ベースアップ評価料の算定見込み回数2026|初診料・再診料等をどう見る?

制度・実務
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算定見込み回数は「区分計算の分母」として先に固定すると迷いません

このページは、ベースアップ評価料における算定見込み回数について、制度の総論ではなく区分計算で使う分母に絞って整理した記事です。検索で知りたいのは「ベースアップ評価料とは何か」よりも、何の回数を数えるのか / 入院と外来で何が違うのか / 初診料・再診料等はどこまで含めるのか / 評価料(Ⅰ)でも必要かであることが多く、そこを先に言語化すると担当者間の確認がかなり進めやすくなります。

公開済みの関連記事が「区分計算の全体像」や「月額賃金総額」を扱うのに対して、本ページは算定見込み回数だけに絞った補助記事を担当します。まずは意味を押さえ、その後に入院・外来で使う回数、再診料等算定回数の中身、訪問診療料の扱い、評価料(Ⅰ)との違い、提出前チェックへ進む流れで読むとズレません。

関連:ベースアップ評価料(Ⅱ)の区分計算 2026|賃金改善算定基礎額・区分決定・注意点

算定見込み回数とは何か

結論からいうと、算定見込み回数は、賃金改善算定基礎額を割って届出区分を決めるための分母です。区分計算では、原資の見込みだけを見ても区分は決まりません。どれだけ算定する見込みかという「分母」が必要になります。

したがって、算定見込み回数は単なる参考値ではなく、区分決定そのものに関わる数字です。まずは自施設が入院中心か、外来・在宅中心かで、どの回数を使うのかを固定しておく方が整理しやすくなります。

算定見込み回数はどこで使うか

算定見込み回数は、ベースアップ評価料(Ⅱ)や入院ベースアップ評価料など、届出時に区分決定が必要な評価料で使います。区分計算では、賃金改善算定基礎額をこの算定見込み回数で割ることで、届け出ることのできる区分が決まります。

逆に、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)など、区分計算を伴わない評価料では、この考え方をそのまま使わない場面があります。したがって、まずは自施設が(Ⅰ)なのか(Ⅱ)なのかを先に確認する方が安全です。

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算定見込み回数が関わる場面
評価料 区分計算 算定見込み回数の考え方
外来・在宅 BU 評価料(Ⅰ) 原則不要 区分決定の分母としては通常使わない
外来・在宅 BU 評価料(Ⅱ) 必要 初診料・再診料等算定回数でみる
入院 BU 評価料 必要 延べ入院患者数でみる

入院と外来で何の回数を見るか

ここがいちばん大事です。区分決定の考え方では、入院では延べ入院患者数外来では初診料・再診料等算定回数を算定見込み回数としてみます。つまり、入院と外来では分母として見る数字そのものが違います。

区分計算で止まりやすいのは、「患者数」を一括りで考えてしまうことです。入院は延べ入院患者数、外来・在宅は初診料・再診料等の算定回数と、回数の単位が違うことを先に押さえておくと、数字の置き方がぶれにくくなります。

算定見込み回数の考え方を入院と外来・在宅で比較した図版
算定見込み回数は、入院では延べ入院患者数、外来・在宅では初診料・再診料等算定回数で整理すると分かりやすくなります。

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入院と外来で使う算定見込み回数の違い
区分 見る回数 実務のポイント
入院 延べ入院患者数 患者数ではなく延べで確認する
外来・在宅 初診料・再診料等算定回数 患者数ではなく算定回数で整理する

初診料・再診料等算定回数に含めるもの

ここはかなり迷いやすい論点です。届出様式の記載例では、再診料等に係る算定回数として、再診料外来診療料短期滞在手術等基本料 1小児科外来診療料の一部外来リハビリテーション診療料外来放射線照射診療料地域包括診療料認知症地域包括診療料小児かかりつけ診療料の一部外来腫瘍化学療法診療料などの合計算定回数を記載するとされています。

つまり、「再診料等」といっても再診料だけではありません。自施設のレセプト実績を見ながら、どの項目を足し上げるかを先に固定しておく方が、見込み回数の根拠を説明しやすくなります。

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初診料・再診料等算定回数で確認したい主な項目
区分 主な項目 実務のポイント
初診料側 初診料、外来で初回算定となる関連項目 初診と再診を分けて見られるか確認する
再診料等側 再診料、外来診療料、外来リハ診療料など 「再診料等」は再診料のみではない
包括系・特定項目 地域包括診療料、認知症地域包括診療料など 記載例の対象項目を見落とさない

訪問診療料の扱い

在宅を含む届出では、訪問診療料の扱いも見落としやすいです。届出様式の記載例では、訪問診療料(同一建物居住者等以外)に係る算定回数として、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の一部在宅がん医療総合診療料(訪問診療を行った場合)などの合計算定回数を確認する考え方が示されています。

したがって、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)を考えるときは、外来だけでなく在宅側の算定回数も一緒に見直す前提で整理しておく方が安全です。

算定見込み回数はどう考えるか

算定見込み回数は、届出時に使う将来の算定見込みとして整理する数字です。したがって、単に直近 1 か月の件数をそのまま置くのではなく、請求実績や直近の動向を踏まえて、自施設として区分決定に使う見込み値を整理する必要があります。

ここで大事なのは、結果だけを出すのではなく、なぜその回数を見込みとして置いたのかを説明できる状態にすることです。区分計算の元データとして残しておくと、あとで見直すときにも戻りにくくなります。

評価料(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い

ここはかなり混同しやすいところです。区分計算が必要なのは、主に評価料(Ⅱ)や入院 BU 評価料で、評価料(Ⅰ)では同じ形で区分計算をしない場面があります。したがって、算定見込み回数の記事を読むときも、「自施設はいまどの評価料を届け出ているか」を最初に確認する方が整理しやすくなります。

言い換えると、算定見込み回数はすべてのベースアップ評価料で同じ重さを持つ数字ではないということです。区分決定が必要な評価料でこそ、特に重要になると押さえると分かりやすいです。

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評価料(Ⅰ)と(Ⅱ)の見方の違い
項目 評価料(Ⅰ) 評価料(Ⅱ)
区分計算 原則不要 必要
算定見込み回数 区分決定の分母としては通常使わない 区分決定の分母として使う
実務の詰まりどころ 対象評価料の確認 分母の置き方

現場の詰まりどころ|ここで止まりやすい 4 点

現場で多いのは、患者数と算定回数を混同する入院と外来で同じ数字を見てしまう再診料等の対象項目を狭く取りすぎる見込み回数の根拠を残していないの 4 つです。制度の理解不足というより、分母の定義と集計範囲が曖昧なことが原因になりやすいです。

算定見込み回数は、区分計算の結果そのものではなく、その前提になる数字です。だからこそ、何を数えたかだけでなく、なぜその回数を置いたかまで残しておく方が、届出後の確認でも戻りにくくなります。

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よくある詰まりどころと直し方
詰まりどころ なぜ危ないか 先に決めること
患者数と算定回数を混同する 分母の置き方がずれる 入院は延べ、外来は算定回数と分けて考える
入院と外来で同じ数字を見る 区分計算がぶれる 自施設の評価料区分を最初に固定する
対象項目を狭く取りすぎる 見込み回数が実態より小さくなる 再診料等に含める項目を先に一覧化する
根拠を残していない 後で説明できない 請求実績や見込み資料の出所を残す

届出前チェックリスト

届出前は、細かい文章よりも順番が大事です。まずは対象評価料の確認何の回数を見るかの固定対象項目の整理見込み回数の整理根拠資料の保存の順で見ると、チェック漏れを減らしやすいです。

とくに、算定見込み回数は区分計算の分母になるため、結果だけでなく、算定項目の範囲や見込みの置き方まで一緒に残しておく方が安全です。

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算定見込み回数の最終チェック
順番 確認項目 見るポイント
1 対象評価料を確認 (Ⅰ)か(Ⅱ)かを固定したか
2 使う回数を決める 入院は延べ入院患者数、外来は初診料・再診料等算定回数か
3 対象項目を整理 再診料等に含める項目を確認したか
4 見込み回数を整理 請求実績等をもとに説明できる数字か
5 根拠を残す 出所資料を保存したか

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

算定見込み回数とは何ですか?

賃金改善算定基礎額を割って届出区分を決めるための分母です。区分計算の前提になる数字と考えると整理しやすいです。

入院では何を見ますか?

入院では延べ入院患者数を見る整理です。単純な患者数ではなく、延べで確認する点が重要です。

外来では何を見ますか?

外来では初診料・再診料等算定回数を見る整理です。患者数ではなく、算定回数ベースで考える方がズレにくくなります。

再診料等には何が入りますか?

再診料だけでなく、外来診療料、外来リハビリテーション診療料、地域包括診療料など、届出様式の記載例で示された対象項目の合計算定回数をみます。

評価料(Ⅰ)でも必要ですか?

区分決定の分母としては、主に評価料(Ⅱ)や入院 BU 評価料で重要になる考え方です。まずは自施設がどの評価料を届け出るかを確認する方が安全です。

次の一手

まずは、入院か外来かで何の回数を分母に使うかを院内で固定してください。そのうえで、請求実績や見込み資料をそろえると、区分計算の分母がかなり安定します。

続けて読むなら、ベースアップ評価料(Ⅱ)の区分計算 2026|賃金改善算定基礎額・区分決定・注意点と、ベースアップ評価料の月額賃金総額とは 2026|含める範囲・含めない範囲・注意点をあわせて確認すると整理しやすくなります。


参考文献

  1. 厚生労働省. 令和 8 年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001669200.pdf
  2. 厚生労働省. ベースアップ評価料等について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
  3. 四国厚生支局. ベースアップ評価料の届出様式と賃金改善計画書の記載例. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/shikoku/000395153.pdf

著者情報

rehabilikun のプロフィール画像

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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