PT・OT・STの手袋使用|必要な場面・交換・外すタイミングを解説

臨床手技・プロトコル
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  1. リハビリ中の手袋は血液・体液・粘膜・損傷皮膚への接触リスクで判断する
  2. リハビリで手袋を使用するときの基本原則
    1. 手袋は手指衛生の代わりにならない
    2. 必要な作業の直前に装着する
    3. 必要な作業が終わったら速やかに外す
  3. リハビリ中に手袋が必要となる場面
    1. 血液・体液へ触れる可能性があるとき
    2. 口腔・粘膜へ接触するとき
    3. 創傷・褥瘡・損傷皮膚へ接触するとき
    4. 体液で汚染された物品を扱うとき
  4. 通常は手袋を必要としないリハビリ場面
  5. 手袋は「必要・交換・外す」の3つで判断する
  6. 手袋を交換するタイミング
    1. 患者が変わるときは必ず交換する
    2. 同じ患者でも汚染部位から清潔部位へ移る前に交換する
    3. 破損・汚染したときは直ちに交換する
  7. 手袋を外すタイミング
    1. 必要な処置・評価が終わったとき
    2. パソコン・カルテ・スマートフォンへ触れる前
    3. ドア・カーテン・共有機器へ触れる前
    4. 患者周囲を離れる前
  8. 手袋の装着前と取り外し後には手指衛生を行う
    1. 手袋使用時の基本手順
  9. PTが手袋を判断する具体例
  10. OTが手袋を判断する具体例
  11. STが手袋を判断する具体例
  12. リハビリ中の手袋使用でよくある失敗
  13. 病室リハビリでの手袋使用を流れで確認する
  14. リハビリ中の手袋使用に関するよくある質問
  15. 次の一手は作業前に接触対象と終了地点を決めること
  16. 参考文献
  17. 著者情報

リハビリ中の手袋は血液・体液・粘膜・損傷皮膚への接触リスクで判断する

リハビリ中の手袋は、「感染症の患者だから常に着ける」「患者に触れるから毎回着ける」と一律に判断するものではありません。血液・体液、粘膜、損傷した皮膚、汚染された物品へ接触する可能性を評価し、必要な作業の直前に装着します。

一方、通常の関節可動域練習、歩行介助、衣服の上から行う身体介助など、血液・体液への曝露が予測されない場面では、手袋が必須とは限りません。不要な手袋の常用は、手指衛生の省略、共有機器への汚染拡大、手荒れ、廃棄物の増加につながる可能性があります。

この記事では、PT・OT・STが迷いやすい手袋の使用場面を、「必要」「交換」「外す」の3つに分けて解説します。装着前・取り外し後の手指衛生、職種別の臨床例、よくあるNG行動まで、現場で判断しやすい形に整理します。

この記事の結論

  • 血液・体液・粘膜・損傷皮膚への接触が予測されるときに手袋を着ける
  • 患者が変わるときは、同じ手袋を継続使用しない
  • 同じ患者でも、汚染部位から清潔部位へ移る前に交換する
  • 処置が終わったら速やかに外し、パソコンやドアへ触れない
  • 手袋の装着前と取り外し後には手指衛生を行う

手袋は個人防護具の一つですが、手指衛生の代わりにはなりません。手袋の表面は作業中に汚染され、着脱時に手指へ微生物が付着する可能性もあります。必要な場面だけで適切に使用し、作業が終わったら速やかに外すことが基本です。

リハビリで手袋を使用するときの基本原則

手袋を使用する目的は、医療従事者の手をきれいに見せることではありません。患者の血液・体液などへの曝露を減らし、医療従事者の手を介した微生物の拡散を防ぐことです。

手袋は手指衛生の代わりにならない

手袋を装着する前には手指衛生を行い、手が乾いてから装着します。作業終了後は、周囲へ触れる前に手袋を外し、直後に手指衛生を行います。

手袋を着けたまま手指消毒剤を使用したり、手袋表面を消毒して再利用したりすることは、原則として行いません。使用する手袋の種類や再使用の可否は、製品の用途と所属施設の感染対策手順に従います。

必要な作業の直前に装着する

手袋は、病室へ入る前から予防的に着け続けるのではなく、曝露が予測される作業の直前に装着します。早く着けすぎると、ドアノブ、カーテン、パソコン、車椅子、歩行器などへ触れ、手袋表面の汚染を広げる原因になります。

必要な作業が終わったら速やかに外す

手袋が必要な処置や評価が終了したら、同じ患者の病室内であっても速やかに外します。手袋を着けたまま記録、環境整備、補助具の片付けへ移ると、接触した物品へ微生物を広げる可能性があります。

リハビリ中に手袋が必要となる場面

手袋が必要かどうかは、患者の診断名だけではなく、実際に行う作業と曝露リスクから判断します。標準予防策では、すべての患者の血液・体液などに感染性がある可能性を考え、接触が予測される場合に適切な個人防護具を選択します。

リハビリ中に手袋を使用する主な場面
接触対象 リハビリ場面の例 確認すること
血液 出血を伴う創傷、採血部位からの出血、皮膚損傷 出血の有無、創部の被覆状態
体液 唾液、喀痰、尿、便、嘔吐物、創部浸出液への接触 飛散・漏出の可能性、必要な防護具
粘膜 口腔内評価、口腔ケア、嚥下評価に伴う口腔内接触 手袋に加えて顔面防護が必要か
損傷皮膚 褥瘡・皮膚剥離・創傷周囲への接触 直接接触する範囲、清潔操作の有無
汚染物品 体液が付着した衣類・シーツ・排泄用品の取り扱い 周囲への接触を最小限にできるか
医療器具・排液類 尿バッグ、排液バッグ、吸引物品などへの接触 接続部や排液へ触れる可能性

血液・体液へ触れる可能性があるとき

血液、唾液、喀痰、尿、便、嘔吐物、創部浸出液などへ触れる可能性がある場合は手袋を使用します。直接触れる予定がなくても、咳嗽による飛散、失禁、排液の漏れなどが予測される場合は、作業内容に応じて手袋やエプロンなどを準備します。

ただし、手袋だけですべての曝露を防げるわけではありません。体液の飛散が顔面へ及ぶ可能性がある場合は、マスク、アイプロテクション、フェイスシールドなどを含めて判断します。

口腔・粘膜へ接触するとき

STの口腔内評価、嚥下評価、口腔ケアなどで粘膜や唾液へ接触する場合は、手袋を使用します。顔面や頸部の皮膚表面を触診するだけの場面と、口腔内へ指や器具を入れる場面を分けて判断することが重要です。

口腔内へ触れる直前には手指衛生を行い、新しい手袋を装着します。評価終了後は、周囲へ触れる前に手袋を外して手指衛生を行います。

創傷・褥瘡・損傷皮膚へ接触するとき

創傷、褥瘡、皮膚剥離、湿潤した皮膚病変などへ直接触れる可能性がある場合は、手袋を使用します。創部の処置や被覆材の交換を行う場合は、理学療法士・作業療法士が単独で判断せず、施設の手順、医師・看護師の指示、職種ごとの業務範囲を確認します。

創部周囲の評価では、健常な皮膚から創部へ接触対象が変わる可能性があります。清潔操作に移る場合は、手指衛生と手袋交換のタイミングを明確にします。

体液で汚染された物品を扱うとき

体液が付着した衣類、タオル、シーツ、排泄用品などを扱う場合も手袋を使用します。汚染物品を持った手袋でベッド柵、車椅子、カーテン、ドアへ触れないよう、作業の順序と廃棄場所を先に確認します。

通常は手袋を必要としないリハビリ場面

患者へ触れるすべての場面で手袋が必要なわけではありません。血液・体液・粘膜・損傷皮膚への接触が予測されない通常の身体介助では、適切な手指衛生を行ったうえで、素手で対応できる場合があります。

通常は手袋が必須ではない場面の例
場面 基本的な対応 手袋を検討する条件
関節可動域練習 接触前後に手指衛生を行う 創傷・体液・損傷皮膚への接触がある
徒手筋力検査 患者接触前後の手指衛生 皮膚病変、滲出液などがある
起居・立ち上がり介助 手指衛生を行い、通常の介助を実施 失禁、嘔吐、出血などが予測される
歩行介助 接触前後の手指衛生 体液曝露や損傷皮膚への接触がある
衣服の上からの触診 手指衛生を基本とする 衣類が体液で汚染されている
共有器具の運搬 清拭と手指衛生を行う 器具が血液・体液で汚染されている

判断のポイント:手袋が必要かどうかは「感染症名」だけで決めず、これから行う作業で何へ触れる可能性があるかを確認します。接触予防策などの追加予防策が指示されている場合は、施設の指示を優先してください。

手袋は「必要・交換・外す」の3つで判断する

手袋の使用で迷ったときは、最初に「着ける必要があるか」、作業中に「交換が必要か」、作業後に「今すぐ外すべきか」の3つに分けると整理しやすくなります。

リハビリ中の手袋を必要・交換・外すの3つで判断する図
手袋は血液・体液、粘膜、損傷皮膚への接触前に装着し、汚染や患者変更時に交換し、作業終了後は速やかに外します。

手袋の装着前と取り外し後には手指衛生を行います。また、図版に示した場面以外でも、手袋の破損、著しい汚染、同じ患者の汚染部位から清潔部位への移動などでは交換が必要です。

手袋を交換するタイミング

手袋は、一度装着すれば患者への一連の介入中ずっと使用できるものではありません。患者、接触部位、作業内容、手袋の状態が変わるタイミングで交換します。

手袋を交換する主なタイミング
交換する場面 理由 対応
別の患者へ移る 患者間で微生物を運ぶ可能性がある 手袋を外し、手指衛生後に新しい手袋を装着する
汚染部位から清潔部位へ移る 同一患者内で微生物を移す可能性がある 手袋を外し、手指衛生後に交換する
手袋が破れた 皮膚への曝露を防げない 直ちに外し、手指衛生後に交換する
血液・体液で汚染した 周囲環境へ汚染を広げる 必要な作業終了後、速やかに交換・廃棄する
作業内容が変わる 異なる接触対象へ汚染を移す可能性がある リスクを再評価して交換する
長時間使用して劣化した 破損や透過の可能性が高まる 施設基準と製品情報に沿って交換する

患者が変わるときは必ず交換する

同じ種類の評価や介助を続ける場合でも、別の患者へ移る際は、手袋を外して手指衛生を行い、新しい手袋へ交換します。同じ手袋を着けたまま複数の患者へ接触してはいけません。

同じ患者でも汚染部位から清潔部位へ移る前に交換する

同じ患者だから手袋を交換しなくてよいとは限りません。排泄物へ触れた後に、同じ手袋で口腔周囲、創部、食事用具などへ触れると、患者自身の別部位へ微生物を移す可能性があります。

例えば、排泄動作介助後に上衣更衣へ移る、口腔内評価後に補助具を調整するなど、作業内容が変わる場面では、手袋を外して手指衛生を行います。

破損・汚染したときは直ちに交換する

手袋に穴、裂け、著しい汚染を認めた場合は、作業を安全に中断して交換します。二重手袋を常に行うことで代用するのではなく、作業内容に適した手袋を選び、必要時に交換することが基本です。

手袋を外すタイミング

必要な作業が終了したら、手袋を着け続けず速やかに外します。手袋を着けたまま病室内を移動したり、共有機器へ触れたりすると、手袋が感染拡大の媒介になります。

必要な処置・評価が終わったとき

口腔内評価、排泄介助、創部周囲の確認など、手袋を必要とした作業が終わった時点で外します。その後に別の身体介助や環境整備を行う場合は、手指衛生後に改めて必要性を判断します。

パソコン・カルテ・スマートフォンへ触れる前

手袋を着けたままキーボード、タブレット、カルテ、業務用スマートフォンへ触れないようにします。記録端末は複数のスタッフが使用するため、汚染が拡大しやすい物品です。

ドア・カーテン・共有機器へ触れる前

手袋が必要な作業を終えた後は、ドアノブ、カーテン、車椅子、歩行器、血圧計などへ触れる前に外します。片付け作業に手袋が必要な場合は、接触対象を整理し、必要に応じて新しい手袋へ交換します。

患者周囲を離れる前

患者区域から退出する際は、使用した手袋を適切な場所へ廃棄し、手指衛生を行います。手袋を着けたまま廊下へ出たり、リハビリ室へ戻ったりしないことが重要です。

手袋の装着前と取り外し後には手指衛生を行う

手袋を装着する前の手指衛生は、手袋内部や患者へ微生物を持ち込まないために行います。取り外し後の手指衛生は、着脱時の接触や微小な破損による手指汚染へ対応するために必要です。

手袋使用時の基本手順

  1. 必要な物品と廃棄場所を準備する
  2. 手指衛生を行う
  3. 手指が乾いてから手袋を装着する
  4. 必要な評価・介助・処置を行う
  5. 周囲へ触れる前に手袋を外す
  6. 適切な場所へ廃棄する
  7. 直後に手指衛生を行う

手指衛生の5つのタイミングとリハビリ場面での具体例は、PT・OT・STの手指衛生|WHO5つのタイミングをリハビリ場面で解説で詳しく整理しています。

NG例:手袋を装着したままアルコール手指消毒剤を擦り込み、同じ手袋を複数の作業や患者に使い続けることは避けます。手袋は必要な場面ごとに使用し、交換・廃棄します。

PTが手袋を判断する具体例

PTでは身体介助が多いため、患者へ触れること自体を手袋使用の基準にしがちです。しかし、通常の皮膚接触と血液・体液への曝露リスクを分けて判断する必要があります。

PTの臨床場面と手袋使用の考え方
場面 基本的な判断
関節可動域練習・筋力評価 健常皮膚への接触のみなら、手指衛生を基本とする
起き上がり・立ち上がり・歩行介助 通常は手指衛生を基本とし、体液曝露が予測される場合に使用する
喀痰を伴う咳嗽訓練 唾液・喀痰への接触や飛散リスクに応じて手袋・顔面防護を選択する
褥瘡周囲の姿勢評価 損傷皮膚や浸出液への接触がある場合は使用する
尿バッグ・排液バッグを伴う歩行 バッグを持つだけでなく、排液や接続部へ触れる可能性を評価する
失禁後の離床介助 汚染した衣類・寝具・皮膚へ触れる場合は使用する

OTが手袋を判断する具体例

OTでは、更衣、排泄、整容、食事など、身体接触と物品操作が連続します。作業の途中で汚染部位から清潔部位へ移る場合は、同じ患者でも手袋交換が必要です。

OTの臨床場面と手袋使用の考え方
場面 基本的な判断
通常の上衣・下衣更衣練習 衣類や皮膚に体液汚染がなければ、手指衛生を基本とする
排泄動作・陰部周囲の更衣 尿・便へ接触する可能性があれば使用する
整容・洗面動作 健常皮膚への接触のみか、口腔・体液へ接触するかで判断する
食事動作練習 通常の食具操作では必須ではないが、唾液や口腔内接触があれば使用する
スプリント・装具の着脱 損傷皮膚、創傷、浸出液の有無を確認する
汚染した衣類の処理後に上肢訓練 手袋を外し、手指衛生後に清潔な訓練へ移る

STが手袋を判断する具体例

STでは口腔・唾液へ接触する場面が多く、手袋使用の判断が重要です。顔面・頸部の健常皮膚への触診と、口腔内・粘膜への接触を分けて考えます。

STの臨床場面と手袋使用の考え方
場面 基本的な判断
顔面・頸部の健常皮膚への触診 手指衛生を基本とし、皮膚病変がある場合はリスクを評価する
口腔内観察・口腔ケア 粘膜・唾液へ接触するため手袋を使用する
嚥下評価・直接訓練 口腔内接触や唾液曝露の可能性に応じて使用する
咳嗽・喀痰を伴う評価 手袋に加え、飛散リスクに応じた顔面防護を検討する
食具・コップのみを扱う 唾液汚染の有無を確認し、汚染物品を扱う場合は使用する
口腔内評価後に記録する 手袋を外し、手指衛生後に端末へ触れる

リハビリ中の手袋使用でよくある失敗

手袋使用で避けたい失敗と修正方法
よくある失敗 問題点 修正方法
患者に触れるから常に着ける 不要な手袋使用と手指衛生の省略につながる 血液・体液などへの曝露リスクで判断する
感染症患者だけ手袋を着ける 診断されていない感染リスクを見落とす すべての患者に標準予防策を適用する
手袋を着けたまま病室内を移動する 環境表面へ汚染を広げる 必要な作業が終わった時点で外す
手袋のままパソコン入力する 共有端末を汚染する 端末操作前に外し、手指衛生を行う
同じ患者なら交換しない 汚染部位から清潔部位へ微生物を移す 接触部位と作業が変わるときに交換する
手袋を外した後に消毒しない 着脱時や破損による手指汚染が残る 取り外し直後に手指衛生を行う
手袋表面を消毒して使い続ける 性能低下や汚染残存の可能性がある 作業ごとに適切に交換・廃棄する
手袋だけで飛沫曝露へ対応する 眼・鼻・口を防護できない 飛散リスクに応じて顔面防護を追加する

病室リハビリでの手袋使用を流れで確認する

体液曝露が予測される病室リハビリの流れ
場面 対応
病室へ入り、カーテンやベッド柵を操作する まだ手袋を装着せず、必要な環境を整える
患者へ接触する直前 手指衛生を行う
体液・粘膜・損傷皮膚へ触れる作業の直前 手が乾いてから手袋を装着する
必要な評価・介助を行う 不要な環境表面へ触れない
汚染部位から清潔部位へ移る 手袋を外し、手指衛生後に新しい手袋へ交換する
手袋が必要な作業が終了する 周囲へ触れる前に手袋を外す
手袋を廃棄する 直後に手指衛生を行う
機器の片付け・記録を行う 清潔な手で操作し、機器は施設手順に沿って清拭する

リハビリ中の手袋使用に関するよくある質問

Q1.通常の歩行介助でも手袋を着けた方が安全ですか?

血液・体液・粘膜・損傷皮膚への接触が予測されない通常の歩行介助では、手袋が必須とは限りません。患者接触前後の手指衛生を基本とします。ただし、失禁、出血、創傷、隔離に伴う指示などがある場合は、作業内容と施設基準に応じて使用します。

Q2.感染症がある患者には常に手袋が必要ですか?

感染症名だけで一律に判断せず、標準予防策と指示されている追加予防策に沿って判断します。接触予防策で入室時から手袋が指示される場合もあるため、病室表示や院内マニュアルを確認してください。

Q3.同じ患者であれば一組の手袋を使い続けてもよいですか?

同じ患者でも、汚染部位から清潔部位へ移る場合、手袋が破れた場合、作業内容が変わる場合は交換します。必要な作業が終わった時点で外し、手指衛生を行います。

Q4.手袋を外した後に手がきれいなら手指衛生は不要ですか?

見た目がきれいでも必要です。手袋の微小な破損や、取り外す際の接触によって手指が汚染される可能性があります。手袋を外した直後に手指衛生を行います。

Q5.手袋を着けたままアルコール消毒して再利用できますか?

一般的な使い捨て医療用手袋では、消毒して継続使用することを前提としていません。製品の性能を損なう可能性もあるため、必要な場面ごとに交換し、施設の手順と製品情報に従ってください。

Q6.手袋が必要ならエプロンやマスクも必要ですか?

作業内容によります。衣服への汚染が予測される場合はエプロンやガウン、体液が顔面へ飛散する可能性がある場合はマスクやアイプロテクションなどを検討します。手袋だけで全身の曝露を防げるわけではありません。

Q7.患者周囲の車椅子や歩行器へ触るだけなら手袋は必要ですか?

血液・体液で汚染されていなければ、通常は手袋を常用するのではなく、接触後の手指衛生と物品清拭を基本とします。汚染がある場合は、清拭作業の内容に応じて手袋を使用します。

次の一手は作業前に接触対象と終了地点を決めること

リハビリ中の手袋は、「念のため着ける」のではなく、これから血液・体液、粘膜、損傷皮膚、汚染物品へ触れる可能性があるかを確認して判断します。

手袋を装着する場合は、必要な作業の直前に着け、患者変更、汚染部位から清潔部位への移動、破損・汚染時に交換します。作業が終わったら速やかに外し、パソコン、カルテ、ドア、共有機器へ触れる前に手指衛生を行ってください。

部署内で「手袋を着ける場面」だけでなく、「どこで外すか」「どこへ廃棄するか」まで共通化すると、手袋を着けたまま環境へ触れる行動を減らしやすくなります。


参考文献

  1. World Health Organization. Glove Use Information Leaflet. Geneva: World Health Organization. WHO公式資料
  2. World Health Organization. WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care. Geneva: World Health Organization; 2009. WHO公式ガイドライン
  3. World Health Organization. Five moments for hand hygiene. WHO公式資料
  4. Centers for Disease Control and Prevention. Standard Precautions for All Patient Care. CDC公式情報
  5. Centers for Disease Control and Prevention. Hand Hygiene in Healthcare Settings. CDC公式情報
  6. Siegel JD, Rhinehart E, Jackson M, Chiarello L; Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee. 2007 Guideline for Isolation Precautions: Preventing Transmission of Infectious Agents in Healthcare Settings. Am J Infect Control. 2007;35(10 Suppl 2):S65-S164.

著者情報

rehabilikunblog編集部

理学療法士が、病院・施設で実践しやすい評価、臨床判断、感染対策、制度・実務情報を整理しています。本記事は医療・介護専門職への情報提供を目的としており、所属施設の感染対策マニュアルや感染管理部門の指示を代替するものではありません。患者の隔離区分、作業内容、個人防護具の使用基準、製品の取扱説明書を優先してください。