- 専門病院入院基本料(A105)とは?2026年度の点数と施設基準
- 専門病院入院基本料の点数一覧【2026年度】
- 対象となる専門病院|悪性腫瘍・循環器疾患などの専門医療
- 施設基準|看護配置・平均在院日数・看護必要度を確認する
- 2026年度改定で確認したいポイント
- 看護必要度加算・一般病棟看護必要度評価加算
- 入院90日超の取扱い|入院期間だけで判断しない
- 一般病棟・特定機能病院・障害者施設等入院基本料との違い
- PT・OT・STが押さえたい評価・記録と多職種連携
- 専門病院入院基本料で混同しやすい4つの点
- 専門病院入院基本料のよくある質問
- まとめ|A105は対象病院・病棟基準・届出を分けて確認する
- 参考文献・公的資料
- 著者情報
- 次の一手|関連する入院基本料との違いを確認する
専門病院入院基本料(A105)とは?2026年度の点数と施設基準
専門病院入院基本料(A105)は、主として悪性腫瘍や循環器疾患などの患者を受け入れ、高度かつ専門的な医療を提供する専門病院の一般病棟で算定する入院基本料です。2026年度の基本点数は、7対1が1,904点、10対1が1,552点、13対1が1,300点です。
専門病院入院基本料は、病院名や診療科の専門性だけで算定できるものではありません。専門病院としての届出に加え、病棟ごとの看護配置、看護師比率、平均在院日数、重症度・医療・看護必要度などの施設基準を確認する必要があります。
この記事では、2026年度診療報酬改定後の点数、対象病院、施設基準、入院期間加算、看護必要度関連加算、入院90日超の取扱いを整理します。一般病棟入院基本料や特定機能病院入院基本料との違い、PT・OT・STが臨床で押さえたい評価・記録のポイントも解説します。
制度確認日:2026年10月14日。令和8年度診療報酬改定の点数表・施設基準等に基づいて整理しています。算定や届出の最終判断では、最新の告示・通知・疑義解釈と地方厚生局の案内を確認してください。
この記事の結論
- 基本点数は7対1が1,904点、10対1が1,552点、13対1が1,300点です。
- 対象は、高度かつ専門的な医療を提供するものとして届け出た専門病院の一般病棟です。
- 看護師比率は3区分とも70%以上、平均在院日数は7対1が28日以内、10対1が33日以内、13対1が36日以内です。
- 入院期間加算は14日以内が512点、15日以上30日以内が207点です。
- 施設基準は看護配置だけでなく、看護必要度、データ提出、届出状況などを含めて確認します。
専門病院入院基本料の点数一覧【2026年度】
A105には7対1・10対1・13対1の3区分があります。以下は患者1人・1日当たりの基本点数です。入院期間加算やその他の加算・減算は含みません。
| 届出区分 | 基本点数(1日) | 看護配置 |
|---|---|---|
| 7対1入院基本料 | 1,904点 | 7対1以上 |
| 10対1入院基本料 | 1,552点 | 10対1以上 |
| 13対1入院基本料 | 1,300点 | 13対1以上 |
いずれの区分も、看護職員の最小必要数に占める看護師の割合は70%以上です。
「7対1」「10対1」「13対1」は、個々の患者に対して看護職員が常時その人数比で付き添うという意味ではありません。施設基準で定められた計算方法により、患者数や看護職員の勤務実績などから配置状況を確認します。
入院期間に応じた加算
専門病院入院基本料では、入院期間に応じて所定の点数が加算されます。
| 入院期間 | 加算点数(1日) |
|---|---|
| 14日以内 | 512点 |
| 15日以上30日以内 | 207点 |
| 31日目以降 | 注2の期間加算なし |
入院期間は診療報酬上の通則に基づいて計算します。転棟や再入院があった場合は、単純に当該病棟へ入棟した日から数えるとは限らないため、起算日の取扱いを確認してください。
対象となる専門病院|悪性腫瘍・循環器疾患などの専門医療
診療報酬上の専門病院は、主として悪性腫瘍、循環器疾患などの患者を入院させ、高度かつ専門的な医療を行うものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関です。
病院名に「専門病院」と記載されていることや、特定の診療科を標榜していることだけでは、A105を算定できません。
専門病院への該当性を判断する際には、病院の診療機能、入院患者の構成、所定の施設基準、届出状況を確認します。患者構成に関する具体的な要件は、適用される施設基準通知に沿って確認してください。
| 確認項目 | 確認する内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 主な対象疾患 | 悪性腫瘍・循環器疾患など | 診療科名だけで判断しない |
| 診療機能 | 高度かつ専門的な医療の提供 | 病院の実際の機能を確認する |
| 患者構成 | 専門病院に関する所定の要件 | 対象患者の定義と集計方法を確認する |
| 対象病棟 | 専門病院の一般病棟 | 特定入院料を算定する患者などは別に確認する |
| 届出 | 専門病院および病棟の施設基準に関する届出 | 地方厚生局の受理状況を照合する |
また、専門病院に該当するかどうかと、病棟が7対1・10対1・13対1のどの区分を算定するかは、別の確認事項です。専門病院としての条件を満たしていても、病棟の施設基準に適合していなければ、希望する区分を算定できません。
施設基準|看護配置・平均在院日数・看護必要度を確認する

A105の施設基準では、看護配置に加えて、看護師比率、平均在院日数、重症度・医療・看護必要度などを確認します。特に平均在院日数は3区分で基準が異なるため、点数と併せて押さえておくと整理しやすくなります。
| 確認項目 | 7対1 | 10対1 | 13対1 |
|---|---|---|---|
| 看護配置 | 7対1以上 | 10対1以上 | 13対1以上 |
| 看護師比率 | 70%以上 | 70%以上 | 70%以上 |
| 平均在院日数 | 28日以内 | 33日以内 | 36日以内 |
| 看護必要度 | 所定の患者割合基準を確認 | 測定・評価と加算要件を確認 | 評価加算の要件を確認 |
| その他 | 医師配置、勤務体制、データ提出、届出など、区分に応じた要件を確認 | ||
表は主要な項目を整理したものであり、施設基準の全文ではありません。夜勤体制、職員の勤務実績、病棟運営、データ提出なども含め、最新の施設基準通知と届出様式を照合してください。
7対1では重症度・医療・看護必要度が重要
7対1入院基本料では、一般病棟用の重症度・医療・看護必要度について、所定の患者割合基準を満たす必要があります。
看護必要度ⅠとⅡでは評価方法や必要な患者割合が異なるため、採用している評価方法と届出区分を分けて確認します。また、2026年度改定後の評価項目・判定方法を用いているかどうかも重要です。
看護必要度を測定していることと、7対1の施設基準を満たしていることは同じではありません。測定結果を所定の方法で集計し、必要な患者割合を満たしているかを確認してください。
10対1・13対1では加算要件を区別する
10対1入院基本料には看護必要度加算1〜3が、13対1入院基本料には一般病棟看護必要度評価加算が設けられています。
これらは病棟の基本点数に自動的に含まれるものではありません。所定の評価・実績・施設基準への適合と届出状況を確認する必要があります。
2026年度改定で確認したいポイント
2026年度の専門病院入院基本料では、基本点数の変更だけでなく、重症度・医療・看護必要度の評価方法や経過措置の取扱いも確認する必要があります。
2026年度改定に伴う施設基準の経過措置には、2026年9月30日を期限とするものがあります。2026年10月以降の継続算定では、旧基準を前提とした運用が残っていないか確認することが重要です。
2026年10月以降の確認事項
施設基準の経過措置は項目ごとに対象・期限が異なります。専門病院入院基本料の届出区分、看護必要度の評価方法、患者割合、データ提出体制を確認し、経過措置終了後の要件を満たしているか照合してください。届出変更や再届出の要否は地方厚生局の案内を優先します。
改定内容を確認する際には、点数表、施設基準告示、施設基準通知、疑義解釈を区別して読むことが大切です。点数表に基本点数が記載されていても、届出に必要な実務上の条件がすべて掲載されているわけではありません。
看護必要度加算・一般病棟看護必要度評価加算
専門病院入院基本料には、看護必要度に関連する加算があります。10対1と13対1では対象となる加算が異なります。
| 加算名 | 点数(1日) | 主な対象 |
|---|---|---|
| 看護必要度加算1 | 55点 | 10対1入院基本料の所定の届出病棟 |
| 看護必要度加算2 | 45点 | 10対1入院基本料の所定の届出病棟 |
| 看護必要度加算3 | 25点 | 10対1入院基本料の所定の届出病棟 |
| 一般病棟看護必要度評価加算 | 5点 | 13対1入院基本料の所定の届出病棟 |
看護必要度加算1〜3は、同時に複数の区分を算定するものではありません。病棟の実績と施設基準に応じて、該当する区分を確認します。
また、看護必要度の測定・評価を行っていても、届出をしていない場合や所定の基準を満たしていない場合は、加算を算定できません。
入院90日超の取扱い|入院期間だけで判断しない
専門病院入院基本料では、入院期間が90日を超える患者について、所定の届出や患者条件に応じた取扱いを確認する必要があります。
90日を超えた患者について、療養病棟入院料1の例による算定が関係する場合があります。ただし、入院期間だけで一律に算定方法が決まるわけではありません。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 入院期間 | 診療報酬上の起算日に基づき90日を超えているか |
| 病棟の届出 | 90日超の患者に関する所定の届出状況 |
| 患者条件 | 特定除外などの所定の条件への該当性 |
| 算定方法 | 通常のA105の評価か、別の算定方法が適用されるか |
| 根拠資料 | 診療録、患者状態、医療処置、入院経過など |
特定除外の該当性は、診断名だけでなく、所定の患者状態や医療処置などの条件を含めて判断する必要があります。
実際の算定では、医事課、病棟管理者、主治医が最新の点数表と通知を照合してください。PT・OT・STは、身体機能やADL、患者状態の変化などを正確に記録し、多職種間の情報共有に役立てます。
一般病棟・特定機能病院・障害者施設等入院基本料との違い
専門病院入院基本料の特徴は、専門病院としての診療機能と、一般病棟における施設基準を組み合わせて評価する点です。
一方、一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料、障害者施設等入院基本料は、それぞれ対象となる病院・病棟や患者条件が異なります。
| 入院基本料 | 主な特徴 | 比較するポイント |
|---|---|---|
| 一般病棟入院基本料(A100) | 一般病棟における入院医療を評価 | 病棟機能、看護配置、施設基準 |
| 特定機能病院入院基本料(A104) | 特定機能病院として承認された病院の所定の病棟を評価 | 病院の承認要件、病棟区分、施設基準 |
| 専門病院入院基本料(A105) | 高度かつ専門的な医療を行う専門病院の一般病棟を評価 | 専門病院としての届出、看護配置、平均在院日数 |
| 障害者施設等入院基本料(A106) | 重度障害や神経難病などの患者を主として受け入れる所定の病棟を評価 | 対象患者、看護配置、患者別の算定条件 |
専門性の高い診療を行っている病院でも、必ずA105を算定するとは限りません。病院の制度上の位置づけと、病棟の届出区分を分けて確認してください。
PT・OT・STが押さえたい評価・記録と多職種連携
専門病院でのリハビリテーションでは、原疾患の治療経過と、身体機能・ADL・退院後の生活をつなげて評価することが重要です。
入院基本料の算定可否をリハ職が単独で判断するのではなく、患者状態や活動状況を客観的に記録し、主治医・看護師・医事課などと共有します。
悪性腫瘍患者では治療経過と生活機能を分けて確認する
悪性腫瘍患者では、手術、薬物療法、放射線治療などの治療経過に伴い、疲労、疼痛、筋力低下、栄養状態の変化、活動量低下などが生じることがあります。
評価では、原疾患の治療状況、全身状態、身体機能、ADL、退院後の生活環境を分けて確認します。
骨転移、血球減少、感染、血栓症などのリスクがある場合は、主治医と運動負荷・活動制限を確認し、安全性を優先して介入します。
循環器疾患患者では循環動態と活動耐容能を確認する
循環器疾患患者では、心不全、虚血性心疾患、不整脈、心臓手術後など、病態と治療段階によって離床・運動療法の適応が異なります。
血圧、心拍数、心電図所見、呼吸困難、SpO2、体重変化、浮腫、活動時の自覚症状などを確認し、施設の実施基準に沿って介入します。
胸痛、著明な呼吸困難、失神・意識変容、循環動態の不安定化などを認めた場合は、運動を中止して速やかに医師・看護師へ報告します。
退院支援では機能評価と生活環境をつなげる
退院支援では、歩行能力やADLだけでなく、住環境、家族の介助力、福祉用具、外来・訪問リハビリテーションへの移行などを確認します。
施設基準に退院先に関する指標が含まれる場合でも、患者個人の安全性や希望を無視して早期退院を優先するものではありません。患者・家族の意向を踏まえ、多職種で退院後の生活を検討します。
臨床記録の例
記録例:循環器疾患患者(架空の症例)
安静時の呼吸困難なし。端座位・立位への移行で著明な血圧低下は認めず、病棟内歩行を実施。歩行後に軽度の息切れを認めたが、休息により改善。前回より連続歩行距離が延長。今後も循環動態と自覚症状を確認しながら活動範囲を調整し、退院後の屋内移動自立を目標に再評価する。
記録例は、実際に観察した所見と前回からの変化を整理するための参考です。未測定の数値や未確認の所見を定型文として記載しないでください。
専門病院入院基本料で混同しやすい4つの点
| よくある誤解 | 正しい整理 |
|---|---|
| 専門診療科があればA105を算定できる | 専門病院としての条件と届出、病棟の施設基準を確認する |
| 7対1なら看護配置だけ満たせばよい | 平均在院日数、看護必要度などの施設基準も確認する |
| 10対1・13対1も7対1と同じ基準 | 平均在院日数、看護必要度関連加算などが異なる |
| 入院90日超の患者は全員同じ算定方法になる | 届出、患者条件、特定除外などの取扱いを確認する |
専門病院入院基本料のよくある質問
専門病院入院基本料の対象となるのはどのような病院ですか?
主として悪性腫瘍や循環器疾患などの患者を受け入れ、高度かつ専門的な医療を提供するものとして届け出た専門病院です。実際に算定するには、一般病棟の施設基準への適合と所定の届出が必要です。
2026年度の7対1・10対1・13対1の点数はいくつですか?
1日当たり、7対1が1,904点、10対1が1,552点、13対1が1,300点です。入院期間加算やその他の加算・減算は別に確認します。
看護必要度を測定していれば加算を算定できますか?
測定しているだけでは算定できません。所定の評価方法、施設基準、実績、届出などを満たす必要があります。10対1の看護必要度加算と13対1の一般病棟看護必要度評価加算は、対象区分も異なります。
まとめ|A105は対象病院・病棟基準・届出を分けて確認する
専門病院入院基本料(A105)は、高度かつ専門的な医療を行う専門病院の一般病棟で、所定の施設基準と届出に基づいて算定する入院基本料です。
- 2026年度の基本点数は7対1が1,904点、10対1が1,552点、13対1が1,300点です。
- 看護師比率は3区分とも70%以上です。
- 平均在院日数は7対1が28日以内、10対1が33日以内、13対1が36日以内です。
- 入院期間加算は14日以内が512点、15日以上30日以内が207点です。
- 10対1には看護必要度加算、13対1には一般病棟看護必要度評価加算があります。
- 入院90日超の患者は、届出と患者条件に応じた取扱いを確認します。
- PT・OT・STは原疾患の治療経過、身体機能、ADL、活動耐容能、退院支援を多職種に共有します。
算定の最終判断では、点数表だけでなく、施設基準告示、通知、疑義解釈、地方厚生局の届出案内を照合してください。
参考文献・公的資料
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定・医科診療報酬点数表(A105 専門病院入院基本料を含む).
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定・入院基本料の点数および主要施設基準に関する資料.
- 厚生労働省.基本診療料の施設基準等.
- 厚生労働省.診療報酬情報提供サービス.
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
2022年にrehabilikunblogを開設。急性期・回復期・療養病院、介護施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、PT・OT・STなどの医療従事者に向けて、評価・臨床判断・医療制度に関する情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションなどを中心に活動しています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
制度解説では、公的資料に基づく要件と、臨床現場で確認すべき事項を区別して掲載しています。
次の一手|関連する入院基本料との違いを確認する
専門病院入院基本料と他の入院基本料を比較する際は、まず対象病院・対象患者・病棟機能の違いを整理すると理解しやすくなります。

