説明・交付、診療録への記載については、最新の通知と院内運用を確認してください。

難病を併存している場合は算定中のリハビリテーション料から判断します

難病があるという理由だけで、評価料1・2の区分が決まるわけではありません。まず、今回実際に算定しているリハビリテーション料を確認します。

たとえば、指定難病を併存している患者でも、硬膜下血腫に対して脳血管疾患等リハを算定している場合は、脳血管疾患等リハの条件に基づいて評価料1・2を判定します。

診療報酬には別に難病患者リハビリテーション料(H006)がありますが、難病の診断があることだけで疾患別リハの算定区分を置き換えるものではありません。

院内で確認したい算定根拠と記録例

算定根拠を後から確認できるようにするには、評価料1・2の区分判定と、初回・2回目以降の判定を分けて管理することが重要です。特に転院患者では、前医から引き継ぐ疾患別リハの起算日と、自院での総合計画評価料の算定履歴を混同しないようにします。

リハ総合計画評価料の院内確認項目
確認項目 確認内容 主な確認先
疾患別リハ 今回算定しているリハビリテーション料 リハ処方、算定情報
起算日 標準的算定日数の3分の1を経過した期間か 診療録、前医情報
介護保険情報 要介護被保険者等への該当 介護保険情報
評価料区分 評価料1・2のどちらに該当するか 算定要件
初回判定 自院での算定履歴、転院、起算日再設定の有無 算定履歴、計画書
算定成立 共同作成、説明・交付、評価の実施 計画書、診療録

院内確認メモの記載例

以下は制度上指定された摘要文ではなく、院内で判断根拠を共有するための記録例です。

リハ総合計画評価料の院内確認メモ例
場面 記録例
転院・評価料2初回 前医より脳血管疾患等リハ継続。要介護被保険者等に該当し、標準的算定日数の1/3経過後の期間。当院で評価料2は初回。
評価料1から2へ変更 標準的算定日数の1/3経過により評価料2の対象へ移行。当院で評価料2の算定歴なし。
再発後の算定 再発に伴い疾患別リハの起算日を再設定。総合実施計画書を改めて作成し、多職種で評価。
同一区分継続 同一疾患・同一区分で当院算定歴あり。今回も算定要件を確認し、2回目以降として判定。

実際の診療報酬請求や摘要欄への記載方法は、最新の通知・疑義解釈と院内の医事担当者の運用を確認してください。

よくある質問

介護保険があれば最初から評価料2ですか?

いいえ。脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハを算定していること、要介護被保険者等に該当すること、標準的算定日数の3分の1を経過した期間であることを確認します。

前医で評価料を算定していた転院患者は2回目以降ですか?

前医の算定歴だけで2回目以降にはなりません。自院で同一疾患に対するリハビリテーションの実施にあたり初めて総合計画評価料を算定する場合は、初回として算定します。ただし、疾患別リハの起算日は別に確認します。

評価料1を算定済みなら評価料2は2回目以降ですか?

いいえ。評価料1から評価料2へ移行し、評価料2として初めて算定する場合は、評価料2・初回として扱います。区分変更後も計画書の作成・評価等の算定要件を満たす必要があります。

次の一手

リハ総合計画評価料1・2では、「疾患別リハ→要介護被保険者等→1/3経過→評価料区分→初回判定」の順番を固定すると判断しやすくなります。そのうえで、多職種による計画書の共同作成、説明・交付、評価の実施を確認してから算定します。

制度全体との関係を整理したい場合は2026年改定におけるリハ書類簡素化の解説、計画書の具体的な作成方法を確認したい場合はリハビリテーション総合実施計画書の書き方をご覧ください。

参考資料

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:質の高いリハビリテーションの推進(リハビリテーション総合計画評価料の見直し).公式資料(PDF).
  2. 厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その1).2026年3月23日.公式資料(PDF).
  3. 厚生労働省保険局医療課.令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について.2026年5月29日.公式資料(PDF).
  4. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:リハビリテーション関連の改定資料.公式資料(PDF).

著者情報

rehabilikunのプロフィール画像

rehabilikun(理学療法士)

2022年4月にrehabilikun blogを開設。急性期・回復期・療養病棟、介護施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法士をはじめとする医療従事者に向けて、評価・治療・制度に関する実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションなどに取り組んでいます。制度記事では、公的資料と臨床実務上の判断を区別しながら解説しています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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