心臓リハビリテーション指導士 2026|最短で「受験可否」と手順を確定する
心臓リハビリテーション指導士は、「循環器リハの運用」をチームで回すための共通言語になりやすい資格です。いちばん大事なのは勉強より先に、① 2026 年に受験できるか(会員歴・実地経験・研修制度)と、② 症例報告 10 例と書類を “詰まらず” に揃える運用を確定することです。
本記事は、PT・OT・ST が「手順だけで迷わない」ことに特化し、試験日程(確定情報)→ 逆算 → 受験資格 → 症例報告 → 出願 → 講習会 → 勉強の順にまとめます。日程・要件は年度で更新されるため、最終確認は必ず公式情報で行ってください。
同ジャンルの全体像から、最短で実務に接続する
心不全リハ実務ハブ(評価 → 運動処方 → 再評価)
サブ:症状 × ADL 評価( NYHA・ mMRC・ SAS・ 6 MWT )
サブ:エルゴメーターの負荷設定( W )と記録
このクラスターの最短ルート:全体像(親)→ 研修・受験ルート → 症例 10 例 → 例題で仕上げる、の順が安定します。
2026 年の試験日程(確定)と、逆算で詰まらない全体像
公式情報では、講習会 1 部・ 2 部:2026 年 7 月 5 日(日)オンライン、試験:2026 年 7 月 20 日(月・祝)幕張メッセ(現地のみ)と告知されています。まずはここを起点に、出願・症例・書類を逆算します。
出願期間や細かな提出要件は募集要項で更新されます。「締切の確定」→「必要書類の洗い出し」→「症例報告の完成順」の順に決めると、徹夜や不備が減ります。
| 時期 | やること(最小セット) | 詰まりやすい点 | 回避のコツ |
|---|---|---|---|
| 今すぐ | 受験可否(会員歴・実地経験 or 研修制度)を確定 | 会員歴が足りない | “受験年度” を先に確定し、足りない期間は運用強化に充てる |
| 出願の 2 〜 4 か月前 | 症例報告 10 例を “候補 → 下書き → 清書” で回し始める | 症例が足りない/後から情報が拾えない | 候補リスト化( ID・疾患・介入要点・アウトカム )を先に作る |
| 出願期(募集要項で確定) | 書類一式の作成・押印・提出(不備ゼロ) | 推薦状・押印・添付の漏れ | チェックリストで “提出物” を固定し、提出は締切の数日前 |
| 2026/7/5 | 講習会 1 部・ 2 部(オンライン) | 受講だけで終わる | 強調テーマを “要点メモ 1 枚” にして勉強に接続 |
| 2026/7/20 | 試験(幕張メッセ・現地のみ) | 直前の詰め込み | 例題/想定問題でアウトプット比率を上げる |
手順 1|受験資格を 10 秒で自己判定する( YES / NO )
最初にやることは「勉強」ではなく、受験できるかの確定です。ここが曖昧だと、症例や書類を進めても “年度がずれて” やり直しになります。公式の要件は年度で更新されるため、最終確認は必ず募集要項で行ってください。
下の表は、PT・OT・ST が詰まりやすいポイントを中心に “最小限” に整理したものです。YES が揃えば、次は症例報告と書類の運用に進みます。
| チェック | YES の目安 | NO の場合 | 次にやること |
|---|---|---|---|
| 会員歴 | 基準日までに正会員歴が条件を満たす | 年数が足りない | 受験年度を確定し、症例・運用・学会参加を積む |
| 実地経験 | 心リハの実地経験が条件を満たす | 自施設で症例が少ない | 研修制度ルート(協力施設)を検討 |
| 研修制度 | 必要条件を満たして受験資格認定が取れる | 研修枠が埋まる | 早めに募集・締切を確認し、年度計画に組み込む |
| 講習会 | 当該年度の講習会 1 部・ 2 部を受講できる | 勤務調整が難しい | 日程確定後に最優先で調整(今年は 7/5 ) |
| 症例報告 | 10 例を所定様式で提出できる | 締切前に集まらない | 候補管理+月 1 例で “先に作る” |
手順 2|実地経験 1 年 vs 研修制度ルート:どちらで通すかを先に決める
自施設で心大血管リハの算定体制があり、カンファ・運動療法・モニタリングに継続的に関われるなら、実地経験ルートは通しやすいです。ただし、後から症例報告に落とすために、「どの期間に、何を担当し、何を判断したか」が残る運用が必要です。
一方、自施設で症例が少ない・体制がない場合は、研修制度ルートが現実的です。研修先の募集や締切があるため、“受験したい年度から逆算して 1 年前”の行動計画を先に作ると詰まりません。
具体の整理は、別記事にまとめています:受験ルート(実地経験/研修制度)を 1 枚で整理
手順 3|症例報告 10 例:集め方を「運用」に落として徹夜を消す
症例報告 10 例で詰まる理由は、書く力よりも「情報が揃う前に退院してしまう」「後から拾えない」ことです。最初に “候補管理” を作り、月 1 例ペースで下書きを積むだけで負担が激減します。
おすすめは、症例ごとに ① 背景 → ② 評価 → ③ 介入 → ④ 経過 → ⑤ アウトカム → ⑥ 考察 の順に固定することです。構成が揃うと 10 例でも迷いません。
| 項目 | 書く内容(短く) | 例 |
|---|---|---|
| 症例 ID | 院内で追える識別子 | ____ |
| 主疾患 | 心不全/虚血性心疾患/術後 など | ____ |
| リスク | 中止基準に関わる所見 | 血圧・症状・不整脈など |
| 介入の核 | 負荷設定と根拠 | RPE・ HR・運動時間 |
| アウトカム | 何がどれだけ変化したか | 6 MWT・ ADL・再入院 |
| 学び | 次に再現できる要点 | 負荷調整の判断 |
症例の “運用” を先に固めたい場合は、別記事でテンプレ化しています:症例報告 10 例を “候補管理 → 下書き” で回す手順
関連:心不全の「症状 × ADL」を揃える実務は NYHA の使い方 と SAS 分類 を先に押さえると、症例の言語化が速くなります。
手順 4|出願〜講習会〜試験勉強:チェックリストで “不備ゼロ” を作る
出願で落ちる原因は、能力ではなく書類不備がほとんどです。締切直前に作るほど事故が増えるので、まずは提出物をリスト化し、押印・添付・提出方法まで含めて “やる順番” を固定します。
勉強は、講習会を受けてから加速させると効率的です。まずはテキストと講習会資料を通読し、次にガイドラインの重要項目を押さえ、最後に例題や想定問題でアウトプット比率を上げます。
| チェック | やること | ミス例 | 回避 |
|---|---|---|---|
| 様式 | 最新版の書類様式を使用 | 旧年度の様式で作成 | 公式ページから当年度分を再 DL |
| 推薦状 | 署名・押印・日付 | 押印漏れ | 提出前日に “最終確認だけ” を行う日を作る |
| 症例 | 10 例が所定要件を満たす | 疾患の偏り | 候補リストで早めに分散を意識 |
| 添付 | 免許証写し等を規定どおり添付 | 不足・不鮮明 | PDF 化して “提出セット” を保管 |
| 提出 | 指定方法で期日までに必着 | 締切当日投函 | 締切の数日前に提出する |
アウトプットを最短で回すページ:例題・想定問題(時間配分で仕上げる)
現場の詰まりどころ(先に潰す)
詰まりやすいのは、会員歴の不足と症例報告の遅れです。どちらも、手順の前倒しでほぼ解決できます。
特に症例は「書けない」より「拾えない」で詰まります。候補管理を先に作り、月 1 で下書きを積むだけで、出願前の負担が別物になります。
- ページ内:よくある失敗(詰まりの原因)
- ページ内:回避の手順(チェック)
- 同ジャンルの内部リンク:負荷設定( W )と記録の型
よくある失敗(ここで 1 年延びる)
- 会員歴の条件を満たさないまま、症例だけ先に集めてしまう
- 症例報告を “締切直前に 10 例まとめて” 書こうとして破綻する
- 推薦状・押印・添付書類の確認が最後になり、不備で差し戻される
- 講習会を受けて満足し、アウトプット(例題)に移れない
回避の手順(最小チェック)
- 今年受験できるか(会員歴・実地経験/研修制度)を確定
- 症例候補 12 〜 15 例を先に確保(落ちる分を見込む)
- 月 1 で下書きを作り、出願前に “清書だけ” にする
- 提出セット(様式・添付・押印)を 1 フォルダに固定
- 講習会後は “例題/想定問題” に時間を寄せる
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. 2026 年の試験日と講習会日はいつですか?
A. 公式情報では、講習会 1 部・ 2 部は 2026 年 7 月 5 日(日)オンライン、試験は 2026 年 7 月 20 日(月・祝)幕張メッセ(現地のみ)です。最新情報は必ず公式ページで確認してください。
Q2. 会員歴が足りない場合、何を優先すべきですか?
A. 受験年度を先に確定し、足りない期間は「症例の質を上げる運用」「循環器リハの共通言語( NYHA・ SAS・ RPE )の整備」「学会・研修参加の計画」に使う方が、結果的に強いです。
Q3. 症例報告 10 例が集まりません。現実的な対策は?
A. 候補を “最初から 10 例ちょうど” にしないことです。12 〜 15 例を候補化し、月 1 で下書きを積む運用にすると、年度末にまとめて詰みません。自施設で症例が少ない場合は研修制度ルートも早めに検討します。
Q4. 勉強はいつから始めるのが効率的ですか?
A. まずは受験可否と症例・書類運用を確定し、講習会で強調されたテーマを “要点メモ 1 枚” にしてから、例題・想定問題でアウトプットを増やすのが効率的です。
Q5. 研修制度ルートの注意点は?
A. 研修先の募集・定員・締切があることが多い点です。受験年度から逆算して、早めに公式情報を確認し、勤務調整も含めて計画に組み込むと詰まりません。
次の一手(行動)
まずは「今年受験できるか」を確定し、次に “症例と書類の運用” を固定すると、準備が一気にラクになります。臨床での接続まで含めて、次の順で整えるのがおすすめです。
- 運用を整える:心不全リハ実務ハブ(判断の順番を固定)
- 共有の型を作る:症状 × ADL 評価( NYHA・ mMRC・ SAS・ 6 MWT )
- アウトプットへ:例題・想定問題(時間配分で仕上げる)
教育体制・人員・記録文化など “環境要因” を一度見える化すると、次の打ち手が決めやすくなります。
チェック後に「続ける/変える」の選択肢も整理したい方は、PT キャリアナビで進め方を確認しておくと迷いが減ります。
参考文献
- 日本心臓リハビリテーション学会(JACR). 心臓リハビリテーション指導士試験について(閲覧日:2026-02-27)
- 日本心臓リハビリテーション学会(JACR). 心臓リハビリテーション指導士試験募集要項を更新しました(閲覧日:2026-02-27)
- Visseren FLJ, et al. 2021 ESC Guidelines on cardiovascular disease prevention in clinical practice. Eur Heart J. 2021;42:3227-3337. doi: 10.1093/eurheartj/ehab484
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


